概要
メジロ家は、クロスメディアコンテンツ『ウマ娘プリティーダービー』に登場する、代々多くのアスリートウマ娘を輩出してきた大富豪の名家。
モデルは、かつて実在した馬主兼競走馬生産牧場(オーナーブリーダー)「メジロ牧場」と思われる。
レース界隈でもその名は広く知られており、トレセン学園の内外を問わず入学時から注目を集めているウマ娘も多い。
また、一族主催でトレーナーやウマ娘の交流のためにパーティーを開くなど、度々大きな企画を行っているようだ。
家風として長距離レースを重視し、一部では「長距離のメジロ」とも謳われる。
特に天皇賞の制覇はメジロのウマ娘にとっては非常に重要な目標であり、「盾の栄誉」をトゥインクル・シリーズの最大目標にする者も少なくないという(尤も、メジロドーベルのようにトリプルティアラに照準を当てている者もいる)。
アプリゲーム版メインストーリー第1章では、メジロライアンから「メジロのウマ娘は適性によって期待されるレースが定められている」と語られており、幼少期からそれぞれの長所を伸ばすことに重きを置いた英才教育を施している。
実際、各々のストーリーや育成パートにおいてもメジロ家の面々が「自分の目標と適性のギャップで苦悩する」というシチュエーションは少ない傾向にある。
具体的な家業は明かされていないが、アニメ版で登場した「本家」は羊蹄山の麓に広大な庭園と大勢の使用人を擁する典型的な大豪邸である。
ゲーム版も含めて、メジロ家専用の療養所や私有地としての島も所有している描写があり、「メジロ家定例旅行」と称して一家総出で外国に出かけたり、年始には関係者を集めて新年会を催すなど、いくつかの伝統行事が描かれている。
一族の中にはテーマパークの経営者もいるようで、場合によっては施設を貸し切りにすることもできる様子。
イベントストーリー第31弾『A Gleaming Mejiro Gala』においては、日々メジロ家を応援してくださる人々に感謝を伝えるためのビッグイベントこと「メジロ・クリスマス・ナイト」なるものが毎年行われているらしく、マックイーンやパーマーが生まれる前から行われている伝統行事とされている。
毎年イベントの運営責任者は代替わりするらしく、マネージャーごとにイベントの内容はそれなりに変化するのも醍醐味とされ、マックイーンとライアンの代には自主制作映画を作ることもあったという。
『ウマ娘』は現代の日本を舞台にしているが、異種族にあたるウマ娘たちの戸籍や氏名についてはぼかされており、モデルとなった競走馬の「冠名」が同じでも親族同士とは限らないため、そのぶんメジロ家の立ち位置はユニークなものと言えるだろう。
外国籍のウマ娘についても明確にアナウンスされている事から、そこに該当しないメジロ家は日本国籍として扱われているものと思われる(「メジロ」表記が正式なのか、元ネタであるメジロ牧場の由来である「目白」が使われるのかは不明)。
なお、ゲーム版で育成ウマ娘として実装されている面々のユニット名は衣装違い系を除いて全てが「ライン(Line)」とつくネーミングで、ある意味それぞれのキャラクターを体現した形となっている。
名前 | ユニット名 | 意味 |
---|---|---|
マックイーン | エレガンス・ライン | 英語で「優雅」「気品」 |
ライアン | ストレート・ライン | 英語で「真っ直ぐ」 |
ドーベル | ツイステッド・ライン | 英語で「ねじれた」「歪んだ」 |
アルダン | クリノクロア・ライン | 実在する鉱石の一つ。石言葉は「安堵」「交友関係の拡大」など |
ブライト | ブリュニサージュ・ライン | 仏語で「つや出し」「研磨」 |
パーマー | Line Breakthrough | 英語で「突破」「大きな進歩」 |
ラモーヌ | オニキス・ライン | 実在する鉱石の一つ。石言葉は「成功」「厄除け」「秘密」 |
メジロ家以外の著名なウマ娘の一族の存在については、サトノ家、華麗なる一族、シンボリ家などが作中で言及されている。
ドリームジャーニーのシナリオではマックイーンが「現在メジロ家は低迷している」と語っていた。
二次創作ではウマ娘の業界で強い発言力を持つ…と扱われることが多いが元ネタのメジロ牧場が閉鎖したためメジロの末裔としてゴールドシップが登場したり、メジロゴーリキと言ったばんえい競馬のメジロの名を冠するメジロ牧場とは無関係な馬も分家などとして登場したりすることも。
メジロ讃歌
2022年4月1日に発表された合唱曲。エイプリルフール企画「メジロ家のアフタヌーンパーティー」の一環ながら、実際に限定盤の抽選が行われている。
ゲーム内のジュークボックス機能にもしれっと追加されており、同時期に自身のソロ曲を追加するべくスマートファルコンとプレーヤーたちが1.8兆人のファン獲得に奔走していただけに、扱いのギャップに困惑するプレーヤーも散見された。
メジロ家の面々
アニメ版で登場。使用人からは「大奥様」と呼ばれている老齢の女性。
マックイーンやパーマーにとっては頭の上がらない人物であり、厳格ながらも優しさの垣間見える人柄でウマ娘たちには尊敬されている。
若い頃は物凄い行動力と精神力を併せ持つ人物だったらしく、世界を渡り歩いて海外のセレブとも渡り合ったとか…?
終始顔の口から上の部分が隠されたため、ヒトかウマ娘かは不明。ただし作中でのやりとりからマックイーンの祖母である事がほぼ確定的で、またゲーム版での描写からライアンの祖母でもあると思われる。
ファンからは競走馬メジロマックイーン号の父父(父方の祖父)のメジロアサマ号や、メジロ牧場の創業者の妻で競馬ファンから「メジロのおばあちゃん」と親しまれた2代目代表がモデルではないかと推測されている。
アニメ版ではレギュラー・準主人公、ゲーム版ではメインストーリーの主要人物として、彼女を通してメジロ家の様子が描かれる事が多い。
ステイヤーとして並外れた才能と実力を持っており、祖母・母を継いで天皇賞3代制覇を果たす気概は誰よりも強い。
プロ野球好きの甘党という顔も持ち、プライベートではコミカルな側面も見せる。
趣味は筋トレのスポーティー少女。
才能、覚悟とも堂々たるマックイーンに対してコンプレックスを抱えているが、快活で社交的な性格はメジロ家の面々やファンに深く敬愛されている。
競走馬メジロライアン号は、メジロブライト号およびメジロドーベル号の父にあたる。
クールで凛とした印象とは裏腹に内向的な性格。
名家の一員でありながら自分に自信を持てず、男性が苦手などの弱点を克服したいと模索している。
少女漫画が好きで、密かに描いた自作の原稿は引き出しに封印しているらしい。
競走馬としてはメジロライアン号の娘にあたるが、同じライアン産駒がモチーフであるブライトが「お姉さま」と敬称を付けて呼ぶのに対し、ライアンを呼び捨てで呼んでいる。
2024年8月時点で唯一モデル馬が存命かつ最長寿である。
アニメ2期で初登場。
さっぱりとした前向きな性格ながらも、一族に対するコンプレックスを持っており、アニメ版でのやり取りから親のいる実家が本家ではない分家筋である可能性も高い。
メジロ家に名を連ねながらも注目度の低さに悩んでいたが、志を同じくするパートナーとの出会いを切っ掛けに後先考えない「爆逃げ戦法」でレースを盛り上げる個性派として地位を確立していく。
通常の平地競技とは違う障害競技(ハードル走)に挑戦していた時期もあり、現在もアマチュアのフリースタイル・レースによく参加している。
漫画『ウマ娘シンデレラグレイ』で初登場。
姉はメジロラモーヌ。
メンバーの中では最もお嬢様らしい佇まいだが、時折年相応な少女然とした表情を見せることもある。
幼少期から体が弱く「ガラスのような脚」と評されるようにケガに悩まされており、あまり外で遊んだことがない。
ゲーム版配信開始以降に追加されたウマ娘。
おっとりとしたマイペースな性格であるが、その自分を貫き通す姿勢からは大物感も垣間見える。
マルゼンスキー曰く、実はブライトが一番若い頃のお婆様によく似ているらしい。
ストーリーなどではライアンを「ライアンお姉さま」と呼んでいるが、史実のメジロブライト号はライアンの息子に当たる。また、2004年5月に10歳の若さで亡くなっており、メジロ家のモデル馬の中では最も短い生涯である。
ドーベルやアルダンの育成シナリオにて名前のみ言及された後、2022年11月に正式にビジュアルが公開、2023年2月23日のぱかライブTVにてCVが発表された。
史上初めてトリプルティアラを達成したウマ娘で、アルダンの実姉。ドーベルからも「メジロの至宝」と称される程の実力者。
そのことに強い矜持を持っているためか、普段は他のウマ娘とつるまず、トレーナーやマスコミ相手にも試すような物言いをするなど小悪魔のように振る舞うが、これら全ての言動は誰よりも深くターフを愛する直向きな姿勢の裏返しである。
アルダンとの普段の姉妹関係は良好であるものの、アルダンには自身に抱くコンプレックスを乗り越えることを望んでおり、時に厳しく接することもある。
なお、牝馬三冠として作中に名前が登場したのは彼女が最初だったが、ビジュアル公開までの間に後輩三冠牝馬のデアリングタクトが発表されている。
モデルとなった競走馬メジロラモーヌ号は現在発表済みのメジロ家の中では最年長であるが、わずか4歳(旧表記、現表記3歳)で引退しているためキャリア期間が最短である。
メジロ家の使用人
全員ヒト族で、氏名ではなく役職名で呼び合う慣習がある模様。
- ばあや…『ウマ娘シンデレラグレイ』で存在が示唆された使用人。
- 天利サキ…『ウマ娘シンデレラグレイ』に登場した若いメイド。元自衛官。
モデル馬の血縁・血統関係
上述の通り、同じ冠名を持つ競走馬がモデルのウマ娘の中でも、メジロ家がほぼ唯一「親戚同士」の設定になっているが、この設定には史実におけるメジロ牧場の生産方針に由来している。
メジロ牧場は元々「自分たちの手で日本一のサラブレッドを生み出したい」というモットーで誕生した経緯から、基本的に自社保有の種牡馬や繁殖牝馬にこだわる方針が打ち出されていた。
このため、それぞれの競走馬の父または母が兄弟姉妹の関係、または同じ系統の種牡馬を父に持っていることが少なくなく、実際メジロ家のウマ娘のモデル馬の血統においても下記の関係が存在している。
- マックイーンの父・メジロティターンは、ライアンの母・メジロチェイサーの半弟(両馬ともメジロ牧場がフランスから導入した繁殖牝馬・シェリルの産駒)。
- パーマーの父・メジロイーグルは、ラモーヌ・アルダン姉弟の母・メジロヒリュウの半弟(両馬ともメジロ牧場がアメリカ合衆国から導入した繁殖牝馬・アマゾンウォリアーの産駒)。
- メジロチェイサーとメジロイーグルは共にメジロサンマン(イギリスから輸入された種牡馬・シャーロッツヴィルの産駒)の産駒。
- マックイーンの祖父(父父)・メジロアサマと、ドーベルの母・メジロビューティーは共に大種牡馬・パーソロンの産駒。
- ライアンの父・アンバーシャダイと、アルダンの父・アスワンは、共にノーザンテースト産駒の社台ファーム系種牡馬。
メジロ牧場
1967年から2011年まで、北海道伊達市と洞爺湖町に拠点を置いて事業を行っていた競走馬の生産牧場。
「メジロ」の名は、創業者である建設会社の経営者が暮らしていた東京都豊島区の目白地区に由来する。
生産した競走馬を他の馬主に売却せず、自らレースに送り込む「馬主兼生産者(オーナーブリーダー)」として知られた。
ちなみにウマ娘との関わりが深いオーナーブリーダーとしては、他にシンボリ牧場(主な活躍馬はシンボリルドルフ、シリウスシンボリなど)、西山牧場(主な活躍馬はセイウンスカイ、ニシノフラワー)、トウショウ牧場(主な活躍馬はスイープトウショウなど)、カントリー牧場(主な活躍馬はタニノギムレット、ウオッカなど)がある。
名義は主にメジロ牧場と、関連会社のメジロ商事になる事が多く、障害競走でも重賞の勝ち馬を多数輩出した。
創業者の天皇賞制覇に拘る方針から生産馬は長距離馬を志向しており、数多くの名馬を輩出して日本の競馬界において一時代を築き上げたが、平成中期以降はスピード偏重になりつつあった日本の競馬に対応しきれず、所有馬の成績不振が目立つようになる。
輸入種牡馬の導入などで一旦は持ち直すも再び成績不振に陥り、最終的には2011年に解散。
残された施設や馬の一部は元役員が引き継ぎ、ノーザンファームの支援の下、現在は生産専門牧場(マーケットブリーダー)の「レイクヴィラファーム」として運営されている。
なお、同牧場内の敷地には、種牡馬として供給先の中国で没したアルダン以外の物故したモデル馬が埋葬されている。
・メジロ牧場(白、緑一本輪、袖緑縦縞 / 左イラスト)
・メジロ商事(白、緑一本輪、緑袖 / 右イラスト)
とでわずかにデザインが異なっていた。
非常に間違いやすく、2006年の小倉大賞典において、メジロ牧場所有のメジロマイヤーに騎乗した川田将雅が、調教師のミスでメジロ商事の勝負服を着用するトラブルが起きている。
その他詳細は個別記事と合わせて競馬誌や経済誌などを参照されたい。
関連イラスト
違う、そうじゃない
関連項目
ゴールドシップ(ウマ娘):メジロマックイーンや、アニメではメジロ家のおばあさまとも交流があるらしいウマ娘。
ということもあってか、二次創作でメジロ家の面々との交流を描かれることがある他、2023年1月20日のアップデートにてアオハル杯で追加されたメジロ家で構成されたチーム〈ヘパイストス〉にもパーマー担当の中距離にちゃっかり参加していたりする。
モデルとなったゴールドシップ号はメジロマックイーン号の母方の孫に当たり、天皇賞(春)も制したステイヤー。
メジロマックイーン号から遺伝した芦毛もあって、「マックイーンの再来」と呼ばれたこともある。
しかし、牝系の血筋を第一に尊ぶ競走馬の血統的にはメジロとは無関係とされる(もっとも、ゴールドシップ号も母系を遡ると宮内庁下総御料牧場の輸入繫殖牝馬6頭の一頭「星旗」に辿り着くという、日本競馬における由緒正しい血統の持ち主でもある)。
ツインターボ(ウマ娘):ウマ娘では特に言及はないが、4代母がメジロホープで、その兄弟にはメジロオー、メジロムサシなどがおり、牝系として縁がある。
メジロデュレン:オグリキャップ(ウマ娘)主役の『ウマ娘シンデレラグレイ』にメジロデュレンがモデルと思われるウマ娘が登場しているが、名前は伏せられている。メジロデュレン号はメジロマックイーン号の半兄。
シイナフレジュス:カツラギエースの育成シナリオに登場するモブウマ娘。モデル馬はメジロモンスニー。
“剣豪”と呼ばれたメジロのウマ娘:ゲーム版のメインストーリー第2部中編で、メジロマックイーンが言及している、過去にアメリカ競馬に挑戦し夢破れたウマ娘。モデル馬はメジロムサシ。