概要
ボクシングにおいて、日本の法律では職業としてボクシングを行うのは資格はいらないが試合を行う団体(所謂ボクシングジムなど)に選手登録しライセンス(選手登録証)を受けることが必要になる。
基本、同門対決は禁止。
日本の場合は日本ボクシングコミッション(JBC)の「ボクサーライセンス」を試験(以下、プロテスト)で受け、筆記と実技によって行われる。
プロテストで合格したらC級(4回戦)からスタートするが、アマチュアで一定以上の実績のある選手(全日本選手権優勝経験者など)や他の格闘技で顕著な実績のある選手(元K-1ヘビー級王者だった藤本京太郎など)は、別枠のプロテストに合格することでデビュー時からB級ライセンスやA級ライセンスを取得できる。(A級はオリンピック出場者が多い。)
JBCは現在東洋太平洋ボクシング連盟(OPBF)に所属し、上組織のWBCルールに従っている。コミッションは日本の他、韓国、モンゴル、中国、香港、台湾、ハワイ、タイ、インドネシア、フィリピン、パプアニューギニア、インド、オーストラリア、ニュージーランド、フィジー、トンガ、サモアが該当し、アメリカは加盟していない。
JBCのライセンスを獲得すると、JBC主催の公式戦を立ち見に限って無料で観戦することができる。これは、プロボクサーの試合の研究を助けるための制度ともいえる。
1990年代には女子のプロボクシングも行われ、日本女子ボクシング協会(JWBC)が管轄・管理していたが2008年にJBCが女子の参加を決めたため移行、今に至る。(JWBCは発展的解消。)
海外ではプロモーターとの契約が成立した時点でプロ活動が可能になる場合が多い。
アメリカではコミッションが州ごとで仕組みが異なり、多くのコミッションではプロテスト制度は採用していないがアマチュアで一定の成績を収める必要がある。
階級
名称(旧/新) | 境界 | 架空のキャラ | |
---|---|---|---|
アトム級(※1)[女子のみ] | 46.266kg以下 | ||
ストロー/ミニマム(※2) | 47.627 kg以下 | ||
ジュニアフライ/ライトフライ | 48.98 kg以下 | ||
フライ | 50.80 kg以下 | ||
ジュニアバンタム/スーパーフライ | 52.16 kg以下 | ||
バンタム | 53.52 kg以下 | 矢吹丈、高嶺竜児、鴨川源二 | |
ジュニアフェザー/スーパーバンタム | 55.34 kg以下 | 真田一機、小橋健太、小津翼 | |
フェザー | 57.15 kg以下 | 堀口元気、幕之内一歩、真壁俊 | |
ジュニアライト/スーパーフェザー | 58.97 kg以下 | 高嶺豪、木村達也 | |
ライト | 63.50 kg以下 | 青木勝、鬼塚慶次、間柴了 | |
ジュニアウェルター/スーパーライト | 63.50 kg | ゲロ道、ユリー・チャコフスキー、東竜 | |
ウェルター | 66.68 kg以下 | 力石徹、前田太尊 | |
ジュニアミドル/スーパーウェルター | 69.85 kg以下 | ブライアン・ホーク、麻仁アキオ | |
ミドル | 72.57 kg以下 | マンモス西(※3)、鷹村守(※3)、デビッド・イーグル | |
スーパーミドル | 76.20 kg以下 | ||
ライトヘビー | 79.38 kg以下 | ||
クルーザー | 90.71 kg以下 | 神御蔵一號 | |
ヘビー | 90.719 kg以上 | マイク・バイソン、タイガー・M、アイアン・マイケル他多数 |
※1 アトム級は団体によって呼称が異なる。(ミニマム級、ストロー級、ライトミニマム級とも。)
※2 ミニマム級は団体によって呼称が異なる。(ミニマム級、ストロー級、ミニフライ級とも。女子でもミニフライ級と呼ぶこともある。)
※3 当時はミドル級がJBCの上限だったので、本来ヘビー級の体重から試合前は減量している
実在選手
※現役は太字。☆印はオリンピック金メダリスト。
世界チャンピオン
男性
輪島功一 ガッツ石松 具志堅用高 渡嘉敷勝男 大橋秀行 辰𠮷𠀋一郎 鬼塚勝也 竹原慎二 川嶋勝重 名城信男 長谷川穂積 亀田三兄弟(亀田興毅・亀田大毅・亀田和毅) 内藤大助 坂田健史 西岡利晃 河野公平 八重樫東 井岡一翔 山中慎介 小國以載 井上尚弥 内山高志 田口良一 村田諒太☆
ロッキー・マルシアノ モハメド・アリ☆ マイク・タイソン イベンダー・ホリフィールド フロイド・メイウェザー・ジュニア シュガー・レイ・レナード☆ オスカー・デラホーヤ☆ ナジーム・ハメド バーナード・ホプキンス アレクサンデル・ムニョス エドウィン・バレロ フェルナンド・バルガス リカルド・マヨルガ シェーン・モズリー レノックス・ルイス アルツロ・ガッティ ロナルド・ライト ディエゴ・コラレス アイク・クォーティ
マルコ・フック マニー・パッキャオ ギレルモ・リゴンドウ☆ ローマン・ゴンサレス ワシル・ロマチェンコ☆ ゲンナジー・ゴロフキン タイソン・フューリー ロブ・ブラント ノニト・ドネア
女性
その他
赤井英和・・・世界戦挑戦経験あり。
斉藤清作・・・日本タイトル(国内)獲得。
アダム・ワット・・・国内及び地域タイトル獲得。
因みに、
- 竹原慎二・長谷川穂積・井岡一翔は父親、輪島功一・辰𠮷丈一郎・赤井英和は息子(辰𠮷の次男・辰吉寿以輝と赤井の長男・赤井英五郎は現役。)、モハメド・アリは娘(レイラ・アリ)と親子でプロボクサーだった。
- 因みに井岡は叔父が元WBC世界ミニマム級・元WBA世界ライトフライ級の王者だった井岡弘樹である。
- 亀田三兄弟の他、大橋秀行は兄と、井上尚弥・内山高志は弟と兄弟でボクサーである。(井上の弟・拓真は元WBC世界バンタム級暫定王者・現WBA世界バンタム級王者で現役。)
- さらに亀田三兄弟、井上尚弥は従兄弟(亀田のいとこ・亀田京之介、井上のいとこで元WBOアジアパシフィックスーパーライト級王者、元日本チャンピオンの井上浩樹は現役)、輪島功一は孫(輪島の長女とと元日本ランカーの父との間に生まれた磯谷大心は2021年10月にデビューした。)もプロボクサーである。
- フロイド・メイウェザー・ジュニアは父・叔父2人(内1人は世界2階級制覇王者)も元プロボクサーのボクシング一族である。
- このほか、プロボクサーだった有名人の家族は、次の通り。
- 格闘家の長島☆自演乙☆雄一郎の実弟「長島謙吾」(元日本ランカー)、
- ELLYとLIKIYAの実父「カーロス・エリオット」(元スーパーウェルター級日本王者及び東洋太平洋王者)、
- 元プロ野球選手・杉谷拳士の伯父「杉谷実」と父「杉谷満」(伯父は元日本ジュニアウェルター級王者、父は元日本フェザー級王座で世界挑戦経験有り。)
- 南海キャンディーズ・山崎静代の実弟「山崎晴信」(しずちゃん自身は元アマチュアボクサー)
- 俳優・伊吹吾郎の孫「伊吹遼平」(2023年5月デビューの現役選手)
- 日本人男子ボクサーの世界チャンピオンで2020年現在、ミドル級(竹原・村田諒太の2名)より上の階級とウェルター級では未だ誰もいない。(階級ではライト級が世界で一番選手が多く、ウェルター級~ミドル級は欧米の選手が多い。因みに、ライト級ではガッツ石松ら3人、スーパーライト級2人、スーパーウェルター級は輪島功一ら3人+暫定王者1人がいる。)
- 日本のプロライセンス取得者で、芸能人は片岡鶴太郎、演歌歌手の山川豊、森脇健児が取得したが試合はしていない。(但し片岡は「合格しても試合には出場できない」という条件で受験、後にマネージャーとしてセコンドについた。山川と森脇はトレーナーのライセンスを持つ。)2023年には横浜流星が取得している。