※本馬をモチーフとする『ウマ娘 プリティーダービー』に登場するウマ娘についてはスイープトウショウ(ウマ娘)参照。
制覇の条件
勝ちいそぐものも
悠長な者も
成功からは遠ざかる
いまなのか、まだなのか
逡巡の中で誰もが
頼れる何かを探す
まずは直感にしたがい
豪胆にふるまえ
迷いを断ち切ることが
制覇の条件となる
- 名馬の肖像 2021年秋華賞より
概要
馬名の意味は父名の一部+冠名。
所属厩舎は栗東・渡辺栄厩舎→鶴留明雄厩舎。
2003年10月18日、京都競馬場芝1400m新馬戦でデビューし勝利。続いてファンタジーステークスも勝ったが、初のGIとなった阪神ジュベナイルフィリーズは5着。
2004年には桜花賞トライアルのチューリップ賞を快勝したものの、桜花賞は5着、オークスは2着と本番では勝ちきれなかった。しかし秋華賞でダンスインザムードや阪神JFで敗れたヤマニンシュクルらを差し切ってGI初優勝を飾る。
2005年、安田記念の2着を経て宝塚記念へ出走。11番人気という低評価に怒ったのか、ハーツクライ・ゼンノロブロイ・タップダンスシチーら牡馬を退け、39年ぶりの牝馬による優勝を果たす。
秋のエリザベス女王杯では年上世代のアドマイヤグルーヴ・年下世代のエアメサイアを差し切り、見事にGI3勝目。
活躍が認められ、この年のJRA賞最優秀4歳以上牝馬を受賞した。
2007年のエリザベス女王杯3着を最後に引退。翌年から生まれ故郷のトウショウ牧場で繁殖入りした。2015年10月にトウショウ牧場は閉鎖され、スイープトウショウはノーザンファームへと売却された。
2020年12月、永眠。死因は腸捻転。
お腹にはスワーヴリチャードの仔を宿していたが、母とともに旅立ってしまった。
翌年の出産に向けて変わりなく過ごす矢先の出来事であった。
そのため、昨年出産したディープインパクトとの仔がラストクロップとなった(ディープインパクトにとっても最後の産駒である)。
産駒の競走成績は優れなかったが、その良血が評価され、2023年現在では1頭が種牡馬入りし、4頭が繁殖牝馬となっている。今後は子どもたちがスイープトウショウの血を残してくれるだろう。
そして2024年、2番仔のビジュートウショウ(父ディープスカイ)の仔でスイープトウショウの孫に当たるスウィープフィート(父スワーヴリチャード)がチューリップ賞(GⅡ)を制し、孫世代から重賞馬を輩出することに成功した。今後の彼女の活躍に期待したいところである。
余談
戦績を見ればわかる通り、レースが始まれば素晴らしい走りを見せた。
その一方で気性難の曲者として知られ、ネタ馬としても愛されたワガママツンデレ女傑である。
調教時やレース前に立ち止まり動かなくなる事が多々あり、騎手が降りると動いたのだが、池添騎手は「馬がクセになるから(動かなければ騎手が降りることを覚えてしまうから)」降りないように決めていた。
しかし2005年の天皇賞・秋では天覧競馬ということもあり、発走時間を遅らせるわけにもいかず下馬してゲートまで引いて行った。
よりにもよってディープインパクトの引退レースでもゲート入りを渋り、ファンを苛立たせた。
主戦の池添騎手のことは相当嫌っていたようで、彼の手からはなかなかニンジンを受け取らず、やっと食べたときにも耳を絞って(威嚇・警戒の表情)いたという。
酷い時など、調教の際に池添騎手が跨った後、吹雪の中を30分棒立ちし続けたこともある。
調教ができないせいで出走を取りやめたレースも多く、池添騎手は「まともに調教できていればGIを5、6個は獲れたんじゃないか」と語っている。
あるテレビ番組にて、スイープトウショウの特集が組まれた際、番組内で池添騎手が「(スイープトウショウを)彼女にしたい?」と番組スタッフから質問された際には「いやー、きついでしょ。振り回されっぱなしになると思いますよ」と即答している。2022年のクセ馬図鑑に至っては「彼女は嫌ですね」とハッキリ言ってしまっている。
2015年には同じく池添騎手を悩ませた暴れん坊三冠馬オルフェーヴルの仔も産んでおり、ネット上では「今度こそ池添の命が危ない」と心配されていた。
しかしその馬は気性難が酷すぎてデビューできなかった模様。
繁殖成績
生年月日 | 名前 | 性別 | 毛色 | 父 | 競走成績 |
2009年2月25日 | ジュエルトウショウ | 牝 | 鹿毛 | アグネスタキオン | 14戦3勝 繁殖牝馬 |
2010年 | ダイワメジャー | (不受胎) | |||
2011年2月25日 | ビジュートウショウ | 牝 | 栗毛 | ディープスカイ | 11戦1勝 繁殖牝馬 |
2012年3月30日 | レガッタ | 牡 | 鹿毛 | ディープインパクト | 3戦1勝 |
2013年4月3日 | トウショウビクター | 牡 | 黒鹿毛 | ステイゴールド | 11戦1勝 |
2014年4月29日 | スイーズドリームス | 牡 | 鹿毛 | ディープインパクト | 24戦4勝 種牡馬 |
2015年5月25日 | スイープトウショウの2015 | 牡 | 栗毛 | オルフェーヴル | 未出走 |
2016年6月6日 | スイープセレリタス | 牝 | 黒鹿毛 | ハーツクライ | 16戦4勝 繁殖牝馬 |
2018年1月15日 | クリーンスイープ | 牝 | 鹿毛 | ドゥラメンテ | 4戦2勝 |
2019年1月31日 | ピエドラデルーナ | 牝 | 鹿毛 | キタサンブラック | 1戦0勝 繁殖牝馬 |
2020年2月27日 | スイープアワーズ | 牡 | 鹿毛 | ディープインパクト | (ラストクロップ) |
2021年予定 | 不明 | 不明 | スワーヴリチャード | (受胎中に死亡) |