ミーアベル・ルーナ・ティアムーン
みーあべるるーなてぃあむーん
「我が名はミーアベル。ミーアベル・ルーナ・ティアムーン! ティアムーン帝国の叡智にして聖女、誇り高きミーア・ルーナ・ティアムーンの血を受け継ぐ皇女である!」
「ボク、ずっとお祖母さま……じゃない、お姉さまにお会いしたかったんですよ 」
「ちょっと街の中をたんけ……んがくしようと思いまして!」
「冒険、しましょう! 」
WEB版第2部(文庫版第3巻)から登場する、本作のもう一人の主人公。
革命によってギロチンで処刑される未来を回避したミーア・ルーナ・ティアムーンの前に現れた少女。
その正体はミーアとアベル・レムノの孫娘であり、未来から過去の時代である本編の時代にやってきた。作中では時間軸を問わず、ミーアと区別するため「ベル」という愛称で呼ばれることが多い。
ミーアひいてはティアムーン帝国の未来に訪れるさらなる悲劇を回避するためにもたらされた「未来への導標」となる導の少女。
プロフィール
出演作品 | ティアムーン帝国物語 |
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性別 | 女性 |
誕生日 | |
出身地 | ティアムーン帝国 |
身長 | |
体重 | |
特技 | |
好きなもの | |
嫌いなもの | |
CV | 内田真礼 |
容姿は(本編の時代における)ミーアにそっくりであり、ミーア以外の人間には皇帝の隠し子(ミーアの妹)という設定で通している。
そのため、普段はミーアのことを「お姉様」と呼んでいるが、気が緩んでいる時はうっかり「お祖母様」と呼んでしまいそうになる。
元々の時間軸での育ての親であるアンヌやエリス、教育係であるルードヴィッヒの影響で、祖母のミーアを非常に尊敬している。
一方で自身にとって改変後の時間軸(つまりエリスによる自身への刷り込みが改変前の時間軸よりも弱い世界)となる「女帝ミーアの時間軸」でも自分が嫌な思いをすると、すぐにミーアの寝所に逃げ込んで彼女のベッドに潜り込むため、もとより基本的にものすごい、おばあちゃんっ子である旨が窺える。
その様は、いわば「ミーアエリート・オブ・ミーアエリート」とすら称されるレベル。
その一方で実はシオンの熱狂的ファン。シオンに出会っては密かにフィーバーし、ご機嫌になったりしている。そのため作内ではよく(作者から)「お祖父ちゃんは泣いていい」とツッコまれている。
非常に純粋で素直で無垢な性格だが、時折祖母譲りのちゃっかりした一面を見せることもある。一人称は『ボク』。
また王族にあるまじきレベルで隠し事や腹芸が苦手。王族らしいゴマカしの技術も無いことはないが反射的に本音を半漏らししてから慌てて言い直すという事が多いため全く隠せていない。
エリスが執筆した『ミーア皇女伝』を所持しており、未来から本編の時代にやって来る際にはこの皇女伝も一緒にやってきている。この皇女伝には(エリスの脚色が入っているとはいえ)未来で起こる出来事が述べられているため、ミーアにとっては日記帳に代わって未来を改善するための道標となる。
ちなみに、彼女の名付け親はミーアであり、ベル自身は「尊敬する祖母に付けてもらった大切な名前」といたく気に入っているが、実際には彼女の祖父母の名前をそのまんまくっつけただけ(ミーア+アベル=ミーアベル)という単純なもの。その事実に気付いた本編のミーアは、未来の自分の適当かつ安直すぎるネーミングに呆れていた(……が、実はこのネーミングセンスの無さは、祖母からの血筋由来である事が明かされてしまっている)。
ミーアとアベルの三女パトリシャンヌ(トリシャ)の娘として誕生。
しかし幼き日に祖父母が政争の果てに暗殺されてしまった事から彼女の運命は奈落へと転がり落ちはじめる。両親と叔父叔母たちは早々に祖父母同様、ことごとく追われて謀殺され一族は離散。ミーアベルだけが命からがら、母トリシャと、祖母の両腕とまで呼ばれた忠臣であるルードヴィッヒとアンヌによって、宮廷から逃がされた。その後しばらくはルドルフォン領に身を寄せていたようである。この時点で母トリシャはミーアベルを護るための囮として旧ミーア派糾合の旗印となって行動を開始したため、母とも生き別れとなる。
そしてミーアの死によって錯乱した司教帝が離散したミーアの血族に生死問わず(DEAD or ALIVE)の超高額賞金をかけてしまう。
この事態に焦った天秤王シオンはミーアベルの保護に動き出すが、聖瓶軍および中央聖教会の信徒のネットワークに阻まれ事態は膠着。「シオンが下手に動けばミーアベルの居場所が割れて彼女の身が危険に晒される」という状況に陥り、シオンは身動きが取れなくなってしまう。
その間、ルードヴィッヒによって、ベルマン領皇女の街(プリンセスタウン)や新月地区に隠れ棲み、彼の教育を受けながら「ミーア様の正統を受け継ぐ唯一の姫、ティアムーン最後の希望」としてリトシュタイン姉妹を育ての母とする(なのでミーアベルにとってベルマン領や新月地区は自らを育んでくれた『故郷』といえる)。
しかし政敵によってミーアベルを狙った追っ手(聖瓶軍や賞金稼ぎを含む)が各域へと放たれる。ルドルフォン辺土伯・ベルマン子爵領及び新月地区はミーアベルを護るため糾合団結するも、その闘争の果てにジェノサイドの舞台となり壊滅。この時に母トリシャがベルマン領で、ディオン将軍がベルマン領から新月地区への移動時に、ルードヴィッヒが新月地区で果てる事となった。
新月地区から逃れた後、リトシュタイン姉妹とフォークロード商会に紛れ、商会の商隊とともにサンクランド王国に向かう流浪の旅に出るものの、サンクランド王国も聖瓶軍にマークされて向かえなくなり、追手の追撃も苛烈さを増し、姉妹もその刃に倒れ、商会もまたミーアベルの盾となって完全壊滅する事となる。
自らを慈しんでくれた人たちを皆、失ってしまったミーアベルの足は危険と知りながらも『故郷』となる新月地区へと向かい、ついにそこで追っ手に追い詰められる。
最期の最期、追っ手に対して自らの誇りを以て決然と名乗りを上げた時、彼女の体は光に包まれ、祖母ミーアの若き日の元へと飛ばされる事となった。
本編時間軸
ミーアの庇護を受け、彼女の仲介でセントノエル学園に在籍。
前述の時間軸での経緯から当初はラフィーナを過剰に警戒していたが案外とすぐにうち解ける(Web版では過去に飛ばされる直前での回想で、ベルをかわいがってくれていた人の中にラフィーナの名前も出ていたので、ラフィーナがミーア暗殺事件で本格的に疑心暗鬼に囚われて暴走する前には、きちんと可愛がられていたものと思われる)。
ラフィーナの仲介でリンシャに自らの侍女(専属メイド)としてついてもらう事になった。
またシュトリナ・エトワ・イエロームーン(リーナ)と唯一無二の親友となる。
第4部終盤でリーナを庇い蛇の毒牙に倒れるも、ゆえに導の役目を終えて未来に帰還。帰って来た未来では歴史改変が行われミーアが女帝として即位し存命した世界となっていた。上述の放浪遍歴は別の時間軸となってしまったが(ミーアがギロチン時間軸の事を覚えているように)そこでの記憶をしっかりと保持できている。
が、5部にて未来のミーアたちによって再び「歴史の導標」となるため過去の世界(現在のミーアの元)へ送り出される事となる。今度はミーア皇女伝の代わりにルードヴィッヒの手記(日記)を持たされてやって来ている。
好奇心旺盛な探検好きであり、あちこち意外な場所へフラフラと迷い込み首を突っ込む(が、案外とそれがミーアたちのプラスになる事も多い)。未来に帰還したのち、再び過去へと送り出されてからは、それがより顕著になっている。
未来世界ではリーナと共に多くの大冒険を繰り広げて冒険姫と呼ばれ探検学の祖になるのだとか。
実は、かなり豪気な気質の持ち主で、結構図太い強心臓(何も考えずに行動している感覚頼み、とも言うが……)。何か間違った事をしていても堂々と自信たっぷりに間違えるため、むしろ注意するはずの側が「自分は間違っていないはずだけど、実は間違えてしまっているんじゃないか」と勘違いしてしまいそうになるほどの、謎のカリスマ性を持ち合わせている。
元の世界ではルードヴィッヒの前で幾度となく堂々と船を漕いでいた上、本編時間軸でも100点満点のテストで堂々と誇らしく10点を取るという、もはや一周回って尊敬したくなるほどの事をしている。また、この事からも解る通り勉強は超苦手。
その一方で自らを慈しんでくれた人たちが、それゆえに死に別れていくという悲劇を体感しながら生き永らえてきた事もあり、現在の時間軸(ミーアベルにとっては過去)でアンヌやエリス、ルードヴィッヒと出会った時には涙ぐんでいる。
だが、その一方で、そこまでして庇われて生きてきた自身の価値を、かなり軽く考える傾向があり、さらには誰かの犠牲で自身が生き延びる事を決して良しとしない。そのためミーアの元に来てからは「楽しめなかった生を(アンヌたちやミーアがくれた贈り物として)全力で楽しむ」という一方で、あまりに生への執着が薄く、さらには「返す恩をその場で即物的(かつ過剰)に返す」(≒情の絡まぬ後くされの無いドライな関係性のみを構築したがる)という悪癖を持つようになっている。
ミーア・ルーナ・ティアムーン(祖母) アベル・レムノ(祖父)
※ 以下、第八部(Web版)のネタバレにつき注意!
リーナ「ねぇ、ベルちゃんのお父さんって、どこの人? 」
ベル「ボクの父はツロギニア王国のチャルコス伯爵家の人です 」
上述のようにベルは母方の系譜をもってミーアの血を受け継いでいる。つまり父はティアムーン帝室の婿のひとり。
ベルの父親はティアムーン帝国の南方にあるツロギニア王国のチャルコス伯爵家の一族のひとり。ベルの母親とはセントノエル学園で出会っている。
小国とはいえ伯爵家の出自であるため、一応はまぁそれなりの人物であり政略結婚の相手としてはまぁ十分ではないが及第点である事からリーナは納得しかけたが、実はその父、チャルコス伯爵家当代当主の妹の子であり、その妹は夫(つまりベルの祖父)によって類が及ばぬように実家に返されてベルの父を育てていた。貴族の子の出自としては珍しくはないといえばないが結構スキャンダラスでもある(このあたりの経緯も世界線によって微妙にズレが出る模様)。
そして出自ゆえのコンプレックスを抱えるベルの父だったが、のちにベルの母となるパトリシャンヌ(トリシャ)と出会い関わった事でトリシャの父のように一念発起して己を磨き、彼女とわくわくもんの大冒険を繰り広げ、最終的には熱烈にも程がある恋愛結婚を果たしている。
しかし、その代わりにベルの父方の祖父が誰かは判明していなかった。
が、第八部ではそれが判明する。
上述の通り、ベルの父方祖母はツロギニア王国の伯爵令嬢なのだが、そのお相手は当時、同国に派遣されていた中央正教会の派遣司教にして聖ヴェールガ公国の伯爵令息であった。つまり、ベルには聖ヴェールガ公国の血も入っている。
そしてツロギニア王国に派遣される、というのは同伯爵家にとっては跡継ぎの教育カリキュラムの一環(とはいえ他にも同様の候補地はいくつかあるようだが)であり、これを修了した司教は、さらにのち聖ヴェールガ公国の重要拠点セントバレーヌの派遣司教となる。
この聖ヴェールガ公国の伯爵家こそルシーナ伯爵家。公国のトップ、ヴェールガ公爵家の縁戚家のひとつでもある。
「ミーアベルの時間軸(司教帝ラフィーナの時間軸)」において、これが隠されてしまったのは、ヴェールガ家が司教帝となったラフィーナに「正教会の本義に戻り人々の弾圧をやめてサンクランド王国と和解せよ」と諫言をした事で彼女の不興を買い、一族丸々処されてしまったためである。
すなわち、ベルの本当の父方の祖父はリオネル・ボーカウ・ルシーナ。現在の時間軸におけるセントバレーヌの派遣司教、マルティン・ボーカウ・ルシーナの息子である。
なのでベルにとってはマルティンは父方の曾祖父、リオネルの妹であるレアは父方の大叔母となる。
そしてボーカウ家の血を持つベルはラフィーナとも縁戚という事になる。
なのでラフィーナの事を「ラフィーナ(大)おばさま」と呼ぶ事があるが、それはミーアから「眠れる獅子(司教帝)が目覚めてしまいますから、ラフィーナ様だけは、そんな呼び方をしてはいけませんわ!」と、かなり大真面目に禁じられている。
ネタバレ関連タグ
聖ヴェールガ公国:ベルのもうひとつのルーツと言える
ラフィーナ・オルカ・ヴェールガ:実は縁戚のひとり。まぁイロイロな意味で因縁深く、時間軸の次第で取られる態度は両極端(司教帝の時間軸では追われて筆舌に堪えぬ苦難を強いられるが、そうではない時間軸では「わたしと同じヴェールガの血を持っている、ミーアさんの孫」という事で激甘状態でめっちゃ可愛がられる)。