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概要編集

トコジラミ下目(Cimicomorpha)は、半翅目カメムシ亜目(いわゆるカメムシ)に含まれる一群。小型種が多い。

トコジラミサシガメハナカメムシカスミカメムシグンバイムシなどが属す。

主な下位分類群編集

サシガメ上科編集

サシガメ科とPachynomidae科の2科で構成される捕食性のグループ。

サシガメ編集

Triatoma Infestans前腿節で見るEmpicoris

スマートな体型をした捕食性のカメムシで、昆虫などを捕らえて食す。

ヤスデを好むアカシマサシガメアリ食のフサヒゲサシガメケラに依存するキイロサシガメなどの極端な食性を持つ種もいる。

ブラジルサシガメなど一部の種は吸血性。

刺されると痛い。



カスミカメムシ上科編集

カスミカメムシ科編集

カスミカメムシに色付けてみたコモンキノコカスミカメ

カメムシ類最大の科として知られ、日本に約400種、世界に約1万種が存在するとされる。

肉食と草食の両方の種が含まれ、一部は菌食性。

草食の種は農業害虫として知られる。

単眼がないことが特徴で、その特徴から以前はメクラカメムシと呼ばれていたが、メクラという差別的表現は好ましくないとの意見から改称された。


フタガタカメムシ編集

フタガタカメムシ

雌雄の姿が全く異なることから二型亀虫と名付けられた。

雄には長い翅があり飛翔するが、雌は短翅で徘徊性。

幼虫は落ち葉の下に居る。

日本からは5種が知られる。


デメカメムシ科編集

その名の通り目が左右に突出している。

日本には分布しないが、ユーカリに付く種が世界各地に移入している。


ホウネンカメムシ科編集

貯蔵食品害虫の天敵として知られるホウネンカメムシただ一種のみが属す科。

日本には分布しない。


グンバイムシ編集

グンバイ

翅の形が軍配に似ることからグンバイムシと名付けられた。

草食で、葉裏の気孔から口吻を差し込み、内部組織を吸い取る。



トコジラミ上科編集

吸血性や捕食性の種で構成されるグループ。

トコジラミ科やハナカメムシ科には外傷性受精を行う種が存在する。

トコジラミ科編集

なんきんむし

吸血性のグループ。扁平な楕円形で無翅。

主にコウモリから吸血するが、トコジラミやネッタイトコジラミなどの一部の種は人間から吸血する。

血液からは得られない栄養を補う為に共生細菌を体内に宿している。


コウモリヤドリカメムシ科編集

日本には分布しないグループで、コウモリに外部寄生する。

トコジラミ科の姉妹群。

とてもカメムシには見えない奇怪な見た目で、発見当初はシラミバエクモバエのようなものと思われたのか、和名がコウモリヤドリバエとなっていた。

胎生


ハナカメムシ科編集

クロハナカメムシ

捕食性の小型カメムシ。

よく花の上にいるのでハナカメムシと名付けられたようだが、実際は花に来ない種も多い。

アザミウマコナジラミアブラムシハダニなどの農業害虫を積極的に捕食する為、ヒメハナカメムシなどの一部の種は生物農薬として利用されているが、人から吸血することもある為、扱いには注意が必要。


Lyctocoridae科編集

ズイムシハナカメムシが属す科。

基本的に日本ではハナカメムシ科のズイムシハナカメムシ亜科の一部とされる。


スリカカメムシ科編集

Velocipedidaeのカメムシ

東南アジアや中国に分布するグループ。

標高の高い山で灯火に飛来するが、詳しい生態は不明。


マキバサシガメ科編集

アシブトマキバサシガメ

名にサシガメと付くが、サシガメ科とは系統的に離れている。

捕食性で、昆虫などを発達した前脚で捕らえて食す。

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