「Vincerò e basta. Solo questo le dico.(勝って示す。それだけ)」
概要
「欧州王者」の異名を持つイタリア代表のウマ娘で、26戦15勝(GⅠ6勝)の好成績を残してきた歴戦の猛者。ジャパンカップ海外勢の大本命として日本へ来日、オグリキャップやタマモクロスと激突する。
プロフィール
出身地 | イタリア |
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身長 | 178cm |
誕生日 | 4月7日 |
人物像
自らの実力に絶対的な自信を持っており、良くも悪くも他人へは無関心なプライドの高い性格。来日当初は日本の代表であるオグリとタマモクロスのことも軽視しているように見られる(※)場面もあった。
(※)劇中での背景ではジャパンカップはかつて皇帝が勝利して以降日本の勝ち星がゼロという事情があり、ミシェルマイベイビーが「日本のウマ娘は随分と行儀の良い走りをする」と言及していることなども含め、日本と海外の文化的な差とも言えるか。
と言っても来日後には出走ウマ娘を徹底的にリサーチしていたと語っており、過去全てのJC(ジャパンカップ)に出ても勝てる確信があったと語るほど対策と研究、コンディションを調整した上での欧州王者としての自信ゆえの態度であった。(この言葉が真実なら、トニビアンカは全盛期のシンボリルドルフと戦っても勝てる自信があったということになる…。)
しかし、ジャパンカップでの激戦の最中、想定以上の実力を発揮してきたタマモクロスたちに対しては「君達へ敬意を評そう」と語る場面などからも分かるように、根っからの傲慢な人物という訳ではない。
作画担当の久住氏のTwitterのオマケ漫画によるとあの縦ロールは毎朝自分でセットしているらしい。
活躍
以下、『シンデレラグレイ』第55R以降のネタバレを含みます。
ジャパンカップでは誰の接触も受けない全体の動きも把握できる中団で体力を温存し、タマモクロスが大外からまくり上がってきた所に続いて加速。だが、ここでタマモクロスをマークして上がってきたオベイユアマスターが急遽乱入、彼女らの想定外のレベルの高さに一瞬困惑するトニビアンカだったが、即座に負けじと自身も「領域」に突入、全身全霊を持って彼女らを叩き潰そうとするが……。
残酷にも「領域」に突入した直後、トニビアンカの左足が骨折してしまう。
そんな状態では全開で力を発揮できるはずもなく、オベイユアマスターとタマモクロスの先頭争いに食い込むことはできなかった。
(彼女の無念が、口元の動きだけで表現される。)
骨折した中でも持ち前のプライドで懸命に走りながら5着に入賞し、イタリアの代表ウマ娘としての意地を見せた。
レース終了後、都内の病院でしばらく入院することになったトニビアンカ。友人のムーンとの会話で「無理して威厳を保とうとしてんじゃない」と指摘された彼女は、
「欧州王者なんて肩書き忘れて…しばらくここでゆっくりするのも…いいかもな」
と微笑みながら呟くのだった…。
真・人物像
大衆やレースの前での本当に学生か?と評されるあの姿は威厳を保とうとして無理をした"作ったキャラ"。本来の彼女はレース後に日本人のファンから貰った大量の花束を全て受け取っていたり、これだけ多くのファンの期待に応えられなかったことに対して落ち込んだりと、ナイーブな部分もあるが年相応な少女である。
何度か対戦経験もあるムーンライトルナシーとは長い付き合いで、数少ない友人の一人(ルナシーには普段の無理をして威厳を保とうとする姿を「気負い過ぎ」と心配されていたようだ)。
作画担当の久住氏のTwitterのオマケ漫画では二人して日本のコンビニ飯にハマっていた。
実は指導者としても優秀らしい。
競走馬『トニービン』
(※馬齢は旧表記。(現表記+1歳))
モデルとなったのはアイルランド生まれ、イタリア調教の競走馬・トニービン。
父、母ともに血統的な評価が低く、セリではイタリアの実業家であるルチアーノ・ガウチが落札するが、その額はわずか3000ギニー(当時レートでおおよそ50~70万円前後)という安値だった。
現役時代はデビュー戦に勝利し、その後は重賞に挑戦するが、大舞台ではなかなか勝ちきれず、長らく勝利からは遠ざかっていた。
しかし、5歳となってから覚醒。ミラノ大賞典、ジョッキークラブ大賞などGⅠを含む重賞を4連勝。勢いそのままに英仏へ遠征し、サンクルー大賞ではムーンマッドネスの2着。凱旋門賞では11番人気ながらも、レコード勝ちのトランポリノの2着に入るなど存在感を示した。
6歳シーズンも現役を続行し、共和国大統領賞とミラノ大賞典を連覇して臨んだキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスでは、エクリプスステークスを連覇したムトトの末脚に屈して3着に終わるが、2度目の挑戦となる凱旋門賞では、そのムトトの末脚を凌ぎ切り、見事に1着。
モルヴェド以来、27年ぶりのイタリア調教馬の凱旋門賞勝ち馬となった。
その後は日本のジャパンカップへの招待を受諾。凱旋門賞馬としては初のジャパンカップ出走となり、それと同時に日本の社台ファームへの売却が決定した。
陣営は「勝つことしか考えていない」と強気な姿勢でジャパンカップへと挑むが、本番ではスローペースで逃げるメジロデュレンを中団から追撃し、第4コーナーで先んじて抜け出したペイザバトラーとタマモクロスを追うものの、最後の最後で伸びきることができず、勝ち馬のペイザバトラーからわずか0.4秒差の5着に終わった。また、直後に骨折が判明したこともあり現役を引退。社台ファームで種牡馬となった。
その後は日本で種牡馬として活躍。
初年度産駒からはダービー馬ウイニングチケットや二冠牝馬ベガとクラシックホースを輩出し、1994年の国内リーディングサイアーとなった。その後もエアグルーヴ、ジャングルポケットなど多くの名馬を輩出し、同時期のブライアンズタイム、サンデーサイレンスと並んで日本競馬に大きな影響を残した名種牡馬となった。
現在では直系はほぼ途絶えてしまっており、子孫はオウケンブルースリやトーセンジョーダンなどが奮戦しているが、なかなか結果は出ず断絶はほぼ決定的。
しかし、母父としてはサンデーサイレンスとの相性がよく、芝からはハーツクライやアドマイヤグルーヴ、ルーラーシップなど、ダートからはアドマイヤドンやビッグウルフ、トランセンドなど、短距離からもカレンチャン、障害競走でもアップトゥデイトを輩出するなど、多種多様な条件で成績を残している。直系を繋ぐことは最早叶いそうにないが、今後は牝系の祖としてその名を残してゆくのかもしれない。
上の画像ではミドリマキバオーとともに写っているが、これはトニービンを元にした馬の子が彼だからである。
余談
本編では残念ながらその姿を完全に見せることなく不発になってしまったトニビアンカの「領域」だが、脚本段階での名称は「美しき描線」であった(作画担当の久住氏がTwitterで発言していたが、現在は削除済)。
『シンデレラグレイ』ではこのジャパンカップ編は現実世界で2~3ヶ月以上もの長期に渡って連載され、現実時間でも同時期に天皇賞(秋)や菊花賞が開催された。奇しくも、2021年度の菊花賞で逃げ切り勝ちを収めたタイトルホルダー号は、血統を辿るとトニービンの血を引く競走馬である。
なお、『シンデレラグレイ』のJC編よりも少し後に開催された21年度のジャパンカップは、令和初の三冠馬ことコントレイル号が引退試合で勝利をもぎ取り、見事に有終の美を飾った。
ゲーム内でのトニービンの匂わせ
トランセンドの育成イベント「新年の抱負」にてトニービンの匂わせがある。「見る人により変わる絵画」が飾られている美術館に赴くもので、その絵はトランセンドとカレンチャンには「おじいちゃん」、ノースフライトには「パパ」、ダイイチルビーには麗しい「青年」に見えるという。ところがトレーナーが見ると牧草地が広がっているだけに見えてしまう。
これは各ウマ娘とトニービンの関係性が反映されており、トランとカレンにとっては母父、フライトにとっては父、そしてルビーにとっては2年間の交配相手となっている。この絵が描かれたアイルランドはトニービンの出身地であり、またトニービン自身の名前の由来が「馬主の知人の画家」であることもイベントに絡んでいるだろう。
関連タグ
血縁あるウマ娘達
・ウイニングチケット(ウマ娘):初年度産駒
・ノースフライト(ウマ娘):初年度産駒
・ロイスアンドロイス(ウマ娘):初年度産駒
・サクラチトセオー(ウマ娘):初年度産駒
・エアグルーヴ(ウマ娘):産駒
・ジャングルポケット(ウマ娘):産駒
・ハープアルファ:モチーフ馬が初年度産駒ベガ アニメ2期では「ペラ」
・貫禄あるウマ娘:モチーフ馬が産駒オフサイドトラップ メインストーリー5章に登場
・アドマイヤベガ(ウマ娘):産駒ベガの仔(母父) 作中ではダブルティアラのウマ娘の子とされる
・カレンチャン(ウマ娘): 産駒スプリングチケットの仔(母父)
・トランセンド(ウマ娘): 産駒シネマスコープの仔(母父)
・トーセンジョーダン(ウマ娘):上記ジャングルポケットの仔 トニービン系後継種牡馬
・シュヴァルグラン(ウマ娘):曾孫 父ハーツクライの母父がトニービン
・ドゥラメンテ(ウマ娘):曾孫 上記エアグルーヴの孫(母母父)