概要
カリブ海に浮かぶヒスパニオラ島の西部を領土とする国。
首都はポルトープランス。
アメリカ合衆国とナヴァッサ島の領有権を争っている。
スペイン、フランスの植民地時代を経て、1804年の革命で黒人初・ラテンアメリカ初の独立国家を樹立した。
しかし、独立以降国内では政情が不安定であり、特に1957年から30年近く続いたデュバリエ親子による独裁政権では多くの国民が弾圧された。(詳細後述)
2010年にはM7.0の大地震が発生し国内は壊滅的被害を受け、混乱に拍車をかけている。その11年後の2021年にはモイーズ大統領が反政府ゲリラの襲撃より暗殺され、その約1ヶ月後にはM7.2の巨大地震が発生したなどさらなる混迷を窮める事となった。
2004~2017年に駐在していた国連平和維持活動(PKO)部隊撤退後は治安の悪化に拍車がかかっており、地震からの復興も全くできていない。ギャング組織が跋扈し一般人を巻き込んだ抗争が頻発。警察もほとんど手が打てず病院などの施設の運営も事実上できず、一般市民は日常生活を送るのもままならないどころか、老若男女問わずギャングからの脅迫や金銭の巻き上げ、性暴力、身代金目的の被害に晒されている地獄有様で「ケンシロウやトキ不在の北斗の拳」状態となっている。
日本外務省も2022年現在在留邦人の即時退避と渡航中止を求めており、日本人が行ける場所ではない。
基本データ
人口 | 1140万人(2020年) |
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面積 | 27750km²(北海道の1/3の大きさ) |
言語 | ハイチ語、フランス語 |
宗教 | キリスト教、ブードゥー教 |
恐怖のデュバリエ親子
1957年の大統領選挙で当選したフランソワ・デュバリエ(愛称パパ・ドク)は、翌年から独裁政治を敷き、警察や国家財政を私物化し近代史上最悪の独裁体制を誕生させた。
そのうえ秘密警察トントン・マクートを組織し、反デュバリエ派を弾圧し多くの国民を殺害した。
さらに、紙幣の肖像画に自分の顔を使ったり、金箔製の肖像画が入った切手を作るなど徹底的な個人崇拝をすすめた。
また、憲法を改正し大統領選挙に立候補できる年齢を18歳に引き下げ、息子のジャン=クロード・デュバリエ(ベビー・ドク)を弱冠19歳で大統領に継がせた。デュバリエ親子の独裁は1986年のクーデターまで続き、30年近い暗黒時代が続いた。
この教訓から、ハイチの憲法では個人崇拝が禁止されている。