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麻雀漫画『アカギ〜闇に降り立った天才〜』において主人公のアカギが発したセリフの一つ。


概説編集

セリフの登場話は第1話「変化」

『アカギ』という漫画において、アカギが最初に言い放った第一声である。


状況編集

ヤクザに多額の借金をした男「南郷」は、賭け麻雀に勝てば借金は帳消し、負ければ生命保険で支払い(≒死んで保険金で返済)という、まさに崖っぷちに立たされていた。

しかし死を恐れるあまり強気の勝負に出られない南郷は、ズルズルと負けを重ね、ここで大きな役を出さなければ敗北を覆せない局面まで追い詰められてしまう。


そんな南郷のいる雀荘に、ずぶ濡れの少年が闖入してくる。

突然の来訪者に動揺する一同だったが、追い詰められた場の雰囲気を変えたかった南郷は、とっさに「自分が事前に呼んでいた」と藁にもすがる思いでうそぶき、見ず知らずの少年を自分の後ろのベンチに座らせた。

おかげで空気は白け、ほんの少し勝負の熱が引き、それが功を奏したか勝負も最終局面、南郷にこれまでにない絶好のチャンスが訪れるが、同時に切るべき牌が対面の危険牌濃厚、放銃に繋がる危険もあると考え、安手になってしまうが現物切りという無難な手に逃げようとする。

その時――


「死ねば助かるのに………」


後ろにいた少年の一言に、南郷は手を止めて問いただす。


「…………お前……麻雀がわかるのか……?」


「いや…全然… ただ…今気配が死んでいた……… 背中に勝とうという強さがない ただ助かろうとしている 博打で負けの込んだ人間が最後に陥る思考回路……… あんたはただ怯えている」


この一言を聞いた南郷はどうせこのままずるずる微かな安全を拾おうとしたって死ぬのだからと弱気になった自分を捨て去り、今目の前のチャンスのために一か八かの勝負に打って出る。

結果、見事に自分の手は通り、最後に逆転勝利を掴んでなんとかこの一局、自分の命をつなぐことに成功した。(ちなみに下家がダマテンであり、現物を切っていたら振り込んでいた。)


「ぼうず 齢は…?」

「……13……」

「へー…… 見えねえな 名前は?」

「……赤木… 赤木しげる…」


あの夜もブレーキを踏まないから助かった…編集

第13話「狂気」にて、代打ちの赤木による倍プッシュの果てにヤクザの本家とやり合う羽目になった南郷は、賭け金はせめて勝った分だけにしてくれと懇願するも、「敵は自分たちの死を恐れぬ狂気に怯えているのだから賭け金を下げて相手を立ち直らせてはならない」と述べる。

しかしそれは当然崖に身投げするも同然の狂気、そんな気は持てないと弱腰の南郷に対し、アカギは「南郷さんだって持てる、というか事実一度身投げしている」と語りこの時の発言の真意を語りだした。



雀荘を訪れる前、アカギは対抗するチンピラ連中とのチキンレースに挑んでいた。

一見公平に見える勝負だが、相手が経験上ブレーキポイントを熟知している事、右側の車を選んで右ハンドルの運転席からの脱出ルートを確保している事、左側の車に並走して左側の車は脱出ルートを塞いで同じ手が使えない事など、あらゆる条件がアカギにとって不利であった。


アカギが勝利するには、チキンレースが成立している前提である「死にたくないという意識」を覆すしかなかった。

アカギは一切ブレーキを踏まず、当然乗った車は一切減速せず、断崖から勢いよく飛び出した。


実はこの辺りの海域はある程度行くと急激に深くなっており、それ故に車が勢いよく飛び出しても、否、勢いよく飛び出せば、車自体がクッションになり、十分泳いで逃げられる程度のダメージしか受けないのだ。


相手はブレーキを踏まないアカギに気を取られ、減速するタイミングを見失った挙句にビビって半端にブレーキを踏んでしまい、崖から転げ落ち、何度も崖に叩きつけられて生涯自分の足で歩けなくなる程の重傷を負った。

対してアカギは大ジャンプして深い海に飛び込んだおかげで、車は勢いよく着水したにもかかわらず海底に届かず、ほぼ無傷で生還したのである。



このことを語り、あの日南郷が切った一牌は(後にアカギが思い返すに)竜崎に最高にヤバい牌、通る目が薄い牌だったが南郷は通した、否、通せた


だから南郷さん、自分を捨てちゃいなよ、あと一晩だけ…


意味編集

響きからネガティヴな感じを受けるが、実際は上記のように「負けて死ぬことを恐れていては勝機は無い。目の前の勝機を見逃してまで助かろうと必死になるくらいなら、どうせ負けたら死ぬのだから目の前の勝機に全力で手を伸ばせ。」という意味合いである。


二次創作では編集

ただ、pixivでは「諦めて死んじゃえば楽になれるのに」的な意味合いで用いられている事もある。


関連タグ編集

アカギ〜闇に降り立った天才〜

麻雀 台詞 名台詞

赤木しげる 南郷

踏めば助かるのに:かなり語感が似ているが、「そのくだらない拘りを捨てれば命だけは助かるのに」という、どちらかという悪役の言う様なニュアンスの言葉であり、その言葉の指す意味は大きく違う。

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