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ウマ娘シンデレラグレイ
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ウマ娘シンデレラグレイ

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しんでれらぐれい

『ウマ娘 プリティーダービー』に登場するウマ娘の一人・オグリキャップが辿っていくシンデレラストーリーを、競走馬・オグリキャップ号の数奇な運命をモチーフとして描き出すコミカライズ作品。

それは少女が " 怪物 " に至る道。

概要

漫画:久住太陽

脚本:杉浦理史&Pita(第77Rより共同脚本になった)/漫画企画構成:伊藤隼之介/原作:Cygames

『ウマ娘 シンデレラグレイ』は、週刊ヤングジャンプ2020年6月11日より連載されている、クロスメディアコンテンツ『ウマ娘プリティーダービー』のスピンオフ漫画作品。これ以前の『ウマ娘』のコミカライズは全てWeb上での掲載という形をとってきたため、いわゆる紙媒体として漫画雑誌の紙面を飾るのは本作が初となる。他のコミカライズ作品である『STARTING GATE!』『スターブロッサム』などと区別するため、公式や読者には単にシンデレラグレイ呼び、又は略称であるシングレ呼びとされるのが一般的。


アニメ版『ウマ娘』ではプロデューサーとして企画に携わった伊藤、シリーズ構成を務めた杉浦がストーリーを担当している。作画担当の久住は、世界観や設定については自身の触れるところではないとしながらも、非公式のおまけという形でTwitterに小話や補足情報などを掲載している。

2021年1月19日に単行本第1巻が発売。2024年3月現在、既刊14巻。


作風・評価

主人公にウマ娘のオグリキャップを据え、物語はデビュー直前の岐阜県のカサマツトレセン学園(笠松競馬場)から始まる。そのため本編の序章に当たる第0章(今作の2巻まで)は『ウマ娘』シリーズとしては珍しい地方競馬の描写が多いことが特徴であり、中央競馬を舞台としたアニメ版やゲーム版『ウマ娘』とはやや異なる雰囲気となっている。

対談インタビューによれば、オグリキャップの現役時代を考えると物語として長尺であり密度が高い分アニメだと何クールも使ってしまうため、連載という形で実現した」とのこと。レースの省略表現を差し引くにしても、好敵手たちのレース模様が盛り込まれるため、全体のボリュームは減らそうにも減らせないというのが実際のところだろう。


『ウマ娘』特有の史実に沿ったギャグ描写自体は健在だが、全体としてはスポ根要素強めのシリアス寄り。アニメ版と比較すると純粋なレースは勿論、トレーナーの葛藤や出走問題を中心とした周囲のゴタゴタが描かれる場面も少なからず展開されている。


アニメ版などが「理想と希望」を描いているとするならば、この作品が描いてるのは「現実と絶望」。努力では決して超えられない残酷なほどの才能の格差、あるいは実力や強い意思があってもそれだけでは変えられない現実、そして己が身を焦がさんまでのウマ娘たちの勝利への渇望と業など、ウマ娘のシビアな勝負の世界に重きを置いた作風と言える(無論、重々しい展開ばかりという訳でもなく、一種の清涼剤としてコミカルな表現も多彩である)。


作画担当の久住氏の画力も相まってか、ウマ娘たちが繰り広げる迫力満点なレース描写も見所の一つで、彼女たちのレースにかける必死な形相は最早バトル漫画に片足突っ込んでいる」と評され、今作が他のウマ娘関連の媒体と比べて殺伐とした雰囲気を強く醸し出している要因でもある。


久住氏も当初は「もう少し可愛い路線で描くつもりだった」ようだが、リボンの武者』と『はねバド!』を読んでから吹っ切れて『刃牙』と『HELLSING』を読みながら連載を開始したとのこと。現に平野耕太氏が作品でよく描く「登場人物が黒塗りのシルエット多めになるが眼だけが爛々としている」構図(例:妖怪首おいてけ)に似た描写が、勝利を確信したウマ娘の背後から急速に追い上げてきたオグリが迫るシーンなどで見られる。


登場人物たちもストーリーや画風の影響からか、ゲーム版やアニメ版と性格が少なからず変化しており、タマモクロスらに至っては「お前誰だよ」「アニメでドーナツ有馬記念してたとは思えない」と専らの評判。今作にはウマ娘でお馴染みのタイトル「プリティーダービー」が省略されているのも特徴で、およそ美少女モノらしからぬ鬼気迫る表情は必見。『ウマ娘』ファン層の中では関連作に時折出てくるバトルまがいのスポ根描写を指して『シンデレラグレイ』を引き合いに出す例も少なくない。久住氏はシングレもプリティやろがい!と憤慨?しているが…。その後、シンデレラグレるという記事が立ってしまった。


地方を舞台に物語が始まり、「中央編」に移行してからの登場人物もオグリキャップ号が現役時代(1987年近辺)に激突した面々を中心に登場するため、今作を初出として「プリティーダービー」と共有されることになったウマ娘も多い(一部のキャラクターは権利関係で名義を変更する形で登場している)。久住氏はTwitterなどで自分は実名キャラのデザインには関わっていないと前置きしつつ、公式でデザインが存在しないキャラクターに関してはCygamesのチェックありで自らがデザインを手掛けていると説明している。


連載当初から一部の読者に根強い評価を受けていた本作だが、2020年末に開始されたアニメ版season2や、満を持してリリースされたアプリ版のヒットと連鎖する形でこちらにも注目が集まり、21年4月にはシリーズ累計35万部を突破した。同年の8月24日には次にくる漫画大賞2021のコミックス部門で第2位を受賞、偶然にも結果発表当日の24日は、ゲーム版のハーフアニバーサリーと同じ日であった。

22年5月には紙・電子合わせた累計発行部数350万部を突破したことが発表された。


こうしたメディアミックスもののコミカライズは敢えて言い方を悪くすればアニメやゲームといったメインと比べやや敷居が高く敬遠されがちという側面があるのだが、制作側は競馬ファン以外がどう感じるのかという視点の元、誰でも入りやすく、誰でも楽しめる作品にするよう心掛けたという。改めて今作の実際の反響を踏まえると、これらの試みは十二分に功を奏したと言えるだろう。


90年代を軸にしたアニメ版などとのストーリーの繋がりは敢えてぼかされているが、アニメの放送と合わせて久住氏の応援イラストがいくつか公開されている。


時代設定について

なお、アニメ版もそうであったが作中世界では既にスマホなどが普及している様子(スマホは現実ではiPhoneが2007年発売)。ただ現実とは異なる歴史を辿った世界であるので、ウマ娘世界が80~90年代なのか、現実より通信関連の技術進歩が速かったのかなどは曖昧にされている


コミックス1巻のあとがきで伊藤隼之介氏が「シンデレラグレイの劇中では時代設定的な部分をあえてファジーにしています。」と断り書きをしている。


作中のレースの記録媒体がVHSなのは作画担当の久住先生もTwitterで色々突っ込みを入れている。

ちなみに僕は3倍派でした


導入

ウマ娘たちが速さを競うローカルシリーズ開催地の一つ、岐阜県羽島郡のカサマツレース場。牧歌的というにはのどか過ぎる、熱気に欠けたレース場に、トレーナーの北原は肩を落としていた。並居る強者が激闘を繰り広げる「中央」との温度差、心の底から応援したくなるスター走者の不在――。

そんな折、カサマツトレセン学園で競走ウマ娘としての道を歩み始めた、一人の新入生に出会った北原は、彼女の疾走に高揚を覚える。名前を尋ねる北原に、芦毛の少女は「 オグリキャップ 」と答えた。


ストーリーに関しては章ごとに区分けが細かく設定されており、今のところ序章~3章までの4つの章が展開されている。


序章「カサマツ篇」

第1巻~第2巻。

カサマツ地方が舞台となった、オグリの始まりの物語。舞台が舞台だけにオリジナルキャラクターも多く、以降の章と比べるとレース描写が控えめな部分もあるが、起承転結が少ない巻数でしっかりとまとめられた構成が魅力で、『シンデレラグレイ』人気エピソード投票でも本章のエピソードが上位に君臨した。



第一章「中央編入篇」

オグリキャップが日本ダービーの出走問題を巡りながらレースで前代未聞の活躍を始める章。

シンボリルドルフの名台詞