「街に帝国との戦いで亡くなった方々を祭壇が設けられていると聞きました。そこにこのお花を届けて欲しいの。もっと私に出来る事があればいいのですが…」
CV:安野希世乃
データ
役職 | 王女 |
---|---|
住居 | ロ・レンテ城 |
職業レベル | プリンセス(一般)?lv、アクトレス(一般)?lv |
誕生日 | 上火月7日 |
趣味 | クライムを眺めること |
二つ名 | 黄金の姫 |
概要
リ・エスティーゼ王国の第三王女。16歳。金の髪に象徴される国内外にも知られる美貌と、王国の強化に繋がる画期的な施策を立案する頭の回転の良さ、精神の輝きの両面を讃えて、“黄金”の二つ名で知られる。
幼い頃に野垂れ死に寸前だったクライムを拾い、彼を直属の騎士に抜擢し、大切にしている。
アダマンタイト級冒険者『蒼の薔薇』とも親交があり、特にリーダーのラキュースとは親友である。
人物像
無垢で明るく天真爛漫な性格で、誰にでも分け隔てなく接する心の優しさを持ち、民の生活を慮った慈悲深い改革案などから国民人気も非常に高く、多くの人々から慕われる。
王家と敵対する大貴族の妨害によって、奴隷の廃止・冒険者への報奨金・街道警備の強化など、実行出来た改革は少数でかつ内容も削られてはいるものの、恩恵を受けた庶民や識者からの評判は高い。
しかし、その発想力とは不釣り合いな政治力の無さによって、更なる極一部の知恵者達からは訝しがられている。
側に置いているクライムには単なる主従を超えた感情を抱いており、夢の実現に向けて陰に日向にと様々な努力を重ねている。
容姿
母親の美貌を受け継いでおり、黄金の髪は長く後ろに艶やかに流れている。
唇は微笑を浮かべた桜の花の如くで、色素は薄いが健康的な色合いをしている。深みのある青の瞳はブルーサファイアを思わせ、柔らかい色を湛えている。
吟遊詩人(バード)達がこぞって歌を送って来る程だという彼女の美しさは、文字通り人外の美を有するプレアデスと同格と、その両方を知る者からは評されている。
関連イラスト
関連タグ
父親にして国王。
兄にして第一王子。
兄にして第二王子。
側近の騎士。親愛を超えた大切な存在。
『蒼の薔薇』のリーダー。気心の知れた親友。
フルネームが非常に長いため、省略形としてこちらのタグも使用されている。
一時オバロ界隈で流布してしまった、有名な誤表記。『シャルドロン』が『シャルドルン』になっているだけなので、非常に分かりにくい。
pixivでも長い間正記事として扱われていたため、未だタグ利用数は多め。
以下、ネタバレ注意
「殺す、こいつも殺す。私のクライムを馬鹿にする者は皆、」
「殺す」
その本性はデミウルゴスから「人間の域を超えた天稟の頭脳」と認められる程の頭脳と、常人とは異なる精神性を持つ性格破綻者。また、「精神の異形種」とも称されている。
『天才』の域を超えた怪物であるが故に、周囲に自分と同等の者が皆無である事に失望して、人間の全てを見下してきた。
その頭脳は断片的な情報だけでそれらの真相に辿り着く程であり、洞察力・観察力・発想力・理解力など「思考する」という行為に関連する全能力が、比類なきまでに発達している。
例として、初登場となった書籍版5巻でラキュース達が『八本指』の拠点の1つから入手した暗号をものの数秒で解読したり、自分付のメイド達の会話などからレエブンが実は王派閥を陰で束ねている事を見抜いたり、彼と同じ六大貴族の1人であるブルムラシュー侯が帝国へ情報を売り渡している事を看破するなどしている。
立案した政策に反して実際は民草を慮る気持ちは全く存在せず、国民についても数字で数えているに過ぎない(しかしこの冷徹な姿勢が為政者の資質として評価に値するのか、12巻作者雑感における『王様優秀度』では「理解外」だとして、12人中2位以下を大きく引き離すダントツの1位となっている)。
また、表向きは親友関係にあるラキュースや蒼の薔薇に対しても、実際には「利用価値のある手駒」という程度の感情しか抱いておらず、仲良くしているのも利用するために過ぎない。
幼い頃は自分を理解する者がいない世界に失望し生きる気力も失いかけ、拒食症を発症し緩やかに死に向かっていたが、たまたま拾ったクライムが自分に向ける視線の中に「自分と同じ人間」を見出したため、クライムに常軌を逸した異常な執着心を抱く様になる。
クライムと安泰な地位を保ったまま結ばれるのなら、裏切りを平然と行える程。ただその想いも歪んでおり、王女と平民上がりの騎士という立場を変えぬまま、「首輪を付けて飼う」事を望んでいる(彼に惚れたのは作者曰く、「アニマルセラピーです」との事)。
更にクライムに対し下手な言動をとった人物には容赦がなく、冒頭の台詞の様に彼を馬鹿にするメイドや、彼に助けられながらも罵倒を浴びせた娼館の女性達ですら殺す程。
これは真偽不明だが、クライムにセクハラじみた言動を繰り返していたティナとガガーランも(「大きくなりすぎ」、「童貞」など)、ヤルダバオト襲来時に死ぬよう仕向けたという説もある。
兄のザナックやレエブン公など、その本性を知る者達からは「化け物」と呼ばれ、直接の面識は無いがバハルス帝国の皇帝ジルクニフからも「奴の行動を聞くと失敗したくて失敗しているような違和感を覚える」と本質を見抜かれており、『嫌いな女ランキング1位』だとして嫌悪されている。
作中の動向
既に斜陽となった王国には見切りを付けていて、明確な描写は無いもののゲヘナ騒動が起こる頃には水面下でデミウルゴスと接触しており、彼に協力する見返りとしてクライムも庇護対象に加えて貰っている。
『大虐殺』以降も着々と、ナザリックへの鞍替えを進行している。
そして14巻にて、一時はフィリップの暴挙のせいでこれまでの計画が全て御破算になるかと危惧したものの、露見させぬまま父親や王国の民を売り渡して魔導国入りを果たす。更に『魔導国の王国侵攻までに露見しなければ』という条件を満たしたため、ナザリック内における領域守護者と同等の立場に収まり、アルベドの直属の部下となった。
その際に、10巻でアルベドを通してアインズから下賜されていたアイテム『堕落の種子』(下部右側画像の黒いキューブ)を使い人間を捨てて悪魔となり、心だけでなくその身まで完全な人外となる。
(なおアルベドの台詞によると、『堕落の種子』を使うには生贄を捧げなくてはならないらしく、原作では明確な記述は無かったがアニメでは「食べ物に入れる毒の手配~」という台詞が追加されており、魔導国の侵攻中に自らが頻繁に通っていた孤児院の子供達に料理を作りに行った際に、子供達や職員を毒殺し生贄として捧げた事で『堕落の種子』の使用条件を満たす事が出来た模様)
そして、共にナザリック入りを果たしたクライムにも人間を捨てさせる事で、『クライムと永遠を生きる』という願いを叶えたこの世で最も幸せな女となる(なお当のクライムには、「クライムを蘇生させて貰う代価としてアインズに服従を誓った」と話している)。
己の夢を最高の形で叶えるために、王国に住む多くの者の幸せを踏みにじった事への罪悪感などは当然ながら感じておらず、せいぜい食材に向けるのと同程度の感謝の気持ち位しか抱いていない。
ちなみに、デミウルゴスと出会ってから王国が滅びるまでの出来事の九割が、ラナーの発案だと終盤で判明している。
しかし飽くまで『媚を売って魔導国に取り入った』言わば外様の身である為、ナザリック首脳陣からの信用は得られておらず、それを補える筈だった最後の計略だけは誤算が生じた事により直属の上司であるアルベドの不興を買ってしまい、予定していた形より自身の立場が少々危ういものへと変わり、『手抜き』無しでの貢献を余儀なくされる。
なお不興を買った要因は、クライムが己にとっての最大の弱点なのだという事を敢えて魔導国側に示し、『自分は魔導国の忠実な犬である』という事をアピールするのを目的とした『茶番劇』にアインズの手を煩わせた(正確には、アインズが周りの反対を押し切って付き合った)のだが、その最中にクライムがアインズの顔面に拳を叩き込む場面が発生してしまう。
まさかアインズ自ら『茶番劇』に付き合うとは思っていなかったラナーにとっては、更なる予想外の事態だった様で、その直後に本気で悲鳴を上げていた。
殴られた本人は元々プライドが低い事に加えて「防具で守られていない部位を狙い、スケルトン系に有効な打撃攻撃を行う」という選択に納得もしていたため特に気分を害さなかったが、彼を愛するアルベドの心証を大いに損ねる事となった。
完全なナザリック外の存在であり、なおかつアルベドとデミウルゴスに匹敵する頭脳を持つ彼女に、自分が凡人である事を見抜かれるのではないかとアインズは警戒しているが、ラナー本人はアインズをナザリックのNPC達やジルクニフと同様に「恐ろしいぐらい頭が回る人物。国家レベルでの謀略と知略の才人」と、自身を上回る頭脳の持ち主だと思い込んでいる。
更に「あれだけの力を持ちながら、それに頼って事を進めず、智謀で事を進めるところが何より恐ろしい、増長というものが感じ取れないバケモノ」であるとして、奇しくもアインズと接触したバハルス帝国の首脳部の所感と酷似した、警戒と畏敬の念を抱いている。
データ(14巻終了時点)
役職 | ●●(将来) |
---|---|
住居 | ナザリック第九階層の一室 |
種族レベル | 小悪魔(インプ)1lv |
職業レベル | アクトレス4lv、ジーニアス5lv※1 |
誕生日 | 上火月7日 |
趣味 | クライムと●●すること |
二つ名 | たった一部屋の領域守護者※2 |
※1…『ジーニアス』はありとあらゆる基本職、一般職にレベルを置き換える事が出来る、非常に希少かつ特別な職業(クラス)で、保有している者は数える程しかいない。普段はこれを使って『プリンセス』と置き換えていた。
また14巻の終盤近くで、当初はジャガイモの皮剥きすら満足に出来なかったにも拘わらず、短期間で孤児院の子供達に料理を振る舞える程に上達していたというのも、クライムから「もう少し研鑽を積めば自分にも届く」と思わせる程『剃刀の刃(レイザーエッジ)』を上手く扱えていたのも、この職業の力によるものと思われる。
ただし一度に置き換えられる職業は、(現在は)1つとなっている。
※2…14巻では人間だった頃と同様に“黄金の姫”と表記されているが、これは作者のミスだという事が14巻作者雑感で書かれている。
現在の容姿
裏地が赤色の黒のバックレスドレスとハイヒール、頭部には黒の薔薇の髪飾り、背中には蝙蝠のそれに似た悪魔の羽と、全体的に黒ずくめ。王女時代とはうって変わって、妖艶さすら漂わせている。
余談
- 類似点と相違点
改めて見てみると『絶世の美女』、『規格外の頭脳の持ち主』、『心から愛する存在がいる』など、アルベドと似ている点が幾つか存在する。
しかしアルベドがアインズの全てを愛しているのに対し、ラナーは忠犬の様に自分に付き従うクライムこそが好きなのだという点に始まり(そもそもアインズとアルベド、クライムとラナーでは主従関係が真逆ではあるが)、アルベドは他の至高の四十一人が帰還して内紛が起きるといった事態にでもならない限りナザリックを守護しようとするが、ラナーは上述の通り自分とクライムのためなら国を簡単に売り渡せるという相違点がある。
更にアインズとは対極的とも言える要素を幾つか持っており、
- (ラナー)異形の精神を持つ人間(14巻の時点では「元」人間だが)
- (アインズ)人間の精神を持つ異形
- (ラナー)人並外れた頭脳を隠し、時には頭の悪い小娘であるかの様な演技すら見せる
- (アインズ)凡人である事を隠し、配下を始めとする周囲が思う様な神算鬼謀の智者を装う
(要はどちらも演技をしている)
- (ラナー)表向きは籠の鳥状態で自由に動けない様に見えて、裏では己の願いのために暗躍している
- (アインズ)その気になればどこにでも行けるだけの力を持つにも拘わらず、自ら望んでナザリックに繋がれている
- (ラナー)『王様優秀度』ダントツ1位を誇る知性や才能を持ちながら、自身とクライムの未来のためだけにそれらを発揮している
- (アインズ)『王様優秀度』最下位の凡人だが、大切な存在のために支配者となり世界征服に踏み出している
…といった具合に、ラナーはアインズのアンチテーゼ的存在であるとも言える。
- 四期最終話にて
アニメ四期最終話においてラナーが夢を叶えた事に文字通り狂喜乱舞するシーンでは、ラナー役の安野希世乃氏が歌うオーバーロード初のキャラソン『Fallen』が劇中歌として流れた。
原作では1ページ程度で終わったシーンだったのが、原作での「歌いたい」「踊りたい」という記述そのままに実際にラナーがミュージカルさながらに実演するという表現がなされ、その合間に響く笑い声やゲヘナ作戦の際にラナーが裏で暗躍していた場面が流れる演出とも相まって、原作よりもラナーの異常性をより強く表す、アニメならではの表現技法が光るシーンとなった(いわゆるアニオリパート)。
アニメの監督を務めた伊藤尚住氏のコメントによると、前述の通り原作においてラナーが「歌いたい。踊りたい。」と言っていた事で、キャラソンと踊りが用意されたとの事。また、背景を3D作成したりモーションキャプチャーしたあと作画で起こしたりなど、かなり力を入れた作りになったという。
ちなみにこのシーンに関して「汚いラブライブ」、「邪悪なディズニープリンセス」、「ウイニングライブ」と呼ぶファンもいるとの事。
関連イラスト(ネタバレ)
悪魔ver
関連タグ(ネタバレ)
『作中トップクラスの智者』、『普段の態度は演技に過ぎず、素の性格との差がかなり激しい』点が似ている。
『笑顔の仮面の下の恐ろしい本性を、演技する事で隠している』点が似ている。
ただしラナーはルプスレギナの様な嗜虐趣味を持っている訳では無く、そもそも自身が非道な行いをしているという自覚すら無いため、ある意味ルプスレギナの何倍もタチが悪い。また、ラナーが上述の通りクライムとクライムに関する事以外には無関心なのに対し、ルプスレギナは姉妹やナザリックの仲間達を自分なりに大事に思っている。
ローブル聖王国の神官団団長。同作品において共通点が非常に多いキャラで『美女』、『策士』、『腹黒』、『高い地位に就いている』、『大切な人への強い想いがある』、『苛烈な報復を行う』といった以上の点が挙げられるが、ケラルトはラナーほど性格は破綻しておらず、更に身内と祖国に対する想いは真逆となっている。