概要
物体の表面に金属の塗膜をコーティングさせたたもの、及びその手法を指す。
表面は金属のような輝きを放つミラー処理されたものが一般的だが、マット処理を施した鈍い輝きを放つメッキも存在する。
塗膜をコーティングする手法には乾式、湿式と様々だが主に用いられるのは蒸着である。
英語と思われがちだがれっきとした日本語。漢字表記だと鍍金。英語に訳すとPlating。
メッキの色は金(ゴールド)が圧倒的に使われるが、もちろん銀(シルバー)やブラックメッキ、ブルーメッキ、レッドメッキなどもよく使われる。
手軽に金属のような質感を出せることからオリンピックの金メダルにも使われている。これは金メダルが資金が少ない国でも造れるようにするためで、製作過程に銀に金メッキをコーティングする指示が規定でも定められている。
そして、モデラー達の間で欠かせないのが主にイベント限定で販売されるプラモデルのメッキバージョンであろう。特にガンプラやミニ四駆においてはクリアバージョンと並んで限定アイテムの常連にもなっている。百式のようなメッキ前提で一般販売されているものもある。
しかし、いくら手軽に金属のような質感を出せるとはいえやはり処理には高い金がかかるのは事実。限定プラモデルにおいても通常カラー版の二倍近い値段がするというのはザラである。
近年のアンダーゲートなどのメッキ等表面加工を行うことを前提とした設計でないものをメッキ加工した場合、ランナーから切り離した際にはゲート部のメッキがはがれた状態になってしまうという問題がある。
また、ヒケ取りやパーティングラインを削るのにメッキ加工が邪魔になることも多く、一からパーツ作りをこなしてしまうような玄人モデラーからはメッキがデフォルトになっている商品は無駄に高いお金がかかりメッキ落としにも手間がかかるため嫌われやすい。
最近はメッキコーティング風のスプレーや塗料も存在し、業者でも比較的安価で請け負ってもらえるため、「メッキされたものを買うくらいなら自分でメッキコーティングする」というモデラーも少なくない。
工業におけるメッキ
上記の記事は比較的身近なメッキ処理のことを指すが、あちらはどちらかというと見た目をよくするための加工である。工業におけるメッキは主に「鉄をサビないようにするため」の処理として使用される。
代表的なものとしては、貴方がよく利用しているであろう鉄道の架線を支える金物や、山の中などに建っている送電線の鉄塔、あるいはトタンなどには表面に亜鉛を定着させる「亜鉛めっき」が使われている。
また、ブリキも鉄板にスズをメッキしたものである。
工業鍍金に独特な方法として溶融鍍金を紹介しておく
溶融鍍金(Hot dip)
上記の電気鍍金では、金属イオンに電子を与えることで金属膜を作っている。
一方で、金属を溶かして金属膜を作る方法もある。フォンデュ法の金属版である。
この方法は鍍金処理される金属の融点以下の融点を持つ金属であれば理論上可能である、例えば鉄鋼の場合 亜鉛、アルミ、錫、カドミウムなどで溶融鍍金処理されることがある。
分厚い膜ができるため錆止めにはもってこいである。
日本語の表現として
金属を別の金属で覆っているということから転じて、粗末なものを誤魔化している。見かけ倒しなどの意味で用いられる。