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※馬齢・レース名は連載当時(旧表記)に準じる。


来歴編集

1993年生まれ。

外国産馬で重馬場を得意とするパワー型の馬。たてがみリーゼントにしている。

「爆弾小僧」の異名が示すように、非常に気性が激しく、レース外では度々他の馬と小競り合いになる。

馬名は「ニトログリセリン」に由来する。


1995年(3歳)編集

函館3歳ステークス【GⅢ】編集

初登場は週刊20馬「大きな蹄」(第3巻)。

1995年7月の札幌3歳ステークスに勝利し、本番が得意の雨天ということで急遽函館3歳ステークスに参戦する。

このレースでニトロに乗る木曽政義は、かつて飯富厩舎に所属していた騎手で、昌虎とは因縁浅からぬ関係だった。


悪天候をものともしないパワーで、ぬかるんだインコースを走るミドリマキバオーと競り合いになる。

そして残り300mでニトロはぬかるんだインコースに入り、マキバオーの前方を塞いだ。

観客の誰もがニトロの勝利を確信するが、残り100mで外側に出てスパートをかけたマキバオーの作戦にまんまとハマってしまい、2着に敗れた。


京成杯3歳ステークス【GⅡ】編集

11月11日に行われた京成杯3歳ステークスでは、函館同様、マキバオー・アンカルジアとの再戦になる。

このレースより鞍上が木曽から滝川正和に交代し、以後は滝川が主戦騎手となる。


レースは逃げを図ったアンカルジアに対して、後方から追い込むスタイルを採る。

一方のマキバオーはヒゲ軍団に阻まれて、なかなか前に出られない。

その状況でニトロは一気にスパートをかけて、先頭のアンカルジアに詰め寄る。

残り200mでアンカルジアを抜き先頭に立つが、ヒゲの妨害から抜け出したマキバオーに大外から抜かれ、またも2着となった。

前走は作戦で負けたと負け惜しみを言ったニトロだったが、今回は素直に負けを認めた。

以後は外国産馬ということもあって、マキバオーとは別の路線を歩むことになる。


1996年(4歳)編集

NHKマイルカップ【GⅠ】編集

年が明けて4歳になったニトロは、ラジオたんぱ杯3歳ステークス【GⅢ】・きさらぎ賞【GⅢ】・アーリントンカップ【GⅢ】・ニュージーランドトロフィー4歳ステークス【GⅡ】を次々と勝利。

重賞4連勝を飾り、マキバオーやカスケードと遜色ないまでにパワーアップしていた。

そして、この年より新たに設けられた外国産馬も出走できるGⅠレース、NHKマイルカップに参戦する。


出場18頭のうちニトロを含む17頭が外国産馬の中、ただ1頭日本国産馬として参戦したのが、日本ダービーを控えたカスケードだった。

皐月賞とダービーという厳しいローテーションを縫っての参戦にもニトロは卑屈にならず、最後の直線での一騎打ちでの勝負を望んだ。


レースは前日まで雨が降っていたこともあって重馬場で、ニトロは中団から、カスケードは後方からと得意のパターンで攻め込む。

そして残りは直線400m。大方の予想通り、ニトロとカスケードの一騎打ちとなった。

直線でニトロはカスケードに話しかける。「お前は競り合いに弱い。」と。


朝日杯や皐月賞で見せた「二の脚」で突き放しにかかるカスケード。しかしニトロも喰らいついて遂に差し返した。

だが、カスケードは自分の弱さを認めた上でニトロに「ここでお前を倒せば、オレには恐れるものがなくなる。」と言って、更なる「三の脚」を見せた。

これにはニトロも驚きを隠せず、そのままカスケードが逃げ切った。

ニトロは1馬身差の2着に終わったが、着差以上の敗北感を味わうこととなった。


ジャパンカップ【GⅠ】編集

上半期最後のレース、宝塚記念トゥーカッターに敗れ、またも2着となった。

毎日王冠【GⅡ】ではドラゴに敗れてまたしても2着。

菊花賞終了後、ニトロはジャパンカップに向けてマキバオーと合わせ馬をする。

そしてレース当日(11月24日)。凱旋門賞でカスケードを破ったフランスの馬、カントナを抑え、1着でゴール。晴れてニトロもGⅠ馬の仲間入りを果たした。

レース後、カントナの騎手ピエールはインタビューで「ニトロはカスケードよりも強かった。(NHKマイルで)負けたことが信じられない。」と言った。

そしてその言葉は世界編で証明されることになる。


有馬記念【GⅠ】編集

年末の有馬記念では、ファン投票6位に選出される。(4歳馬では3強に次いで4位。)

ちなみにアマゴワクチンとは、これが初対決である。


レースはカスケードが後方から仕掛けて先頭に立つが、カスケードが本調子でないことをワクチン・トゥーカッターとともに見抜き、一時戦意を喪失したマキバオーとは違い、全力でカスケードを倒しにかかる。

マキバオーが復活すると4頭が横一線に並ぶが、最後は4着に終わった。


関連タグ編集

みどりのマキバオー

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