概要
登場するキャラクターが非常に多いため、個別記事のあるキャラクターについてはそちらを参照。年齢は、基本的に本編開始当初のもの。
声優はドラマCD版・TVアニメ版、俳優は舞台版での配役。なお、ドラマCD版・TVアニメ版のナレーションは成田剣が担当。
ティアムーン帝国
帝室関係者
CV:上坂すみれ/演:平松可奈子(第1弾・第2弾)、宮崎あみさ(第3弾)
本作の主人公。大陸の二大強国の一つであるティアムーン帝国の現皇帝・マティアスと皇妃アデライードの長女(第一皇女)であり一人娘。年齢は「11歳(第1章、本編開始時点)→12歳(第1章、セントノエル入学後)→13歳(第2章〜第3章終盤)→…」と言及はされないものの年数に応じて増えていくので、読者はその時点でのミーアの年齢を把握してないと時系列やキャラ間の年齢差を見誤ることになるので注意が必要。
CV:内田真礼
文庫版第3巻から登場。本作のもう一人の主人公であるボクっ娘少女。
その正体は最初の時間軸(ミーアがギロチンで処刑された時間軸)とは別の時間軸から本編の時間軸へとやってきた、未来のミーアとアベルの孫娘。
CV:松山鷹志
現皇帝でミーアの父親。48歳(初登場時)。
統治者としては可もなく不可もなく。名君ではないが暴君でもない。横暴さはあるが一般的な権力者程度である。
亡き妻・アデライードを深く愛しており、先立たれた後も再婚はしていない他、そもそも彼女が初恋の人にして唯一の女性関係という純情家。ミーアを溺愛していることで有名で、公の場においても「パパと呼んで」などとしつこく言いよってくるため当のミーアからは鬱陶しがられている。
最初の時間軸では、ミーアよりも先に処刑されている。晩餐において飢饉で食事が貧しくなった事に不満を漏らすミーアに対して「実際に産地に行けば、また違うかもしれないから、いっそ父娘で旅行に行こうか」とのたまい、ミーアがそれを本気にせず(いつものように)あしらった事が最期の会話となっており、この時に父の言葉を適当に流していた事はミーアの悔いになっていた。
革命末期になった頃、食料を得る事を口実にミーアを国外の貴族に嫁がせることを画策。これはミーアがただ国外に脱出する事は協力者は得られないだろうが、食料を得るため、国を救うための政略結婚という体裁にすれば、協力者を募ることができるのとミーア自身も納得するだろうと言う算段からである。また自分自身が処刑されるのは仕方ないにしても娘のミーアまで処刑されては、妻であるアデラに顔向けができないという考えもあった。しかし計画は失敗に終わり、しかも処刑前の最期の言葉の内容がこの政略結婚が失敗に終わったことへの悔恨であったことから後世の歴史家から「無能の証」と酷評されることになる。
本編の時間軸では生き残っており、家臣から跡継ぎをもっと増やせと言われても亡き妻への純情から「知らん!」と突っぱねている。
良くも悪くもミーアの好感度しか興味がないため、ミーアが望めば暴君になりうるが、それさえなければ、無難な統治を行うことができる。ミーアが問題なくルードヴィッヒと共に改革を行えているのもマティアスが娘可愛さのあまり不平を言う貴族を黙らせているためでもある。その姿勢がサンクランド国王をはじめとした他国の王族からは年齢や性別、身分に囚われず能力を評価する無私の人物と評価されている。退位後の評価としては「帝国の叡智と名高いミーアとは思えないほどに凡庸だった」とも言われているが、本編においてベルマン子爵からただセイレントの森を取り上げて恨みを買ってしまうところだったミーアを森の近くにプリンセスタウンを作り管理するようベルマンに命ずることでフォローするなど、彼自身の功績もありはした(ただし、これすらも周りからはミーアの策略と評価され、マティアスのファインプレーだったことに気づく者はいなかったが)。
基本は親バカパパの例に漏れず娘に近づく男絶対なぎ倒すマンであるが、一方で帝室の血を絶やさないためにもミーアが婿を取るのは義務であるとは認識しており。娘の誕生祭の際、招待した2人の王子(シオン・アベル)を紹介された際には特に拒絶することなく娘の婿として相応しい人物か鋭い眼光で品定めする程度であった(ただし、それを受けたシオンからは「戦いを挑んでくる戦士のような鋭さがあった」と評されており、やはり娘を誑かす男への敵意がダダ漏れだったようである)。
また論功行賞の基準もミーアであり、ルードヴィッヒがセントノエル学園からミーアを呼び戻した際に「ミーアの学園生活を邪魔するなど死刑に値するが、以前ミーアを助けたから流罪で済ます」と宣言したがミーアが処罰は不要と進言した途端に皇帝としてルードヴィッヒを激賞する、ミーアが手作りの菓子を作り自身に食べさせた際そのきっかけを作ったアンヌを直々に呼び出し物凄く褒めた上に特別給金を与えるといった具合である。
ミーア自身も父の娘馬鹿ぶりを熟知しており、忠臣達の処罰を無くさせるために、自身のプライドを犠牲にすることもある(お父様ではなくパパと呼ぶ、など)
ミーアベル(ベル)と会った時は「こんなにミーアにそっくりな子が悪い子なわけがないだろう」の一言で細かい事も聞かずに受け入れている。もっともベルがガチの曾孫である事は知らない。ところがベルがとっても素直な(しかも何の抵抗もなくパパと呼んでくれる)ものだから、ベルの事もお気に入りになる。
なお、聖女ミーア皇女伝の記述によるとミーアがセントノエル学園を卒業してまもなく彼の死をきっかけにミーアが女帝に即位するとされているが、女帝ミーアの時間軸で故人なのかは不明(少なくとも、ドラマCD第一弾特典の短編ではミーアの花嫁衣装の試着会時点ではミーアに「陛下」と呼ばれている描写があるため、ミーアがセントノエルを卒業し結婚するまでは存命と思われる)。
- アデライード・ルーナ・ティアムーン
皇妃。ミーアの母親で、夫からの愛称は「アデラ」。ミーアが物心着く頃には既に亡くなっているため、本編開始時点で既に故人。
初登場はコミカライズ版第2巻の巻末書き下ろし番外編。身体が弱く、社交界に出ることも稀であった。絹織物が盛んなコティヤール侯爵領の出身であり、服飾が得意だった。本編の時間軸において、セントノエル学園入学時のダンスパーティーでミーアが着たドレス(月明かりのドレス)はアデラの手作りであり、彼女の形見の品である。舞台第二弾DVD特典SSにて、本人は登場しないまでも元・侯爵家お抱えの仕立て屋にして刺繍の師でもある呉服屋の老婆が登場し、「少女期の姿はミーアに瓜二つだったこと」 、「(現物を見れば誰の作業かわかるぐらいに)刺繍に独特の癖があったこと」などが明かされた他、老婆から語られたコティヤール刺繍の持つ意味を聞いたミーアがコティヤール家の伝統を帝室に取り入れるきっかけとなった。
ミーアが生まれた暁には「『父上』『母上』などの礼節めいた呼び名ではなく『パパ』『ママ』と呼ばせる」「家族一緒に食事する」などの帝室や貴族の常識に縛られない、(いわば平民めいた)幸せな家族関係を望んでおり、これが結果として遺言となったこととミーアが彼女の生き写しなことがマティアスが娘に対し威厳などない親バカパパとして接する理由となっている。
アベルとミーアの娘(三女)。ティアムーン帝国の第三皇女であり、ミーアベルの母。名前はミーアの祖母パトリシアと忠臣アンヌの名前を合わせたもので、愛称は「トリシャ」。かつての母ミーアに似て臆病だが、誰よりも真っ直ぐな性格。
ミーアの先代の皇妃。ミーアの父方の祖母(マティアスの母)。元々はクラウジウス侯爵家の令嬢。作中では、ローレンツの台詞で存在が言及されており、彼には「聡明な方だった」と評された。ミーアの生きる時代においては既に故人。
本編では過去から10歳の頃の彼女が飛ばされてくる形で登場。愛称は「パティ」。混沌の蛇の教育を受けたエリートらしく、「蛇になるためだから」と言えばすんなりとミーアの言うことを聞いている。無表情で何を考えているのかよく分からないところがある。三日月形の痣を持つ。
宮廷関係者
- ムスタ・ワッグマン
CV:高橋伸也
ティアムーン帝国の宮廷料理長。名前は文庫版第4巻の電子特典が初出で、それ以前は単に料理長と呼ばれていた。クマのような大きな体と、もこもこのヒゲという特徴的な顔。
宮廷料理長の地位にあるだけはあり帝国一の料理の腕を誇る。野菜でケーキを作ることもできる(第二部第六十六話)。
帝室の健康を守るのも臣下の務めであるとミーアを気遣う。
最初の時間軸では、「嫌いな野菜(特に黄月トマト)の入った料理ばかり出してくる」という理由で、ミーアが14歳の誕生日にクビにしている。その後は小さな街で料理店を経営し、ミーアの処刑を聞いて胸の疼きを感じた。
若干の改変が行われた時間軸(ミーアの努力が実らず革命が起こった世界)ではミーアの処刑前日に最後の晩餐を提供する。その時ミーアが処刑されることに悔しさを滲ませながら、ミーアを食卓に案内した後ミーアから晩餐を一緒に取ることを提案され、彼女の最後の晩餐相手となった。二人だけの晩餐会でミーアとの思い出話に花を咲かせている際にミーアから「貴方をクビにしなかったことは正解だった」と言われ感情を抑えることができず涙を流した。
本編の時間軸においては、彼の気遣いに感動したミーアから信頼されてそのまま料理長を続けている。その後、ミーアから料理についての質問をされたり、料理を教えたりすることで彼女を娘のように思うようになる。ミーアが違う環境でしばらく過ごして帰還した際には、彼女の健康を考慮して野菜で作られたケーキを提供した。そしてミーアの推薦によりその野菜ケーキは、セントノエル学園の学食メニューに加えられることになる。
大陸の寒冷期初期に、飢饉対策で作られた「ミーア二号」の小麦が不評だと知った際、ミーアの名前が冠される小麦の評判が悪いことを見過ごせず調理法の確立に取り組んだ。自身の知識だけでなく海外の知識を求め聖ミーア学園にも赴き、ありとあらゆる文献を読み漁り、ついに焼くのではなく煮るという調理方法にたどり着く。ミーアの案も取り込み、その料理は白くもちもちの食感の団子(ミーア団子)となり、大人気となった(第四部第55.5話)。
老年にさしかかった頃、女帝となったミーアからこれまでの功績を讃えられ勲章を賜っている。
- ズッカ
演:浅見萌子(第1弾)
舞台版オリジナルキャラクター。帝室に仕えるメイド。無口だが仕事ができる。掃除が好きで、完璧主義者。
リトシュタイン家
CV:楠木ともり/演:田畑寧々(第1弾)、藤崎朱香(第2弾)、湯本亜美(第3弾)
ティアムーン帝国の帝室に仕えるメイド。平民(商家)出身で、リトシュタイン家の長女。17歳(ミーアより5歳年上)。
本編の時間軸ではミーアの専属メイドに抜擢され、ミーアの忠臣の1人となる。
CV:羊宮妃那
アンヌの妹で、リトシュタイン家の次女。12歳(ミーアと同い年)。
小説を書くのが趣味で、ミーアは彼女の書く小説を読むことを楽しみの一つとしている。
四大門閥貴族の関係者
グリーンムーン公爵家の長女。16歳。四大公爵家のお茶会「月光会」の発案者。
ミーアの一番の親友だと自認している、いわゆる構ってちゃんで、ミーアが若干苦手としている人物。
- ニーナ
エメラルダ付きのメイド。18歳。主人のエメラルダに忠実だが、エメラルダからは名前を呼んでもらえないなどの扱いを受けている。ただし、当の本人はエメラルダのドライなところを気に入っている(第二部)。
……と、いうか言動の端々でもっとぶってというホンネが漏れ出ているサーチ&バッチコイ系メイド。本編の時間軸ではミーアの影響でエメラルダに優しくして貰えているので、多少不満がある模様(ただし当然ながらエメラルダ以外にぶたれたりぞんざいに扱われるのは嫌であるらしい)。
その様子を目の当たりにしたアンヌは「忠義にもいろいろな形があるものなのだなぁ……」と遠い目をして、彼女とエメラルダの名誉のために見なかったことにした。
- ヤーデン・エトワ・グリーンムーン
エメラルダの弟でグリーンムーン公爵家の長男。クソめんどくせぇ姉の無茶振りに四苦八苦しながらも、心の奥底では姉の持つ姉パワーに敬服しているシスコン。
一方でティアムーンの貴族学校であるグロワールリュンヌ学園に通っている、同学園を代表できうる優等生のひとりでもあり、姉の「ミーアさま好き好き主義」とグロワールリュンヌに蔓延るティアムーン旧来の価値観に板挟みになりやすい、執事さん・超絶愛婚約者家に並びうる苦労人のひとり、ともいえる。
ブルームーン公爵家の長男。16歳。
許嫁がいて、彼女にいいところを見せようと必死。
- レティーツィア・シューベルト
サフィアスの婚約者。シューベルト侯爵家の令嬢で、ダリオの姉。聡明な人物であり、仮にどんな職種についてもある程度の成果は挙げられる能力がある。大貴族の令嬢であるが柔軟な考えを持っており、平民や辺土貴族にも公平に接することができる。
サフィアスとは相思相愛の仲だが、料理は苦手な模様。出来た料理は生焼け、もしくは消し炭が多いようである。
- ダリオ・シューベルト
サフィアスの従者の少年で、レティーツィアの弟。15歳。脱力系男子。
主であるサフィアスと姉であるレティーツィアの仲の良さに辟易しつつも見守っている。
サフィアスと同じく姉の料理下手には悩まされており、姉に料理をさせないためにサフィアスと共に料理の腕を磨き、それなりの料理を作ることができる。サフィアス、キースウッドと共にミーアと姉の料理会に対抗することもある。
- カルラ・エトワ・ブルームーン
サフィアスの妹。ティアムーンの貴族学校であるグロワールリュンヌ学園に通っている。
並外れた上昇志向を持つヤバいくらいの野心家ではあるが、同時に周囲に知られたらヤバいであろうソレを四大門閥貴族のひとりでありながら腹芸ナシで隠そうともしないアホ貴族(悪役令嬢)の見本めいた令嬢で、やっぱり「ミーアの身内・オブ・ミーアの身内」と言いうる性格の持ち主。承認欲求もことさらデカい俗物であり、権力を持てばミーアの恐れる亡国ムーブを平然とやってのけるトップに立つとヤバい奴であるため兄のサフィアスからは、いろんな意味で思いっきり危惧され、母ヨハンナからは「こんのアホ娘…!」と思いっきりキレられており、事ある毎に母と兄からグリグリ攻撃で懲罰を受けている。
兄のサフィアスを帝位につける野望を抱いているものの、女帝位創設の話題になると(自分がそこに立ちたいがために)後先考えずにノるそぶりを見せたりしている。
ちなみにミーアからは密かに「かつてのわたくしみたいにアイツが大好きそうな香りを纏いふりまいているお方」という評価をされている。
そしてミーア学園にてミーアへの(ヤバい)信望の篤さを目にしてミーアの事を「自らが目指すべき(越えるべき)もの」と捉えて、ミーアの事を某釣り姫のごとく「師匠」とか呼ぶようになった。
- ヨハンナ・エトワ・ブルームーン
サフィアス&カルラの兄妹の母。ブルームーン門閥貴族の奥方たち(ひいてはティアムーンの貴族学校・グロワールリュンヌ学園のPTA)を束ねる「紫月花の会」のトップ。常日頃より時代がかった高慢な物言いをしており、ミーアの改革に対しては静観をしながらも良い印象は抱いていない素振りを見せている。またミーアが帝位を継がなければ、その座はサフィアスに転がり込む目があり得る事から事実上、周囲からはミーアの行く手を阻む障害として見えている。表向きは。
その一方で息子がミーアの元で生徒会役員となっている事に対しても静観しており距離を置かすような事はさせておらず、また聖ミーア学園設立の際には秘密裏に莫大な支援金をブチ混むなど(ミーアは「サフィアスをよろしく」の意図だろうと考えているが)実際のところ活動を影で支援している。
実は先代皇妃パトリシア・ルーナ・ティアムーンに多大なる恩を受けた人物で、アデライード・ルーナ・ティアムーンの親友でもある者。パティのお気に入りかつ亡き皇妃の親友という立場は、マティアス帝に対しても一定の発言権を生じさせており、ヨハンナが絡めばミーアをしても皇帝を動かし辛い状況となりやすい。
一方で、パトリシアとアデラの血を継ぎ、パトリシアが希望として遺したミーアを護るために、あえて敵対する素振りを見せている旨がうかがえる。
レッドムーン公爵家の長女。16歳。男装の麗人。軍務全般に詳しく、剣術、馬術ともに優秀。
演:吉川日菜子(第2弾)
イエロームーン公爵家の長女。12歳(ミーアより1歳下)で、四大公爵家の子女の中では最年少。愛称は「リーナ」。
ミーアベルと親しくなる。
イエロームーン公爵家の現当主で、シュトリナの父親。54歳。ぽっちゃり体形。植物に詳しい。昔はセントノエル学園に通っていた。
イエロームーン公爵家に仕える執事。64歳。ローレンツに何らかの恩義を感じている様子。
月省の関係者
CV:梅原裕一郎/演:佑太(第1弾・第2弾)、株元英彰(第3弾)
ティアムーン帝国の金月省に務める文官。22歳。優れた内政能力と深い知識を持ち、早くから帝国の財政に不安を抱いていた。
ひどい毒舌家であり、最初の時間軸ではそれが災いして上司に疎まれ左遷させられるが、本編の時間軸ではミーアの介入により左遷を撤回させられた上に彼女に重用され、結果ミーアの忠臣の一人になる。
ルードヴィッヒの兄弟弟子。伯爵家の出身。地方政治を担う赤月省の文官を務める。ミーアを女帝の地位につけるべく、ルードヴィッヒと共闘中。
前時間軸では、早々に帝国を身限り出奔していた模様。
ルードヴィッヒの後輩にして兄弟弟子。帝都の政務を担う青月省の役人。立ち回りが上手い世渡り上手。「~っすね!」が口癖。
軍事関係者
CV:古川慎/演:森下竣平(第1弾・第2弾)、樫澤優太(IVVY)(第3弾)
帝国軍の百人隊長。27歳。傭兵上がりでその腕を買われて士官した、自他ともに認める帝国最強の剣士。
以前の時間軸においては、ミーアの処刑を執行した張本人。
本編の時間軸では、ルールー族との一件を丸く治めたミーアに感謝し、忠誠を誓うことに。
- バノス
CV:江頭宏哉
帝国軍の百人隊副隊長で、ディオンの副官。大柄な体格と髭面が特徴で、熊のような風貌の豪快な男。
以前の時間軸では、ルールー族との一件で戦死し、ルヴィやディオンがミーアに恨みを持つきっかけとなってしまう。
本編の時間軸では、ミーアがルールー族との一件を丸く治めたことにより生き残り、後に皇女専属近衛部隊の隊長に任命される。レッドムーン家のルヴィに好意を持たれている。
ミーア自身、気さくで大らかな性格でありまたディオンを抑えることのできる人物として、ルヴィの想い人でもあるバノスを頼りにしている。
強風に飛ばされた障害物からミーアとルヴィを身をもって助けたことにより士爵の地位を得ることになる。
ミーアベルの時間軸ではルヴィと結ばれることはなかった模様。ミーアの第一皇子を守る戦いに参加し勇敢に戦い討ち死にした。
- マルス
演:渡辺誠也(第1弾)
舞台版オリジナルキャラクター。帝国軍の百人隊に所属する兵士で、ディオンの部下。同じ部隊のバッカスとは共に戦場を潜り抜けてきた仲間で、なにかとボケがちな彼に突っ込みを入れることが多い。
- バッカス
演:九十九康貴(第1弾)
舞台版オリジナルキャラクター。帝国軍の百人隊に所属する兵士で、ディオンの部下。同じ部隊のマルスとは共に戦場を潜り抜けてきた仲間。少し間抜けな一面があり、マルスやディオンによくツッコまれている。
- ダイヤ
演:美尾優気(第1弾)
舞台版オリジナルキャラクター。王宮に仕える騎士で、ミーアの護衛を担当する。知的でカッコイイ、頼れる騎士になるのが夢。
- オイゲン
ティアムーン帝国の近衛兵。ミーアが新月地区への訪問を希望した際に集められた近衛のひとり。ミーアが新月地区に手を差し伸べ立て直した姿をつぶさに見届け、ミーアへの忠義の思いを強くしたひとり。のち皇女専属近衛隊(プリンセスガード)への配属を希望し、皇女近衛のひとりとなる。
その忠誠心はバノスから「例え皇女専属近衛隊が全滅しても彼はミーアを守るために最後まで一人で戦い抜く」と評されている。
ミーアを尊敬する主君であると同時に可愛い妹のように思っており、彼女の幸せを心から願いアベルやシオンのこともミーアの相手になり得る人物として注目している。
ミーアベルの時間軸では、妻に先立たれ子供たちも独立した後、ミーアの血筋を引く最後の姫であるミーアベルの護衛に生涯を捧げた。
- エルンスト
ティアムーン帝国の兵士。
前の時間軸では、食料を輸送するための部隊を護送する任務についていた際、自分以外の兵士が盗賊側に寝返った中ただ一人輸送部隊を守る任務を全うし命を散らした。彼の忠義はその場を逃げることが出来た商人を通じてミーアに届けられた。
今の時間軸では、絶対的に信用できる部隊を作るために忠義の兵を探していたミーアが彼の存在を思い出し、皇女専属近衛隊にスカウトした。しかし、本人はなぜ自分が近衛隊に抜擢されたのかについて疑問を持っている。
ルドルフォン辺土伯領
CV:高尾奏音/演:草場愛(第1弾・第2弾)、鵜川もえか(第3弾)
ティアムーン帝国南部の辺境域を治めるルドルフォン辺土伯の長女。12歳。
辺土伯は貴族としては格下とみなされており、その逆境をはねのけるべく勉学のみならず、剣術にも通じた努力の才女。
CV:関根明良
ルドルフォン辺土伯の長男で、ティオーナの弟。10歳。幼いながら研究好きな学者肌の人間で、主に植物学が得意。
最初の時間軸では研究が実り「寒さに強い小麦」を開発した事で領内の食糧難を救い、革命軍が人心を得る大きな役割を果たした。
が、その供給においてはティアムーン革命の勃発前から供与量の調整を姉に進言するなどして、その開発の完成や供与を意図的に遅らせていた。というかティアムーンの人々を見殺しにして革命を勃発させるために多くの人を救いたいとするティオーナを騙し、麦の供給量や情報を制限させていた(実際にはティアムーン全体とはいかずとも、多くの人を助け国も支えられる収量があるにもかかわらず、それを秘匿した)。特にルドルフォンが小麦を供与する事で父を殺した帝室が助かる事が許せなかった。その結果、飢饉の悲劇は拡大しセロの狙い通りにティアムーン革命は勃発した。つまりセロはティアムーン瓦解の黒幕のひとりであり、またそのために多くの犠牲を意図的に看過した(ティアムーンを中心として飢饉にあえぐ多くの人々を見殺しにした)と言える存在である。そのためにセロの麦は後世において「ティアムーンを(ひいては大陸を)滅ぼした毒麦」と呼ばれた(漫画版8巻収録の書き下ろし番外編小説より)。
本編の時間軸においてミーアはティオーナとの交流の際にその事(セロが耐寒麦の開発者である事)を思い出し、来たる未来への対抗手段とすべく、彼の能力を帝国で発揮させる為に「ある計画」を実行に移す。その結果、アーシャ先生に師事して「きちんとした植物学」を早くから修める事により、最終的には彼の研究は最初の時間軸よりも飛躍的な成果を得る事となり、のちには「世界から飢饉を撲滅した男」「食の救世主」「大陸の恩人」とまで言われる程のガチの国際的な歴史上の偉人となった。
- ルドルフォン辺土伯
CV:谷昌樹
ルドルフォン辺土伯爵領の当主。ティオーナとセロの父親。
前の時間軸では食料を民衆に分け与え人気を得ていたが革命を引き起こすために「蛇」に拉致され死亡。その罪は皇帝になすりつけられ革命のきっかけになる。
今時間軸では嫡子であるセロの教育に悩んでいた(セロの興味に沿う教育をしてやりたいが、そのためにセントノエルにやってしまうと領土経営などの後継教育が遅れて継承に禍根を残す)ところにミーアから「セントノエルにも負けない学術機関、聖ミーア学園を作るからセロを入学させないか」と打診され、さらに「万が一にも飢饉あるいはそれに類する危機が起こった時、帝室や中央貴族を介さず民へ直接、食糧を供与する事を皇女ミーアの名において許す。事あらば皇女ミーアの名の下に飢えに喘ぐ人々を救いなさい」との言葉と共にミーア(帝室)の御墨付き(認可状)を貰った(前の時間軸では、これが存在しなかったために反逆容疑と帝室の侮辱および不敬の罪に問われている)事で、娘達と同じようにミーアに心酔し忠臣となる。その後他の辺土貴族を取りまとめることに尽力しルードヴィッヒとも友情を結ぶことになる。
ミーアが女帝になった際に合わせて爵位を昇格、伯爵となる予定だったが、ルドルフォン家を軽視する中央貴族からの抗議を受けたミーアの意趣返しにより、時によっては侯爵に匹敵する辺境伯に任命される事になる。そして娘のティオーナとサンクランド王国国王シオンが婚姻を結んだことにより、その爵位は本格的に力を持つことになる。また四大公爵に並ぶ第五の勢力「女帝派」の筆頭と目されるようになる。
ベルマン子爵領
- ベルマン子爵
CV:佐藤せつじ/演:中山佳大(第1弾)、久野木貴士(第3弾)
ルドルフォン辺土伯爵家の隣に領地を持つベルマン子爵家の当主。田舎貴族と見下していたルドルフォン辺土伯家よりも自分の領地の面積が小さいことを気にしており、ルールー族が住む「静海(セイレント)の森」を強引に開拓して我が物にしようと画策する。最初の時間軸ではこれが原因でルールー族の内乱が勃発し、結果的に帝国滅亡の遠因を作ってしまうことになる。
本編の時間軸においては、初めはミーアのことも「美しい見た目だけで周りが叡智と持ち上げているだけ」と軽く扱っていたが、上述の問題をミーアが上手く処理し自身に大きな名誉を与えた事で、ミーアへ多大な忠誠を捧げる忠臣となった。その忠誠ぶりは本編の時間軸から分岐した別の未来(ミーアベルが生まれた未来)においても、皇女派としてミーア亡き後も帝室を支えるだけでなくベルマン領の民総出でミーアベルを保護し最終的に玉砕したほど。
ミーア学園が開校しプリンセスタウンが建設された後、ミーアだけでなく皇帝も自身の領土を訪れることが増えた上に、ミーア学園で新種の小麦が発見されたことにより更なる名誉や金銭を享受することになる。ベルマン自身も昔の振る舞いを愚かで、呪いのようなものだったと評するまで価値観が変わっている。
また皇帝であるマティアスから、ミーアの女帝即位をサポートする中央貴族としての役割を頼まれたことで、より一層の忠誠心を持つことになる。
ミーアが帝国の歴史上初めての女帝になった時間軸では、ルドルフォン家に並ぶ女帝派最古参という点と、領内にプリンセスタウンを抱え聖ミーア学園設立の貢献者という点を評価され伯爵に任命された上に、ルドルフォン家と同様に帝国第五勢力「女帝派」の筆頭格と目され、名実ともに帝国を代表する貴族の一人となった。
- ドミニク・ベルマン
ベルマン子爵の息子。次期ベルマン子爵。最初の時間軸では(本編の時間軸でも当初は)王都の貴族学校に通っていたが、本編の時間軸では聖ミーア学園の設立に伴い、ベルマン子爵によって、そちらに転校させられた。
初めは庶民も通う学校に転校させられたことに不満を持っていたが、伯爵家の令嬢であるペトラやサンクランド王国の第二王子エシャールが入学してきたことにより学園への認識を改め始める。さらにミーア学園は「ミーア殿下に救われた恩を返したい」「ミーア殿下の役に立つ人間になりたい」という熱意に溢れた者が数多く在籍しているため自身もその熱意に感化され始める。そして、どこに出しても恥ずかしくない(逆にミーアとしてはいたたまれないレベルの)超!立派なミーアエリートとなった。
ドミニクには「新しい何かを生み出す」形での突出した才能はないが、既存のものをさらにうまく活用できるアイデアを出すことに長けており、現在の時間軸では麦畑の穂色の差を使ってミーアの似顔絵や絵姿を作るアート(通称:ミーアート)を考案している。これはミーアによる農業差別の払拭と農地拡大施策を実行するにあたり、差別意識に凝り固まった中央貴族(特に領地持ちの貴族)に対して「農地を拡大せよ」と言っても聞くはずもないため、その代わりに「畑の作物を使ってミーア皇女の絵を、たくさん描いたら喜ばれる」「その畑絵で収穫した作物を用いてミーア皇女にご馳走を振る舞えば、尚更に喜ばれる」と喧伝する事で各地の領地持ち貴族に農地を増やさせる搦め手として考案されたもの。
またミーアベルの時間軸ではパトリシャンヌの「自分を囮にし娘(ミーアベル)を逃す」作戦に協力。迫り来る敵を陽動、撹乱しミーアベルを逃すことに貢献し自身はその闘いで戦死した。ミーア学園でミーアベルと会った際に、その件についてお礼を言われるが自身に覚えがないため否定しようとしたが、無意識に溢れ出る安堵感と共にそれを心から喜んだ。
ルールー族
森を尊び生きる少数民族。帝国のルドルフォン辺土伯領・ベルマン子爵領の境界にある森「静海(セイレント)の森」に住んでいる。大陸の公用語に不慣れな者が多く、作中の会話では助詞を省いた片言のような喋り方として表現されている。
CV:斎藤楓子/演:河地柚奈(第1弾・第3弾)、花井円香(第2弾)
ティオーナにメイドとして仕える少女。11歳。弓の名手であり、身体能力は高い。主人であるティオーナに懐いている。
新月地区に暮らす孤児の少年。母親を病で亡くし、自身も飢餓によって衰弱し倒れていたところを新月地区へ視察に訪れていたミーアによって助けられ、同地区の教会に保護されたことで一命を取り留めた。
この時に純真な少年の目は、それが純真であったがゆえに思いっきり一気呵成に曇りきり、助けてくれたミーアが慈愛の聖女か女神様に見えていたとか。
後にミーアと再会した時に、ルールー族の族長の孫であったことが判明する。その際、命を助けてもらったお礼として母親の形見である「ユニコーンの簪」を渡すが、このことがルールー族とミーアの関係において大きな役割を果たし、これを機にワグル自身も一族の元に迎え入れられる。
一族に迎え入れられた後は聖ミーア学園の生徒となり、林業(持続可能な計画的森林運営術)や木工芸を学ぶ。
将来には多くの彫刻作品を作り上げ世界に名を遺す大芸術家となる模様(……なのだが、特に縛りの無い限りにおいては、そのモチーフが大抵女神ミーアやエンジェルミーアだ、というのはご愛敬ではある)。その学びはルールー族伝統の木工芸に新たなる息吹を吹き込み事となり、その活躍によってベルマン領・ルールー族の工芸技術は一足飛びの発展を遂げる事となる。
ルールー族の族長を務める老人。原作にも登場するが「族長」としか呼ばれておらず、名前は舞台版で初めて設定された。10年以上前に、娘が他の部族の男と恋に落ちて森を出て行ってしまい、勘当したものの心配していた。
実はワグルの母方の祖父にあたる。ミーアがワグルにもらったユニコーンの簪はかつて彼が娘(ワグルの母親)に渡したものであり、それを身に付けていたミーアを通して娘の死と孫の生存を知る。
リオラの兄で、ルールー族の戦士。コミカライズ版の第6巻書き下ろし小説番外編「その剣の意味は」にて初登場。
最初の時間軸では帝国軍百人隊との戦闘で戦死している。
本編の時間軸では百人隊とルールー族の戦闘が未然に防がれたため生存している。
- ジルワ
演:田畑寧々(第1弾)
舞台版オリジナルキャラクター。ルールー族の1人。弓の名手で、「静海(セイレント)の森」と族長エグルを護ることを自らの使命としている。一方で帝国貴族に対する不信感が強い。
新月地区
新月地区にある教会の神父。原作にも登場するが、名前は舞台版で初めて設定された。新月地区の貧困による窮状に常に心を痛めている。ラフィーナの大ファン。
- スザンナ
舞台版オリジナルキャラクター。新月地区の教会で働く女性。面倒をみている孤児達の行く末を心配している。
新月地区の孤児院に暮らす少女。秀才であり、本編の時間軸においてミーアが学園都市計画を立ち上げる時、その才能を見出されミーア学園に入学することになる。
その後、学園長直轄の特別クラスにて放浪の賢者の教えを受け帝国の次世代能吏の筆頭となる。ルードヴィッヒが宰相となった後は、万能の才女としてルードヴィッヒの右腕として重用されることになる
その他
ルードヴィッヒの師匠。「放浪の賢者」「老賢者ガルヴ」と呼ばれる老人。
フィールドワークが趣味であり、いろいろなことに興味を持ち、帝国各地を練り歩く。貴族や帝室のことは元々嫌っていた。
しかし弟子であったルードヴィヒが帝国皇女のミーアに仕えていることを知り、彼女に興味を持つ。
三顧の礼を持ってミーアを試すが、ミーアが自身と会うために、辛抱強く待ち続けたことからミーアに心酔しミーア学園の学長を引き受けることになる。
彼の取りなしによりわだかまりがあったルールー族とベルマン子爵家はミーア像を建設したり、ミーア記念館を共同作成することになる。そしてミーアは心の中で悲鳴をあげ、引き攣った笑みを浮かべることになる。
最初の時間軸でミーアの専属メイドだった少女。ローゼンフランツ伯爵家の三女。
現在の時間軸でも帝室付きメイドだったが、ミーアによる学園の設立を知ってメイドを辞し聖ミーア学園の生徒となる。同輩や後輩たちに「わたしたちがミーア様の恥や泣き所(弱点)にならないために」と卒業後に貴族とも渡り合えるような「武器にできる礼儀作法」を教え、卒業後にはガルヴに学園への残留(教師就任)を打診されて礼法の教師となった。
ペトラが教えた礼法と教養はミーア学園の出身者たちをセントノエル学園の出身者たちとも対等に渡り合える人材へと押し上げる基礎となった。
- ウロス・ランジェス
セントノエル学園に通う男爵家の子息。やや小太りな体型。実家であるランジェス家はブルームーン派に属している。
田舎貴族のティオーナがセントノエル学園に通っていることが気に入らず、知人三名と共に従者にティオーナを監禁させた。その咎を受け、本来は強制送還させられてもおかしくなかったが、ミーアが従者達のみを強制送還にしラフィーナにも口添えをした結果謹慎ですみ、学園に残ることができた。それ以降ミーアの恩情に報いるべく勉学に励み、様々な奉仕活動に参加した。
ミーアが生徒会長に立候補すると、かつて恩情を受けた三人と共にティオーナに続いてミーアへの支持を表明。ティオーナにも謝罪をし和解する。
その後、ブルームーン派の女帝容認派会合にアベルが顔を見せた際、ミーアと関係を深めるアベルに「帝国より国力の劣るレムノ王国、その上第二王子の貴方がミーア姫と釣り合うと思っているのか」と詰問。アベルの覚悟を聞いた上で、アベルとミーアの仲を応援することを表明した。
- ギルデン辺土伯
大陸北方地方にあるギルデン領の領主で辺土伯。帝国の中央貴族に認めてもらうため、彼らに尾を振り、その意向に唯々諾々と従っていたしがない辺土伯たちの1人でもある。そのために自領の工業化と観光地化を目論んでいた……のだが、そんな目論見を飢饉の危機を前にしてミーアが許す筈もなく、彼女の説得により農地や山野の開発を一時的に保留し、ミーア学園(アーシャとセロ)の視察を受け入れる。
その結果、ギルデン領から耐寒小麦の原種が見出だされ、ここからミーア小麦シリーズの開発が進む事となる。その結果ギルデン辺土伯は「帝国ひいては大陸から飢饉を撲滅した奇跡の小麦『ミーア小麦』の原種産地の領主」という栄誉を得て、のちルドルフォン伯と共に女帝派に与する事となった。
なお、毎年冬季に王室に対して雪を献上しているが、のちにこの雪はノリノリのマティアス帝によってミーア雪像の材料として使われる事となった。
- トルテ
舞台版オリジナルキャラクター。典型的な帝国貴族の1人で、見栄っ張りで贅沢好きであるが、根は良いところがある。ケーキが好物。
- サバラン
演:SOH(第1弾)
舞台版オリジナルキャラクター。典型的な帝国貴族の1人で、見栄っ張りで贅沢好きであるが、根は良いところがある。酒好き。
サンクランド王国
王室の関係者
CV:堀江瞬/演:横田陽介(第1弾)、堀田怜央(第2弾)、熊澤歩哉(円神)(第3弾)
第一王子。ミーアと同い年(初登場時点で12歳)。あらゆることに優れた才能を発揮する万能の天才であり、「公正」と「正義」を心がける好青年。
以前の時間軸では、その「公正」と「正義」によりミーアを「無能な統治者」と断罪して革命軍の主導者に助力し、ミーアの処刑にも立ち会った仇敵の一人となる。
CV:増田俊樹/演:髙木聡一朗(第1弾)、及川洸(第2弾)、高士幸也(第3弾)
シオンに仕える文武両道の従者。17歳(初登場時点)。
元々は戦災孤児で、現国王エイブラムに引き取られて実の息子のように育てられた。
演:誠仁(第2弾)
シオンの父親で、現国王。
ミーアのことを「息子を凌駕するほどの優れた叡智を誇る統治者の素質を持つ者」として(大いなる勘違いなのだが)認めているが、同時に「息子と同じ(王にしかなり得ない存在)であるが故に、息子と結ばれるべきではない」とも評価している。一方で、ティオーナについては息子に想いを寄せていることを見抜き、密かに2人だけで話す場を設けるなど、親身に接する。
演:霜田哲朗(第2弾)
第二王子。シオンの5歳年下の弟(ミーアが15歳を迎える年に10歳になるため)。優秀な兄・シオンに対して劣等感を持っており、それに付け込まれることになる。
のちにエメラルダの婚約者となり、聖ミーア学園に留学する事となった。
女帝ミーアの時間軸では、世界的飢饉時食糧救援機関「ミーアネット」の代表となり、その辣腕による政治力を存分に奮う事となる。
諜報部隊「風鴉」
CV:長谷川育美/演:西村ケリー(第1弾)、奥村優希(×純文学少女歌劇団)(第3弾)[10]
諜報部隊「風鴉」の一員で、グレアムの部下。
レムノ王国に王室付きのメイドとして潜入しており、最初の時間軸ではアベルを暗殺している。
特務部隊「白鴉」
諜報部隊「風鴉(かざがらす)」の特務部隊「白鴉(はくあ)」の一員。30代。レムノ王国に潜入して諜報活動に従事し、祖国のために暗躍する。生真面目な性格で、計画通りに物事が進まないと胃が痛くなる性質。
- ジェム
詳細は下記の混沌の蛇の項目へ。
その他
- ランプロン伯
演:金純樹(第2弾)
サンクランド王国の貴族。典型的な「領土拡大派」の1人。
- コネリー・コルドウェル
ランプロン伯邸の警備隊長。
レムノ王国
王室関係者
CV:松岡禎丞/演:笠原織人(第1弾)、福山聖二(第2弾)、吉田知央(第3弾)
第二王子。ミーアと同い年(初登場時点で12歳)。特に女性への気遣いに長ける心優しい少年。
剣の腕が重視されるレムノ王国において兄ゲインに負け続け、さらにシオンの剣の才能を見せつけられて、諦念にとらわれるが、ミーアとの交流を通じてそれらを払拭すべく奮起する。
最初の時間軸ではミーアとは接点がなく、希代のプレイボーイとして名を馳せていた。
第一王子で、アベルの2歳年上の兄。レムノ王国の関係者の中でも特に強権主義と男尊女卑の傾向が強く、本編ではアベルとの口論の際に仲裁に入ってきたミーアに対しても高圧的に接するが、以前の時間軸で革命軍による獄中生活・拷問・処刑といった経験をしていたミーアにとっては、彼の威圧はまるで大したことなく、「何てやんちゃな」「所詮温室育ちのおぼっちゃま」と鼻で笑われた。
剣術の腕前はミーアと出会う前のアベルより上で、アベルが自分に自信が持てない原因になっていたが、それはアベルよりも年上であることとそれに伴う互いの体格の差による部分が大きかった。ミーアが1年生の時に開催された剣術大会にて、弟アベルと初戦で対決。最初は圧倒するが、ミーアを侮辱する発言で奮起したアベルに敗北を喫した。
敗北後も強権的な振る舞いは変わらないものの、一度は自らを倒したアベルや弟を変えたミーアには表にこそ出さないが、一目置くようになる。また時に「よく出来た弟を持つと、これはこれで大変なんだ」とこぼしており、せめて弟に劣らぬよう(また空気を読まず弟を担ごうとする一派に睨みを効かせるため)自らを傲らず研鑽するようになった。
さらに実父や自国の状況を冷徹に分析し、セントノエルで磨いた学識や政治力を用いて順調に「政治」を行い秘密裏に国内の味方を増やす行動を取っている。
アベルの3歳年上の姉。ミーアの調べた情報によると、慎ましく内向的な人物。
- レムノ国王
CV:平林剛
現国王で、アベル達の父親。
ゲインいわく「単騎なれば文句なく強いが賢くはない」らしく、いわゆる「政治や治世を軽んじて全てを力で捩じ伏せようとする」傾向を持っている。
さらには、いささか吝嗇家の傾向を持つ。自らが組織させた金剛歩兵団に対して、現実が見えていない(その時には既に革命勢力はかなりの勢いを持っていた)ことと自らの机上の空論による驕り(しかも歩兵団の無事を思っての事ではない)によって「無傷で革命勢力を圧倒・蹂躙せよ。鎧に傷ひとつ、つけることも許さん」という無茶振りを行った。
政治・軍事関係者
CV:玉井勇輝
レムノ王国の宰相を務める伯爵。60歳近い老練の政治家で、懸命で温和な人柄の良心的な人物として王国の国民からも人気を得ている。国王によって発令された軍備増強と、それに伴う増税にも反対していた。
- ゴリアル
CV:喜屋武和輝
金剛歩兵団の団長。
CV:松田健一郎
レムノ王国即応軍・第二騎士団の団長。剛鉄槍(ごうてつそう)の二つ名を持つ同国有数の戦士。
全身金属鎧の騎士。59歳。アベルの護衛として同行する。
レムノの剣聖の異名を持つ強者で、全盛期はディオンと並ぶ程度の腕前。レムノ王家の剣術指南役でもある。
着ている鎧のシルエットから、密かにミーアから「キノコナイト」という通称を与えられている。
革命軍の関係者
CV:白石晴香
レムノ王国の革命騒動の際にミーアが出会った少女。没落貴族の娘。兄のランベールを憂い、ミーアに革命を止めてほしいと嘆願する。
CV:加藤渉
リンシャの兄。ジェムの口車に乗せられ、レムノ王国の革命派の中心人物に担ぎ上げられる。
没落貴族なこともあってレムノ王国の貴族の間で蔓延している男尊女卑の考えを持っており、ミーアのことも例に漏れず軽視した結果、革命を失敗に陥れられてしまう(実際のところ、ミーアへの評価は何ひとつ間違いなく当たっており、数少ないミーアのことを色眼鏡なしに見抜けた人物ではあるが)。
その他
- ムジク
CV:相馬康一
レムノ王国のドニ村に住む猟師の男性。レムノ王国の革命騒動の際、レムノ王国の王都に向かっていたミーアとシオンに出会う。
ミーアに火蜥蜴茸(サラマンドレイク)という毒キノコのことを教える。
聖ヴェールガ公国
セントノエル学園
CV:東山奈央/演:歌倉千登星(第2弾)
ヴェールガ公爵令嬢(ただしヴェールガは「公国」であるため公爵令嬢という肩書ながらも事実上は「一国の姫」に相当する)。
ミーアの1学年上で、初登場時点で14歳。セントノエル学園の生徒会長にして実質的な支配者。また、この大陸に遍く普及し各国に勢力を保ち影響力を及ぼす中央正教会によって認められている聖女でもある(そのため持つ権威はミーアやシオンの持つそれよりも重く強い)。
その身分を鼻にかけず、むしろ聖女と認められる故に、平民にも貴族にも平等に扱い慈悲を注ぐ反面、潔癖な性格で正義を重んじている。
CV:高橋李依
セントノエル学園におけるミーアの同級生の一人。年齢は初登場時点で12歳。
フォークロード商会の長であるマルコの娘で、読書を趣味としており、大人しく内気な性格。
セントノエル島の警備主任。60歳。頑固な性格。
特別初等部の専任講師。眼鏡をかけた穏やかな男。年齢は20代後半から30代半ば。
凋落したティアムーンの貴族家、オベラート子爵家の出身。父のオベラート子爵は、女たらしとして有名であり、貴族家お取潰しの理由も(表向きは)女性がらみのトラブルであった。特に黒髪の女性が好みらしく、ユリウスも黒髪であることから、彼の母も黒髪であったものと推定される。
本人的に自家の取潰しは当然の事と受け止めており、ティアムーン帝室に対しても含むところは持っていない。それ故にミーアに対しても敬意を以て接している。
- 荒嵐(こうらん)
学園馬術部に所属している馬。言うなれば、登場人物ならぬ登場「馬」物であるが、本作の要所要所で目覚ましい活躍を遂げる、やる時はやる馬であり心のイケ馬。作者いわく、とてもいいやつ。
騎馬王国からセントノエル学園へと寄贈された、駿馬血統を継ぐ月兎馬の一頭。しかし本人は月兎馬にあるまじき頭がものすごく良いがゆえに気位が高く、ゆえにものすごく傍若無人な気性難のブサ馬で、馬術部でも乗りこなせる人間は同じ騎馬王国から来ている馬龍くらいしかいないとされ、好血統ながらも馬術部でも扱いを持て余しがちの問題馬であった。
最初の登場で新入生ダンスパーティーに向かうミーアにくしゃみをひっかけてドロドロにしてしまった。が、その事がミーアの人生にとって、とても大事なドレスを表舞台に出す事になるファインプレーに繋がり、ここから馬術部に入部したミーアとの奇縁が始まる。そしてミーアは幾度も幾度も荒嵐からくしゃみを引っかけられる事に。
実は既婚者であり、奥さんは同じくセントノエルに寄贈された月兎馬である陽花。しかし陽花は仔を妊娠しており、その出産が危険なものになった時、ミーアとベルとリーナの尽力を受けて危機を脱して無事に出産。この事によりミーアに恩を感じるようになる。なお産まれた仔は、のちに銀月と名付けられる。
ベルの誘拐騒動ではミーアの「あなたしか頼れない。共に死地に立って欲しい」という真摯な願いを快諾し、見事にミーアたちを死地から生還させた。
以降ミーアにとって共に死線を潜り抜けた戦友にして最高の相棒のひとりとなった。そのためミーアは数少ない荒嵐の乗り手でもある(アベルが騎乗を試みたこともあったが、御しきれず傷と泥にまみれることに)。
公国中枢部
現公爵。娘のラフィーナを溺愛しており、ミーアの父マティアスに勝るとも劣らない親馬鹿。ラフィーナの頭痛の種になっている。
- ニコラス・ダ=モポーカ・ユバータ
第九部より登場。公国の知恵の中枢となる「神聖図書館」の館長。ユバータ司教と呼ばれる。セントバレーヌのルシーナ伯爵家と懇意でありマルティンと親しくリオネル&レア兄妹とも知己。常に教理のもとによる先人の知識と知恵と学問に基づいた上で事物が公正である事を望む人物。
実は新月地区にいるモレス神父の親友であり、彼を通じてミーアの活躍を知っていた。
自由都市セントバレーヌ
CV:上田燿司/演:山田貴之(第1弾)、遠藤佑哉(第3弾)
クロエの父親。小さなキャラバン隊からフォークロード商会を立ち上げ、一代で商船を所有する大商会へと育て上げ、さらに爵位を賜るまでに至った傑物。商人としての深い見識と冷静沈着な判断のできる人物として、同業者から一目置かれている。
人見知りな娘に良き友人を作ってあげたいという思いで(ついでに有力者の子女とコネが出来れば幸いという、商人ならではの打算もあったが)クロエをセントノエル学園に入学させたが、ミーアという想定以上の大物と友人になったことには内心戸惑いを禁じ得なかった模様。
ミーアは本編の時間軸において、彼の商会が海外との流通手段となる船舶を多数所有していることに目を付け、小麦の安定した流通経路を確保し、飢饉への備えの一環とすべく彼との接触を図る。
- マルティン・ボーカウ・ルシーナ
第八部より登場。ヴェールガ公国の飛び地、商業都市セントバレーヌを管轄している赴任司教。ラフィーナとは縁戚関係でもある。
ラフィーナとミーアの友情を馴れ合いを生む良くないものと捉え、この点で度々ラフィーナに苦言を呈している(あと将来的に自分の息子とラフィーナの縁談をも画策している)ため、ラフィーナからは嫌われている。
また過去のとある悲劇から、貴族・王族・商人というものを嫌っており、それらの価値観を認めない中央正教会教理における原理主義者的な考え(過激ではないが)の持ち主でもある。
- リオネル・ボーカウ・ルシーナ
第八部より登場。マルティンの息子で自身もまた優れた司教候補。ラフィーナと入れ替わりでセントノエル学園に入学してきた少年。実はラフィーナのファン。
当初は父親に原理的価値観を吹き込まれていた事で生徒会長選挙に立候補し、ミーアを目の敵にしていたが選挙を巡る様々な出来事でイロイロと認識を改める事になる。
実は密かにファンタジー(幻想小説)や冒険小説が大好きで「冒険」とか言われるとワクワクしてしまうロマン溢れるお年頃の男の子でもある。
なぜかベルと縁があり、よく共に行動するようになる。
- レア・ボーカウ・ルシーナ
第八部より登場。リオネルの双子の妹。兄とともにセントノエル学園に入学してきた。
引っ込み思案で消極的だが、それは父権的な家庭環境のせいで自身を押さえつけられて生きることを強いられていたため。一方で、その本性は徹底した合理主義者でもあり、ある意味蛇に取り込まれやすい性質(危険性)を示している。
実は家系を根拠としてラフィーナに次いで中央正教会の各種高位儀式を行える立場(資格)を持っており、ラフィーナに何かがあった時は「聖女代理」として行動できる人物である。ただ故に事と次第によってはレアが司教帝と化す時間軸が存在しており、そこはベルが産まれない時間軸と化している(また、この時間軸ではラフィーナがティアムーンに亡命している)。
のちミーアに見込まれ、セントノエル学園生徒会長選挙に、兄の対抗馬として立つ事となってしまった。
あと、なぜかディオン・アライアを、かつてのミーアと同レベルで過剰に恐れている(というか司教帝となった時間軸でミーアとラフィーナの命を受けたディオンから某不死身のロボクラスの追撃を受けて散々なトラウマを植え付けられた上で、最期には斬首された可能性が匂わされている)。
ペルージャン農業国
ミーアの学園の生徒の一人。ペルージャン農業国の第三王女。歳はミーア達より一つ上。
前の時間軸では、ミーアとの交流は皆無でありミーアもラーニャの顔を覚えていなかった。挙句に食料危機の際にペルージャンの食料を売ってもらうための会談の席に現れたラーニャに向かって「どなただったかしら?」と言い放ってしまった為、会談は失敗。ミーアはルードヴィッヒから長い説教を喰らうことになる(ちなみに、後のキャラ紹介にてラーニャ自身もミーアのことを覚えてなかったことが明かされている)。
今の時間軸ではミーア達が入学する前の年に帝国貴族をもてなすための宴を主催したが、参加したのは下級貴族出身数名であり、冷たい態度を取られて以降帝国貴族に強い不信感を持っていた。
その翌年、再びパーティーを開催する際いたずらとして3年前に作られた保存食料理をパーティーに提供。二流貴族がそれを食べる様を心の中で嗤うつもりだった。しかしペルージャンの農作物の重要性を自覚していた帝国貴族子息の頂点であるミーア自らがパーティーに参加し、よりによって保存食料理を口にし顔面蒼白となるが、ミーアはペルージャンの食料保存技術をアピールしに来ていると勘違いし、同じくラーニャもミーアがペルージャンの技術を認めてくれているという二重の勘違いが発生、ミーアと親交を持つようになる(またパーティ自体も、ミーアに随伴出来るということで侯爵や伯爵など上級貴族が参加した上、ミーアが率先してお菓子にがっついたことで随伴してきた貴族子弟たちも食べないわけにはいかなくなり、それなりに盛り上がった模様)。ミーアからもギロチン回避のための強力なコネとして、学園の長期休暇の際に見送りや餞別を送られるようになる。
その後、聖ミーア学園の講師を探していたミーアに植物学を専攻していた姉のアーシャを紹介したり、父王であるユハルがシャロークに唆され帝国を裏切ろうとしてるのを察知すると収穫祭にミーアを招待しミーアに父を対面させた上で、帝国とペルージャンの間に結ばれていた不平等条約を改正するのに一役買うなど、両国の関係改善に貢献している。
サフィアス卒業後ミーアの指名により、生徒会にも加入。領土にて農業を行っているティオーナ、商人の娘であるクロエと共に食料事情に通じている人物として寄り集まり、食料支援忠義団(通称F・N・Y団)の一員となる。
また、生徒会役員としてミーア達と国外に行くことも増え、自国以外の農作物などを目にし、自国の農業発展に役立てるよう研究を続けている。
ペルージャン農業国の第二王女で、ラーニャの姉。セントノエル学園の卒業生であり、在学中は植物学を専攻していた。
自身は自らの培った学識(栽培法や品種改良技術)を活かしてペルージャンに貢献する進路を歩みたがったが、他ならぬ自らの父であるユハルから「そんな事をするよりも外国(大国)の立派な(高位)貴族の妻となり、その者のいる国にペルージャンの後ろ楯になってもらう、その架け橋になってくれた方がよっぽど助かる」と面と向かって常識を諭すように言われ、所詮は父からは政略結婚の駒としてしか見られていなかった事実に絶望していた。
妹と同じくペルージャンを見下す帝国に不信感を持っており、前時間軸では飢饉に喘ぐミーアを一笑に伏し相手にしなかった。本編時間軸でも、ラーニャが聖ミーア学園の講師の話を持ちかけた際も帝国の不信により一旦はこれを拒否したが、ミーアと出会い「世界の飢饉を撲滅する」という理想を語られたことにより、それが自身の原点である事を思い出し、同じ理想を掲げてくれるミーアに共感し、その知識を帝国(というかミーア)のために使うことを決意。聖ミーア学園では植物学の俊英セロ・ルドルフォンを生徒に持ち、彼と共に冷害に耐える作物の研究をする事になる。
また自分と妹と同じように同じく帝国に対し不信感を持っていた父王にミーアの理想を話し、帝国への不信感を払拭させるのに一役買う事となった。
ペルージャン農業国の国王で、アーシャとラーニャの父親。
帝国とペルージャ農業国の間に結ばれた、えげつない不平等条約(属国として自国よりも帝国を優勢し、作物をタダ同然で供出。その見返りとして、帝国側の侵略行動を停止させ、また帝国の庇護下に入り軍事的な保護を優先的に得る条約。ただし内容はトップシークレットで国民や姫たちはそんなものがある事は知らない)について不満に思っている。
生き残るための苦肉の策、隣接した脅威と恐怖に疲弊した結果によるギリギリの選択だったとはいえ、こんなある意味「国」としては「死んだ方がマシ」とすら言えるであろう不平等条約を結んだ御先祖様たちと帝国初代皇帝を、かなり恨んでおり、秘密裏にこれを覆せないかとチャンスをうかがっている。娘たちを政略結婚の駒と見ていたのも、おおむねこれが原因で、このためにシャロークの甘言に乗りかけた。
だが娘たちの説得とミーアが条約の平等化に向けた改訂を条件に示し約束した(あとシャロークが不摂生に倒れた)事によって踏みとどまり、ミーアの示す未来への協力を約束した。
ミラナダ王国
- タチアナ
ミーアが3年生の年にセントノエル学園に入学してきた少女。ミラナダ王国の平民出身。深く沈んだ灰色の髪と、濃い緑色の瞳が特徴で、オドオドした態度も相まって小動物のような可愛らしい雰囲気を醸し出している。医者であった父親の影響で医療関係に造詣が深く、その父親を5歳の時に亡くしてからは独学で医療の知識や技術を身に付けてきた。
ティアムーン帝国の南東にある独立港湾都市「セントバレーヌ」(ヴェールガ公国の飛び地領)を拠点に、大陸の各国に様々な商品を卸している大商人。セントバレーヌの西方にあるミラナダ王国の出身。
原作者によると、名前の由来は『ヴェニスの商人』に登場する高利貸しのシャイロック。人物像は『クリスマス・キャロル』の主人公エベニーザ・スクルージがモデルになっている。
騎馬王国
- 林 馬龍(リン・マーロン)
CV:間島淳司
ミーアより5歳年上の先輩で、初登場時はセントノエル学園の高等部2年生。
騎馬王国の龍族の族長の係累であり、同国の部族の中でも指折りの戦士。セントノエル学園では馬術部の部長を務める。
前の時間軸では昔交流のあったアベルを馬術部に勧誘するが諦観の念に囚われていたアベルに拒否され、彼に失望し決別する。アベルが暗殺された後も他国の人間への不信感を持ち続けるようになる。若干改変された時間軸(アベルやシオンがミーア側になったものの革命が起きた世界線)では捕えられたミーアを助けに行くアベルから逃走のための協力を要請され承諾。アベルがミーアを助け、帝都の外れの荒野までミーアを連れてきた際、亡命するために騎馬王国最高の駿馬を用意しておき城に乗り込むアベルを見送った。その後アベルはミーアの救出に失敗し戦死するが、馬龍はアベルがミーアを連れて必ずやってくると信じひたすら待ち続けることになる。
本編でミーアは(革命が起こった時の国外逃亡の手段として)乗馬を習うため馬術部に出入りするようになり、そこで彼や馬術部の厩舎にいる馬達と関わるようになる。ミーアに入部の動機を聞いた際に、ミーアが「馬はわたくしをどこまでも運んでくれるから」と答え、その考えが騎馬王国の考えに沿うものであったため、ミーアを見込んで馬術部への入部を歓迎した。ミーアとは先輩と後輩の間柄になるため互いにかなりフランク。ミーアからは「(馬龍)先輩」と呼ばれており、自身はミーアを「嬢ちゃん」と呼んでいる。
- 林 馬優(リン・マーユウ)
馬龍の父。44歳。歴史歌の歌い手。ミーアとは「馬のたてがみシャンプー」愛用者仲間(ただしミーア自身はそれに気付いてない)であり、その事からミーアを「若くして物事の表層には囚われず本質を知る者」と、それはそれは高く評価(誤解)する。
- 火 慧馬(カ・エマ)
騎馬王国の失われた部族と言われる火族(慧馬曰く「騎馬王国第一の部族」)の族長火 星馬(カ・セイマ)の末裔の少女。初登場時は騎馬盗賊団の一員としてミーアとラフィーナを襲った。
一人称は「我」で、一族の戦士としての誇りを重んじる性格だが、その実態は初対面のミーアが親近感を覚えてしまうほどチョロいポンコツであり、機密情報をうっかり自白してしまったり、ディオンの名前に震え上がったりしている。
そして食糧不足で崩壊寸前となっていた火族の支援や騎馬王国氏族への正式な復帰を後押ししたミーアに恩義を抱いて「我が友」と呼ぶようになった。
のちに一族から消えた兄を追う中で、兄と同行している「ある人物」の存在から、ゲイン・レムノとよくつるむようになる。
- 火 狼花(カ・ロンファ)
火族の長老である老婆。75歳。
- 羽透(ハスキ)
慧馬が連れている狼。割と人懐っこい。
- 山 富馬(サン・フウマ)
騎馬王国の南都を守る山族の長。50歳。名馬マニア。
- 山 小驪(サン・シャオレイ)
富馬の娘。16歳。他国の貴族にかぶれているが、馬は好き。「ですの」口調。
乗馬技術は低くないが、ミーアに負けたりするお茶目なところがある。
- 風 光馬(フウ・コウマ)
騎馬王国の中で、最も伝統を重んじる風族の長。80歳。騎馬王国の族長の中で最年長。飄々とした老人。
ガヌドス港湾国
CV:大野柚布子
ガヌドス港湾国の王女。助詞や語尾あるいは文書の区切りとなる部分を伸ばす(長音にする)口癖がある。
この口癖のせいか会話が常に間延びする傾向にあり、他者に呑気でおっとりした(もっと口さがなく言えばトロい)印象を与えやすい。しかし、口調や他者に与える印象とは裏腹に本人自身は活動的で、かなり能動的に動く人。本人も自らの口癖が他者から侮られやすいものと自覚しているが、逆にそれを強調しあえて相手の隙を誘うために利用するしたたかさも持ち合わせている。
セントノエルにて新たに設立された特別初等部の子どもたちと交流した事で自国に存在するリヴァイアサン族への差別問題(奴隷化問題)に目を向ける事となった。
派生時間軸(あるいは元々の時間軸も含む)においては差別問題に目を向けなかった(向けていても初動が遅かった)ために革命の芽を摘めずギロチンの餌食になった模様。ちなみにオウラニアが処された時間軸ではガヌドス港湾国はティアムーン帝国の領土(ガヌドス領)になっている(他の時間軸でもサンクランドあるいはヴェールガに併合されている可能性が示唆される)……のだが、ミーアは自分を慕うオウラニアが犠牲になる事に(ギロちん被害者の会の盟主として)戦慄。ガヌドス併合は帝国の負担になる事もあり、それこそがギロちんの罠と感じて、この問題に(いつものように泣く泣く)取り組む羽目になった。
ミーアが自国の問題を解決した際に改めてミーアに弟子入りする。
その後生徒会にも加入。飢饉を陸上の農作物だけではなく海の幸も使うことで乗り切る方法を提案する。
- ネストリ・ペルラ・ガヌドス
ガヌドス港湾国の王。基本的に変化を拒む、超保守派と思われている。オウラニアの父だが娘に対しては無関心を貫いている。
飢饉時における交易ルートの開拓確保を狙ったミーア(の意を受けたルードヴィッヒとディオン)からコンタクトを取られるが、その際には相手を否定こそしないが肯定もせず、外交筋の担当であるグリーンムーンを通すようにと、のらりくらりとした暖簾に腕押しの対応を取り続けている。
額に瞳の刺青をした少女。10歳。海賊と揶揄される部族の娘。言葉遣いは荒っぽく、やや人間不信。部族差別の中でも弟を守る責任感から荒んだ生活を送っていたが、ヨルゴス神父に保護されセントノエル学園の特別初等部に入る。
のちに特別初等部でパティ(パトリシア)と出会い、互いに親友と言い合える仲になる。のちにパティは自らの正体を隠す際に「パティヤナ」を名乗る事になるが、パティが過去への帰還を果たしたのち、その名を名乗りパティが後の世に遺した慈悲の志を受け継いで匿名の救民活動を行う将来がある事が示唆されている。
パティとヤナの友情と継承は後の世に「聖女パティヤナの伝説」として結実する事となる。
ヤナの弟。7歳。姉と同様、額に刺青がある。姉とともにヨルゴス神父に保護されてセントノエル学園の特別初等部に入る。
- ヨルゴス
ガヌドスの教会を管理している派遣神父。中央正教会の聖人になる予定の男性。皮肉屋の異名で知られる。ヤナとキリルを保護してセントノエルに送った人。
実は優しくしているのに、生来の口下手とぶっきらぼうな態度のせいで気付かれない。
教会においては聖歌を体系的に記録するための楽譜表記法「ヨルゴス式音階」の発案者として知られる(聖人認定の理由もそれ)が本人は「音階の成立には協力者がおり、本人が望まぬから表には出てこないが、本来は彼もその栄誉を得るべきもの」として、それを自らの成果とする事をよしとしていない。
混沌の蛇
※ 以下、ネタバレに注意。また詳細は組織側の項目を参照。
- ジェム
CV:利根健太朗/演:春見しんや(第1弾)、三浦修(第3弾)
諜報部隊「風鴉」の一員だが、その正体は蛇の狂信者。最初の時間軸で、ミーアの悪い噂を流し、ミーアとシオンの分断工作を行ったりベルマン子爵を焚き付けてルールー族と帝国軍百人隊の武力衝突が起こるように仕向けたりと暗躍、革命によってティアムーン帝国が滅亡する原因を作った張本人である。
本編の時間軸ではミーアの活躍で上記の工作が全て失敗したため、次善策としてドノヴァンを捕らえ、レムノ王国のランベールを口車に乗せて革命騒動を起こさせたが、レムノ王国に乗り込んできたミーア達によってこれも失敗。最後の足掻きとしてミーアを捕らえて殺そうとしたが、一瞬の隙を突かれて逃げられてしまい、転倒したミーアの蹴りが偶然股間に直撃して悶絶したところを取り押さえられた。
イエロームーン公爵家に仕えるメイドで、シュトリナの従者(専属メイド)にして教育係。55歳で初老の女性。
実は混沌の蛇の一員であり、本性は嗜虐的。王侯貴族に恨みがある様子。
- 火 馬駆(カ・マク)
慧馬の兄。火の一族の族長で、凄腕の暗殺者。28歳。二匹のオオカミを相棒とする狼使い。
剣術ではディオンに若干劣るものの、乗馬術及び、騎乗戦闘術においては、ディオンをも凌ぐ実力者。愛馬は月兎馬の影雷(えいらい)。
- 火 燻狼(カ・クンロウ)
蛇導士。エシャールに毒を渡した男。38歳。毒物に通じるが、火の一族出身というだけあって乗馬技術も一流。族長の血族というわけではない。
レムノ王国の第一王女で、アベルの一番上の姉。アベル曰く「優しいけどそれ以上に強くて格好いい人」。レムノ王国の男尊女卑の考え方に疑問を抱いていたらしく、アベルに「女の子に優しくしてほしい」と言い聞かせており、これが彼の人格形成に深い影響を与えている。
ミーアが14歳になる年の5年前に亡くなっている……と、されていたが後に馬駆と燻狼に助けられて生存していた事が判明した。しかし自らを助けなかった(むしろ伝統に反する国害として疎み罠にハメた)祖国レムノ(特に父)への絶望から変節し蛇の思想にどっぷりと浸かる事になってしまった。
- アレクシス
ティアムーン帝国の初代皇帝であり、ミーアの先祖に当たる男。混沌の蛇に与していた事実(と、そのせいでティアムーン帝国に仕込んでいたカラクリ)からミーアからは「アホ先祖」「この世で最もハタ迷惑な存在」「コイツのせいでわたくしたちが苦労しているのですわ!」「コイツがわたくしたちの先祖とか本当に恥ずかしい。絶対に表に出せませんわ!」と、まぁそれはそれは辛辣に過ぎる酷評をされている。
ぶっちゃけミーアにとってはティアムーン帝国歴史上、最低の愚王にして最大最悪の黒歴史扱いとなっている。
その他
ミーアの日記帳
原作では単なる道具の一つだが、舞台版は以下のようなオリジナル設定がある。
- ルージュ
演:竹鼻優太
ギロチンにかけられた「前の世界」のミーアが持っていた日記帳。「今の世界」の日記帳であるブランの兄にあたる。処刑されたミーアの血で赤く染まっている。なぜか転生後も、ミーアは「前の世界」の日記帳を見ることができ、未来に起こることを事前に知ることができる。
第2弾では、原作におけるミーアベルに相当する役回りも担うミーアベルージュとして登場する。
- ブラン
演:山口翼
「今の世界」のミーアが持つ日記帳。「前の世界」の日記帳であるルージュの弟にあたる。まだ白紙のページが多く、「今の世界」のミーアはこの日記帳に新しい人生の日々を書き記してゆく。天真爛漫なところがある。
その他
- クロノ
演:霜月紫(第1弾)、鳥居みゆき(第2弾)、田上真里奈(第3弾)
舞台版オリジナルキャラクター。図書館奥に眠る「秘密の歴史書」を開くことができる「自称・図書館司書」。実際は、帝国の歴史すべてを知る不思議な力を持っている。ミーアに「やり直し」の機会を与えた張本人であり、ルージュ・ブラン・ミーアの「前の世界」での出来事も、彼は知っているらしい……。
- サンド
舞台版オリジナルキャラクター。アベルの兄ゲインの友人であり同級生。お調子者で、少しワルぶったところがある。目立ちたがり屋で、セントノエル学園では、イベントごとなどで活躍している。
CV:長谷川玲奈
コミカライズ版が初出。作中に時々顔を出すギロチンのゆるキャラ。アニメ版では声付きで喋る。
書籍版の人気投票選択にもなぜか登場し、あろうことか第4位に輝くという快挙(?)を成し遂げた。さらに第7巻からは書籍版の挿絵にも逆輸入される形で登場している。公式……。
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