概要
競技での優勝や合格発表、婚礼、当選など、祝いの場で行われる集団による祝福方法。
祝福すべき個人(もしくは集団の代表)を複数人で抱え上げ、空中に数回放り上げるもの。胴上げをされている人は「宙を舞う」と表現されることが多い。
その発祥は江戸時代、長野市善光寺において12月の2度目の申(さる)の日に寺を支える浄土宗14寺の住職が「五穀豊穣」「天下太平」を夜通し祈る年越し行事「堂童子(どうどうじ)」で、仕切り役を胴上げしたことが始まりとされる。当時はあくまで行事の一環だったが、いつしか人生の節目である大きな祝い事の際に祝福の意味でおこなわれるようになった。
また、戦国時代の武将・長尾政景が初めて婚礼において「婿の胴上げ」をおこなったとされている。
昨今ではスポーツ競技での胴上げの事例が多く、特にプロ野球の場合、スポーツ紙等では優勝(リーグ優勝・日本シリーズ優勝=日本一)の同義語としてこの語が用いられる。
日本独特の風習とされることもあるが、国外でも複数の事例が知られている。アメリカではあまり馴染みのない文化なため、胴上げされる選手や監督の中には明らかに怖がっているような様子を見せることがある。
大相撲でも千秋楽終了後に土俵の神を天に送り返すために行司を胴上げする儀式が行われる。
ただし、ちゃんと受け止めないと事故の元となるので気をつけないといけない。
実際、この胴上げ失敗による死傷者の事例も数多く存在し、胴上げを行った関係者は過失致死罪が科されている。
基本、重い上半身部分には力のある者を入れたり、人員を多く割いておくようにするべきである。頭を守ってあげることが特に重要。もちろん下半身部分も蔑ろにしてはいけないが。
スポーツ選手の胴上げもよく見ると、ちゃんと持ち上げる人の身体から手を離さないようにしたりなど配慮している様子が見られる。