概要
山田鐘人原作・アベツカサ作画の漫画『葬送のフリーレン』の単行本第3巻所収の第18話「不死の軍勢」(アニメでは第9話「断頭台のアウラ」)で、魔族幹部で七崩賢の一人である断頭台のアウラが、同作の主人公フリーレンとの戦いに於いて、彼女がかつてそのパーティーリーダーである勇者ヒンメルに叱られたことを理由に、以前アウラと戦った際のものと異なる回りくどい戦術をしたことに疑問を呈して言った台詞。
アウラの最も有名であろうと思われる発言で、アウラ構文の台詞の一つ。
末尾に句点があるのは同作掲載誌をはじめとする小学館の雑誌掲載作品の仕様である。
アニメの英語版の吹き替えでは「Because Himmel is rotten in the ground.」となっており、直訳するのであれば「ヒンメルは腐敗して土の下。」となっている(漫画版では「Because Himmel is long gone.」となっており、訳としては日本語版ほぼそのまま)。
経緯
勇者ヒンメルの死から28年後、グラナト伯爵領にてアウラはフリーレンと80年ぶりに対峙した。以前は不死の軍勢を派手に吹き飛ばしていたフリーレンが打って変わっていちいち個体ごとに除霊する回りくどい戦術を採ったことから理由を尋ねたところ「後でヒンメルに怒られたんだよ。」と答えたフリーレンに対して、こう投げかけた。
「 ヒンメルはもういないじゃない。 」
アウラからすれば「どうしてもう死んだ人の言葉をいつまでも気にしてるの?」という純粋な疑問から出たものであったが、他者とのつながりと思い出を慮る種族からすれば到底受け入れられない発言である。この論法では人の言葉はその人が死んだ途端に無効になると言ってるようなもので、思い出の中に生きる他者、遺言などもある人間の文化を真に理解していない言葉である。
フリーレンもこれを受けて「そうか。よかった。やっぱりお前達魔族は化け物だ。容赦なく殺せる。 」と魔族と他種族が決して相容れない存在であり、完膚なきまでに滅ぼすことを改めて決意し、読者にも大きな印象を与えた。
アウラとの戦いの後、前述の答えたフリーレンに対してシュタルクとフェルンはこうリアクションしている。
「 そりゃあそうだろうな、怒られて当然だ、俺だって怒る 」
「 ヒンメル様はフリーレン様の躾が上手ですね 」
それに対してフリーレンは「これが普通のリアクションだ」と発言しており、魔族との対比と言える。
pixivでは
句点のない「ヒンメルはもういないじゃない」でいくつかの作品が投稿されているが、本来の表記であるこのタグでは記事作成時点(2024年5月17日)で存在していなかった。
余談
ちなみに漫画やアニメで本編を知るまでは嘲る様に指摘する煽り文句であると誤解した読者・視聴者もいた模様。
別名・表記ゆれ
関連タグ
アウラ、自害しろ。:アウラ構文のもう一つの台詞で、この台詞が招いたアウラの最期という災厄。これも小学館の雑誌掲載作品の仕様から句読点を含んでいる。
ロボット(学び考える歴史):2024年5月下旬のネットミーム。このキャラクターの発言内容が天然で人の心をえぐるものであることからこの発言を想起する者も出ている。