概要
トランスジェンダーの性別変更については、個人の性自認(自分自身の性別を自分でどのように認識するか・したいか)の尊重と社会的影響のバランスをどう取るかという観点から世界中で議論を呼んでいる。
法制度
日本では、「性同一性障害者の性別の取扱の特例に関する法律(通称GID特例法)」により、 「性別適合手術を受けていること」「未成年の子どもがいないこと」などの要件を満たしていることが必要。2020年までにそうして戸籍変更をして性別移行を果たした人は1万人以上いるという。
スペインやニュージーランド、カナダおよびアメリカ合衆国のいくつかの州では、性別変更のハードルを下げて自己申告だけで望む性別で生活できる制度(セルフID)が施行されている。日本でも2024年7月に広島高裁が手術を受けないまま戸籍上の性別を男性から女性に変更することを認める決定を出した。
一方、LGBTに寛容な気風があることで知られるタイ王国では、逆に手術を行なっても法律上の性を変えることはできない。これを外国人が非寛容と決めつけることがあるが、タイのトランスジェンダーは法律上「男性」のままで望む生き方ができるため、性別移行の必要がないのである。
パキスタンは、トランスジェンダーが男性でも女性でもない「第3の性」に移行するというユニークな制度を採用している。
問題点
女子更衣室、女子トイレ、女湯、女性専用車両などは男性の脅威を避けるために設けられているため、性別変更をしたトランスジェンダーが入りたいと言い出しても女性としては認めるわけにはいかない(差別団体の言い分をそのまま受け入れている時点で差別)(女性スペース問題)のだが、多くの声を上げた女性たちが「ヘイト」「差別」と決め付けられて迫害を受けている。