概要
和名 | トコジラミ |
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学名 | Cimex lectularius |
別名 | ナンキンムシ、トコムシ |
分類 | 半翅目 カメムシ亜目(異翅亜目) トコジラミ下目 トコジラミ上科 トコジラミ科 トコジラミ属 |
体長 | 5~7mm |
分布域 | 日本(北海道、本州、四国、九州、沖縄)及び全世界の温帯地域の屋内 |
トコジラミとはトコジラミ科の昆虫の一種である。
名前にシラミと付くが、シラミとは関係ない別の虫である。
ブラジルサシガメと同じ吸血性のカメムシの仲間で、特にマキバサシガメ科、カスミカメムシ科、ハナカメムシ科に近縁。
体長は大体5mm程で、体色は赤褐色~薄黄色、体型は卵形で扁平である。
翅は退化し失っている。
カメムシなので刺激したり潰すと独特の匂いがする。
1965年頃より使用されだした有機リン系の殺虫剤の普及や生活環境の改善により、1975年頃には日本国内の個体群は絶滅寸前にまで数を減らしたが、2010年頃から海外からの観光客の荷物等に紛れて海外の個体群が侵入し、現在進行形で大都市の宿泊施設を中心に再び数を増やしつつある。
しかも新たにピレスロイド系殺虫剤への薬剤抵抗性を身につけた「スーパートコジラミ」に進化しており、キンチョールやアースジェット、バルサンなどの市販の殺虫剤は効かない為、昔より更に厄介な存在となってしまった。
ただし、天敵もそれなりに存在しておりハエトリグモやヤモリそしてアレも実は天敵だったりする。
生態
屋内性の昆虫で、家屋や宿泊施設、商業施設などの屋内に生息する。
明るい所よりも暗い場所を好む為、基本は夜行性である。
その為、日中や照明が点いている所では中々発見ができず、存在は吸血されるかある特徴を知っていないと察知しにくい。
ブラジルサシガメのように病気を媒介する事は無いが、トコジラミに吸血されると物凄い痒みに襲われるので吸血性の虫ではかなりの不快害虫の部類に入る。
それどころか繁殖力も強いので存在が判明したら害虫駆除業者に依頼しないと中々根絶は難しい。
現在のトコジラミは基本的に殺虫剤もあまり効かない為、家にある物を全て捨てるか家を燃やすしかないなどと冗談で言われる事もある。
特に海外旅行から知らず知らずに荷物に紛れて日本国内に入り込む事が多く、段ボールの隙間に入り込んでいるケースも多い。その為、トコジラミが多く発生しているとされる国からの通販で購入した梱包の段ボールは予防の為に早めに袋に密閉して処分するとよい。
また、トコジラミがいるサインとして部屋の隅に謎の黒い汚れがびっしりこびり付いてる事があり、これはトコジラミの糞である。ちなみに未消化の血液を排泄している事がある為黒いとされる。
ボルバキアという共生細菌がいないと、正常な成長や繁殖が困難であることが、研究で明らかにされた
近縁種
国内にはトコジラミの他に南西諸島に分布し東京でも近年発見された屋内性のネッタイトコジラミ、イワツバメの巣内に棲むツバメトコジラミ、アブラコウモリの血を吸うコウモリトコジラミの三種が分布している。
この内国内で人の血を吸った事例があるのはネッタイとツバメの二種。