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トランスジェンダー

とらんすじぇんだー

生まれついた身体の性とは異なる性の心を持つ人のこと。
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本記事について

※本記事では性認識に関して扱っています。その為、成人向けページとブラウザからの警告として表示されますが、文章内容及び記事の閲覧にあたっては本百科事典における規約違反上の問題はありませんのでご安心ください。

概要

1960年代にアメリカの生化学者ヴァージニア・プリンスが提唱した概念。
その時の定義は「性器レベルで性別を超えたい訳ではなく、出生時に振り分けられた性別と反対の性別 / 性役割で暮らしたい者の呼称」であった。

現在では、単純に「出生時に振り分けられた性別と反対の性別 / 性役割で暮らしたい者」として性同一性障害の者も含んだり、「男 / 女という性別を越えて自己実現を行う者」も含めて、より広義に解釈されて使われている。

日本の性同一性障害当事者の間では、後述するガイドラインの第2段階までを希望する者として使われることが多い。

性同一性障害の者の場合、
MtF(出生時の性別は男性だが性自認女性である人)はトランスジェンダー女性/トランス女性
FtM(出生時の性別は女性だが性自認男性である人)はトランスジェンダー男性/トランス男性
と、それぞれ呼ばれることもある。

また、トランスジェンダーの説明において、自認する性別とは対になるほうの性別に言及する際に「身体/肉体の性別」という言葉がよく用いられるが、この言い方に傷つく当事者も少なくない。そのため、当事者の心理に寄り添った言い方として「出生時の性別/生まれた時に割り当てられた性別」という表現をすることもある。
例として、MtFの場合ならば「身体は男性だが心は女性である人」と言うよりも「出生時に男性として割り当てられた女性」という表現のほうがより適切とされる。よりくだけた表現をするならば「男性の身体で生まれてきた女性」といったところになる。
同様にFtMならば「出生時に女性として割り当てられた男性」、つまり「女性の身体で生まれてきた男性」となる。

Xジェンダー

前述の通り、トランスジェンダーとは「出生時に振り分けられた性別と反対の性別 / 性役割で暮らしたい者」だけでなく、「男 / 女という性別を越えて自己実現を行う者」も含まれる。

具体的には自認する性が女性でも男性でもない人、あるいはその両方である人、日によって自認する性別が異なる人、部分的に異なる性別の自認や状態を持っている人などがある。

日本ではこれらの人々は包括的にXジェンダーと呼ばれ、また出生時の性別に合わせてMtX、FtXと表記することもある。

ただしXジェンダーという言葉は日本特有の言い方であり、国際的なものではない。

海外ではXジェンダーに該当するものには様々な分類があり、より細かく定義されている。

代表例:

  • ノンバイナリー(男女どちらでもない、またはどちらでもある人。Non-Binaryの略称「NB」の発音に基づいて「エンビー(Enby)」と呼ぶこともある)
  • ジェンダーニュートラル(男女どちらでもあり中性的な自認を持つ人)
  • デミジェンダー(出生時の性別に違和感を持っているわけではないが、社会的に定義された性別観や役割とは異なる生き方を望む人)
  • サードジェンダー(第三の性)
  • ジェンダーフルイド(自認する性が流動的であり日によって異なる人)
  • アジェンダー(いずれの性別の自認も持たない人)

日本における「Xジェンダー」とほぼ同じ意味・定義で使われるものとしてはノンバイナリーが最も近い。

トランスジェンダーへの三人称

トランスジェンダー当事者に対する性別の扱いや表現は考慮を要する。具体例をあげると三人称は「彼」「彼女」のどちらを使うかなどであるが、一般的には性自認の性別に合わせた表現、例えばMtF/トランス女性(出生時の性別は男性だが性自認は女性である人)に対しては「彼女」を使うことが適切であると考えられている。

LGBTに対する知識と理解が浸透している海外では、公的機関の報道においてもトランスジェンダー当事者に対しては身体/生まれの性別ではなく性自認の性別で表現されることが多い。

また、MtXやFtXなどのXジェンダー(自認する性が女性でも男性でもない、あるいはその両方である)に関しては、個人によって適切な三人称が異なる場合がある。「彼」「彼女」のどちらも使用してほしくない人、あるいはそのどちらを使っても構わない人など、人によって大きく異なる。このような場合はまず本人の意思確認を行うことが望ましい。海外においては近年「He」「She」のどちらにも当てはまらない人物を示すために「They」を使用することもよくある。 ⇒ 単数形のTheyについての記事

トランスジェンダーフラッグ

トランスジェンダーの尊厳を象徴する旗(トランスジェンダー・プライド・フラッグ)では下記のような水色、ピンク色、白の三色を組み合わせたストライプ模様のものが用いられている。両端二色に水色、その内側二色にピンク色、そして中央一色に白が配置される。

この旗の考案者によると「水色は典型的な男の子のイメージ色、ピンク色は女の子のイメージ色であり、中央の白は間性、性別移行中、あるいは中性、未定義の性自認を持つ人々」を意味しているという。

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Dickcember 31 RAISE YOUR FLAG



性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン

性同一性障害の治療は、日本精神神経学会の性同一性障害に関する委員会による「性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン」の3ステップに沿って行うことが推奨される。

第1ステップ

第1は、精神科医による外科的治療へ進むことへの鑑別と治療の確認である。
ホルモン療法は一度始めたら生涯続けなければいけない治療であり、身体に大きな負担となる。
また、生殖機能を除去することは、不可逆の手術であり、治療に進む意思確認は非常に重要であるため、
生活史や実生活の状況の聞き取りなどから鑑別することは重要であり、
その後も治療の確認など精神科医やカウンセラーとのやり取りは継続して行われる。

第2ステップ

第2に、ホルモン投与療法とFtMへの乳房切除手術がある。 個人差はあるが、ホルモン療法によって、FtMの場合、筋肉量が増加し、体毛が濃くなり、声が低くなり、月経が停止する。
MtFの場合は、体毛が減少し、脂肪がつきやすくなり、皮膚のきめが細やかになり、乳房が発達する。
また副作用として、FtMには頭髪の減少、挫創(にきび)の増加、肝機能障害、MtFでは血栓症の危険性が増大することが認められている。
さらにこの段階ではFtMへの乳房切除手術も含まれる。

第3ステップ

第3に、生殖器に関する手術療法(性別適合手術)である。
FtMの場合、子宮摘出、膣閉鎖、尿道延長および陰茎形成がある。
MtFの場合、豊胸手術、陰茎および精巣の切除、膣および外陰部の形成がある。
これらのうち、本人が望む手術が行われる。

問題と困難

日本においてはまだトランスジェンダーに対して正確な理解が得られている状況とは言い難い。単なる同性愛者と誤解されることも多い。

トランスジェンダーへの知識・理解に欠ける者が、当事者に対して出生時の性別を本人に向けて強調したり、本人の望まない性別として扱ったり(三人称に本人の自認する性別に準じたものを使わない等)、本人の意思に反して出生時の性別を第三者に漏らす、秘密を暴露することなどの行為を至ってカジュアルに行うことがあるが、これらはいずれも当人にとっては強い侮辱・差別にあたるため、断じて行うべきではない。特に最後の行為はアウティングと呼ばれ人権侵害に当たる行為であり、近年LGBTへの配慮・理解の欠如によって起こる問題としてよく取り上げられており、無理解な人物や企業がこのような行為を行うことで事件化に至ったケースもよくある。

近年、教育の場では少しずつ人権回復への対応が進みつつあり、性自認とその性別で人生を送ろうとする意志を確認した上で男子校女子校への入学が認められるケースが出てきている。
しかしラディカル・フェミニストの中にはトランスジェンダーの者に対して存在を認めない、あるいは差別言説やヘイト扇動を行う者が現れるようになった。特に出生時に割り当てられた性別が男性で性自認が女性である場合、こういった自称フェミニストからは女と認められず、「絶対的被差別者であるはずの女の領域に入ってくる男」とする為にミスジェンダリング(性自認と故意に逆の性別で扱う性差別)を行った上で弾圧・攻撃の対象にされることがある。こうした自称フェミニストはTERFとも呼ばれ、SNS上では被害者を自殺に追い込むまで弾圧を続ける事例も起こるなど深刻な人権侵害として近年問題視され始めている。

また海外には「女性だと思ったら男性だった事案」を示す「trap」という言葉があり、架空・実在問わずそのような事案を誘発する存在に対しても使われる(この場合男の娘とほぼ同義)ため、この言葉がMtF/トランス女性の当事者に対して無配慮に使われ、当人が深く傷つくだけでなく、無理解な者が「trap」というレッテル貼りをしながら当人達を攻撃し人格否定するなど深刻な問題が起こっており、「trap」という言葉自体が差別にあたるとして物議を醸している。また、トランスジェンダーであることを隠し、表立っては生まれつきの女性として社会生活を行っているトランス女性が、異性愛者である男性と付き合った場合において、後にトランスジェンダーであることが判明した際に、男性側がトランス女性を女性として認めず、「trap」呼ばわりして暴力を振るう、最悪の場合激昂して殺害するケースまである。

このようにして自認する性を極端に否定された上に命まで奪われる事態が海外では無視できない件数で起こっており、上記のようなトランスジェンダーへの極端な無理解や攻撃性、差別心、嫌悪を持ち、それを表明・表現する者は「トランスフォビア」と呼ばれ問題視されている。

アメリカを中心に、毎年11月20日は国際トランスジェンダー追悼の日として認識されており、トランスフォビアによる暴行で命を落としたトランスジェンダー当事者達の犠牲と悲劇を忘れないようにするため、トランスジェンダーの尊厳と権利について考える日となっている。

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