概要
漢字では「薊馬」と書き、「馬出よ」とアザミを振って花粉食の種を数える子供の遊びから名づけられた。
なお馬と呼ばれるのは、頭部が長い形状なことからの連想であるといわれている。
現生種は5,000種ほど知られ、体型が細く翅は膜状では無い房状の毛であるが、どの種も体長が1mm程度しかないため、それでも飛翔可能で風に乗って移動する。
口器は左右非対称のパーツが円錐状になったもので、近縁の半翅目(カメムシやセミなどのグループ)ほどは深く穿孔することはできないが、動物食や植物食の場合は表皮に、花粉や菌類の胞子食の場合は細胞壁に穴を開けて内容物を吸汁する。
英語では「thrips」(スリップス)と呼ばれており、温室などの施設栽培では大発生して農作物に被害を与える農業害虫として知られるが、天敵としてハダニや別種の害虫を捕食する種は益虫として生物農薬に登録されている。
青色に誘引される性質を持つことから、同色の粘着テープや板を使用して駆除されることもある。