概要
日本語での正式表記は「トンガ王国」。現在の国王はトゥポウ6世。
首都はヌクアロファ。公用語はトンガ語。
太平洋の数少ない立憲君主制国家であり、列強による植民地化の波を耐え切った国でもある。
厳格な身分制度があり、国民は、王族、貴族、平民の3つの階級に分けられている。なお、法律はどの階級にも平等に適用される。
主要産業は農業、漁業、観光。輸出品のほとんどはカボチャである、大幅な貿易赤字と失業に悩んでいる。
2022年1月にフンガトンガ・フンガハアパイ海底火山噴火で津波被害を被ったが、多くの国はオミクロン株の蔓延中であったため支援は困難を極めた。
各国では義援金の受付が始まっており、日本でもトンガ大使館から受付口座が開設された他、100万ドルの資金援助を発表し、現地支援部隊として自衛隊を派遣した。
国民
トンガ人は全体的に大柄で、日本に力士やラガーマンを輩出している他、先代国王のツポウ4世は世界で最も大きな国王としてギネス記録に登録されている。
タロイモ料理などが好まれ、かつ家族や友人のつながりを大事にする国民性から皆で集まって食事を取る傾向にある。
しかし糖質や脂質が多い食事になりがちなためかなり肥満率が高く、国民の約67%がBMI30以上の肥満である。
当然糖尿病などの率も高く、先代国王の時代には国をあげてのダイエット企画が敢行されたこともあった。
近辺のオセアニアの島国同様、過去にスペイン風邪などの感染症で多くの犠牲を出し国の存亡の危機にさらされた苦い経験と医療体制が十分ではないことから、2020年以降のコロナ禍においては事実上の鎖国に近い体制を取り、在外トンガ人の帰国に際しても厳しい隔離機関と制限を設けていた。この理由としては肥満率の高さから感染症の侵入を許せば多くの重症者が発生するという危機感が強くあるためである。
歴史
ラピタ文化
トンガは文字を持たない文化であったため、西暦1000年以前の詳しい事は分かっていない。
出土した土器などから、紀元前850年頃に訪れたラピタ人によってラピタ文化圏に入ったとされている。
帝国の形成と衰退
トンガは世界史でいうところの古代から中世にかけて全盛期を迎え(トンガ大首長国)、ポリネシアの大部分と、メラネシアとミクロネシアの一部を支配する巨大帝国となり、その範囲は300万平方キロメートルを超えた(エジプトの3倍以上の広さ)。
帝国は極めて強力な海軍力を持ち、その軍事力を背景に、太平洋全域をゆるやかに支配した。しかし、15世紀ごろから内戦が勃発する。折りしも西洋は大航海時代であり、内外に敵を抱える事となった帝国は急速に衰退し、周辺の島々は次々に列強の植民地となっていった。
その後トンガは長い内戦を経て、1845年にトンガ王国として統一を果たした。
近代には帝国主義国となり、隣国フィジーの一部を制圧して植民地とし、キリスト教を利用して支配力を強めようとした。
しかし、アメリカをはじめとする列強の干渉にさらされ、成果はわずかとなった。
独立から現在まで
1900年には友好的関係にあったイギリスの保護国となる。第二次世界大戦ではイギリス軍の一角(連合軍)として太平洋戦線に参入し、ソロモン諸島で日本軍と交戦した。
その後の1970年にイギリスから独立し、1999年に国際連合に加盟した。
現在、トンガはやや政情不安で、何度か暴動が発生している。
また、イギリスとアメリカの合弁会社が利益のためにトンガの一部を独立させて新たに国を作らせようと画策しており、トンガは独立させようとするグループとしのぎを削っている。
日本との関係
日本との関係は比較的に良好であり、貿易黒字のかなりの割合を対日貿易が占めている。また、トンガの王室と日本の皇室も親密な関係にある。
日本からの技術供与やODAの他、皇室とトンガ王室とは深い友好関係にあり、国王や王族等の要人が頻繁に来日している。 また国をあげて日本の大相撲にトンガ人力士を送り込んでいた時期もある。
3.11の際には、対GDP比で最高額の義援金を寄せてくれた。なんと、国家予算の半分近くを寄付に回したという。
渡航
観光目的であれば査証は不要、残存有効期間6ヶ月以上のパスポート・出国用のチケット・入国カードがあれば31日の滞在許可が降りる。
日本の外務省は危険情報は発令してないが首都や周辺地域で外国人を狙った事案が発生しているため注意してくださいと呼びかけている。
余談
- クック諸島に属する「ラロトンガ島」は、名前こそ似ているが法律上の関連性はあまりない。
関連タグ
ピタ・タウファトファ:テコンドー代表。リオオリンピックの開会式で、上半身裸にココナッツオイルを塗ったテカテカ姿で入場し世界的に注目を集めた。平昌オリンピックでもクロスカントリー代表として参加、同じ姿で旗手を務めた。