シュトリナ・エトワ・イエロームーン
しゅとりなえとわいえろーむーん
ティアムーン帝国の門閥貴族である四大公爵家の一角・イエロームーン公爵家の出身で、同家の現当主ローレンツ・エトワ・イエロームーンの長女。四大公爵家は皇帝の親戚筋であるため、皇女ミーア・ルーナ・ティアムーンとも縁戚関係である。作中では主に「リーナ」という略称で呼ばれる(本人が一人称としてこの呼称を使用することもある)。
イエロームーン公爵家は「最古にして最弱の忠臣」と呼ばれる家門でありティアムーン帝国の建国時より続く家だが他の家からは「古さだけで公爵位にある家」として密かに侮られている。四大公爵家の中でも「イエロームーンは四大公爵家の中でも最弱」と言われ、また自らもそれを称している。なお歴代の当主は農業蔑視の蔓延しているティアムーンには珍しく園芸を趣味としている。
出演作品 | ティアムーン帝国物語 |
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性別 | 女性 |
誕生日 | 不明 |
出身地 | ティアムーン帝国 |
身長 | |
体重 | |
特技 | |
好きなもの | |
嫌いなもの | |
舞台版配役 | 吉川日菜子(第2弾) |
時間遡行してきたミーアベル(ベル)が、本編の時間軸で友達になった少女。可憐な雰囲気を纏っており、初対面のベルには「小鳥のさえずるような可愛らしい笑い方」という第一印象を持たれている。
園芸を趣味としている家の子であるためかキノコに詳しい。その事がキノプリ(キノコプリンセス)ミーアの心の琴線に触れ親しい付き合いとなる。
四大公爵家の主要人物(令息・令嬢の筆頭世継ぎ)の中では最年少で、唯一ミーアより年下の中等部所属(1学年下でベルと同学年。ちなみに、他三家の世継ぎたちは高等部の同級生)。
ミーアと同じく兄弟・姉妹はいない一人娘である。
最初の時間軸
「最弱の公爵」の名の通り、何をするでもなく真っ先に革命勢力に潰された、とされている。
ただ、実は裏で革命勢力と繋がっていた、とも噂されており、表向きは潰された事にして実は外国に落ち延びた可能性が示唆されてもいる。
※以下ネタバレ |
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黄色き月は
人の体を識る者
千の毒を操り
万の毒を識る━━━
実はイエロームーン公爵家は、ティアムーン帝国最高峰となる陰の医家であり、また帝国最強の暗殺者家系。その手段は毒殺が主。その一方で解毒のエキスパートでもある。
自家の「お家芸」とも言える園芸は薬草(毒草)を作るためのものである。
「四大公爵家最弱」の評価は暗殺対象の警戒を解き、その喉元を食い破るために接近する、そのためのブラフ。
そしてイエロームーン家の本当の役割は帝室のスペア。
帝室が初代皇帝アレクシスの遺志を忘れ未来の希望を生じさせた時、それを確実に潰すためのシステム、その一翼を担う家。ゆえにアレクシスとの盟約のもと混沌の蛇に支配された家でもあった。
ベルに近づいたのもミーアのアキレス腱となるであろう彼女を人質あるいは殺害する事によりミーアを絶望に堕とす事を目的としての事だった。
「ミーアベルの時間軸」においてミーアに毒を盛った犯人は(案の定)シュトリナ(と、ローレンツ)で、イエロームーン秘伝のケーキでミーアを釣り、ケーキに騎馬王国に密かに伝わる(ティアムーンではおいそれとは手に入らない)陽毒を仕込んでいた模様。
本編の時間軸においてもシュトリナ自身、幼い頃からイエロームーンそして帝国における蛇を担う家の宿命に従い、多くの暗殺に加担している……(その事はシュトリナの大きな心の傷となり、また蛇の付け込む隙となり、また諦感となっていた)
ローレンツ卿「ミーア様、この子は誰も殺してはおりません。暗殺にも加担させてはおりません」
……と、思われていた(本人も思い込んでいた)が、事実は違った。
その真実
実はシュトリナが関わってきた暗殺は、本当は「帝国内において蛇に狙われた人々を逃がすための亡命作戦」であり、その被害者は彼女の父であるローレンツによって海外各国に逃がされて生存している。
蛇にからめとられていった父と祖父を知るローレンツが時間の問題と思いつつものらりくらりと暗殺依頼を躱していた時、帝国内に諜報網を敷いた工作員を暗殺するよう要請されたことが彼の転機となる。蛇の構成員だった同僚に殺されかけた工作員の死を偽装することに成功。その後工作員としての技量を存分に生かして執事としてもぐりこんだ彼と共謀し、彼が同胞にすら機密上から伝えていなかった各国のルートと、自身が蛇の者たちでも理解できないほど卓越した毒の技術を併用することで、其れから蛇が命じた暗殺対象=蛇にとって不都合な者を全員死を偽装して他国に逃がし、万が一蛇に正面切って立ち向かえる可能性をつかめる時まで、味方を増やしつつ蛇をだまし続ける面従腹背を続けてきたのだ。
当然、一度でも殺人を犯せば蛇に絡めとられると知っている彼が愛する娘に殺しをさせるわけがない。「暗殺」の度にシュトリナに渡された毒は致死毒ではなく、人を一時的に仮死状態にするだけの強烈な睡眠薬に近いもの。ローレンツはシュトリナの「暗殺」の影で、そのターゲットに接近し彼らを説得。亡命作戦を遂行してきた。
彼女の父であるローレンツはイエロームーンの宿業から自らと娘を解放するため最弱と卑怯者の仮面を被って、混沌の蛇を見事に騙くらかすというとんでもないことをしてみせたのである。
真・本編での行動
ミーアのアキレス腱でもあるベルを利用するため彼女に近づくも、ベルの無垢と友情によってトラウマを刺激され、自身も忘れていた(気付かないようにしていた)罪悪感を強く想起させられる事になった。
それを振り切るため蛇の一員でもある自らのメイド(教育係)のバルバラに唆されてベルの拉致騒動を引き起こすも、自らの死を覚悟してなお純粋無垢にシュトリナとの友情を信じ、そしてゆえに彼女の苦悩を見抜いたベルの訴えで、ついに自らの行動を鈍らせ自らの意思でベルを庇ってしまった。
その有り様に激昂したバルバラによって拉致されイエロームーン本宅へと引き戻されるも、突撃したミーアたち、そして何よりも既に蛇を裏切っていたローレンツによって壮絶なネタバラシをされ、救われる事になった。
その後はイエロームーンを忌まわしき盟約と蛇から解放してくれたミーアの薬師、さらにはベルの唯一無二の大親友として彼女らの冒険に伴う事になる。
彼女のスカートの中、その装備したガーターベルトには薬瓶のホルダーがあり、そこにはミーアたちが毒に倒れた時の備えとして考えつく限り数多の解毒薬(と、あと護身用の暗器)が装備されている(まぁ、解毒薬といえど、健康な人間に投与したら命に関わるものもあるのだが)。
さらには「ミーアが大事にしているベルの親友」という立場を利用して「ミーアとベルの露払い」という目的のためにディオン・アライアを振り回すようになるのだが、気がつけば逆に自分があしらわれて振り回される羽目になったりしており、彼に複雑な気分をさせられる事になる。
が、そこそこハンパなくヤベぇディオンと、それなりのキチンとしたコミュニケーションを取れている事から、ミーアや慧馬からはディオン・アライア(の扱い)の熟練者として一目置かれていく事になる(実際のトコロはそうでもないハズなのだが)。
ミーアが女帝として即位した後も他の四大公爵家の子息達と協力しミーアをサポートしている。なおミーアのことは「あらゆる事態を想定して、あらゆる準備を万全に整える。そして、未来を予測し、何重にも備えをする優れた叡智の持ち主」と重い信頼をしており、それを聞いたミーアは本気で帝国の将来を心配した。
真・関連タグ
ミーアベル・ルーナ・ティアムーン:生涯をかけて護り共に在ると誓った大心友
ディオン・アライア:敵対時に壮絶なプレッシャーを刃と共に突き付けられて恐怖させられた相手。味方になってからは利用しつつ利用されてる妙なコンビネーションの相方。
※以下、超ネタバレ! |
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ここから先は第四部・第五部のネタバレが含まれます。未読の方は要注意!
「おかえりなさい。ベルちゃん……リーナ、ずっと待ってたのよ」
ベルが「標」の役割を終えて帰還した未来は歴史改変が行われ、ミーアが女帝として君臨し平和を維持できた世界であった。
ベルはミーアお祖母さまに親友リーナの去就を問うがミーアは言葉を濁したまま。直後、二人の元に訪れたのは、ベルの記憶の中のシュトリナと全く同じ姿をした少女であった。ベルは既にリーナはこの世にいないのかと涙しかけたが、少女はそれを遮るように先ほどの言葉を告げる。
シュトリナは、ずっと待っていた。イエロームーンの秘術をさらに推し進めたアンチエイジングの新技術を開発し老齢になってなおベルと共にあったローティーン時代の姿と体力を保ち続けて待っていた。
かくて時を超えた友情はここに結実したのだった。
ちなみに家督はさっさと我が子に譲っており、ベルのいる未来では隠居状態(ベルといつまでも一緒にいるため)。
盟友でもある旦那とはラブラブである(同じくアンチエイジング技術により全盛期の姿を保っている)一方で、いつもしてやられている模様。子どもたちは「薬より剣」という子が多くイエロームーン家のご隠居としては、まだ見ぬ孫に医家としての期待をかけている模様。
なお、この夫婦、平行世界(別時間軸)にてミーアの命を奪った者同士のカップリングとなっている(ディオンは最初の時間軸の死刑執行人、シュトリナはミーアベルの時間軸での毒殺暗殺者)…のだが、後者については本編のミーアは預かり知らぬことなので特にこの2人が結ばれることに関して苦言は呈していない。
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