概要
ウイニングライブとは、『ウマ娘プリティーダービー』シリーズにおいて、レースの勝者が専用ステージで行うライブ&アイドルパフォーマンスのこと。本作において、目玉となる設定の一つである。
日中に行なわれるレースで勝利した競走ウマ娘は、すべてのレースが終了した夕方以降、勝者のみが立てるステージでファンへの感謝を込めたウイニングライブを披露する。
基本的には1着がセンター、2着・3着が両サイド(以降の着順ならバックダンサー)という編成でパフォーマンスが行われる。後者からすれば1着に届かなかった悔しさを噛み締めながらも笑顔で歌わねばならないというハードな一面もあり、ゲーム版『ウマ娘』においてもそのことに触れられる場面がある。
レースが本分の競走ウマ娘とはいえ、ことにトゥインクル・シリーズでは手にした栄誉に相応しい姿を見せるため、歌唱力やダンススキルも磨かなければならず、ライブを疎かにすれば会長からお叱りが飛んでくる。
そうした気風もあってか、ライブのクオリティは非常に高く、レース後も多くの観衆がレース場に残って声援を送っている。ただし、アニメやコミックで描かれたように、地方出身のウマ娘の中には走りに光るものを見せる一方でライブのほうはド素人(トレーナーの指導不足も含めて)という者も少なくない。
かつてビューティ・ペアやクラッシュギャルズらが行っていた女子プロレスのライブパフォーマンスに近いイメージで設定された要素で、レースに向けた育成がメインとなるゲーム版においてはライブのためのトレーニングはストーリー上で軽く言及されるのみでゲームシステムとして存在せず、レースでの勝利後もライブをスキップできるという仕様をとっている。
ステージ衣装
アニメ版第1期が初出となるステージ衣装。ゲーム版でも、固有の勝負服が未解放のウマ娘(育成実装・未実装問わず)にあてがう代替の共通衣装として採用されている。この衣装、ショートジャケット、へそ出し、チョーカー、ガーターベルト、ニーソックスという大胆なデザインだが、トレーナーノートの衣装鑑賞モードでは概ね好評であることが窺える。一方、フィッシュテールスカートのヒラヒラしたデザインに苦手意識を持っている様子のウマ娘も何名か確認できる。まだ勝負服のモデルが出来ていないキャラや、育成シナリオ「アオハル杯」でR・SRサポートカードのキャラを編成した時に着る衣装となる。
2021年12月には公式サイトに立ち絵が追加され、「ステージ衣装」表記から改めて衣装名「STARTING FUTURE」が発表された。
2021年8月に開催された『ウマ娘』3rd EVENT「WINNING DREAM STAGE」で着用された、青を基調としてデザインされた共通衣装。イベント開催を記念して、DAY1にあたる同月28日にゲーム版にも実装された。ショートパンツ型のAタイプ、スカート型のBタイプが一度に配布されており、ライブシアターではモブウマ娘にも着せることが可能。
2022年3月に開催された4th EVENT「SPECIAL DREAMERS!!」にて着用された、白と深紅の共通衣装。オーバースカートが優勝レイを模しており、フォーマルかつ優美なシルエットに仕上がっている。DAY1にあたる同月5日に配布された。Glorious Azureと同じくA・Bタイプに分かれており、Bタイプのインナーはショート丈のドロワーズ。
(1.5周年衣装)
2022年8月24日のアプリリリース1.5周年を記念する楽曲『Gaze on Me!』でお披露目された夏衣装。真夏の実装にかこつけてダンスミュージックと共に健康美を打ち出しており、裾を結んだ白無地のTシャツにホルターネックのインナー、ドローストリングのショートパンツというラフな出で立ちで、足元は蹄鉄飾りの付いたサンダル、左手首にはシースルーのシュシュ。色違いの4パターンがある。
Snowy Integrity
「誠実・高潔」が込められた雪のように白い衣装。2022年11月に開催された4th EVENT「SPECIAL DREAMERS!! EXTRA STAGE」にて着用されたもので、DAY1にあたる同月5日にお馴染みのA・Bタイプが配布された。配布衣装では胸元や腰のリボンはピンク色に統一されているが、本来はウマ娘それぞれに割り振られたイメージカラーが用いられる。
Road of Radiance
アリーナツアーとして開催された5th EVENT「GO BEYOND」を記念して、横浜公演「WISH」DAY1にあたる2023年7月15日に配布された。イエローとゴールドの華やかな色合いに、フリルやドレープが各所にあしらわれたガーリーな衣装。右肩のリボン・腰のイミテーションジュエリーはパーソナルカラー。
Gate of Infinity
5th EVENT「GO BEYOND」大阪公演「NEW GATE」DAY1にあたる3月22日に配布された。紫と黒のカジュアルなドレスに、優勝レイをモチーフにしたスカートの豪奢な金モールやゴールドのアクセントが目を引く。胸のリボンとサッシュはパーソナルカラー。
ゲームでは
それぞれのレースで使用される楽曲は異なっているが、競走ウマ娘にとっての初陣となるメイクデビューから、最高格のGⅠレースまで、格付けを問わずにライブは行われる。GⅠライブともなると、レースの性質や位置付けによってそれぞれに楽曲が紐づけられており、ステージに立つことそのものが、ある種の責任を伴う行為として描かれてもいる。
育成で見られる複数人編成のライブと、メインストーリーで見られるソロや少人数でのウイニングライブとがあり、楽曲によって歌唱者がバラけているため、歌唱メンバー以外のウマ娘によるライブでは、該当楽曲の歌唱メンバーから歌声がランダムに振り分けられる。
「レースに付随するコンテンツ」という扱いに比して、そのクオリティは「ゲーム作品におけるキャラクターのライブパフォーマンス」の中でも最高峰の一角と評するに相応しいものであり、センターで歌う(あるいは勝利を逃しバックダンサーに甘んじてしまった)担当ウマ娘の姿に涙するトレーナーも多い。
育成するウマ娘がセンターを務めた楽曲はライブシアターから鑑賞可能になるため、歌もダンスも表情の一つ一つも、レースに勝って思う存分堪能しよう。
ライブ楽曲については、ウマ娘プリティーダービーの楽曲一覧を参照されたい。
グランドライブ
『ウマ娘』の世界観における“ライブ”の在り様を問い直す育成シナリオ第4弾「つなげ、照らせ、ひかれ。私たちのグランドライブ」(2022/8/24~)では、かつてトレセン学園のウマ娘たちによって自主開催されていた「グランドライブ」復活への道のりが描かれた。
学園に所属する全てのウマ娘が参加する、1年に1度のライブイベントであり、その創立はライトハローの祖母の代に遡る。しかし、トゥインクル・シリーズの規模拡大とレース登録者数の増加に生徒たちの運営能力が追いつかず、レースを管轄するURAからの提案によって運営元を移管し、レースの成績と連動した現在の「ウイニングライブ」が発足した経緯が語られている。
“ステージのセンター”が勝者にのみ与えらえる特別な場所となったことで、競走ウマ娘やファンにとってのライブは格別の意味を持つようになる。そんな中でよみがえる「グランドライブ」の意義とは――。
アニメでは
第1期・第1Rのサイレンススズカが勝ったレースで初披露となったが、ドラマ部分に比重が置かれたこともあり、以降のライブはほとんどが断片的に描かれるか全カットされている。ステージに立つのは基本的には上位3名。
こちらでは勝負服のままステージに立つことはなく、ライブ用にデザインされた衣装(ボレロジャケット、ビスチェ、ショートパンツetc.)が用意されている(WDTのようにレースとライブで兼用の衣装もある)。
なお、ライブは寮の門限を過ぎる時刻まで開催されている描写があるため、学園の生徒が応援目的でレース場に留まる際には相応の届け出をしているものと思われる。
メイクデビューから間もない内はステージでやらかすウマ娘も散見されるらしく、新バ戦の後のライブで棒立ちをしたりする者や、中にはブレイクダンスを披露するツワモノも紛れ込んでいる。
飛び抜けた柔軟性を持つトウカイテイオーなどはダンス巧者として登場しており、カラオケをレッスンスタジオ代わりにチームスピカのパフォーマンスを磨く回(第3R)もあった。
EXTRA R(第13話)で描かれたウィンタードリームトロフィーでは、ドリームレースという位置付けもあってかお祭り要素が前面に出ており、ライブシーンも出走者全員を映す長尺のものとなっている。
ゲーム版のリリースを控えたSeason2では、ゲーム版のライブ演出を意識した臨場感溢れるライブシーンを展開しており、アドリブのファンサービスを織り交ぜるなど、アニメ媒体の強みを存分に発揮している。
マンガでは
『ウマ娘シンデレラグレイ』でも地方のレースシリーズにおけるウイニングライブの様子が描写されているが、ステージと呼ぶには慎ましやかなお立ち台にラジカセ音源で曲を流すという、手作り感のあるライブが印象的。
ウマ娘が曲を用意してもいいらしく、初勝利を飾ったオグリキャップはカサマツ音頭を披露して話題になった。
現実では
ウマ娘化もされている競走馬キタサンブラックは馬主(厳密にはその代表)がかの演歌歌手北島三郎氏であり、GⅠ勝利後には実際に代表曲『まつり』歌っていた。
ウマ娘プロジェクト発表以前からのことである。
一部のトレーナーからは、「ウイニングライブの始祖」と呼ばれることもあるが、勝者が歌を披露することは以前からあった。
別の競技だと、ボクシングの輪島功一が世界タイトルマッチ戦に勝利した後に、自身の持ち歌の炎の男を披露していたこともあった。
関連イラスト
関連動画
ウイニングライブメドレーPV
ウイニングライブメドレーPV Vol.2
ウマ娘 プリティーダービーにおけるウイニングライブ制作事例
~ライブ開発チームの体制や制作フローについて~