「お初にお目にかかりますわ。レムノ王国の第一王子殿。わたくしはティアムーン帝国皇女ミーア・ルーナ・ティアムーン。あなたの弟様に寄ってきたロクでもない女ですわ」
「無駄遣いなどできませんわ、絶対に! 金貨一枚の分、ギロチンが迫ってくる……っ!」
「人は、自分で蒔いた種を自らの手で刈り取らなければならないのです」
「……! アンヌ、アンヌうぅ………」
概要
CV:上坂すみれ(ドラマCD・アニメ版共通)/演:平松可奈子(舞台版第1弾・第2弾)→宮崎あみさ(舞台版第3弾)
小説家になろうに連載されているウェブ小説ティアムーン帝国物語の主人公。
いわゆる死に戻り系の作品の主人公であり、それ故に精神的な年齢と肉体的な年齢との間に乖離がある。
大陸を二分する大国であるティアムーン帝国の皇帝の唯一の娘であったが、17歳の頃に起きた革命の際に捕らえられ、3年間幽閉された後にギロチンで処刑された。
その後精神だけが12歳の頃へと逆行し、革命が起きる原因となった疫病や飢饉といった災害を未然に防ぎ、ひいては自身の死を回避するため行動を開始する。
誕生日は12月16日(※)。
彼女自身の本質的な性格などは前時間軸から全く変わっていないのだが、本編と前時間軸での評価が大きく変わっている。
そして自らがティアムーン帝国初の女帝とならぬ限り、必ずや断頭台や暗殺の露と消える運命を持つ(思いつく限りの、あらゆるマルチバース・パラレルワールドにおいて、必ず「凄惨な最期」を迎える事を運命付けられており、それを回避するためには自らが周囲の善意による信奉を集めた上で帝国の帝位に就き善政を施くしかない)ある意味、悲劇の姫君である。
そして同時に、ミーアが「天寿を全うせずに至った死」を迎える事こそは、この世界の滅びを止めている最初の要石(キーストーン)を破壊する事に等しい事となる。
すなわちミーアが善政を敷かず次代にその政を過不足なく受け渡せず自然死を迎えられなかった世界は必ず破滅して滅ぶのである。そのため、ある意味では、この物語の世界を支えるための特異点のひとつと言える存在。
書籍版第5巻発売記念で行われた第1回人気キャラクター投票(第1巻〜第4巻に登場する全33名が対象・全1,475票)では、463票と2位(274票)以下に大差をつけて第1位。
(※)アニメ版の公式Xで判明。なお、原作では「冬(年末に近い時期)で、アンヌより7日前」であることが言及されている。死に戻ったのは12歳の誕生日を迎える前の時期だったため、死に戻った直後の時点では11歳である。
人物像
ティアムーン帝国皇帝である父マティアスと、その妻アデライードの一人娘として誕生。
母は幼少期に亡くなっており、父からは溺愛されて育った。
白金色の髪と緑色の瞳を持ち、やや端麗な顔立ちをしている。
(曰く、絶世の美女ではないが美少女ではある。)
来歴と行動
最初の時間軸
セントノエル学園に入学した際には学園の中心人物であったシオンとラフィーナから嫌われ、学校行事の度に恥をかくような黒歴史同然の青春を送る羽目になった。
また、彼女の周りで度々起きていたトラブルも「目下のものをいくら虐げても構わない」という風潮の強かったティアムーン帝国の者がイジメを行っていたことも重なり全ての元凶は彼女という風潮が蔓延、彼女自身は「無実なのだから堂々とする」「一々訂正など見苦しい」とこれにもノータッチであったことでラフィーナ等にも見下げ果てられ罵倒されることもあった模様。
疫病や飢饉を発端に革命が発生し、帝国が滅亡の危機に瀕した時には、他国の王族からは無能な皇女として罵倒され、民衆からは一心に憎悪と怒りの矛先を向けられて処刑される。
しかし、革命発生直後より皇族を含めた上位の貴族が我先に国外へ逃げ出す中、自身は最期まで帝国に留まり、できる限りの努力をして帝国崩壊と革命の阻止に奔走し、皇族としての義務を果たそうと懸命に働いていた。ルードヴィッヒは彼女のことを「知らないことを恥じ、頭を下げてでも知ろうとすることができる人物」「本当は良い為政者になれる人物」だと評価し、それゆえ最後まで彼女の処刑反対に奔走していた。
本編の時間軸(死に戻り後)
革命を引き起こす原因となった帝国の財政悪化、流行病や飢饉などを未然に防ぐために奔走する。
一方で「もし力及ばず革命が起きても助けてもらうため」に、とにかく自分の利益になる人間、自分より少しでも立場が上の人間には全身全霊、全力を懸けて媚を売り、少しでも不興を買ったと思えば全力でご機嫌を伺うという、とても超大国の皇女とは思えない太鼓持ちに極振りした処世術を行っているが、その所業が却って謙虚さを忘れず知恵と慈愛に満ちた人物と認知されてしまい、遂には「帝国の叡智」として国内外にも名が知れ渡り、様々な場面で知見を求められ、事あるごとに頭を悩ませ胃を痛めることになる。
敵対した相手に対しても処刑や拷問といった対応をせず、なるべく穏便な処罰で済むように取り計らう。これは「殺されるのはかわいそう」という他人への慈悲によるものではなく、自分は死亡したことで過去に戻ったのだから、他人も死後に時間遡行を行い今の歴史を改変される可能性がある。という恐怖感によるものだが、その一方で、前時間軸で「周囲から自身の必死の努力を全て否定され一方的に糾弾されたこと」「自分を慕ってくれていたと思っていた者が誰一人助けてくれようとしなかったこと」はミーアのトラウマとなっており、それ故に純粋な善意から、「貴族は位の低い貴族や民を虐げても良い、それが当然である」という環境で育ってきていた者達相手に、「ここは他国であり、ティアムーン帝国領ではない、その風潮を持ち込んでいい場所でもない。第一私はその価値観好きじゃない」と伝えたり、それが相手にどう思われるのか?どう言う事態を招くのか?を説いたり、できる限り改心の機会を与えたり、助言や忠告を施している。
未来でのどん底のような生活でも真心から来る忠義を受けたという経験から、忠義の恩には必ず報いるという信条を貫いており、特に最後まで自分に尽くし続けた二人の忠臣であるメイドのアンヌと文官のルードヴィッヒには無条件かつ絶対的な信頼を寄せており、死に戻り直後にはアンヌを専属メイドにし、その家族にまで気を使い、ルードヴィッヒに頼られれば、必ず首を縦に振るほど。(後で顔を青ざめることも)
前時間軸で、まともな食事さえ与えられない長い牢獄生活を送ったため、食に関しては非常に関心が高く、当初は嫌いだった満月トマトを「別に食えないものではなかった」と好き嫌いなく食事を採れるようになり、食べられる野草や木の実を見分けるサバイバル知識も豊富になった。
しかしキノコだけは上手く目利きが出来ず、よく毒キノコと食用キノコを間違える。と、いうのもミーアのこのテの愛読書は「腹を下して傷つき倒れて血反吐を吐いても、死なない限り大丈夫!」「瞬間致死毒を持つキノコ以外は喰えるキノコである!」を標榜するどう見てもヤバい冒険者が書いた本であったり、また『秘境のグルメ』など、これまたゲテモノ食いを魅力的に書いている本だったりするため。
ミーアベルの時間軸
革命による自らの死を回避した時間軸の中のひとつ、ミーアベル・ルーナ・ティアムーンの生まれた時間軸ではアベル・レムノを夫とし8人の子どもに恵まれる。
その一方で革命の阻止とギロチンから逃げおおせた事によって油断してヤバい政治の舞台からは早々に退くため帝位につかなかった。またルードヴィッヒ達も「また何か考えがあるのだろう」と思いそれを止めなかった。結果ティアムーン帝国は表向き四大公爵家による合議制へと移行してしまい、その裏では四大家による帝位争いが繰り広げられる事に。
それと前後し、ヴェールガで混沌の蛇との闘争と掃討を訴える司教帝ラフィーナによって聖瓶軍が組織されヴェールガはラフィーナを頂点とする帝政宗教国家「神聖ヴェールガ帝国」へと移行。ラフィーナは「ヴェールガ聖瓶軍への協力をしないなら『蛇』とみなす」という「味方でないなら敵」という苛烈な論を掲げ決起。この事によって各国はヴェールガに味方する敬虔なる信徒の集団と、あくまでも世界秩序の維持と協調を訴える天秤王シオンの勢力に分割される、二大強権が支配する世界へと移行した(ただし二大強権といえども、サンクランドもまた信徒たちと市民の間で分裂を起こしたため、シオンひいてはサンクランドの権力も大きく衰退してしまった)。
この事によって四大公爵家はラフィーナにつくかシオンにつくかで二対二の対立を起こしティアムーン帝国は分裂。
この分裂に対処し、双方の国際派閥を治め帝国を再びひとつにするためルードヴィッヒたち帝国官僚たちはミーアの即位を画策するが、それを疎み恐れた両派閥はミーア一家の暗殺を決意。ミーアは暗殺者によって毒殺される羽目になった。ちなみに毒を盛られて30日苦しんだという。
(なお『聖女ミーア皇女伝』では、毒で全身から血を吹き出す中、死の間際、地に立ち上がり「わが人生に一点の曇り無し!」と己が手を天に突き上げて果てたとされており、ミーアは内心、未来のエリスに大いにツッコんだ)
さらに世界はミーアという友を喪った事でラフィーナが復讐に囚われるなどついに本当の意味での歯止めが失われ、天秤王は司教帝の前に敗北。
挙句ラフィーナは「ミーアを守れなかった以上家族も蛇と同罪、というかミーアの家族に手引きした蛇がいるのではないか?どうせならいっそ皆殺しにしてあの世で一緒にしてやるのが彼女のためだろう」という凄まじい錯乱を見せ、これがミーアベルの苦難へとつながる。
最終的に聖瓶軍の思想は「(ラフィーナ以外の)全ての権威は推定蛇」にまで発展、あらゆる権威を力尽くでぶち壊した結果ラフィーナの権威の根拠たる宗教すら破綻させ、ラフィーナ自身の権威すら崩壊。
全ての世界の秩序は失われ世紀末な末法の世が訪れるのだった。
性格
徹底的な自分ファースト主義者。
基本的には怠惰でお調子者で小心者な性格。それは時に「暴君・覇王としての資質には圧倒的に欠けている」「完全無欠の小心者(ビビり)」とまで称されるレベル。
とにかく自分の命と今の安全で安定した生活が惜しい俗物的な人物なのだが、目の前で困っている人がいたら放っておけないというお人好しで、他人から思いっきり期待の目を向けられると見栄を張ってしまったり、そういった人や平穏な日常生活を守るためならば努力を厭わない生真面目さがあり、自分のために他人を害するといった選択は決して取らない「他人の不幸で飯がマズイ」タイプ。その為、最初の世界線においてルードヴィヒはそれを知っていたこそミーアの処刑に反対していた。
皇族で贅沢三昧であったことと、飢饉で「小麦1キロで城が買える」の両極端な時代を経験してしまったせいで、ルードヴィッヒに頼んだ「テーブルいっぱいのお菓子」の代金のつもりで満月金貨(ルードヴィッヒ曰く「商人の馬車ごと買い取ってもお釣りが来る」)を出し「お釣りは好きに使え」と言う(ルードヴィッヒは「品物より商人との関係を強化しろ」という意味と受け取った)など金銭感覚がおかしくなっている。
また、大切にしていた装飾品であっても、資金の足しになるならと躊躇なく手放す(曰く「このまま大切に持っていたところで革命が起きたらどこの誰とも知らない者に強奪されるんだからそれを回避するのに使う方が有意義」)など物に対する執着がかなり薄くなっている。(ルードヴィッヒによって「姫様は国政のために大切にしていた装飾品手放したけどまさかあなた達貴族は一銭も出さないつもりじゃないよな?」と脅しに使われた)
細かい情報を集めて現状を正確に把握した上で物事を見通す予想を立てるなど、いわば勤勉な頭脳労働は苦手で、その方面には自身の能力が高くないことは自覚しており、従来の素直さと相まって、諸問題の解決には必要以上にしゃしゃり出ることなく、能力の高い部下や友人を頼る潔さをもって「周囲を優秀な人間で固めて自分自身がイエスマンになる」と自ら評している。
もっとも、ミーア自身は決して無能というわけではなく、飢饉の原因について自分なりに調べ「「食べ物が"無くなる"(=食料の不足)」ことより「届かなくなる、買えなくなる(それに漬け込んだ価値の暴騰などによる流通不順)」が一番大きい原因」と根本的な理由に独力でキチンと辿り着く辺り地頭は悪くない。
また、持ち前の怠惰さと土壇場での真面目さが合わさると、『如何に楽に、かつ波風を立てずに問題を解決するか』という最適解を見出す思考法に小心故の良い意味での慎重さと臆病さに重なり、結果的に「有能で怠惰な指揮官」ともいうべき思慮深い行動となることがままある。
破滅に直結する事を知っているなどで「強引に推し進めるべきである」と判断すれば「わたくし我儘で自分勝手な皇女でしてよ?」と都合よく皇族特権を振り翳して無理矢理推し進めたり、都合のいいことばかり並び立てる貴族相手に自分で視察しにいく等、決断力はある方。
さらに「ガチで殺しに来た革命軍」の殺意に日常的に晒されていたことから、並大抵の威圧は「ガキのイキり」と跳ね除け、鼻で笑う余裕すら見せる等(必要に駆られていたとはいえ)胆力があり、またスラムなどの衛生面の悪い環境や悪臭も「誰一人管理しない石の牢獄と比べればマシ」と悪環境への耐性もある。
なお、ミーアベルの祖母である女帝ミーアからは、それが自身であるがゆえに全く信用されておらず、第五部以降「宰相ルードヴィッヒの手記」を携えたミーアベルからは「過去の自分(つまり本編時間軸のミーア)が未来を知ってしまったら絶対にサボるからミーアお姉さまには絶対にルードヴィッヒ先生の手記を見せちゃダメだ、とミーアお祖母様から厳命された」と言われてしまっている。これにはミーア自身、前科がある(第二部~第四部における「ミーアベルの時間軸」の発生は第一部ラストで『聖女ミーア皇女伝』の内容を読んで油断した事が原因)がゆえにぐうの音も出なかった。
能力
過去に戻ったことで、今後発生し得る事件や災害などの未来を知っている。
自分が死ぬ直前まで付けていた日記帳もミーアと共に過去に戻ってきており、自分の行動によって未来が変わる度に日記帳に書かれた内容が変わるので、日記帳の内容を頼りに未来を変える行動を取ることができる。この時に楽観的な見通しを立てることはなく常に最悪なパターンから想定し、全力を尽くす思考を垣間見せている。
しかしそもそもの話としてこの日記帳はどれだけ未来が変化しようとあくまでも「"前時間軸"において"処刑されるまで"自身が欠かさず付けた日記」であるため、この本がある以上逆説的に「ミーアは処刑される」という事になる、存在自体がミーアの死を示す可視化された死亡フラグである。(現時間軸のミーアは忙しいからか日記を書いていない模様)
ただし日記帳に書かれた未来はあくまでも『未来の彼女視点』で分かることしか書かれていないため、重要な事件の裏で何が起こっており、それをどう防げばよいのかまではわからない。
例を挙げると「帝国内の有力貴族の殺害が起こった」として、何故その殺害が起こったのかの詳細を未来のミーアが知らない場合、もちろん日記帳にはその原因や詳しい経緯が書かれない。
ミーアが伝え聞いた範囲では「どうも父親である皇帝が人気があった有力貴族に嫉妬して暗殺したらしい」と書いてあった場合「皇帝がミーアに好かれていればそれでいいタイプである筈なのでこの動機は不自然である」と言うことはわかっても、真の動機がわからない。
この場合、時間遡行後のミーアは、とにかく貴族が殺されないよう手探りで行動しなければならない。
WEB版第2章(小説版第3巻、コミック版7巻)以降は、やがて起きる飢饉への対応策の完成及び各種革命の火種がその立役者との敵対の可能性と共に完全に消滅したことで鎮火、それにより上記の日記が消滅、危機を乗り越えるものの、今度は彼女の孫娘であるミーアベルとミーアの自伝が未来からやってきており、ミーアベルの記憶と自伝の記述を元に未来を改変していく。
ただし、ミーア視点とはいえ日記であった事で(ミーア視点では)正確であった日記と異なり、「ミーアを過剰に美化、劇化されている、他者が書いた自伝」である事で非常に分かりづらい事になっており「どこからどこまでが嘘なのか?」から読み解かなければならない羽目に陥っている。
幼少期からの練習の結果ダンスの実力は非常に高く、難解なステップも難なくこなせるだけではなく、相手のレベルに合わせながら周囲どころか相手にすらそれを気付かせずにダンスを行えるほどの腕前を持つ。
また時間遡行後に始めた乗馬も得意。
もし革命が起きた際に馬に乗って逃げるために常日頃から練習しており、現在では軍人でない身としては国内でも上位の乗り手となっている。
ただし、ミーアの乗馬術は馬の能力を巧く引き出す、というよりも、むしろ馬まかせ(馬任せ&馬委せ)という側面がかなり強く、その成否は馬の能力にかなり左右される。
ミーアも自身の乗馬の特性はそれなりに理解しているため、自分に添ってくれる馬の事は(打算込みの時もあるが)とても大事に思っている。
非力であり、前時間軸でアンヌには「ミーア様の蹴りはあまり痛くない」と言われている。
よって、実のところミーアが一番苦手なのは「策謀や小細工を張り巡らせるよりも、真正面から暴力でぶっ殺しにかかってくるタイプ」である(そんな時のためにディオンがいるのだが)。
時間遡行後もポンコツなところは変わっておらず、基本的に相手が勘違いや勝手な推論で物事を進めていくことで、「帝国の叡智」と勝手に呼ばれていくのだが、地頭は良く、わざと木を蹴ってルールー族に攻撃させることでディオンの部隊を撤退させたり、レムノ王国の革命を最初の時間軸で起きた自国の革命と照らし合わせ、裏でサンクランドが糸を引いてる事を察したりと、本当に叡智を発揮する事もある。特に甘い物食べた時と追い詰められた時に脳が働くらしい。
忠臣
メイド。平民出身。以前の時間軸において、ミーアが牢獄生活を送っている際に、何もかもを失った彼女の世話をただ善意だけでこなしたことから、死に戻り後は全幅の信頼を寄せている。
以前の時間軸においては「嫌な性格の人だけど、流石に可哀相」という程度の評価しかミーアには抱いていなかった(※)が、死に戻り後はミーアに尊敬と絶対の忠誠心を寄せている。
(※)ただし、ボイスドラマにて、ミーアの血染めの日記帳を図らずも読んで、実は彼女こそが無力ながらも民を見捨てずに最後まで責任を果たそうとした心優しき為政者だったことを知り、涙している。
文官。以前の時間軸においては、その毒舌ぶりからミーアからは毛嫌いされつつも、最後までミーアと帝国の為に尽力してくれたことから、全幅の信頼を寄せられている。
以前の時間軸におけるミーアの評価は、「頭は悪いが、悪い人ではない」というものであり、面倒な性格もあいまって、ミーアのことを嫌ってはいたものの、お人好しで報われないながらも最後まで努力を尽くしたその姿勢には好意を抱いており、結果として最後まで忠義を尽くすことになった。
死に戻り後のミーアの評価は、「仕え甲斐のある主人にして、自分では到底及ばない叡智の持ち主」と、百八十度変わってしまっている。
余談
彼女のCVを務める上坂女史は、ドラクエにも持ち役があるのだが、そのキャラはまさかのムーンブルクの王女と、ミーアと同じくムーン(月)を冠した少女キャラとなっている。この他、共に滅びの運命にある国の国王の一人娘だったり、媒体によっては名前がルーナだったり、など共通点も少なくはない。
また、上坂女史の誕生日は12月19日であり、ミーア姫とは3日違いである。
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カタリナ・クラエス:『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』の主人公。両作品のコラボ企画「一迅社&TOブックス 運命にあらがう悪役令嬢フェア」にて共演した。ちなみに彼女の中の人は、この世界では孫である。
ギロちん:死に戻り後のミーアの脳内にたびたび登場する、手足のついたギロチン台。
マリー・アントワネット:言わずと知れた革命によってギロチンで処刑された実在した悲劇の王妃。
革命によってギロチンで処刑、「パンが無ければ〜」の言葉(現在では別の人物の言葉とされている)、晩年は傾いた国の再建に尽力、亡命手段に馬車を利用した逸話、など間違いなく彼女がミーアのモデルと思われる。実際、イラストレーターのGilse氏は、本作品を「マリー・アントワネットのifだ」と称している。
朝倉リク/ウルトラマンジード:方向性は違うが、運命に抗う王族の若者繋がり(一応リクの父親も、一時期は銀河皇帝の異名を持ち、覇道を歩んでいた事もあるし、その後のシリーズ作品でも『黒き王』と呼ばれていたりもする)。
戦犯ちゃん:見た目が似ているが、こちらは「皆殺しにしろ」と命じていたと思われる(「規模がデカすぎるので彼女個人ではほぼ不可能であるため、考えられるとしたら命令する立場だったと思われる」という意味であり、「その規模の虐殺をやった」のは確定事項である)上に無関係の人間も平然と虐殺した挙句反省する気もさらさら無く、むしろ正義は我に有りと本気で思い込んでいる正真正銘のクソ野郎である