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蒸着

じょうちゃく

蒸着とは、物体の表面処理方法の一種。およびこれを由来とした、特撮テレビドラマ『宇宙刑事ギャバン』に登場する変身キーワード。
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  1. 金属や酸化物を蒸発させ、素材の表面に付着させる事により行われる、皮膜の生成や表面処理方法の一種。
  2. 特撮テレビドラマ『宇宙刑事ギャバン』の主人公・一条寺烈がコンバットスーツを装着する際のコード。Pixiv上ではこちらを指して用いられることが多い。

「蒸着」(表面処理)

「蒸着」には大きく分けて、金属などの蒸発源を加熱させることにより、これを気化もしくは分子線として照射させ、処理物の表面に皮膜を形成する「物理蒸着(PVD)」、そして反応ガスと気化させた蒸発源を混合し、加熱された処理物の入った反応室に充填することで、熱平衡反応を生じさせて皮膜を成長させる「化学蒸着(CVD)」の二種類が存在する。

前者については主に純金属が蒸発源として用いられ、メガネやレンズ、磁気テープ、電子部品などに幅広く利用されている。対して主に切削工具の表面処理、それに半導体の製造工程に用いられる事の多い後者は、合金も蒸発源として利用することが可能であり、また処理に際して高真空を必要としないことから、装置規模が大きくなりにくく大量生産に向く、というメリットを有する。


後述の『ギャバン』における「蒸着」の由来はこの表面加工技術にあり、実際にギャバンのアップ用FRP素材のスーツにも、この技術によって銀メッキ処理が施されている。これをスタッフが気に入ったことで、変身の掛け声にも採用されたのである。


「蒸着」(ギャバン)

地球衛星軌道上の亜空間内にいる超次元高速機ドルギランが、地球上にいる一条寺烈の発したコードを受け取ることにより、特殊軽合金グラニウム製のコンバットスーツを粒子の状態に変換し電送。電送された粒子は烈に吹き付けられるようにして体表面で構成され、コンバットスーツが装着される。この一連のプロセスの総称、並びに烈の発するコードが「蒸着」である。


蒸着のプロセスは0.05秒と、常人では視認が困難(そもそも原理的にテレビ放送不可能)なスピードで行われることから、作中ではプロセス完了と名乗りに続けて「では、蒸着プロセスをもう一度見てみよう」というナレーションとともに、一連のプロセスがスローモーションとして描写される。

この描写は、烈役の大葉健二の考えた名乗りがシンプルかつ短いものであったため、ギャバンのデザインを手掛けた村上克司が、テレビ時代劇『日本剣客伝』(※)の宮本武蔵「敵を斬り伏せた後にスローモーションでその過程を見せる」という演出に着想を得て、メイン視聴層である子どもたちのために取り入れられたものである。

物語後半からは、敵とのアクションの流れでポーズを取り、光に包まれた状態でしばしの間飛び回って敵をなぎ倒していった後、着地と同時に変身後のギャバンが姿を現すという演出も多用された。こちらは前出の大葉が、『電子戦隊デンジマン』出演時より温めていたアイディアを提案したものである。

変身バンクでの「蒸着ポーズ」の動作は複雑を極め、単に形を覚えるだけでも練習を必要とする程であったが、当時の子供(&オタク)は、こぞって真似をした。


その後の宇宙刑事シリーズにおいても、同様の原理・プロセスが変身シークエンスに導入されており、宇宙刑事シャリバンでは「赤射」(赤射蒸着)、

宇宙刑事シャイダーでは「焼結」、宇宙刑事エステバンでは「電着」、時空戦士スピルバンでは「結晶」という名称が、それぞれ用いられている。


(※ この『日本剣客伝』は、『ギャバン』のメインプロデューサーを務めた吉川進が最初に手掛けたテレビドラマでもあった)


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