概要
CV:山田雅人
父サンデーサイデンス、母ボウアンドアロー。栗毛。栗東・吉川厩舎所属。逃げを得意とする。サンデーサイデンス産駒でわかるが、カスケードとは血縁上は異母兄弟にあたる(競走馬の兄弟関係は母系が基準とされるため、あくまで血縁上の関係の話)。名前の由来は三本の矢の話で有名な戦国武将の毛利家+矢(アロー)から。ちなみにアマゴワクチンの名前の由来である尼子家と毛利家は中国地方の覇権をめぐって鎬を削った。
牧場主の息子であるテルと兄弟のような親密な間柄である。自身の誕生による経費が牧場主の経営難を悪化させる要因となってしまい、そのため意地でも賞金を稼がざるを得ないと、他の馬を死角から蹴って転倒させ、下手すれば後続が大惨事を引き起こしかねない(実際、アマゴワクチンは転倒回避のための急旋回で負傷したり、蹴られて転倒せずとも急斜行による降着と言う冤罪等の被害が生じている)妨害等し続けて勝利し賞金を稼いでいたが、マキバオーと対決したスプリングステークスでマキバオーから『テルのために反則する=テルのせいにしている』ことだと指摘され、マキバオー怒りの新走法マスタングスペシャルで抜かれ、更に必死でアタックし続けたマキバオーのプレッシャーでスタミナも尽きており、1位はおろか賞金にも手に届かない惨敗に喫してしまう。
しかし、レース直後、コースに飛び出したテルに涙ながらに励まされ、観客から罵声を浴びながらもながらなんとかゴールを目指した。その末にゴール前ポストに立つ牧場主(テルの父親)を見つけ、最後の力を振り絞ってテルと共に駆け寄る。力の全てを使い果たして惨敗するも、マキバオーの言葉に影響されてか根性を見せたアローに、牧場主は「お前にばかり苦労を背負わせてすまなかった」と詫びると共に、借金返済の目途が立って再びテルやアローと一緒に暮らせることを告げる。これを聞いたアローはテルと共に大粒の涙を浮かべて改心するに至った。
アニメ版ではカスケードやアマゴワクチン等のメインキャラ陣で唯一本職声優ではない顔出し芸人が声を当てたが、敢えて演技の薄い生々しい声使いとホンマの関西弁のせいで、若馬アローの焦りや屈折した内面性が上手く出ており、ベッタベタに涙を誘う演出と相まって印象に残りやすい。セルが全盛期だった年代であることを吟味してもやたらと気合が入った作画やカット割りがあり、スタッフに愛された馬ともいえる。
(本誌よりも低年齢層ウケを狙ったせいか、尺の都合でエピソードをカットされがちなニトロニクスやサトミアマゾンの走る理由がやや複雑なことと比べると対照的である。)
モデル
牧場の経営難による一家離散、表彰台に生産者が上がれない等はそのまま競走馬タマモクロスがモチーフと思われる。タマモクロスはマキバオーのモチーフでもあり、マンガ、アニメの両方でアローと境遇を重ね合わせるマキバオーが描かれている。
……余談だが、某擬人化における該当馬も何の因果か関西弁で喋る。
余談
山田雅人は松竹芸能所属(当時)のタレントで森脇健児とは同門。(若井はやと門下)
競馬エピソード等を語り口調で行う一人語りの芸を得意とし、隙あらばテンポイントの話題を出すことで知られている。現在は事務所を退所、個人で『山田雅人「かたり」の世界』の舞台で活動している。
マキバオーがアニメ化した際は『観客役でもええから出させてほしい』と懇願したのだとか。
また出演後に、2003年から2010年にかけて東海テレビ放送の『DREAM競馬』→『競馬beat』(関西テレビ放送・東海テレビ放送・テレビ西日本をメインとして中京圏以西のFNS系列局で放送していた中央競馬中継の東海テレビ放送制作分。)で司会を担当している。