私たちと一緒に考えよう!あら、このロボットは?
ロボット「……。」
このロボット、記憶力はすごいけれど、人間のことをよく知らなくて…。
一緒に歴史を学べば、わかるようになるかも!
ロボット「ヨロシク お願いします。」
あなたも、私たちの問いかけや、ロボットの発言に答えてね。
概要
浜島書店から発行されている中学の歴史資料集『学び考える歴史』に登場するキャラクター。
公式では名前や型番等の固有名詞は設定されておらず、単に一般名詞で「ロボット」と呼称されている。
言動
書籍内では史実上の出来事に対して、当時の時代背景や宗教観を無視した「事後諸葛亮」的な感想、人々の心情を無視した合理性に偏った結論、物事の順序を踏まえない短絡的な疑問など、突っ込みどころ満載の発言を連発している。
特に、江戸時代のキリシタン弾圧に使われた踏み絵の写真に対し「踏めば助かるのに…。」というロボットらしい酷薄な発言をしているページがネット上に流布したことから注目を浴び、話題となった。
外観
円筒の胴体に直結した半球型の頭部があり、そこから短い手足が生えた構成。
胴体に「?」マークが刻まれその上には3色のランプのような発光体が備わっている。
頭頂部には電球のような発光体があり、目のような黒い円形の部品と口のような四角い部品が顔のように配置されている。
ただし、こうした「円筒形」や「半球」は解釈の一つで(公式イラストが正面から見た姿しかないため)真横から見ると違う形(カマボコ型など)という可能性もある。
このキャラクターの存在意義
この資料集は「学び考える」のタイトル通り、様々なキャラクターが問いかける形式を取っている。
冒頭で「あなたも、私たちの問いかけや、ロボットの発言に答えてね」と書かれている通り、このような目先の情報や表層的な知識、現代の価値観に基づいた言わば浅はかなコメントに対し、授業で学んだ時代背景や価値観をもとに反論したり意見を述べたりすることでより深い考察や学びを得ることを促すという、反面教師的な役割を担っていると思われる。
- 公式の商品情報によれば、フキダシの色が学習段階を意味しており、ピンクが「確認・読み取る発問」黄色が「まとめる・広げる発問」青色が「思考を深め,真の理解を導く発問」となっている。
- ロボットのフキダシは基本的に青色であり「記憶力はすごいが人間のことをよく知らない」と設定されている通り、歴史を丸暗記した読者(中学生)の目線に立ったキャラクターと言える。
- 似たような存在として中世ヨーロッパの王族が抱えていた宮廷道化師が挙げられる。
ネットミームとして
- 2022~2023年にかけては既にネット上に上述のキリシタン弾圧のページ画像が転載されており、ボケて(bokete)やX(旧Twitter)上でネタにされていたが、2024年5月頃にX上でバズった影響のためか、このロボットが史実の出来事のみならず他の創作物等含む、様々な事象に対して空気を読まずに無神経なコメントを入れる大喜利ネタがミーム化した(→ロボカス構文)。
- このような経緯で注目を浴びた結果メルカリやその他通販サイトなどではこのロボットが掲載されている歴史資料集の売り切れが続出した。出版社もまさかこんな形で話題になるとは思っていなかっただろう…。
- 上述の通り、原典での一連のアレなコメントは教科書出版社の編集部の意向で「言わされている」ものであるが、SNS等での二次創作上では自我を確立しており自己の意識に基づいてもっとアレな発言をしているという、似て非なるキャラ付けが行われるパターンが見受けられる。
- このパターンでは他のミーム、主に「吹き出しの内容を変えるだけで簡単に改変できるミームだが存在意義は真逆」な好きな惣菜発表ドラゴンと組み合わされる例も多い。ドラゴンの発表した好きなものにロボットが突っ込みを入れたり、逆にロボットがそれを肯定したり、時には敵を同じくして共闘したりとバリエーションも様々。
- また旧来の『ロボット』像に基づいた冷徹なキャラとしての解釈や、愚直さや悲哀を描くものも。
問題発言の数々
古代
- オリンピアの競技会→「裸で走るなんて!」
- ナイル川を利用した古代エジプトの農業→「川の近くで農業をしたら、流されてしまうよ!」
- 漢委奴国王印→「中国に行ってまでして、印が欲しかったの?」
- 猿人とチンパンジーの祖先が共通→「チンパンジーもヒトになれるの?」
- 遣唐使→「遭難のおそれがあるのに派遣するの?」
戦国時代~江戸時代
- 豊臣秀吉の黄金の茶室→「金をこんなに使って、もったいない!」
- 元禄赤穂事件→「殺人はよくないです。」
- 享保の改革でさつまいも栽培→「稲の栽培ではダメなの?」
- ノルマントン号事件→「日本人が裁けばいいのに。」
- 江戸時代の農民→「百姓って気楽なの?」
近現代
- 三国干渉→「三国干渉は断ればいいのに。」
- ハイパーインフレ→「お金がたくさんあって、うらやましい。」
- 赤紙→「受け取りって断れないのかな?」
- 闇市→「もっと安い店で買えばいいのに。」
- 日米貿易摩擦→「日本が黒字ならいいのでは?」
- 明治政府の地租改正→「税率は、たったの3%?」
- プロイセンを参考にした伊藤博文→「イギリスのような進んだ国を参考にすればいいのに。」
- GHQの指示による墨ぬり教科書→「読めなくなるけど、いいの?」
読者(ツイッタラー)からの通称一覧
- 感想つぶやくロボット
- 教科書ロボット
- 踏めば助かるのにロボ
- ノンデリロボ
- ロボカス
- 鬼畜ロボ
- 畜生ロボ
- クソロボット
- 人の心がないロボットくん
現状では「ロボカス」と呼ばれることが比較的多い。
誤用
このロボットを「確かにそうだけどそういうことじゃないんだよ」という意味での使用をしていなかったり、語録すら使われずただの吹き出しかのように扱われているアカウントも稀に存在している。
そういった使用はそれこそ「ロボットを使わずに自分で言えばいいのに…」と言われかねないので、なるべく控えよう。
関連イラスト
関連タグ
人の心とかないんか?→「ロボットにあるわけがないのに…。」
- 「パンがなければお菓子を食べればいいじゃない」→薄情な言葉として連想できる。しかもこのロボットは歴史の教科書のロボットなので言わせるのにぴったり(メイン画像はまさにこれ)。
- ヒンメルはもういないじゃない。→ロボと同じく人の心を理解できない種族が発したセリフ。またロボットの動機から「私はエルフだから人間の事がよくわからなくて、"人間を知る"ために旅をしているんだ。」を連想したファンもいる。