概要
CV:伊藤栄次
父ミルジョージ、母アマゾンフルーツ。
強い馬をマークし、その馬をギリギリで差すという戦法から「ヒットマン」の異名を持つ。
地方競馬で10戦10勝し、「俺たち公営は中央の2軍ではない」、「活躍して船橋に客を呼ぶんだ」と高い志を持って中央競馬のクラシック戦線へ向かった。
性格
地方馬として中央競馬に対して強いコンプレックスを抱いており、それを覆そうとする不屈の意志を持つ程のストイックである。
奥底には計り知れないプライドの炎が潜んでおり、中央競馬に所属を転厩しないのかという同じ所属馬の何気ない疑問に対しドスの効いた台詞と眼光で怯えさせてしまうなど短気な側面も見られる。
その一方でカリスマ性を感じさせる信頼の高さとそれに答えようとする人情も備えており、併せ馬にもなれないと身を引いていた同郷馬たちが中央出走の見送りに来た際に、「だからお前らは地方馬なんだ」と厳しい檄を飛ばしつつも喜びの涙を浮かべる。
本作の続編である『たいようのマキバオー』での後年においても、彼が中央競馬に挑戦した誇り高き競走馬であったと、あちこちで評価されていた。
戦歴
初戦の弥生賞はモーリアローの妨害を受け2着。
皐月賞はマークしたミドリマキバオーがアマゴワクチンの策にかかった煽りを受けて、さらにその策に対し底力でこじ開け正面突破するマキバオーに対し自身のマークの甘さと彼の素質に戦慄し、敗れた。
日本ダービーはマークしたカスケードがマキバオーと警戒しあっている隙を狙うも痺れを切らしマキバオーにターゲットを移す。
その後地を這う走法で強襲をかけたカスケードにベアナックル共々千切られ4着。
菊花賞(GⅠ)
菊花賞で後が無くなったアマゾンは、トレードマークのメンコとブリンカーを外しこれまでと異なる逃げの戦法を取る。
ワクチンには敗れるものの、一度は差されたマキバオーを再び差し返し2着となった。
ドバイWCではワクチンとトゥーカッターがレース後の疲労で戦列復帰が難しくなったため、補欠馬として呼ばれる可能性も出たがベアナックルの到着と自身がレース明けだったこともあり実現しなかった。
本編後
菊花賞後は地方戦線に戻りダート路線を走っており、帝王賞や南部杯、東京大賞典などの勝ち鞍をもぎ取る。
その後息子にあたるアマゾンスピリットが、続編の『たいようのマキバオー』で主人公文太の最大のライバルとして登場。
父と同じく正木時二が騎乗の末、南関東三冠はおろか国際GI格の東京大賞典を2勝、中央GⅠのフェブラリーステークスを勝つと言う父の悲願を叶える大金星を挙げるに至っている。
作中でのセリフ集
「お前ら…中央で走るのはそんなにすごい事か…?」
「だとしたら船橋(ここ)は…地方は何なんだ?」
「地方競馬は中央の2軍だと言うのか…!!」
「オグリキャップがうらやましいか?」
「地方の馬が中央入りし活躍すればそれは出世なのか?」
「ここに居る人達も、俺が中央の馬に勝つことを望んでいるはずだ…」
「だが中央入りを望んでいるか? 中央へやるために俺達を鍛えているのか?」
「そうじゃねえ 中央参戦の目的は…」「あくまで地方馬の力を示すものだろ」
「みっともなく大敗するよりはこのまま2着…だと…?」
「何を考えてんだオレは…」
「2着だろうがしんがりだろうが負けは負け…いつもオレが言ってることじゃねえか」
「勝負ってのは勝つか負けるかしかねえんだ」
「大敗するのがみっともない…?」
「勝負から逃げるのは…それ以下じゃねえか!!」
「船橋に人を…人を…集めるんだ…」
余談
父馬のミルジョージ号は実在の競走馬であり、アマゾンは作中唯一の実在馬の架空の産駒である。
作者のつの丸氏は、
- 観客を全裸無個性のゲーハーオヤジにする
- 実際の競馬関係者に似せたキャラクターを登場させて鼻の穴をデカく描く
- 繁殖馬に「タマーキン」、「マルゼニスキー」、「ノーパントースト」などのインパクトのある名前を付ける
など、ギャグテイストとしてのおふざけ要素を入れるのが恒例となっているが、アマゾンと地方競馬の件についてはそういった傾向が見受けられず、終始シリアスな展開となった。
なお実際の船橋競馬場内にある「船橋競馬ミュージアム」にて、2020年の大規模改装までアマゾンが「船橋競馬を世間に知らしめた顕彰馬」の扱いを受けており、「船橋所属馬」として歴々の現実の競走馬と共に展示されていた。
関連項目
他作品の関連キャラクター
2000年代後半から2010年代前半に活躍した船橋競馬場所属の名馬フリオーソ号をモデルにしている。
プロフィールや性格などが、サトミアマゾンと一部共通する。