「教えてやろう。このナザリックにおいて、死はこれ以上の苦痛を与えられないという意味で慈悲である」
「何を狙っているか、難しいようで簡単なことだな。私が狙っている……求めているものはたった一つ。幸せだ」「人であろうとなんだろうと求めるのはやはり幸せ、なんじゃないかな?」
CV:日野聡
データ
基本レベル | 100(種族レベル40+職業レベル60) |
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役職 | 至高の41人。ナザリック地下大墳墓の主 |
住居 | ナザリック地下大墳墓 第九階層にある自室 |
属性 | 極悪(カルマ値:-500) |
種族レベル | 骸骨の魔法使い(スケルトンメイジ)15lv、死者の大魔法使い(エルダーリッチ)10lv、死の支配者(オーバーロード)5lvほか |
職業レベル | ネクロマンサー10lv、チョーセン・オブ・アンデッド10lv、エクリプス5lvほか |
二つ名 | 骸骨の見た目を持つ最強の魔法詠唱者(マジックキャスター) |
概要の前に
WEB版・書籍版・アプリゲームの『MASS FOR THE DEAD』版・外伝『亡国の吸血姫(ヴァンパイアプリンセス)』版で、もっとも設定と行動が大幅に変わった人物。
アインズの設定は大きく三段階に分かれ、①鈴木悟 ②転移直後 ③ゲヘナ以降でWEB版・書籍版で内容が異なりまくる。
その活動内容は微妙に異なる所の話では無いので、投稿数及び一般認知度が高い書籍版の設定を中心としつつ、オリジナルであるWEB版による誤差を追記・別記等の形にて記載する。またアプリゲーム版はスタート時から行動がWEB及び書籍版と異なるので、個別記事が用意されている。
基本概要(鈴木悟時代)
VRMMORPG《ユグドラシル》のヘビーユーザーで、現実世界では“鈴木悟”という名のサラリーマン。中の人が社会人で、異形種のアバターである事を参入条件とする伝説的ギルド、《アインズ・ウール・ゴウン》の長である。アバター名は“モモンガ”。
基本的性格として、引っ込み思案・自己評価が低い・お人良し・臆病などが挙げられる。面倒見が良く、サラリーマンとして培った話術など、丹念に準備を行い行動するタイプ。人当たりも良く、ギルド内では癒しキャラに認定されている。
なお特典小説によると、母子家庭で育ったが母親は小学生の頃に過労で倒れ他界している。更に親戚もいないらしく、天涯孤独の身である模様。
はっきり言ってしまうと中二病。ベース種族に『骸骨の魔法使い(スケルトンメイジ)』を選んだのはロールプレイの一環、いわゆるドリームビルドと言われる設定外見優先の、とことんキャラクター設定を追求した結果。
ゲームプレイ初期の《ユグドラシル》では異形種狩りが流行しており(一定数の異形種を倒した事で就ける、職業目当てによるもの)、該当プレイヤーは自分達に有利な三世界・《ニヴルヘイム》《ヘルヘイム》《ムスペルヘイム》に引きこもり、外へ冒険に出る事が無かった。
当時はまだ弱く前述の世界の外にいたモモンガも毒牙にかかりかけたが、「この世界で閉じこもっていられるか」と奮起する異形種プレイヤー達のパーティーリーダー、“たっち・みー”に助けられたモモンガはパーティーに加入、新たな仲間と共に世界を駆け巡り、虐げられていた異形種プレイヤー救済の為に作ったクラン《九人の自殺点(ナインズ・オウン・ゴール)》の結成メンバーとなる。
その後増え続ける仲間と共に自らの実力を上げ、後続参加メンバーのペロロンチーノ、ウルベルト・アレイン・オードルと無課金同盟を組むなど、一時期は辞めようと考えていた《ユグドラシル》をプレイしていく。
パーティーメンバーが27人になった頃、クラン長たっち・みーがクラン解体を宣言。そのままギルド結成を宣言するのだが、ギルド長としてモモンガが当人より推薦された。
ちなみに周囲からは満場一致状態で賛成されたが、当人は否定。しかしぷにっと萌え等からの相談や推薦により、ギルド長になる事を決意。ギルド長の初仕事が未探索ダンジョン『ナザリック地下大墳墓』初見攻略という大仕事だったが、見事成し遂げる事に成功。以降、ギルド《アインズ・ウール・ゴウン》の名は《ユグドラシル》世界に広まり、数々の偉業を成している。
しかし、栄枯盛衰により《ユグドラシル》全体の活気が減り、41人いた仲間達も次第にゲームを辞めていく。その中でモモンガは1人残り続け拠点の維持費を稼ぐ毎日を続けるが、とうとうサービス終了日が運営より告知されてしまう。
《ユグドラシル》のサービス終了をギルドメンバー全員で迎える事を望み、引退メンバー及び残留メンバー(ただしプレイは長期間していない)にメールを送るも、社会人であるためそれぞれに都合があり、最終日にヘロヘロがログインしたとはいえ体調が悪く早々にログアウトしてしまい、結局1人でその時を迎える事になる。
しかし、日付変更の瞬間に全てが終わると思いきや、見知った光景がシャットダウンされる事はなかった。
概要(転移直後)
日付が変わると共に、終わる筈だった世界が続く。何が起こったのかと慌てたモモンガは、運営に連絡しようとするが繋がらない。
すると、モモンガに声をかける者がいた。それはNPC。モモンガを心配する姿は、まるで人間その物で…
その世界は、《ユグドラシル》であって《ユグドラシル》では無かった。視界からはゲームに必要なコマンドが無くなっており、NPC達が有機的に会話を受け付ける。しかも視覚や音に加え、触感や匂いまでが存在していた。
つまり、この世界は現実であるのだが、何故かモモンガはアバターのまま。そして動く・話す・外に出るとゲームではありえない動きをするNPC。調べた結果、《ナザリック地下大墳墓》全体が異世界へ転移した事が発覚。モモンガとNPC(各階層の守護者、執事やメイドなど)との立場関係は変わっていないどころか、モモンガ含むギルドメンバーをNPC達の創造主『至高の四十一人』と称し、最後まで残ったモモンガを「最後まで我々を見捨てずにいてくれた慈悲深きお方」として、絶対的な忠誠を誓っている。
この時守護者との距離感を掴みかねた結果、『絶大なカリスマを持ち全てを見通す叡智を持ち、その上慈悲深いナザリック絶対の支配者』というキャラ作りをしてしまい、以後もそのイメージに沿った立ち回りを余儀なくされる。
なお、アインズ(アインズ・ウール・ゴウン)と名乗る様になったのは、対外的に活動し始めてからである。良くも悪くも有名であったギルド名なので、プレイヤーならばその名に反応するだろうという事、特に、ギルドメンバーへその名が届く事を望んで名乗っている。
ギルドメンバーにギルド名を名乗っている事を咎められた場合、即座に元の名に戻ろうと考えている。
人物像
本人に関して
素の一人称は「俺」だが、支配者として振る舞う時は「私」を使用し、外に向けた『支配者』然としたイメージを崩さない言動を取る事を心がけ、それを心理的負担として感じている。
人外の身となっても鈴木悟時代の『残滓』が存在している事もあり、性格はその頃とほぼ変わっていないものの人間に対しての同族意識は殆ど消え、人間の殺傷は虫を潰した程度にしか感じなくなるなど冷酷、冷淡とも言える性格となっている。
だが理性としては無闇に人間を殺傷する事、敵対する事は忌避しており、それ故に人間に対して悪意を剥き出しにする事を躊躇わないNPC達を宥めるのに、度々苦労している(転移前の社会環境や社会構造が劣悪極まりないものであったため、元から冷酷かつ冷淡な性格だったという説、実は現地の人間種は(レベル上限がある事から)実は人間に似た別種の何かで、本能レベルで同族の人間とみなしていないという説もある。ただしこれらは、根拠のない俗説である)。
生かしておけない(または値しない)と判断した場合でも、自分やナザリックに危害を加えていない無関係な人間や、自身が一目置いている人間に対しては、せめてもの慈悲として苦痛の無い死を与える事にしている。
それでも前述の『残滓』の影響に加え、カルマ値による属性の作用がアインズには働いていないため(書籍版3巻作者雑感より)、属性が『極悪』にも拘わらず基本的に性格は温厚、かつ無益な殺生も行わない。また強い信念を持つ人間や利用価値があると見なした、または自身が恩義を受けた人間(もしくはその縁者)に対しては、極めて穏当な人間味のある対応を取る傾向がある。
一方で行動理念は『ナザリックの利益』が優越し、その為ならば友人(とアインズは思っている)であるジルクニフでさえ、「必要ならば地獄に落ちてもらう」と考えている。また「命の価値が真に平等」と本気で考えている者がいれば、狂人だろうとも思っている。
前述の通り人間・鈴木悟の『残滓』が存在している事もあって、感情の起伏は人並みに存在するのだが、アンデッド化した事で種族の特性として強い感情は抑制される様になり、怒りに我を忘れる様なデメリットが消されている反面、楽しい感情も抑制されてしまう事には苦々しさを感じている(アニメでは分かりやすい表現として、抑制される際にアインズの体が発光する演出が為されている。なお飽くまで演出であるため、実際に光っている訳では無い)。
先の通り内にも外にも『支配者』の演技を続けてはいるが実際のところ、中身はごく普通のサラリーマンに過ぎないため、普段は様々な場面で知っている素振りや勿体つけた言動で乗り切り、肝心な所はアルベドやデミウルゴスに丸投げするのが定番となっている(後にこの行動が、デミウルゴスの愛称である『デミえもん』を生み出した)。
しかし、サラリーマン時代に培われた経験から来る話術・交渉術は(下準備の甲斐もあって)巧みであり、魔導国建国後は冒険者組合長のアインザック、ドワーフのルーン工匠達、闇妖精(ダークエルフ)の村の薬師・ギレナの心を見事掴んでいる。だが、想定していない所から来る質問などには滅法弱い。
それでも皆の期待に応えようと、重圧と戦いながら見えない所で日々努力を続けている。
動向
作中ではナザリックの利益へと繋げるべく多方面へと出向き、国家や生物と友好的な関係構築に動くなど一定の人間味を見せる反面、己が執着するギルドや大切なNPC達に害を為そうとする者がいれば、一切の慈悲も容赦もなく叩き潰し時には殺戮も辞さない。
また14巻では、ガゼフに並ぶ好感を抱いていたザナックの王族としての覚悟や矜持を踏みにじった貴族達に対して怒り、全員をニューロニストの部屋へ送るという苛烈な制裁を下している。
いずれにせよ作中で彼の逆鱗に触れた者達は、例外なく手酷い報復を受けている。
神にも等しい絶対的な力を持ちながらも、己が最強であるとの驕りは一切見せず、「自分が出来る事・思い付く事は相手にも出来る」事を前提として動く、かなりの慎重派でもある(作者曰く、「石橋を叩いた余波で人が死ぬ」)。
彼が見せるギルドやかつての仲間達に対する執着は、現実世界の劣悪な環境が原因で幼くして天涯孤独となり、他者とのちゃんとした人間関係を築く機会を与えられないまま、本来なら青少年に分類される年齢で企業へ就職して働き、食文化も外での娯楽も皆無に等しい世界で無味乾燥な日々を送っていた時に、《ユグドラシル》で初めて友人を得た事で今まで縁遠かった『幸せ』を感じられた事に由来していると考えられる。
また自分の大切な物に害を為そうとする相手への容赦の無さや、必要以上とも思える攻撃性と用心深さに関しても、前述の劣悪な世界に生まれた事で根付いた『世界は格差と差別と悪意に満ち溢れた残酷なもの』だという考えと、『(そんな世界に)大切な物を二度と奪わせない』という信念から来ているのであろう(なお、当然ながら元の世界への未練などは皆無に等しく、帰還について考えたのも1巻の僅かな間のみである)。
対外的な面
そうして現地人との交流を経ていく内に、意図せずしての行動や言動が数多くの人々の心を掴み(例として、エンリを始めとするカルネ村の人々、エンリの幼馴染みのンフィーレア、山小人(ドワーフ)の国の工匠達、聖王国の従者ネイア、『八本指』のヒルマなど)、ナザリック外でも人望は篤いのだが基本概要にある通り自己評価が低いため、人望面に関してはアインズ本人はむしろ懐疑的に見ている。
更にナザリックのNPC達は元より、生まれながらの支配者であるバハルス帝国皇帝のジルクニフや、人間の域を超えた天稟の頭脳を持つラナーからは、偶然や幸運が重なった事や自身の『死の支配者(オーバーロード)』としての見た目の先入観が加わった結果、「一手一手に意味を持つ稀代の謀略家」、「恐ろしいぐらい頭の回る、国家レベルでの謀略と知略の才人」とまで思われている。
しかし、NPC達の純粋な尊敬の念を裏切る事はしたくないという思いや、対外的にも支配者として振る舞わなければならない立場などが重なって否定も出来ず、そうして勘違いされる度にアインズの心労は蓄積されていく。
総括
以上の件に関してアインズは、皆の望む『至高の四十一人のまとめ役』を演じるために『鈴木悟』を殺している事に、心労と同時に孤独を感じてもいる。
そうしていつかメッキが剥がれてしまえば、かつての友の忘れ形見で宝物も同然のNPC達に失望されて見放されてしまうのではないかという恐怖と、彼等に嘘を吐き続けている罪悪感、更には持ち前の自己評価の低さや前述の罪悪感が加わって、自身を心中で「無能」だと卑下する場面も少なくない。
しかしNPC達(特にデミウルゴス辺り)はむしろ、『アインズの役に立てなければ、最後に残ってくれた彼までナザリックを去って(もとい見捨てられて)しまう』といった様な不安を抱いている節があり、このすれ違いが今後どの様な展開を生むかが懸念の1つでもある。
容姿
- 書籍版
骨密度が高い逞しい成人男性の骨格を持つ骸骨に、黒と紫を基準とし、端々に金の装飾を施したローブを羽織る魔法詠唱者。
全ての防具は神器級(ゴッズ)で固められ、右手の薬指以外は、それぞれ効果の違う指輪を9個装着している。武器はギルド長の証《スタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウン》。
肉・皮などの臓器は一切無く、その代わりに世界級(ワールド)アイテムの1つである赤黒い球体・通称『モモンガ玉』が内臓の如く、大きく胸元を開けた内側のローブから見える腹部に収められている。
眼球は存在しないが、眼窩からは赤黒い眼光を放っており、背後からは漆黒の光を時折放っている。
- WEB版
服装は書籍版と大差はないが、完全な骸骨では無く薄皮が張り付いている状態。
書籍版とWEB版での主な違い
- 経歴
両親がいないのは共通。ただし書籍版が小卒に対し、WEB版は高卒である(現実世界の設定が大きく異なる事によるもの)。そして書籍版は童貞、WEB版は非童貞。《ナザリック地下大墳墓》攻略時の様子は、WEB版では不明。
- 性格
書籍版ではWEB版の方よりも頭の回転が早く、作者は3巻雑感にて「webだと「ふぇ、そんなこと考えてないよぉ。どうしよう?(ワタワタ」みたいな感じですが、書籍だと「それも悪くないな(ドッシリ」ぐらいの違いです。劇場版アインズとTV版アインズの違いです。「うわーん、デミえもん!」って泣くのがTV版(web)ですね。」と語っている。要はWEB版の方は、少しお馬鹿で可愛げがあると言ったところか。
人間関係についてはWEB版では書籍版とは違い、ほぼナザリックに座して動かないために他者との交流も少なく、踏み潰される人間への無関心ぶりが顕著となっている。
- 転移後
転移後に関しては、まずWEB版にはアルベドが出て来ない。同時に姉妹たるニグレド・ルベドもいない。つまり、アインズによるテキスト変更が無い。そのため、WEB版においてモモンガに最初に話しかけたのはセバスであり、その後の確認作業は一般メイドが担当(確認作業の内容も『スカートをたくし上げさせてパンツを見る』というものになっている)。
ゲヘナ後は長くなるので要点だけ述べると、書籍版では『アインズ・ウール・ゴウン魔導国』を建国し国王となっている。対してWEB版ではバハルス帝国の庇護下に入り、“アインズ・ウール・ゴウン辺境侯”と名乗る様になる。4巻でデミウルゴスが「ならばどこかの国の庇護下に入り、戦闘を仕掛けられたと言う大義名分を手にするのも手です」と述べているが、この助言によって起こした行動が書籍版とWEB版で大きく違ったという訳である。
しかしWEB版では前述の通り、ナザリックにほぼ常駐してNPC達から報告を受けつつ彼等に指示を出すのがメインになった結果、主人公であるにも拘わらず徐々に影が薄くなるという弊害が発生してしまった(『学院編』が始まる直前の『邪神編』最終話では、「(『学院編』における)アインズの出番?純愛エロゲーにおける男友達ぐらいあるよ!」という作者のコメントすらある)。書籍版ではうって変わって情報収集のために冒険者に扮し、2つの顔を使い分けながら多方面へ出向いて現地人と交流を深めるというスタンスを取っているのも、それを省みての事だと思われる。
支配者としての素質
作中においてアインズは周囲から最高の支配者とされているが、実際のところ作中では一貫して、支配者としては凡庸という形で描かれている。
実際『小説家になろう』の作者の活動報告のページで公開されている、作中に登場する12人の支配者キャラをランキングした『王様優秀度』では、『凡人』という事でぶっちぎりの最下位であった(なお、そこでは本名の“鈴木悟”名義となっている)。
一方でこのランキングの元となるのは、『同じ国を治めたとして20年後に国をどれだけ裕福にできるか』という指標である。
実際に作者からも「アインズが力技でどうにかしようとすれば出来るが、『オーバーロード』の話自体がそういう内容ではない」という理由で、アインズが最下位になっている事を明かしている(ちなみにツアーも、同様の理由でランキングから除外されている)。
そのため支配者としての才能が無いと言うよりも、国の運営が関わると本来の能力が発揮されないと言った方が正しいかもしれない(ちなみにこのランキングで4位にランクインしているザナックは、アインズとは逆に国の運営に積極的に関われないため能力が発揮出来ず、その妹で1位にランクインしているラナーは、才能こそ飛び抜けているが当の本人に国や国民を慮る気持ちが全く無いという皮肉な状況にある)。
しかしアインズ自身は、《ユグドラシル》時代に総じてクセの強いギルドメンバーを取り纏めており、転移後の世界では上述の通り彼にナザリックのNPC達と変わらない程の想いを向ける者達が今や数多く存在し、IFの世界では新たなギルドのリーダーとして活躍している(詳細は後述)。
このカリスマ性がアインズの最大の長所の1つであり、世界征服を成し遂げるのに不可欠な要素となっている。
そしてこれまでの記述通り、無条件に捧げられる忠義・最高の頭脳を持つ部下・(智謀の王だと勘違いされる要因になっているとは言え)組織に利益をもたらす強運・強大な財力という組織のリーダーとしてはこの上ない利点を持っているのに加え、アインズ自身は常に組織の事を考え、部下を思い、それらのために絶えず努力しながら、重要な件については他者の意見を聞きいざとなれば己が責任を負う姿勢でいる(この責任感は、ギルド長としてナザリックを長年守ってきた事にも由来すると思われる)。
ナザリックが現状に満足せず持続的な発展を追及し、内部が堕落しないという一貫性を持っているのも、支配者たるアインズが「組織を発展させなければ、いつかは追い越され、最強の地位から押し出される」、「組織の長として、組織の発展や外敵への警戒を怠ってはならない」と常に考えているが故である。
また目標の提示が明確であり、これを実行するための行動力のみならず慎重さと冷徹な決断力をも兼ね備えているとも評価出来る。
書籍版15巻で闇妖精の村へ赴いた際には、上述の村の薬師・ギレナを営業で培われた話術で上手く乗せ、最終的には自分が得をする様に誘導し、会議中にダークエルフ達が揉めた時にはギルドマスターを経験したからこその想いや知見から来る提案を出し、皆を見事にまとめ上げた。
終盤近くの森妖精(エルフ)の王国の王、デケム・ホウガンとの戦いではわざと己を弱く見せるための演技を行い油断を誘うのに始まり、シャルティア戦の時と同様に罠や策を幾重にも張り巡らせる事で見事に勝利を収めるなど、戦闘・知力・話術・統率力などあらゆる方面で無双する様子が見られる。
統括すると政治や国家運営に関しては無知というだけで、支配者の素質が無いわけでも無能なリーダーという訳でも決して無く、むしろかなり優秀な方に分類されると思われる(そもそも、彼は上述の通りの劣悪な世界のせいで十分な教育を受けられなかったにも拘わらず、高卒のWEB版より賢い時点で何気に凄いのである)。
強さ
《ユグドラシル》時代にネクロマンサーなどの職種を高いレベルで修めており、アンデッド作成といった死霊系魔法を得意とする。
桁外れの量のMPを持つのに始まり、扱える魔法の数は718にも及ぶ(《ユグドラシル》では、通常の100レベルプレイヤーが扱える魔法の数は300程度だった)など、魔法使いとしての能力は極めて高い。しかしその反面、ロールプレイ重視であったため直接的な魔法攻撃力は専門職に劣る。
単純な戦闘力のみならず解析スキルも非常に高く、ギルド内でのPVPの練習で魔法による戦闘経験は群を抜いており、事前の戦闘準備があるPVPの勝利率は高い(ただし単体の強さは中の上~上の下付近で、生粋の戦闘職には勝てない)。
いわゆる『正々堂々の真っ向勝負』で戦う事はせず、情報を収集し対抗手段を整え、切り札を幾つか用意して戦いに挑み、最悪の場合に備えて逃走も想定する。
“アインズ・ウール・ゴウンの諸葛孔明”の異名を持つぷにっと萌えからは、「状況対応能力は一番」と評価を受けている。
ただの人間相手であればその身に宿る凄まじい魔力を感じ取った瞬間に戦意を喪失し、即死スキルの《絶望のオーラ Ⅴ》を使用すれば、ただ歩くだけで都市はおろか国1つを壊滅させられるであろう力を持つ。
また、スキル《上位物理無効》と《上位魔法無効》の効果によって、60レベル以下の攻撃は問答無用で無効化する力を持つため、転移後世界の一般的な戦闘員達では文字通りアインズにカスダメージさえ負わせる事は叶わない。
現に転移後の世界でアインズと互角に戦えたのは、現時点でシャルティアを除いて皆無となっている(あとはせいぜい、後述の外伝に登場するキュアイーリムぐらい)。
これまでの記述でも触れられている通り、3巻では洗脳されたシャルティアと戦わざるを得なくなったのだが、その際には卓越した分析力とかつての仲間達が残していった装備を活用して、天敵でもある彼女に勝利してみせた。
前述の様に全身を強力な装備で固め世界級アイテムのバックアップを常に受けており、《スタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウン》を持ち出すと、より強力なステータス補正や更なる特殊効果などの恩恵を授かり、ナザリックの機構をも完全な制御下に置く。
主な使用魔法・スキル
- The goal of all life is death(あらゆる生ある者の目指すところは死である)
即死魔法を超強化するアインズの切り札。種族“死の支配者”を極めた上で死霊系魔法に特化した者のみが就ける、プレイヤー専用のレア職『エクリプス』のクラススキルである。
発動すると発動者の背後に時計が出現し、この状態で発動した即死魔法は相手にヒットしても効果を発揮するまで12秒掛かる様になってしまうものの、相手の耐性などを完全に無視して問答無用で即死させてしまえるという、極めて強力な効果を持つ。また、本来は即死魔法の対象とならないものさえ「殺す」事が出来る様にもなる模様。
この対策の一切を無意味なものにせしめる強化即死は、該当魔法を《魔法効果範囲拡大化》などで全体化していても問題なく効果を発揮するため、上手くやればガチ装備の100レベルプレイヤーの大集団さえ一瞬にして皆殺しにしてしまえる程。
ただし、一度使用すると次の発動までに100時間ものクールタイムを必要とする上、12秒後の効果発揮までにアイテムや魔法による蘇生を使われると無効化されてしまうという欠点がある。
- 黒き豊穣への貢(イア・シュブニグラス)
超位魔法。広範囲の相手を黒い無形のエネルギーで即死に至らしめる範囲即死魔法。この際条件を満たせば“黒い仔山羊”を産み落とす黒い球体が空中に出現する。そして仕留めた数に応じて、90レベルクラスの強力なモンスター“黒い仔山羊”が生み出され、生き残った相手に更なる追撃を加える。ただし“黒い仔山羊”の召喚条件の厳しさから、1体でも召喚出来れば御の字であり2体召喚出来る事は滅多になかった。
9巻のリ・エスティーゼ王国との戦争にて初使用され、戦場に展開していた23万人の王国軍の兵士達の内7万人を一瞬にして死亡させ、“黒い仔山羊”を5体召喚する事に成功。その後の追撃などによって更に11万人が死亡、総計18万人の王国の主だった戦力の殆どが壊滅するという、凄惨極まる被害をもたらした。
ある種の射幸性もあってか、《ユグドラシル》ではさほど強い魔法ではなかったにも拘わらず、人気があった魔法でもあった。
- 心臓掌握(グラスプ・ハート)
第九位階。相手の心臓を握り潰して、死に至らしめる即死魔法。相手のステータス次第では抵抗で無効化される事もあるが、その場合は朦朧状態となって行動が制限される。即死判定に失敗しても確実な時間稼ぎが出来るため、初見の相手に対する先手攻撃として重宝された。
ちなみにファンの間では、『ハートキャッチモモンガ』の愛称で親しまれている。
- 上位道具作成(クリエイト・グレーター・アイテム)
第七位階。魔力から様々な道具を創り出す、クリエイト系魔法の一種。冒険者としての姿の際に着用する、漆黒の全身鎧(フル・プレート)やグレートソードは、この魔法で創り出したもの。
- 時間停止(タイムストップ)
第十位階。時間を止める魔法。発動中は他人にダメージを与える事は出来ないが、それ以外の事は概ね出来る。また魔法もダメージを与えるものでなければ、発動が可能。この魔法自体に攻撃力は無いが、「《魔法遅延化》で発動を遅らせた魔法を停止中の相手の周囲に適切に配置し、停止解除と同時に発動する様に仕向ける」などの方法で「詰み」に追い込む事は可能であったため、PVPで猛威を振るった。このため高レベルプレイヤーの間では、PVPを好むと好まざるとに拘わらずこの魔法への対策は必須事項とされていた程。
クロスオーバー作品である『異世界かるてっと』では、テストをカンニングするために使用。全配下並びにに殆どの者に有効だったが、神や神に直接干渉を受ける者に効かなかった事に驚愕し、更に神が好き放題するのを見て、カンニングをする気が失せて解除した。テスト自体は出題者の意図を汲めた事で、満点を取る事が出来た。
- 失墜する天空(フォールンダウン)
超位魔法。周辺広範囲を『太陽を地表に顕現させたような』と称される程の、超高熱源体による熱で燃やし尽くす攻撃魔法。
対シャルティア戦では、炎属性に完全耐性を持つフル装備のシャルティアのHPを、一撃で4分の1も吹き飛ばす程の威力を見せた。
なおアプリゲームによる他作品とのコラボでは、アインズの使用する技は殆どの場合この魔法となっており、彼の代表的な魔法として扱われている模様。
- 現断(リアリティ・スラッシュ)
第十位階。魔法的防御や耐性を無視して、相手を切り裂く無属性の斬撃を飛ばす。『ワールド・チャンピオン』の最強スキル、《次元断切(ワールドブレイク)》の劣化版。
無属性かつ空間を切り裂く斬撃という特性上、どんな相手にも有効にダメージを与えられる強力な攻撃魔法だが、燃費が悪いのが難点。
装備
- 神器級の装備群
普段から身に着けているネックレス・小手・ブーツ・マント・上着・サークレット類。金銭的な価値は計り知れない。
- スタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウン
《アインズ・ウール・ゴウン》ギルド長の証であり、ヘルメス神の杖(ケーリュケイオン)をモチーフにした黄金のスタッフ。
7匹の蛇が絡み合った姿をしており、のたうつ蛇の口がそれぞれ『陽』『月』『土』『火』『風』『水』『時』の属性を持つ、神器級アーティファクトの宝玉を咥えている。握りの部分は、青白い光を放つ水晶のような材質をしている。
多数の魔法を使役して持ち主をサポートする他、自動迎撃システムをも備えているらしい。更に前述の宝玉の力により、多様な魔法を1日一定回数使用出来る。
カルネ村の戦い以降はオーレオール・オメガに預けられており、普段持ち歩いているのは制作過程で作られた試作品のハリボテである。
以下は外伝で使用された、前述の宝玉の力で発動させた魔法の一部。
- 炎の嵐(ファイヤー・ストーム)
位階不明。『火の宝玉』で発動する信仰系魔法に属する範囲攻撃魔法。
- 陽光爆裂(シャイニング・バースト)
第七位階。『陽の宝玉』で発動する範囲型の攻撃魔法。太陽の様な輝きと灼熱が炸裂し、白い光が半球状に顕現する。相手のカルマ値が低ければ低い程ダメージを与えられるが、高いと大したダメージは無い。
- 月光の帳(ベール・オブ・ムーン)
位階不明。『月の宝玉』で発動する魔法と思われる。七色に輝く薄い布の様な壁が、かなりの魔法ダメージを防ぐ。しかしその代わりに、物理防御効果は無い。
- 根源の風精霊召喚(サモン・プライマル・エアエレメンタル)
位階不明。『風の宝玉』で発動する魔法と思われる。風の精霊を召喚し、作中では空を飛んでいる。
- 根源の水精霊召喚(サモン・プライマル・ウォーター・エレメンタル)
位階不明。『水の宝玉』で発動する魔法と思われる。作中では大地より水が吹き上がり、巨大な人型になっていた。
- ○○○○・オブ・モモンガ
モモンガ(アインズ)の腹部に収められている、世界級アイテムの宝玉。通称“モモンガ玉”。
正式名称及び効果は不明だが、かつてナザリックに攻め込んで来た1500人の討伐隊を、第八階層の『あれら』と共に殺し尽くした要因となっている。
変装姿
初期
カルネ村を救った際、村の住人やガゼフからアンデッドである事を隠すための変装姿。…とは言っても普段の姿のままローブの前を閉じ、骸骨顔を『嫉妬する者たちのマスク』で、骨の手を籠手『イルアン・グライベル』で隠しただけというシンプルなもの。
また、『長い間引き篭もって魔法の研究に勤しんでいた在野の魔法詠唱者』という設定を付け加える事により、村人からの情報収集を自然な形で行っている。
後に魔導国の建国に伴って正体を明かした事により、この姿の存在意義も消滅した。
“漆黒の英雄”モモン
転移先の世界の情報収集のため、冒険者に扮したアインズの姿。詳細はリンク先の記事を参照。
アインズとパンドラズ・アクター
ギルド《アインズ・ウール・ゴウン》が《ナザリック地下墳墓》を攻略後、各メンバーはそれぞれナザリックを守るNPCを創る事になった。
その際アインズが創り出したのが、宝物殿領域守護者“パンドラズ・アクター”である。彼の完成は遅く、なおかつ能力の特殊性と『アインズの黒歴史』という面により、長らく宝物殿待機を続けていた(詳しくは、パンドラズ・アクターの記事を参照)。
転移後になって初めて宝物殿の外に出され、時にはアインズの影武者となりまたある時には臨時の守護者統括をやってみたりと、マルチな万能ぶりを発揮する。ただし、彼自身の戦闘描写はまだ無い。
以下は10巻におけるやりとり。
「お前達NPCは我が友が残していった忘れ形見であり、私の子供のような存在だ。私はお前たちを等しく愛している」
「え、という事は私は実子?」
「あ……」
ここまで意訳。
とうとうアインズは、パンドラズ・アクターを実子だと宣言。色々「黒歴史だ」とか、「ださっ!」とか、「人前出したかなかった」とか言っていたが、ちゃんと可愛がっていた様子(ちなみに『ぷれぷれぷれあです・自動人形と猫』では、微笑ましい会話が聞ける)。
2018年のアニメ二期連動キャンペーンとして、ホワイトデー特別配布会が開催予定。
特定の店舗にて数量限定・チョコレートマシュマロの2個セットが配布、更にメッセージカードが付いていたのだが、組み合わせはアインズとパンドラズ・アクターである。アルベドではない。大事な事なので二度言うが、アルベドではない。詳しくはこちらを参照。
アニメ版
声優は日野聡。アニメは書籍版の内容なので、とにかく苦労する描写が多い。しかも支配者ロールを続けているため、支配者ボイスと中の人ボイスの差が面白い。
アインズが創造したパンドラズ・アクターは、至高の四十一人への変身能力がある為、当然ながらパンドラズ・アクターがアインズに変身する話がある。
その結果、『日野聡演じるアインズの真似をする、パンドラズ・アクター役の宮野真守の真似をする、日野聡』を二期第10話『王都動乱序章』スペシャルver予告で、『日野聡演じるモモンの真似をする、パンドラズ・アクター役の宮野真守の真似をする、モモン役の日野聡』を三期13話終盤で発表する事態になっている。
余談だが、第三期放送中にニコニコ動画で開催された18年夏期アニメ人気投票にて、アインズ自身はキャラ人気部門で2位に輝いたが、トップ5は1位の血小板を始め軒並み『はたらく細胞』のキャラが総なめする中、唯一他作品からのランクインだったため色々な意味でかなり浮いていた。
ついでに言うと演じる日野聡は、『はたらく細胞』にて好中球先生役で出演していた他(あまり挙げ過ぎると脱線するので控えるが)、第1話で登場したコイツの声がかつてのギルメンの1人だったりと、それなりに共通出演者もいる。
MASS FOR THE DEAD
書籍版・WEB版と異なる独自のストーリー展開が進む内容の為、既存のページが専用記事に改良されました。
外伝『亡国の吸血姫』
アニメ三期DVD-BOX初回購入特典として封入された外伝小説『亡国の吸血姫』では、『もしアインズ(モモンガ)がナザリックごとではなく、単独で異世界に転移していたら』というパラレルワールド軸で展開する、有り得たかもしれないもう1つの物語が描かれている(なおこの外伝小説は、元は作者がTwitterに投稿した短編『Sugar and spice and all that’s niceルート』を大幅に加筆したものである)。
アルベドの設定を書き替えた後、サービス終了に合わせて買い込んでいた花火を打ち上げようと、ナザリックの外へ出てとある島へと向かったモモンガこと鈴木悟は、打ち上げに成功した後に異世界へと1人転移してしまう。そして眼前に広がっていたのは、ゾンビが跋扈する都市であった。
そこで出会ったのは「キーノ・ファスリス・インベルン」と名乗る幼い少女であり、この少女こそ本編でイビルアイと呼ばれている人物のかつての姿であった。
40年もの間孤独に耐えながら、両親や国民を救う方法を探し続けていたキーノの姿に自分を重ねた悟は、ゾンビ化解除の方法を求めてキーノと共に旅立つ決意をする。
大まかなあらすじは前述の通り。最終的に悟は自分をリーダー、キーノを副リーダーとした『新生アインズ・ウール・ゴウン』を結成し、新たに加わった仲間達(全員異形種)と共に200年続けても終わらない位の自由気ままな冒険者生活を満喫している。
ここでのモモンガは“アインズ・ウール・ゴウン”と名を改めておらず、本名の“鈴木悟”で通している。
更に、ナザリック勢がいないため支配者として振る舞う必要も無く、キーノを始めとする新たな仲間達とも対等な関係を築いている。
そうして孤独感から解放された事で、かつての仲間達との思い出は『サービス終了時に終わった過去の思い出』として昇華され、彼等に関する記憶は既に朧気なものとなっている。
ただし物語は200年後に「大陸最北西の3つの国を滅ぼした悪魔の巣」、またの名をナザリック地下大墳墓の情報を得る所で終わっており、その後の展開次第では『新生アインズ・ウール・ゴウン』とナザリックの面々が、敵対したという可能性も考えられる(作者はあとがきにおいて「悟の知恵さえあれば、新生アインズ・ウール・ゴウンはプレアデスぐらいなら倒せそう」と、対立を仄めかす様な事を書いている)。
#COMPASS LOAD Ⅳ
NHN×ドワンゴにより共同開発された、TPS(三人称視点シューティング)リアルタイムオンライン対戦ゲーム『#コンパス』に参戦。KADOKAWAからは四作品目となる。
アインズのロールはガンナー。
ステータスは低移動速度・中射程・高攻撃力・低耐久の固定砲台型。
通常攻撃としての攻撃魔法は《龍雷(ドラゴン・ライトニング)》。この通常攻撃はデフォルトで追撃が付与されており、単発攻撃と多段攻撃が混合したものとなっている。
攻撃カードは『近』『遠』を得意とし、素早く放つ事が可能である。
アビリティは『課金アイテム』。全てのカード発動モーションを、最短の無発動(基礎モーション0.5秒)で使用出来る。
制限は一切なく、攻撃系からガード、回復などのあらゆるカードを隙を見せずに発動できる強力なアビリティ。
ヒーローアクションは『上位転移(グレーターテレポーテーション)』を使用しての、足場の高低差無視のワープ移動。連続使用も可能。ちなみに原作とは違い、自分しかワープできない。
あくまでも低い移動能力を補う長距離移動用のアクションであるため、移動先を読み切られて出待ちされないよう注意が必要。
ヒーロースキルは『The Goal of All Life is Death』。時計の魔方陣を展開し、時計の針が一周する12秒後に範囲内にいる敵を問答無用で倒す即死魔法を放つ。
ヒーロースキル発動後は、カウントが終了するまで自身にサイレント状態が付与され通常攻撃と移動はできるが、カードが使用不可となる。
そのため、ガード系などのカードが使えず打たれ弱くなってしまうが、ヒーローアクションと合わせて、カウントが終了する直前で敵の近くにワープすることで密集している敵を一掃できたりなど、決まれば戦況をひっくり返せるロマン溢れた強力なスキルと言えるだろう。
余談
- アンデッドにした理由
作者はこの物語を執筆するにあたって理想の最強主人公を書く事を目指し、人間だと毒や暗殺などの危険性が伴うが、アンデッドであれば諸々解決出来るためアンデッドになった。
- IFの可能性
作中では《ナザリック地下大墳墓》と共に転移したが、仮に1人で転移した場合は上述の通り気ままに旅をする冒険者に、他のギルドメンバーと共に転移した場合は早々に後ろ盾を得て、人類の守護者となるという事が作者に語られている。ただし他のギルドメンバーが複数の場合、相性や方針の違いによってギルドが分解する可能性もある。
ちなみに本編で至高の四十一人が関わらない代わりに、オバロ転移パロなどの二次創作の人気がある。
- 名前について
一応、アインズが率いている軍勢の名前も本来であれば《アインズ・ウール・ゴウン》という事になるのだが、アインズ(モモンガ)の名前と紛らわしくなるので、NPCを総称する際は《ナザリック》呼びが多い。
《アインズ・ウール・ゴウン》という名前の由来には諸説あるが、単語としての意味は
- ainz…ドイツ語の『eins(1つ、一番)』のもじり
- ooal…ニュージーランド航空の『One Ocean, All Lands』という標語
- gown…英語で『(抽象的な)平和』、もしくは仏教用語の『五蘊』
といったもので、総称すると『世界は1つ』と大変平和的な意味だったりする。
更なる余談
WEB版・書籍版共通で、壊滅的にネーミングセンスが無い(一応自覚はしている)。
ネーミングの一例
- 自身の骸骨アバターの名前が“モモンガ”。
- パンドラズ・アクターの元の名前が“びっくりボックス”という、あまりにもアレ過ぎるものだったため、ウルベルトを筆頭とした仲間達が命名した。
- ギルド名を『異形種動物園』にしようとして、周りが全力で阻止した。
- 《上位武具作成》で出来た黒い鎧の騎士が“モモン”。
- (巨大)ジャンガリアンハムスターだからという理由で、女の子に“ハムスケ”(男の名前)と名付ける。
- シャルティアが洗脳された際に起こした、冒険者殺害の犯人を誤魔化す際に作り上げた架空の犯人(吸血鬼)の名前が、“ホニョペニョコ”。
- 魔導王アインズと同一人物だと悟られないよう、冒険者モモンの声帯用に育てていた口唇蟲の名前が“ヌルヌル君”。
- 入浴用スライムの名前が“三吉君”。
- モモンの時に愛用している大剣の銘が『モモンズ・グレートソード』。
他作品の類似キャラ
同じく『Arcadia』発の異世界ものの主人公。『主役を務める作品のジャンルが、異世界及びダークファンタジーもの』、『元はサラリーマン』、『意図していない行動や言動で株が爆上がりし、カリスマとして祭り上げられる』点が共通。
ちなみに『異世界かるてっと』とでは共演し、異世界転移(ターニャは『転生』だが)した者同士として仲良くなっている。一方で『MASS FOR THE DEAD』でもコラボイベントで共演したが、こちらではターニャがアインズ(モモンガ)の言動や行動を深読みし振り回される場面が多い。ちなみに冒頭で邂逅した際に、互いに「日本のサラリーマンを相手にしているようだ」と考えるシーンがある。
同じく『小説家になろう』発の異世界ものの主人公。『主役を務める作品のジャンルが、異世界ダークファンタジーもの』(ただしこちらはコメディの側面も強く、公式にもそう紹介されている)、『偶然が重なった結果、神算鬼謀の恐るべき叡智の持ち主だと勘違いされてしまっている』、『(中身はともかく)強大な組織の主として絶大なカリスマ性を持つ』点などが共通。
また圧倒的な力を持つチート主人公繋がりでもあるが、慎重派のアインズに対してこちらはかなり刹那的で、あまり深く考えないで行動している事が多い。
版権元が同じKADOKAWAである事もあり、アニメ放映時や2023年のエイプリルフール及びハロウィンにはちょっとしたコラボも行われている。
なお中の人は、ドラマCDに登場するオリジナルキャラクターのトーケル・カラン・デイル・ビョルケンヘイムを演じている。
同じく小説投稿サイト発の異世界ものの主人公。『圧倒的な力を持つチート主人公だが、力に溺れず常に慎重に慎重を重ねて動く』点が共通している(聖哉の場合は、もはや病気と言ってもいい程のレベルだが)。
なお『MASS FOR THE DEAD』のコラボにおいて邂逅を果たした際、互いに「慎重すぎる」との感想を抱き、アインズ(モモンガ)は聖哉の慎重さの根源に「大切な仲間を失いたくない」という思いがある事に親近感を覚えている。
同じく『小説家になろう』発の異世界ものの主人公。『人間だった頃はサラリーマンで、どちらも“悟”という名前』、『(互いに回数は少ないが)仮面を装着している』、『人外の集団を率いるリーダー』、『仲間思いであると同時に、その中の誰か1人でも欠ければ精神のバランスを大きく崩しかねない危うさを秘めている』、『仲間の死に関わる大事件が、皆の頂点に立つ支配者としての覚悟を決めるきっかけとなった』、『一国の王となり、全ての種族が平等に生きられる理想郷作りを目指す』など共通点が多い。ちなみにクセの強過ぎる配下達に振り回される事が多いのも似ているが、こちらは人間嫌いな配下の多いアインズよりも暴走の制御に成功している。また、アインズはNPC達の純粋な尊敬の念を裏切る事はしたくないという思いや、対外的にも支配者として振る舞わなければならない立場などが重なって本来の自分を見せる事が出来ないのに対し、リムルは初期からダメな所、ズレている所をちゃんと見せており、それも含めて配下達には受け入れられているなど置かれる環境が違う。
原作の出版社が異なるのもあってか、上述の面々とは異なり中々共演の機会に恵まれずにいたが、アプリゲーム『魔王と竜の建国譚』におけるコラボイベント『オーバーロード テンペストクライシス』で遂に共演を果たした。
なお中の人は、ナザリックに勤めるメイドの1人、フォアイルを演じている
関連イラスト
関連タグ
ナザリック地下大墳墓 至高の四十一人 モモン(オーバーロード) アインズ・ウール・ゴウン魔導国 イキリ骨太郎
アルベド(オーバーロード) シャルティア・ブラッドフォールン アウラ・ベラ・フィオーラ マーレ・ベロ・フィオーレ コキュートス(オーバーロード) デミウルゴス(オーバーロード) セバス・チャン プレアデス(オーバーロード) パンドラズ・アクター
WEB版におけるアインズは、アインズに被害もしくは祝福を受ける者か、アインズに命令された配下に主役の出番が回るので(冒険者モモンに扮したナーベラル、蜥蜴人(リザードマン)、ジルクニフ、フォーサイト、ジエットなど)半ばこのポジションになりつつある。
書籍版のアインズはWEB版での反省を生かして(主に内政によるストレス発散の為に)他国に外交に行ったり、密入国して神出鬼没するなどの活躍をしている。