概要
2024年にフランス・パリで100年ぶり3度目の開催となる第33回夏季オリンピック競技大会。
2028年開催都市と同時に第131次国際オリンピック委員会総会で決定された。2024年大会で最終的に立候補したのはパリとアメリカ合衆国・ロサンゼルスの2都市。ロサンゼルスが2028年大会となり、パリが2024年開催となった。
追加種目として前回に引き続きスケートボード・スポーツクライミング・サーフィンに加え、新たにブレイキンが加えられた。
東京オリンピック(2020年)の次の大会であるため、東京オリンピックの閉会式でパリオリンピックのパフォーマンスが行われた。モニター越しにパリ現地の映像を中継、エマニュエル・マクロン大統領がエッフェル塔の頂上で歓迎する映像が映し出された。
街をそのまま会場として使うことがコンセプトの一つであり、「コンコルド広場で3×3バスケットボール」「ベルサイユ宮殿で馬術」「シャンゼリゼ通りで自転車ロードレース」「セーヌ川でトライアスロン」などが行われた。
一部競技は遠隔地で行われ、サーフィンはフランスの海外領土であるタヒチで開催された。
なお、今大会はウクライナ侵攻を引き起こしたロシア及びベラルーシの参加を認めておらず、両国の選手は政府や軍との関係が認められない人物のみを「個人の中立選手(AIN)」という立場で出場を許可している。それでも尚、開会式に参加できないなど大きな制約を課している。
一方、パレスチナ問題が未解決のままハマスへの報復目的の軍事攻撃を続けているイスラエルは特に制約も無く出場しており、「ダブルスタンダードではないか」「明確な基準を示せ」という批判の声も上がっているが、ロシアは加害者なのに対しイスラエルは被害者のため、両国を同列に扱うのは無理がある。(なおハマスへの報復に巻き込まれて死んだ民間人)
その影響で、反イスラエル派によるイスラエルの選手の個人情報流出やその個人情報を利用した選手への脅迫メールといった被害も発生している。
一方で中国や北朝鮮、イラン等のような世界平和を脅かしている国は普通に出場できているため、上記の批判の声も一理ある。
問題点
開催前
時間的余裕が幾分あるとは言え、中国ウイルスの感染拡大を大会までに抑え込めるかが大きな問題として立ちはだかっていた。
「衛生パス」などの導入でコロナワクチン推進を強力に推し進めてはいたものの「お上の言うことを聞きたくない」という気質が強く何かとデモを起こすフランス人の間では反発もあり反ワクチンデモが頻発していた。
加えてトコジラミやデング熱も流行していたが、それらも対応の遅れが指摘されていた。
そもそもパリは伝統的に衛生面に難があると指摘され続けてきた都市であり、そんな環境がどこまで耐えられるか懸念された。
これも近年のオリンピックでは恒例になってしまっているが、環境汚染の問題も指摘されており、特にセーヌ川には「道頓堀川の10倍の大腸菌がいる」と言われている。
パリ市長が開会前に泳いでみせるパフォーマンスを行ったものの水質改善は間に合わずトライアスロンの試泳は中止となっている。
また、リオに続き治安の問題が解決できるかも課題となっていた。
かつては花の都と呼ばれたパリも今は移民の流入によって治安が悪化し、市街地では以前から観光客を狙ったひったくりが多発しており、地区によっては強盗や麻薬も蔓延している。そこまで酷くはなくとも、余所者に対する「いけず」な態度やゴミを平気でポイ捨てするといった軽犯罪は日常茶飯事であり、外国人が幻滅して帰ってゆく「パリ症候群」が社会問題になっていた。(よそ者に冷たいのは移民による暴動が発生したことで外国人を警戒せざるを得ない状況だからであり、一概に非難できるものではない)
どこまで民度を向上させ、ホストらしく振る舞えるかが問われている。
近年のオリンピックでは恒例となりつつある、税金の無駄遣いや市民生活への皺寄せを懸念した反対運動も当然あった。
自身の命がかかるコロナ対策ですら一筋縄では受け入れなかったフランス人である。盛り上がらないわけがなく、中には「外国人」自体に敵意を向ける者さえいて決して一枚岩ではない。
「排外主義」という点では、増加の一途を辿る移民との軋轢に端を発した自己防衛な動機もそこに重なってくる。
イスラエルのような政治的動機以外にも、選手への脅迫やネガキャン、あるいは盗撮といったハラスメントは増加傾向にあり(後述)、観客側の民度も問われている。
国の内外、また官民を問わず様々な関係者からそうした行為への警鐘が鳴らされており、日本でもいくつか目にしたことがあるだろう。
開会直前にはウクライナ侵攻に関連してロシアの工作員がテロ準備をしていたとして逮捕されるなど、テロ対策でも油断のならない状況になっていた。
開会式当日にもTGVの線路に破壊工作が行われ、上記の反対運動との関わりが見られた極左活動家が逮捕されている(これにより電車移動を予定していた日本女子バスケットボール代表は開会式に間に合わなかった)。
政治的にも、直前にあった選挙の結果を巡って極左vs中道vs極右という三つ巴の争いが繰り広げられており、まさに内憂外患という状況にあった。
残念ながら、これらの課題を解決できないまま本番を迎えてしまったと言わざるを得ない。
環境問題
セーヌ川自体の浄化はそれなりに進展していたものの、流域全体まで及んでいないとの懸念が依然として残り続けた。
そしてそれは的中してしまった。
開会式より降り続いた雨は未浄化の汚水をセーヌ川に流入させ、安全を担保できないとしてトライアスロンは現地練習が中止、試合も延期、練習なしのぶっつけ本番となった。延期された試合でも体調不良者を出している。因果関係は不明としつつも、10回も嘔吐した選手がいたという報道(参考)も出ており、不安が広がっている。
あまりの汚さに、水質汚染で有名なインド勢が入水を躊躇したほどである。
ただ、ガンジス川の汚染などはセーヌ川の更に10倍深刻とされるので、単純にインドよりも汚いという話ではない点には留意が必要である。あくまで「そのような環境を知り尽くしているからこそ、『正気か』と感じられた」という話である。
なお、対策としてヤクルトを飲んだと語るベルギーのヨリーン・フェルマイレン選手の姿が(その程度で防げる汚染なのかというツッコミを含めて)バズり、日本では同社の株価まで上がるという謎のバタフライ効果も発生した(参考)。
ちなみに、トライアスロンは自転車セクションでも雨の除水が不十分で転倒者を続出させるトラブルを起こしている。
そして、ついにベルギーのクレア・ミシェル選手が大腸菌感染症と思われる症状で入院し、代替選手がいないことから後に控えていたトライアスロン混合の棄権に追い込まれている(参考)。
男子個人のスイス代表、アドリアン・ブリフォード選手も胃炎を発症。その他にも数人の体調不良選手が出たと報じられている。ドブネズミの尿に由来する「レプトスピラ症」の可能性も指摘されている(参考)。
実のところ、フランスにも清浄な水はいくらでもあった。にもかかわらずこんなところを開催地にしてしまったのは、セーヌ川が「美しいパリの象徴」だったからに他ならない。
まして今回のキーワードは「環境」であり、ならば名実共に「美しい」状態に保とうとするのが一般的な感覚と思われるが、実際には半端な作業とイメージ戦略にかまけて皺寄せは平気で選手に被せるという醜態を世界に晒すのみであった。
この構図は他の多くの問題にも通底しており、かえって物質・精神両面での「汚さの象徴」として揶揄されていくこととなった。
衛生問題
COVID-19を始めとして、病気の検査や体調不良時の対応は各チームの判断に任せることとされた。自主性を重んじると言えば聞こえはいいが、要は体の良い丸投げである。
案の定、水泳選手を皮切りに次々に感染者が続出。他競技にも伝播し「明らかに発症し、ウイルスを撒き散らしている期間」であるのに試合に出していると思われるケースも続出した。
しかし、表向きは問題無いとされたためマスクすら着用していない関係者が多数を占め、感染症対策は事実上の完全放棄であった。
陸上男子100メートルアメリカ代表のノア・ライルズ選手は競技終了後倒れて車椅子で搬送されていたが、これがCOVID-19の症状であったことが後日発覚、発症中に走って銅メダルを獲得した化け物じみた体力ではあったものの、感染を隠して出場したことで母国でも炎上している。
他の呼吸器感染症の蔓延疑惑も囁かれたものの、このような状態なので実態は闇の中である。
治安問題
選手やメディア関係者を狙った盗難事案も頻発しており、日本選手団にも盗難被害があった。
警備体制自体も二転三転しており、スタッフに紛れ込んでいる犯人を炙り出すための作戦かと思いきや、誰も正しい手順を把握していないだけというコントみたいな話すら報告されている。
設備問題
環境に配慮するという建前で、選手村にエアコンを設置せず、床暖房の冷房版と言うべき水冷システムを導入していた。
しかし、これが全くと言っていいほど機能しておらず「暑くて眠れない」という不満が噴出。自腹や国家予算でスポットエアコンを持ち込むチームが続出するという本末転倒な事態となった。
もちろん全てのチームが迅速に用意できたわけでもなく、国別の資金の差が露呈することとなり、「パフォーマンスに関わる」「難民選手団にそんな余裕があるとでも?」と批判が上がっている。
何故かカーテンが無かったことも、一層暑苦しさを増大させた。
しかも、これによって女子選手の着替えにも支障が出ているため、窓にタオルを貼り付けて対応している選手もいる。暑さと騒音に耐えきれず屋外で寝る選手、ホテルに移動する選手も続出している。
日本選手団からも「ダニに噛まれた」という声が出ているが、さりとて外出中に部屋を開けていたり掃除スタッフを入れると上記の盗難リスクが高まるというどうしようもないことになっている。
選手村の環境の酷さから決勝ラウンドにコマを進めた国が続々と選手村からホテルに移動する事を発表するなど、選手村運営にはかなり疑問を持たれており、ネットでは「脱獄」や「予選を突破するまで出られない村」といった不謹慎ギャグも生まれている。
食事問題
美食の国ということで選手村などの食事もレベルが高いかと思いきや、量が少ない、生焼けの肉が出てきた、逆に異常に焦げている、やたらとヴィーガン向けメニューばかり充実していると、評判は芳しくない。
フランス料理自体が本来大量供給に向いたものではないという反論もあったが、ならば輸入してでもそれが可能なオペレーションを導入しておくのが開催国の責務であったはずであり、やはり各国から批判が上がっている。
メニューについては期間中に慌てて追加したという情報があったものの、肉や卵類は依然として不足気味で半ば奪い合うような状態であるといい、「ウクライナやパレスチナの苦境を追体験するイベントかもしれない」などと皮肉交じりに語られている。
これに関して、イギリス選手団が激怒して自国の料理人を緊急招集するという珍事も発生している。かつて自国の料理がまずいのでフランス料理を食べるのが上流階級の嗜みとされたイギリスが、そのフランスの地でイギリス料理を振舞い出す姿に、「ガンジーが助走をつけて殴るレベル」の新ネタをリアルで見れたとネットではシリアスな笑いが上がった。
加えてイギリスからはやはり衛生管理を疑う告発も出てきており、競泳で銀メダルを獲得したアダム・ピーティ選手が「選手村の食事の魚に寄生虫がいた」と報告している。
選手村だけではなく各国のマスコミが詰めているプレスセンターで提供されている軽食でも食中毒の発生が疑われ始め、IOCの定例会見で役員がメディア側から問い詰められている。
また、かつては異物混入等が相次いでいた中国からの選手も、「かなりの冒険」などと婉曲にその質の悪さを表現しており、ネタを追加している(参考)。
リンク先にある通り、彼らは複数の問題を同時に告発しており、一人の選手が二度三度とトラブルに見舞われることも珍しくはなかったようだ。
極めつけがハイチ選手による食器が洗われていないという告発で、「気持ち悪い」「国に帰りたい」とこぼしていた(参考)。
当時のハイチはマフィアの討伐に失敗して政治家の暗殺や逃亡が相次ぐ無法地帯と化しており、そんな環境にすら劣る衛生状態に行き着く所まで行き着いた感がある。水や洗剤すら節約したと言うのだろうか?
スタッフの不手際
選手を送迎するバスが間違った方向に走るトラブルが頻発。
しかも、例によってエアコンの整備状況が良くない上に治安対策で窓も開かないとあって、「酔わせて潰す策略か」などとやはり皮肉交じりの批判が上がっている。
競技においても、卓球の混合ダブルスでは優勝した中国の王楚欽選手の元にカメラマンの殺到を許したことで王選手のラケットが折られる、自転車の女子ケイリンでは最後の一周を告知するベルを鳴らし忘れる、同じく女子オムニアムのエリミネーションレースでは館内放送と地上誘導でエリミネート対象が食い違うといった失態があった。
スポーツクライミングでは、コース設計に欠陥があったとの指摘が出ている。
女子ボルダー&リードに出場した森秋彩選手はホルダーの第一課題を0点で終えたが、これはボルダー位置が高く身長が154cmと小柄な森では届かなかったことが大きな要因である。以前の大会でも同様のことがあり、日本選手団は改善を申し入れていたというが、今大会のスタッフには届いていなかったようだ。
なお、森はその後挽回するも総合4位に終わっている。当該課題の点数次第では金メダルも狙えた点差であったことから尚更惜しまれる。
誤審問題
複数の競技で誤審があると指摘されており、特に日本はその判定次第で勝ち星に大きく左右するような場面もあったことから大きく騒がれた。
従来の大会に比べて女性審判が増えており、女性審判が男子競技の審判を担当するケースも多く、スピードやスタミナ、体格の違いから男性選手についていけていない場面が目立った。
特にサッカーではポジショニングの悪さからパスコースを塞ぐ場面さえ見られた(なお、サッカーの審判は近年の技術向上から男性審判ですら時に肉離れを起こすことがあるほどに過酷な職である)。
一方、柔道の一人には選手(よりにもよって日本人の対戦相手であった)に個人的好意を抱いている疑惑(参考)も噴出した事から、「ジェンダーフリーによって本来不適格な人間を女性というだけで登用してしまった弊害」という説すら実しやかに囁かれた。
バスケットボールでも選手同士が触れていないのにファールを出すという「世紀の誤審」とまで呼ばれた疑惑の判定が女性審判から出ており、女性審判自体の評価が厳しくなりつつある。
少なくとも男子競技のファンの間では、「女性審判を増やしてもいいが、せめて女子競技の中だけにしてほしい」という意見が続出した。
これによる不信感が広まったということか、バレーボールでは(それまで大きな問題が無く当該試合の審判も男性であったにもかかわらず)アルゼンチン代表がビデオ判定を経てもまだジャッジに問題があると抗議し続け、レッドカードを出されるという一幕も見られた(バレーボールでレッドカードが出されることは滅多にない)。
加えて地元フランスへの贔屓も指摘される。
柔道団体戦では、日本vsフランスの決勝戦で明らかにフランス側に有利な判定が下され、フランスが金メダルを獲得することとなった。
バスケットボールではフランスが大会を通じて異常な数のフリースローを獲得。五分五分の判定は高確率でフランス有利の判定続きで「フランスは8人(選手5名+審判3名)がコートに立っている」「審判が試合のMVP」などと終始皮肉られ、審判への不信感は決勝戦が終わっても消えることはなかった。
結果この競技でフランスは銀メダルを獲得した。
バレーボールでも、決勝トーナメントのフランスvsドイツ戦にて劣勢だったドイツが反撃に出た瞬間、得点した選手にレッドカードが出されるという不可解な判定があった(繰り返すが、この競技でレッドカードが出されることは滅多にない)。「相手を睨みつけた」「何か言ったに違いない」という口実だったとされ、当然ドイツ側は抗議したが覆らなかった。
フランスはそのまま勝ち進み、この競技でも金メダルを獲得している。
男子オムニアムのエリミネーションレースでは、フランスにエリミネート宣告がなされて会場の応援団から落胆の声が挙がると、程なくして近くにいたコロンビアに差し替えられた。それまで「判定不能によるノーエリミネート」を複数回宣告していた所からの突然の方針変更であった。
結局フランスはそのままレースを続行し、同レースでは3位、総合では金メダルに輝いている。
一連の問題を受け、より公正な立場で判定ができるよう、審判の機械化・人工知能化を進めるべきだとする声や審判への異議申し立て制度の強化・充実を求める声が高まった。
実際に、一部の競技では判定の機械化が進んでおり、フェンシングは完全に機械判定なので本場で地元のフランスにも勝てるという皮肉も生まれた。
疑惑の判定への素早い対応という面で、一部では相撲の行事・勝負審判・物言いによる誤審防止システムの完成度の高さが話題となった。
しかし、上記の柔道団体戦では対戦相手を決める電子ルーレットにも疑いの目が向けられることとなり、SNSでは「ズルーレット 押すだけ」「リネール確定ガチャ」といった辛辣なジョークも飛び交っている。ちなみにこの電子ルーレットは前回の東京オリンピックでも導入されていたが、その時はここまで露骨な自国贔屓判定などがなかったため、あまり話題にならなかったものである。
結局のところ、機械も最終的には人間が作り動かす以上は、仮に審判を機械に置き換えたところで疑惑の判定はなくならないということも意味しており、審判全体、更にはオリンピックそのものの信用や正当性を疑う意見さえ出始めている。
ハラスメント問題
近年、アスリート個人が自身のSNSアカウントを持って情報を発信することが増えた一方で、そのアカウントに向かって悪質な匿名アカウント(場合によってはそれ専用に用意された捨てアカ)が直接的な罵詈雑言を浴びせることが問題視されている。
これを受けてパリ五輪日本選手団は選手たちへの誹謗中傷行為を控えるよう異例の緊急声明を発表し、場合によっては法的措置も検討すると選手たちへの被害根絶に向けて強い姿勢を示している(参考)。
また、盗撮などに対しても赤外線カメラにも対応した特殊なユニフォームの導入を始めている(参考)。逆に言えば、そうまでして嫌がらせをしたい人間が世界中に存在しているということでもある。
ユニフォームでは、ビーチバレーボールや体操で服装規定が大幅に緩和されるということもあり、特に女子で露出度を大幅に下げる選手が現れ始めた。
この是非を巡って観客同士で場外乱闘じみた争い(早い話が「ビキニが見たかった」といった主張を認めるか否か)も確認されている。
その他
X(旧Twitter)の公式アカウントで謝罪はしたものの、韓国人からは「1行だけの謝罪で済ますのか」という批判が殺到した(後に電話ながらもバッハ会長が韓国に謝罪)。
ちなみに韓国チームはその後も韓国国旗を掲示すべき場所に中国国旗を掲示されるといった初歩的なミスに見舞われており、「そもそも東アジアの区別が付いていないのでは」とやはり皮肉交じりの考察もなされている。
他の件も合わさり、日本を含む東アジア地域からは「アジア人軽視の姿勢の現れではないか」という怒りの声が上がっていた。
更に男子バスケットボールで南スーダンの国歌を流すべき場面でスーダンの国歌を流し、応援団の国旗アピールやブーイングによる会場のリアクションでようやくミスに気がつくという大失態も犯している。
被害を受けたのがアジアとアフリカだけに「フランスは『ア』のつく地域の区別が付いていないのでは」と増々考察が深まる()こととなった。
一方で台湾に対しては、登録名の「チャイニーズ・タイペイ」以外が表記された私物(要は「台湾」「中華民国」を示す物)の持ち込みを規制するという行為が確認されており、それを取り締まるためだけの(大陸=中国共産党系の活動家と見られる)人間まで会場内をうろつかせている様子も報告されている(参考)。
これにはアジア人以外からも「何に気を遣っているのか」「いつから東側諸国になったんだ?」といった批判や疑問が相次いでいる。
ビーチバレーボールを巡っては、オランダ代表に児童との飲酒・性交で逮捕・服役した過去を持つ選手がおり、彼のプレーを認めるか否か、ひいては犯罪者の社会復帰とは何かを巡っても争いが起きていた。
当該事件がイギリスで起こされたものであったということもあり、同国からの観客を中心にブーイングなども沸き起こっていた(参考)。
開会式
聖火リレーではフランス最高のサッカー選手として名高いジネディーヌ・ジダンや、国籍はスペインになるが全仏オープンで14回もの優勝を成し遂げたフランス人にも馴染みの深いラファエル・ナダルが登場した。
開会式はセーヌ川を利用した屋外開催となっており、選手たちの入場は河川用クルーズで川を渡るという演出がなされた。
開会式パフォーマンスは選手入場の合間に挟むという形で飽きさせない工夫が為されている。
これがかなり攻めた内容で、良くも悪くも話題となった。
特にフランス革命を模した寸劇では、フランスのヘビーメタルバンド「ゴジラ」の演奏と共に真っ赤に染まる城、その中で「貴族を街灯に吊るせ」と歌うデュラハン状態になった女性、彼女の言う「吊るされた貴族」を表現したと思われる不自然に高く掲げられた曲芸師達など、ブラックジョークの連発であった。
また、ドゥビリ橋の上ではパリコレが行われ、中にはドラァグクイーンや身体障碍者のダンサーなども登場して「多様性」を表現していた。
彼らが『最後の晩餐』のようなポーズを取る場面もあり、特にイエス・キリストポジションの人物は日本で言うマツコ・デラックスのような存在感を物理的に放っていた。
パフォーマンス全体を通して正体不明の覆面聖火ランナーが登場したが、結局最後まで正体は明かされないまま開会式は終了した。
一部の演者が、これもフランス名物であるストライキを表明していたり、途中から雨が降り始め、雨の中でのパフォーマンスとなったが中断等はなく、最後まで完走した。
なお、平昌オリンピック(2018年)以来、毎回何かしらの形で組み込まれていたジョン・レノンの『イマジン』を用いたパフォーマンスが、今回より正式に定番化することが発表されている。
今回のパフォーマンスは「物理的に燃え盛るピアノ」と「妙にぐるぐると回るカメラワーク」という、これまた前衛的な演出であった。
評価
しかし、内容については当然賛否両論を呼んでいる。
「コンプライアンスを恐れない真の表現の自由」「東京大会でもこれぐらいすれば良かった」といったものから、「自国のアイデンティティとは言え犠牲者の扱いが軽すぎる」「少なくともオリンピックには相応しくない、他所でやれ」といったものまで、様々な意見が飛び交った。
特に名画を愚弄されたと捉えたキリスト教系団体(そもそも彼らはLGBTはもちろん、一時のネタとしての異性装すら忌避する傾向がある)からの非難は強く、IOCのパリ五輪の広報責任者は「私たちにはいかなる宗教団体や特定の信念を軽視する意図はなく、寛容さと交わりを示すものだった。もしも、開会式で傷ついた人々がいるのなら本当に申し訳ない」と公式で謝罪している(参考)。
が、それでは収まらず、ローマ教皇庁までもが苦言を呈す事態に。熱心な信者達も、世が世なら破門・異端審問・宗教戦争であるとして、炎上を超えてリンチすら匂わせるまでに至っている。
「デュラハン状態になった女性」についても、十中八九「ギロチンにかけられたマリー・アントワネット」を表しており、彼女の出身地であるオーストリアなどから反発が出ている(参考)。
終いにはフランス王家の血を引くオルレアン家が抗議し、ボナパルト家が不快感を示し、ブルボン家に至っては「国民の信任があればいつでも君主制に戻せるんだぞ?(要約)」とX(旧Twitter)にブチ撒ける始末である。
攻めた表現を求める向きからも、「ナポレオンの『遠征』はどうした?」「イスラム教相手にも何かやってくれよ」などと、もっと攻めようはありむしろ「日和った」のだという不満も出ている。
また、『最後の晩餐』の辺りで用いられたBGMがとある界隈の内輪ネタ(リンク先閲覧注意)と合致し、局地的に極端な高評価を得ていたりする。
とは言えゲイポルノ(それもキワモノの類が妙に多い)でMAD動画を作ることを主なコンテンツとする決して日の目を見せてはいけない集団の話であり、「単に類友なだけでは?」という冷ややかな見方も存在している。
ちなみにアルジェリア選手団は、入場中に「セーヌ川に赤い薔薇を流す」というパフォーマンスを独自に行っていた。後にフランスからの独立に際して殺された同胞への追悼の意図があったことを明言しているが、このような空気故か大きな問題にはなっていないようである(参考)。
オリンピックでは、本来政治的な意味合いを持つパフォーマンスを行うことが固く禁止されていたはずであるが、なし崩し的に観客を湧かせれば許されるという前例になりつつある。
閉会式・引き継ぎ式
閉会式では、開会式の聖火ランナーが再び登場し、空からは全身を金色の衣装で身を包んだ「ボイジャー計画」を擬人化した人物、「ゴールデンボイジャー」が未知の地球を探索するといったパフォーマンスが行われた。
白ずくめのダンサー達がバレエやアクロバットなダンスが繰り広げられたり、古代ギリシャを代表するサモトラケのニケ像を模したモニュメントなどが登場した。
後半のステージではフランス出身の人気バンドであるフェニックスなどが演奏し、フェスさながらの熱い空気で会場を盛り上げた。
引き継ぎ式ではトム・クルーズが登場。『ミッション・インポッシブル』さながらのワイヤーアクションを披露して閉会式の会場に登場すると、バイクに乗って空港に向かい、そこから次回開催地であるロサンゼルスに向かうというパフォーマンスを見せた。
ロサンゼルスの紹介映像では、トムが有名なハリウッドの巨大看板(Hollywood)のoの文字を五輪シンボル型に増やしたオブジェクトを制作。そこからレッド・ホット・チリ・ペッパーズやビリー・アイリッシュなどのアメリカを代表するアーティストが登場し、パフォーマンスを披露した。
最後には、フランク・シナトラの代表曲『My Way』が歌われて締めとなった。
評価
ゴールデンボイジャーや白ずくめのダンサー達などは華麗で美しいとする好意的な反応もあったが、悪魔崇拝の儀式みたいで不気味といった否定的な意見も一定数存在した。開会式で反・キリスト教のイメージが付いていたこともそれを後押しした。
「サモトラケのニケ」については、クオリティが低くて何か分からなかったという声も多く、「革新的すぎた開会式が顰蹙を買ったので伝統アピールするために急造したハリボテではないか」といった考察も多く溢れた。
地面に世界地図を映し出す演出でも、オセアニアなどは簡略化しすぎてニュージーランドすら見えなかったと、当該地域から悲しまれた。
バンド演奏のパートでは、多くの選手がステージによじ登ってしまい、直ちに降りるようアナウンスされるという軽い不手際も見せていた。
何よりも、登場したアーティストの多くが国外から招いた有名人(「ゴールデンボイジャー」も元ネタの「ボイジャー計画」はアメリカの計画である)であったことに対して、それまでに起きた数々の問題と合わせて「『華の都パリ』の凋落を如実に表していた」といっそ哀れむ声さえあった。
とは言え物議を醸すほどの政治的メッセージなどは確認されておらず、開会式に比べると穏当に終了した。愛想を尽かした人が脱落してゆき、いわゆる「でんでん現象」が起きていただけとの指摘もあるが。
また、ロサンゼルス側のパフォーマンスに関しては、パリ側にもあった演奏にまた演奏を重ねる形になったことが単調だったという指摘もあるものの、そのクオリティは間違いなく一級品揃いであり、次回大会への期待を高めるものであったと言える。
この部分が今大会最高のエンターテイメントだったとする人も多く、最初から全部アメリカ人にやらせておけば良かったんだという身も蓋も無い意見さえ出てきたほど。
余談だが、トム・クルーズは会期中に水泳や女子サッカーを観戦している姿がテレビで映されており、その時点から閉会式に関係する人物ではないかと期待されていた。
聖火
聖火リレー用のトーチは、デザインと外装はフランス製だが、内部機器は日本製となっている(参考)。東京大会でも採用実績がある「新富士バーナー(参考)」によるもので、各種インタビューには相当な無茶振りを受けたらしいことが滲み出ている。
もっとも、公式サイトにはそのあたりの言及は皆無だが(参考)。
なお、運用の効率化によって発注数を従来の1/5に抑え、環境に配慮したとのこと。
これも演出の一環であり、また環境への配慮の一環でもあるのだという(参考)。
ちなみに聖火台は気球型で宙に浮いていた。これはフランス人のモンゴルフィエ兄弟が世界初の有人飛行を成功させたことにちなんでいる。
マスコット
「フリージュ」という公式マスコットが作られた。詳細はリンク先を参照。
ちなみにこれもフランス革命がモチーフである。
また、日本ではミャクミャク様(大阪万博(2025年))の幼体かもしれないなどと、デザイナーの意図とは異なる形で親しむ向きも確認されている。
ピクトグラム
本大会で使用されるピクトグラムは「紋章」をテーマにデザインされた。
いかにもスタイリッシュで関連商品の売上も悪くないらしいものの、視認性に難があって本末転倒(特に多くの競技で共通して「×」状の模様を入れる点が、遠目には同じように見えてしまう)という意見があり、やはり賛否両論である(参考)。
メダル
勝利選手に授与されるメダルの中心部にはエッフェル塔の改修で発生した鉄材が使われ、フランスの国土の形状を表現した六角形に加工した上で組み込まれている。
しかし、この鉄材部分の劣化が著しく、更には肝心の「金」「銀」「銅」のメッキすら会期中に早くも剥げ始めたという報告が出るなど、これまでの大会のメダルと比較してかなり粗悪な作りであった疑惑が持ち上がっている。
遂には「新品との交換対応」というスポーツではまず聞かないワードが飛び出ており、勝っても後味の悪い大会となってしまった(参考)。
総評
以上のように、今大会は終始何かしらの問題が発生していたと言っても過言では無く、それが従来ではあり得ないような部分にまで及んでいて、過去最低水準との呼び声も高い。
不手際や不正が相次いだソウルオリンピックや、テロを許し選手に死者を出したミュンヘンオリンピックでも備品や食事の管理くらいはできており、現に韓国やドイツの選手団も今回は割を食い批判する側に回っている。
観客からも、フランスを知らなかった者はフランスそのものに幻滅し、フランスを知る者は「悪い意味でいつものフランス」と言い切る感想が多くを占めており、まるで成長していないと結論付けざるを得ない。
テレビ放送からも伝わってくる今大会の有様には「見るパリ症候群」「自宅でなれるパリ症候群」の異名まで付けられ、公式が最大手(のネガキャン)であった。
中には五輪の有様を見てフランス企業の炎上問題が起きた事に納得する者も居た。
フランス代表選手の実力には一定の評価はあったものの、疑惑の判定が続出したことや、競技の前提すら崩しかねない運営の酷さから、やはり不当なハンデを得ていたという批判は多い。
それでいながらフランスのメダル獲得数は特別多いわけでもなく、総数・金メダル数共にベスト3にも入っていない。アメリカ・中国・日本・イギリスはもちろん、そこまで選手数の多くなかったオーストラリアにも負けるほどであった。
勝った側からもこんな大会のメダルに価値は無いとまで言われ、実際に価値の無い屑鉄のようなメダルが渡っていたことは、一周回って出来すぎた演出のようであった。
やや話は逸れるが、この中でダメ押しのように更なる炎上が発生した。
閉会後、Eurosportが活躍した選手達を集合させたポスターを公開したが、閉会式の目玉だったトム・クルーズがいた一方で、東・東南アジア系の人種は韓国射撃のキム・イェジ選手のみ。中央・南アジアを含めても「無課金おじさん」(後述)ことトルコのユスフ・ディケチ選手、パキスタン槍投げのアルシャド・ナディーム選手の計3人しかいなかったのである。
特にフランスよりも強かったはずの中国と日本は誰一人選ばれていなかったことに、薄々と浮かんでいた「差別」の二文字がいよいよ露になってしまった(参考)。
一応フォローしておくと、Eurosportは大会公式とは別のヨーロッパメディアであり、地元商圏で知名度の高い選手を中心に取り上げるのは多少仕方のないことではある。一方で、フランスのみならずヨーロッパ全体で未だアジア系人種への差別・無関心が根強い事を痛感させ、この問題にアジア人が真剣に取り組まなくてはならないとも自覚させられる契機となったこともまた事実である。
ともあれ、結局の所今大会で誰が何の得をしたのかは判然とせず、フランス自身すら大金を叩いてその腐敗ぶりを全世界に宣伝しただけというのが客観的に見た実情である。こんな連中にゴーサインを出したIOCも同罪であるという意見も強まっており、延焼が進んでいる。
下手をすると招かれなかったために高みの見物を決め込めたロシア政府やベラルーシ政府が一番の勝者になるなどというグロテスクなオチさえ付きかねない。
このような状況に至った一因として、左翼思想の蔓延を指摘する声がある。
そもそも「左翼」という概念自体がフランス革命に由来するものであり、その後の方向性の違いにより仲間すら次々にギロチンにかけたことが「テロリズム」の始まりである。それを国の誇りとするのであれば、あのような開会式になるのもさもありなん、というわけである。
頻発するデモやストライキ、女性やLGBTの重用、君主や宗教の軽視なども、一般的に左翼の特徴とされるものである。「省エネ」や「植物食」をアピールポイントにするのもSDGsに通じるものがあり、外国人材の多さすらポリティカル・コレクトネスの一環だったのかもしれない。
フランス自身を含む各国の保守派の間ではそうした話で持ち切りになっており、そもそも論としてフランス革命とは何だったのかを大真面目に問い直す者も出ている。
あるいは、かえって連中の無能な働き者ぶりを知らしめる良い機会になったとして、逆利用しようとする勢力も現れている。例えばアメリカでは、秋に控える大統領選挙と絡めて「ロサンゼルスオリンピック(2028年)はこうならないよう、トランプ大統領にしっかり見張っててもらおう」といった主張が出るなど、当面カウンターは続きそうな勢いである。(ただし、近年のアカデミー賞などにおける急激な左傾化に関しては2016年のトランプ大統領就任に対する反感・警戒等が関係しているとされる為、仮にトランプ大統領が就任しても状況が改善されるとは限らないと言える)
また日本においては、これも一般的に左翼の系譜とされる国内の「出羽守」や「意識高い系」といった人種を問い詰める動きも見られた。上記の歴史的経緯もあってか、日本の左翼もフランスへの好感度が高くフランス人が並べる美辞麗句を受け売りにする傾向があり、プロパガンダに加担したと見做されたためである。
もっとも、汚いままのセーヌ川など、それでは説明の付かない事象も多々ある。
フランスのより根本的なフランスらしさもまた、考えていかなければならないことだろう。
現に世界的にはこんな評価でも、大会運営は「成功」と認識しているようであり、メディアも巻き込んで自画自賛の大本営発表をしている始末である(参考)。
一応、テロの類は開催前に起きたきりであり、興行による収入も良好であるらしい。
それはフランス側がこの自己認識を改めることは考え難いということであり、つまりは今後も問題点が改善される見込みは薄いことを意味している。
そしてフランスでは、まだパラリンピックと2030年冬季大会の開催が控えている。
この懸念がどうか杞憂に終わることを願うばかりである。
ところで、何事にも辛口の評価をするのがフランス人の傾向であり、特に政府の自画自賛にはデモによる抗議まで含めた極めて厳しい評価を行うのが自由を愛するフランス人である。以上の結果に対してさぞ惨憺たる評価をしているだろうと思われる。しかし、ル・パリジャン紙がフランスで行った世論調査では、32%の絶賛を含めると67%のフランス人がこのオリンピックを肯定的に評価した(ル・パリジャン紙)。お隣のライバル英国BBCはそのような状況を、パリ市内でのインタビュー多数を交えて「政治的混迷について考えるのを一時やめたという事かもしれない」と彼ららしいユーモアを交えて報じる(BBC記事)。例によってフランス人は分からないともいえるかもしれないが、地球の反対側の現地で起こっていた事は日本から見える映像とはまた違っていたのかもしれない。
新競技のブレイキンに関しては採点方法や試合形式に課題を残すところは多いものの、会場の対決した選手たちが相手のダンスの後、更に上のパフォーマンスで迎え撃つことによるヒートアップや敗退濃厚でも自分の最大限のパフォーマンスを魅せようとする姿勢、試合後にお互い讃え合うスポーツマンシップ等多くの場面で盛り上がりを見せ、これまでのアンダーグラウンド・ダーティーなイメージを払拭させた。
それだけに次回の本場アメリカで行われるロサンゼルス大会で外されることを惜しむ声も多い。
また、今大会と比較して(開会・閉会式のクオリティや賄賂疑惑で評判を落とした)東京大会の競技や選手環境等を再評価する声も多く上がった。
ただ、これを受けてかIOC高官が「近い将来、また冬季大会などの開催地になるだろう」と発言したことが報じられると、空気は一変して軽く炎上するまでに至っていた。
言うほど悪くはなかったかもしれないが、もう一度やりたいわけではないというのが正直なところなのだろう。
加えて、このような再評価は、あくまでも「比べたら」というものであって、根本的な再評価ではなく、パリ五輪があってこそ生まれた意見(パリ五輪に依存した評価)であり、妥当ではないということ、ましてや東京五輪の問題が消えるというものでは忘れてはならない。
実施競技
- 陸上競技
- 水泳
- サッカー
- テニス
- ローイング
- ホッケー
- ボクシング
- バレーボール
- 体操
- バスケットボール
- 3x3バスケットボール
- レスリング
- セーリング
- ウエイトリフティング
- ハンドボール
- 自転車
- ロード
- トラック
- マウンテンバイク
- BMXレーシング
- BMXフリースタイル
- 卓球
- 馬術
- 障害馬術
- 馬場馬術
- 総合馬術
- フェンシング
- 柔道
- バドミントン
- 射撃
- ライフル射撃
- クレー射撃
- 近代五種
- 7人制ラグビー
- カヌー
- スプリント
- スラローム
- アーチェリー
- トライアスロン
- ゴルフ
- テコンドー
- スポーツクライミング
- サーフィン
- スケートボード
初登場種目
- ブレイキン:所謂「ブレイクダンス」の事で、DJが流す音楽に合わせて即興で踊り、評価点を競う競技となる。
日本人メダリスト一覧
レスリングの好調ぶりが群を抜いており、大会後半に入ってから金メダル獲得者が続出、金メダルの獲得総数の約半分となる8個もの金メダル獲得を果たした。女子は全員メダルを獲得している。
他には、体操男子、フェンシング、スケートボードでもメダルラッシュとなった。(フェンシングは出場した団体全てでメダルを獲得し、メダルは通算3枚だったが、本大会だけで5枚のメダルを勝ち取った)
初となるブレイキンでも女子で金メダル獲得者が出るなど、オリンピックの栄光に多くの選手が名を刻んだ。
一方で、長らく日本の「お家芸」とされていた競泳は松下知之選手の獲得した銀メダル1個だけという大不振に終わった。前回大会でもその兆しが見え始めていたが、今大会でさらに世界との差が開きつつあることが露呈。一刻も早い日本水泳界の立て直しが求められる事態となった。
サッカーやバスケットボールといったチームプレーを前提とする団体競技の種目に関してはメダルがゼロではあるものの、これまで一切歯が立たなかった相手に善戦したり、一部の選手の能力が注目されたりなど多少明るい話題が出ており、課題はあるが今後の世界大会や選手個人での飛躍が期待できる結果を残した。
どちらも疑惑の判定の前に涙を飲んだが、次世代のスーパースター擁する世界の強豪国を相手に番狂せ目前に迫った事は大きな進歩と行っていいだろう。
最終的なメダル獲得数は金20、銀12、銅13。
金メダルの獲得数を基準とした国別のメダル獲得数のランキングではアメリカ、中国に次いで3位で、日本選手団が海外で開催された五輪で獲得した金メダルの総数としては過去最多となった。
太字はその種目で初のメダル獲得
金メダル(20個)
- 角田夏実(柔道女子48キロ級)※今大会メダル第一号
- 阿部一二三(柔道男子66キロ級) ※東京から2連覇
- 永瀬貴規(柔道男子81キロ級)※東京から2連覇
- 吉沢恋(スケートボード女子ストリート)
- 堀米雄斗(スケートボード男子ストリート)※東京から2連覇
- 加納虹輝(フェンシング男子エペ個人)
- 松山恭助、飯村一輝、敷根崇裕、永野雄大(フェンシング男子フルーレ団体)
- 橋本大輝、岡慎之助、萱和磨、杉野正尭、谷川航(体操男子団体)
- 岡慎之助(体操男子個人総合、体操男子鉄棒)※団体合わせて3冠
- 文田健一郎(レスリング男子グレコローマンスタイル60kg級)
- 日下尚(レスリング男子グレコローマンスタイル77kg級)
- 樋口黎(レスリング男子フリースタイル57kg級)
- 清岡幸太郎(レスリング男子フリースタイル65kg級)
- 藤波朱理(レスリング女子フリースタイル53キロ級)
- 櫻井つぐみ(レスリング女子フリースタイル57kg級)
- 元木咲良(レスリング女子フリースタイル62kg級)
- 鏡優翔(レスリング女子フリースタイル76kg級)
- 湯浅亜実(女子ブレイキン)
- 北口榛花(陸上女子槍投げ)※陸上フィールド種目では女子初の金メダル獲得
銀メダル(12個)
- 村尾三四郎(柔道男子90キロ級)
- 柔道混合団体
- 赤間凛音(スケートボード女子ストリート)
- 開心那(スケートボード女子パーク)
- 松下知之(水泳男子400m個人メドレー)
- 加納虹輝、見延和靖、山田優、古俣聖(フェンシング男子エペ団体)
- 岡田奎樹、吉岡美帆(セーリング混合470級)
- 安楽宙斗(スポーツクライミング男子複合)
- 玉井陸斗(男子10m高飛び込み)※飛び込みでは男女通じて初のメダル獲得
- 早田ひな、平野美宇、張本美和(卓球女子団体)
- 佐藤大宗(近代五種)※近代五種では男女通じて初のメダル獲得
- 高谷大地(レスリング男子フリースタイル74kg級)
銅メダル(13個)
- 永山竜樹(柔道男子60キロ級)
- 橋本壮市(柔道男子73キロ級)
- 舟久保遥香(柔道女子57キロ級)
- 「初老ジャパン」戸本一真、田中利幸、大岩義明(総合馬術 団体)※馬術としては西竹一以来92年ぶりのメダル獲得
- 宮脇花綸、菊池小巻、東晟良、上野優佳(フェンシング女子フルーレ団体)
- 江村美咲、髙嶋理紗、福島史帆実、尾﨑世梨(フェンシング女子サーブル団体)
- 渡辺勇大、東野有紗(バドミントン混合ダブルス)
- 志田千陽、松山奈未(バドミントン女子ダブルス)
- 早田ひな(卓球女子シングルス)
- 岡慎之介(体操男子平行棒)
- 松山英樹(男子ゴルフ)※日本男子初のメダル獲得
- 尾﨑野乃香(レスリング女子フリースタイル68kg級)
- 須﨑優衣(レスリング女子フリースタイル50kg級)
話題となった選手・人物
日本人選手
- 阿部一二三・詩兄妹
- 柔道で兄妹揃ってのメダルを期待されたが、妹の詩が早くも敗戦してしまい、号泣する姿を背に兄一二三は奮起。見事金メダルを獲得し連覇を成し遂げ、妹も団体戦銀メダルでリベンジを果すも、個人戦では兄妹でメダルを手に取れなかったことが心残りとし、2028年のロサンゼルス五輪では兄妹でメダル獲得を目指す。
- 団体戦では兄妹で参加し優勝を目指すが、決勝戦で敗れ銀メダルに。表彰台では仲間たちと共に兄妹で表彰台に登った。
- 柔道で兄妹揃ってのメダルを期待されたが、妹の詩が早くも敗戦してしまい、号泣する姿を背に兄一二三は奮起。見事金メダルを獲得し連覇を成し遂げ、妹も団体戦銀メダルでリベンジを果すも、個人戦では兄妹でメダルを手に取れなかったことが心残りとし、2028年のロサンゼルス五輪では兄妹でメダル獲得を目指す。
- 総合馬術競技日本代表(初老ジャパン)
- 当初は馬にちなみペガサスジャパンなどが考案されていたが、「何か違う」と却下され、この愛称に落ち着いたという。
- このように、この愛称はちゃんとチーム内で相談して決めた自称である。しかし、この辺りの事情を知らない視聴者の中にはメディアが勝手に蔑称を付けたと勘違いする者もおり、「選手たちに対してあまりにも失礼ではないか」「中高年を侮辱しているのか」といった批判の声も上がった。これもあってか、メディアは「初老ジャパン」という名称を殆ど使用していない(そもそも馬術自体の報道が少ないという事情もあるが)。
- 当初は馬にちなみペガサスジャパンなどが考案されていたが、「何か違う」と却下され、この愛称に落ち着いたという。
- 日本体操女子
- 小久保玲央ブライアン
- フェンシング男子フルーレ団体
- 村竹ラシッド
- 父親がトーゴ人のハーフで、陸上ハードル走の選手。
- 110mハードルで、日本人初の決勝進出を果たし5位入賞。決勝の入場時に「ジョジョ立ち」のパフォーマンスを披露し、大いに話題となった。
- HIRO10(大能寛飛)
- 男子ブレイキンの代表だったが、1次リーグで初戦を落とし、続く2戦目では同じ日本代表のSHIGEKIXと対決することになり惜敗。この時点でリーグ通過は絶望的となったが、それでも最終戦でヘッドスピンを中心とする他者ではマネできないようなパワーパフォーマンスを披露。会場は大きく盛り上がり、判定こそ対戦相手のVictor勝利となるが、観客はそれにブーイングを送るなど見事なパフォーマンスで、大会に一つ大きな爪痕を残した。
- 敗れた後、インタビューでは涙ながらに「人生おもしれえッス」といろんな感情が混ざったコメントを残して会場を後にした。彼の健闘した姿はブレイクダンスが点数の優劣だけが全てではないという事を端的に表したシーンと言えるだろう。
外国人選手
- バスケットボールアメリカ代表
- キングことレブロン・ジェームズや世界最高のシューターであるステフィン・カリーを筆頭にNBAのスター選手で結成され、「ドリームチームの再来」「アベンジャーズ」と大会前から注目を集める。また、レブロン・ジェームズは開会式でアメリカ代表の旗手を務めた。
- 更に2022年にフランス国籍を取りながらも土壇場でアメリカ代表を選択したカメルーン出身のジョエル・エンビードは入国時には「パスポートを返せ」とのヤジが飛び、試合中はボールを持つだけで大ブーイング、ミスには大歓声、挙句の果てにメダルをかけられる瞬間すらもフランス国民からの怒りをぶつけられ続けた。
- 決勝では開催国フランスを下し、大会5連覇を達成した。
- 観客席は観客席でパウ・ガソル、スコッティ・ピッペン、カーメロ・アンソニー、ステフォン・マーブリーといったNBAの往年の名選手達がカメラに抜かれて元気な姿を見せた。
- 実力、人気共に最高峰の選手が参戦し、活躍したことによってバスケットボールは開催前から大会終盤に至るまで終始注目を集める競技となり、観客動員数は男女合わせて過去最多の107万8319人を記録した。
- エルドス・スメトフ(カザフスタン)
- カザフスタン初の柔道男子60キロ級の金メダリスト。自国カザフスタンでは柔道着を採寸することが出来ず、ちょうどサイズが近かった東京五輪の柔道金メダリスト、高藤直寿から譲り受けた柔道着を着て今大会に挑み、見事優勝する。
- この階級ではメダル候補の永山竜樹が疑惑の判定でスペインのフランシスコ・ガリゴスに敗れてしまったが、そのガリゴスをスメトフが破っている。
- カザフスタン初の柔道男子60キロ級の金メダリスト。自国カザフスタンでは柔道着を採寸することが出来ず、ちょうどサイズが近かった東京五輪の柔道金メダリスト、高藤直寿から譲り受けた柔道着を着て今大会に挑み、見事優勝する。
- テディ・リネール(フランス)
- 柔道100kg超級の選手で、身長204cm体重150kgという恵まれた体格を持つ。世界選手権10大会連続優勝、オリンピックでも金メダルを3個獲得するなど豊富な実績を持つフランスの英雄…なのだが、普通にやっても強い選手になれる素養がありそうなのに、自身の体格を利用した指導勝ちを狙う(日本の視点から見れば)姑息な戦法を主体とする上、強ければ何をしても良いといった勝利至上主義的な思想が態度から垣間見えるため、武道精神を欠片も持ち合わせていないとして日本国内での評判は非常に悪い。ある意味では海外に出たことで別物と化してしまった「JUDO」を体現した人物と言えるだろう。そのプレイスタイルから「柔道界のメイウェザー」という声もある。
- 100kg超級準決勝では対戦相手であるジョージアのツツジビリに喉わを仕掛けた挙句、舌を出して挑発するなどやりたい放題(一部ニュースなどでも顔芸レベルで相手を挑発するような表情がクローズアップされている写真が掲載されている)。にもかかわらず反則を出さない審判と合わせて「開催国特権()」などと益々評判を落としている。リネールが舌を出したアホ面(上記)で挑発し、倒されたツツジビリがそんなリネールを蹴り上げている写真は本大会を象徴する一枚であると言えるだろう。
- 団体では90kg超級の選手として出場し、日本が相手となった決勝では3-3になった延長でなった際、素人目に見ても不正し放題なんじゃないかと思わせるデジタルルーレットによって90kg超級が選出され、そのまま斉藤立を破ってフランスに金メダルをもたらし、世界的に物議を醸すことになった(こちらに関しては疑わしい選出方法を取った大会運営が悪いのであってリネール本人に非はないのだが)。
- ユスフ・ディケチ(トルコ)
- 射撃・混合10メートルエアピストル団体で51歳にして銀メダルを獲得。他の選手に比べて非常に簡素な服装のため日本のSNSで「無課金おじさん」というあだ名がついた。詳しくは当該リンク先にて。
- 林郁婷(チャイニーズ・タイペイ)、イマン・ヘリフ※(アルジェリア)
- 前者はボクシング女子57kg級、後者は女子66kg級の選手。双方ともに金メダルを獲得。※イマネ・ケリフという表記揺れもあり
- どちらも遺伝上XY染色体を持ち、女性選手と見做してよいのかが国際的に大きな論争を呼んだ。
- しばしば勘違いされがちだが、ヘリフ選手は自身が性未分化症であることを公表しており、トランスジェンダーではない。林選手に関しては詳細を公表していないが、恐らくは同じような事情を抱えている可能性が高いだろう。しかし、その事を知らずにヘリフ選手らを「男なのに権利だけ主張して相手の女性を危険に晒した卑怯者」といったやや的外れな指摘をするコメントも多い。実際に相手の女性選手が危険な目に遭ったのは事実だが、それだけを見て一方的にヘリフ選手らを非難するのは短絡的とも言える。
- ボクシングは時に選手の命が奪われることがあるくらいには危険な競技であり筋肉量の違いがそのリスクを高めるため、体重を基準にして細かく階級分けされている側面がある。このため「筋肉量がまるで違う人同士を戦わせること自体が言語道断」「境遇には同情するが彼女らは女子選手としてボクシングをするのは諦めなければいけない」などの厳しい意見が多数を占めた。
- 両者共に、オリンピック開催の前年にインドで行われたIBA(国際ボクシング協会)主催の女子世界選手権では出場資格基準を満たさなかったとして失格処分になっており、それと矛盾するIOCの選考基準については疑念や批判も出ている(IOCは「選手の性別と年齢はパスポートに基づいて決定される」とする見解を示している)。
- この問題の背景には、性の問題の他にも、IBAとIOCの対立も大きく絡んでいる。IBAはかつてはオリンピックにおけるボクシングの統括競技団体であったが、組織運営などに問題を抱えていたことから、2019年にIOCから承認を取り消されてしまい、前回の東京大会以降、オリンピック競技としてのボクシングはIOCが統括している。IBAはスポーツ仲裁裁判所に不服を申し立てたが、今年4月に訴えが棄却され、一応IOC側の勝訴という形で決着はしたものの、両者の間には大きな遺恨が残った。
- 今回の一件を受けて、IBAはIOCを大きく批判、さらにはヘリフ選手に敗れたイタリアのアンジェラ・カリニ選手に金メダリストの賞金と同額の5万ドル(当時の日本円で約735万円)を贈ることを発表する等、この一件を利用して影響力の拡大と選手の囲い込みに乗り出している。一方のIOC側も「すべての人は差別なくスポーツをする権利を持っている」「ボクシングを五輪に残すためには信頼できるパートナーを確立しなければならない」と逆にIBA側を暗に批判する声明を発表している。
- 近年「反トランスジェンダーのフェミニスト」という独特の立場で再ブレイクしたJ・K・ローリング、大統領選挙の真っ最中であったドナルド・トランプ、更には出禁が続くロシア政府といった人物達もIOC批判に加わった。
- トランスジェンダーの選手が女性として出場することはかなり大雑把かつかなりの語弊があることを前提に述べるのであれば秋月涼が他の女性アイドルと一緒にスポーツしたらぶっちぎりで勝ってしまうため不公平が生じてしまうのと同じであるが故に問題視されているのではあるが、前述のように当該選手性未分化症でありトランスジェンダーではないのでトランスジェンダーの選手が女性として出場して良いか否かとはまた別の問題になるので批判のポイントがズレているといわざるを得ない。
- とはいってもこの手の論者は続けて自らの政治的主張を述べることがお約束となっており、恰好の「前フリ」を与えてしまった次第である。このように、本件は最早、性の問題を越えて、統括組織同士や無関係の第三者も巻き込んだ場外乱闘の様相を呈しており、事態はますます混迷を深めている。
- 黄雅瓊(ファン・ヤーチョン/中国)
- 周雅琴(ジョウ・ヤーチン/中国)
- 18歳で体操女子平均台の銀メダルに輝いた中国の超新星。
- 五輪初挑戦のため表彰式後に選手たちが行うメダル噛みを知らなかったのか、金メダルのアリチェ・ダマト(イタリア)、マニラ・エスポジト(イタリア)が隣でメダルを噛む姿を見ると、慌てて自分もメダルを噛もうとした姿が可愛いと話題に。
- 18歳で体操女子平均台の銀メダルに輝いた中国の超新星。
- ノア・ライルズ(アメリカ)
- 陸上選手で、男子100mの金メダルリスト。
- 実は日本の漫画・アニメの大ファンで、今大会では笑顔で飛び跳ねるて入場してくるという日本人、というよりONEPIECEのファンでもない限り「狂ったんじゃないか?」と思われるような登場をしたり、優勝した後もかめはめ波ポーズを披露。走る集英社といわんばかりのパフォーマンスで日本のジャンプ読者を喜ばせた。
- その他詳細は当該リンク先にて。
- 陸上選手で、男子100mの金メダルリスト。
- スケートボード女子パーク
- メダリストの開心那(銀)だけでなく、アリサ・トルー(オーストラリア、金)、スカイ・ブラウン(イギリス、銅)は日本人の血を引くハーフで、日系の選手が表彰台を独占した。
- 開心那は前回の東京五輪で同種目銀メダル。日本人最年少の12歳11か月でメダル獲得した前回大会から身長は20センチも伸び、動きもよりダイナミックになった。
- スカイ・ブラウンは東京五輪で同種目銅メダル。東京五輪の後、二刀流選手としてサーフィンでもパリ五輪出場を目指したが、こちらは叶わなかった。
- 五輪初出場のアリサ・トルーは母が日本人の14歳。ピンクのヘルメットがトレードマークで、スケボーやBMXといった競技の世界大会「Xゲームズ」の最年少メダリスト。
- 選手たちは得点を競い合う大会中であっても、それぞれの出番が終わると抱き合って技の成功を喜んだり、健闘をたたえ合った。
- メダリストの開心那(銀)だけでなく、アリサ・トルー(オーストラリア、金)、スカイ・ブラウン(イギリス、銅)は日本人の血を引くハーフで、日系の選手が表彰台を独占した。
- カルロスエドリエル・ユーロ(フィリピン)
- 日本で指導を受けた経験を持つ、体操男子床運動と跳馬の二冠を達成した金メダリスト。フィリピンの金メダルは通算でも前回の東京五輪で優勝したウェイトリフティング女子55キロ級のヒディリン・ディアスの持ち帰った1枚のみで、当然ながら一人が2枚の金メダルを手にする例は彼が初である。
- ユーロにはスポーツ選手育成を奨励する法律によって1千万ペソ(約2500万円)が贈られるほか、国会でも追加の報奨金が検討され、民間では国内不動産から建設予定のコンドミニアムのうち1棟、日本食店からラーメン一生無料、病院から身体検査無料といったサービスが検討されているという。
- 日本で指導を受けた経験を持つ、体操男子床運動と跳馬の二冠を達成した金メダリスト。フィリピンの金メダルは通算でも前回の東京五輪で優勝したウェイトリフティング女子55キロ級のヒディリン・ディアスの持ち帰った1枚のみで、当然ながら一人が2枚の金メダルを手にする例は彼が初である。
- チェイス・バディンジャー(アメリカ)
- 男子ビーチバレー代表。
- 実は元NBA選手でありドラフト指名もされ、8年で407試合出場、ヨーロッパでも1年プレーした実績を持つ。2017年にバスケを引退。高校時代にバレーボールも両立してプレーしており、NBA時代にはプロバレー転向を本気で考えていた実力と膝への負担を考慮しビーチバレーに転向を決断。36歳で初出場となり、日向翔陽もビックリなキャリアが話題となった。
- 男子ビーチバレー代表。
- ビネシュ・フォガト(インド)
- レスリング女子フリースタイル50kg級の選手。
- 1回戦で前回東京五輪金メダリストの須﨑優衣を破る大金星を挙げ、その勢いのまま決勝進出を果たす。しかし、翌日の決勝戦前の計量で100g超過で失格となってしまい、金メダルはおろかメダルすら逃してしまった。
- フォガトの本来の体重は57kg程。計量前日には髪を切り採血もするなど壮絶な減量を行うも体重を落としきれなかった。このショックで当人は現役引退を表明。フォガトに対しインド首相が激励のメッセージを表明し、体調管理を怠ったとしてコーチ陣には非難の声が集中するなど、インド中を巻き込んだ騒動に発展している。
- ブレイキンオーストラリア代表
スタッフ
- 天野安喜子
- フィリップ・ブラン
- 男子バレーボール日本代表の監督。フランス出身。2017年から7年間にわたり男子日本代表の指導に当たり、長年低迷していた男子バレーを再興させた立役者の1人である。今大会を以て日本代表監督を退任することを発表していた。
- 前回ではベスト8で敗退し、今大会では今度こそ世界の頂点を目指すと豪語し大会に臨んだが、準々決勝で世界王者イタリアにあと一歩及ばず敗れ、2大会連続のベスト8で大会を終えた。
- なお、試合終了後は、会場から健闘を称えて惜しみの無い拍手を送られ、日本代表チームの選手たちからも胴上げされるなど、日本のバレーボール関係者やファンから彼がどれだけ愛されていたかがよくわかる光景が見られた。SNS上でも「最後の最後で最高の試合を見せてくれてありがとう」という感謝のコメントが見られた。
- スヌープ・ドッグ
- アメリカの伝説的ラッパーで、今大会のブレイキン種目において「Trois coups(トロワ・ク/ステージで杖を三回たたき開幕を告げる儀式)」を担当。会場は大盛り上がりとなった。
- スヌープ・ドッグはこの後すぐに帰国し、ロサンゼルス五輪への引継ぎ式セレモニーにも参加している。
- ビーチバレー女子決勝のDJ
その他
- 岡村隆史
- お笑いコンビ「ナインティナイン」のボケ。
- かつてフジテレビのバラエティ番組『めちゃ×2イケてるッ!』で度々高度なブレイクダンスを披露しており、日本での普及に大きな役割を果たしたと言われる。
- その縁でフジテレビ系列で放送されたブレイキン男子決勝では、スタジオ側特別ゲストとしてかつての共演者だった佐野瑞樹アナウンサーと共に登場。同番組内で行われた「ガレッジセール」のゴリとのダンスバトルも再び取り上げられていた。
- 浜田雅功
- お笑いコンビ「ダウンタウン」のツッコミ。この当時はピンでキレたりしていた。
- バレーボールの世界中継中、唐突に応援している姿が映され、ネットでは騒然となった。これは『ジャンクSPORTS』の企画で試合観戦を兼ねて「メダルを取ったばかりの選手と現地で何人会えるか」という企画を行っていたものであったことが、大会終了後に放送された『生ジャンク』で判明している。
- 当該番組はメダリストたちの首相官邸表敬訪問とほぼ同じタイミングで放送され、繋ぎとしてメダルに届かなかった選手など40名以上が参加し、大会裏話などを話した。番組中にはバドミントン混合で銅メダルを獲得した「ワタガシ」ペアの一人である渡辺勇大が一般女性と結婚したことを発表。相方の東野有紗は彼女の存在は知っていたそうだが、結婚を知ったのは大会後だったとのこと。
- 聖火の人
- 開会式で話題となった謎の人物。その正体については、NHKが8月12日に日本で放送したオリンピックチャンネル制作のドキュメンタリー番組の中で明かされており、彼を描いた複数のコンセプトアートとともに「聖火泥棒」であると説明されている(参考)。
- 基本的に好感を得ていたものの、オリンピック以前から問題になっていた「アサシンクリードシャドウズ炎上騒動」の当事者であるUbisoft(フランス系)が関係を匂わせる発言をしていたため、正体如何によっては新たな火種になるとも懸念されていた。
- 上記のリンク先で解説されている通り、この騒動は日本のみならずアジア圏全体で反仏感情が高まるほどの大炎上となっており、本大会の問題点がこれだけクローズアップされたのもそれが一因と言えるくらいに大きな禍根を残している。
- マリー・アントワネット
- 上記の通り、彼女をモチーフにしたと思われる演出がみんなのトラウマとなった。ちなみに歌っている歌に関しては『サ・イラ(アサイラ)』という当時の流行歌だったのだが、その歌詞には大きく2パターンありあえて過激な方が選ばれている。
- ハイキュー!!のキャラクター
- ゴールデンボイジャー
- 閉会式にて突如出現した、全身が金色に輝く地球外生命体。
- モチーフは無人調査機『ボイジャー』とそれに搭載された『ゴールデンレコード』とされ、次回の夏季オリンピックを行うアメリカに対する奨励の意図があると思われる。
- 閉会式にて突如出現した、全身が金色に輝く地球外生命体。
関連タグ
第32回 | 第33回 | 第34回 |
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東京オリンピック(2020) | パリオリンピック(2024) | ロサンゼルスオリンピック(2028) |