曖昧さ回避
- 2004年度生まれの人を指す語については → 04世代(2004年生まれ)
- 競走馬をモチーフとしたウマ娘については → 04世代(ウマ娘)
概要
97世代・99世代・11世代と並び中央平地GⅠ22勝を挙げ歴代7位タイの世代。
主に「キングカメハメハ世代」と呼ばれる。
- 松国ローテによる変則2冠を始めて達成した最強の大王キングカメハメハ
- 国内でディープインパクトを唯一下し、KGで世界の頂点を争った挑戦者ハーツクライ
- 皐月賞の後病を患うも復活しマイル~中距離で活躍した不屈の巨漢ダイワメジャー
- 39年ぶりの牝馬による宝塚記念制覇を成し遂げたわがまま魔女スイープトウショウ
- 地方所属のまま海外GI勝ちした地方の野武士コスモバルク
- 挑む中央の強豪を打ち破り、初の東京大賞典連覇を達成。地方所属馬として初のドバイワールドカップ参戦を果たした南関東の大エースアジュディミツオー
- 史上初の8歳馬による中央GI制覇を達成した6年間の集大成カンパニー
- 史上初の日本馬による豪州GIそれもメルボルンカップを制したステイヤーデルタブルース
- GI2着9回とダートのシルバーコレクターであるシーキングザダイヤ
など中々濃いメンバー。
ホッコータルマエの母マダムチェロキー、コパノリッキーの母コパノニキータもこの世代。
一方でこの年の日本ダービーは「死のダービー」と呼ばれるほどの超高速決着となり、1頭が予後不良、多数の馬が故障している。勝ち馬のキングカメハメハすらも、後に屈腱炎を発症し早期引退を余儀なくされた。
岩田騎手中央GI初制覇のパートナーであるデルタブルース、五十嵐騎手GI初制覇のパートナーであるコスモバルク、ルメール騎手日本のGI初制覇のパートナーであるハーツクライ、など騎手にとってGI初制覇のパートナーも結構いた。
障害競走においてはGⅠを制覇する馬は現れなかったが、ともに当時の最多記録となる同一重賞(年1回施行のもの)4勝、障害重賞8勝を牝馬にして挙げたコウエイトライを出した。なお、2023年末現在でもコウエイトライの中央重賞8勝は九州産馬として最多であるほか、障害重賞8勝は歴代2位(牝馬の障害重賞複数勝利は唯一)である。この世代からはメジロベイシンガーも障害重賞を制しており、グレード制導入後の障害重賞牝馬6頭(13勝)のうち2頭(9勝)が出ている。
海外では英愛オークス連覇し香港ヴァーズやBCフィリー&メアターフ2回など世界中で実績を残しGI7勝を挙げた女傑ウィジャボードや、凱旋門賞などGI5勝、引退後日本に輸入されクロノジェネシスの父となったバゴが活躍した。フィエールマンの母リュヌドールや、事故で左目の視力を失いながらも米国クラシック二冠を果たしたスマーティージョーンズ、種牡馬として大物を多数輩出したタピットもこの世代。
このうちウィジャボード、バゴ、リュヌドールはジャパンカップに出走してハーツクライやゼンノロブロイと戦っている。ウィジャボードに関してはドバイでもハーツクライと戦っている他、ディープインパクトとも戦っていた。
種牡馬成績
キングカメハメハ、ハーツクライ、ダイワメジャー、カンパニー、スズカマンボなどが種牡馬入り。デルタブルースは残念ながら種牡馬入りが叶わなかった。
キングカメハメハは短距離王ロードカナロアや二冠馬ドゥラメンテ、三冠牝馬アパパネ等、ハーツクライは古馬になってから大覚醒し最強馬になったジャスタウェイやリスグラシュー、武豊の相棒ダービー馬ドウデュース等、ダイワメジャーは香港も勝ったマイラーアドマイヤマーズや3歳にしてマイルCS制覇を成し遂げたセリフォス等のGI馬を数多く輩出し、リーディングサイアー上位に居座り続けた。キングカメハメハやハーツクライは近年はブルードメアサイアーでも存在感を発揮している。
スズカマンボもダートでサンビスタ、牝馬路線でメイショウマンボ、障害でメイショウダッサイを輩出。
また、怪我に悩まされ期待された競走成績は残せなかったが、ディープインパクトの全兄ブラックタイドもキタサンブラックなどを輩出し、好成績を残している。
アメリカに輸出されたハットトリックも、後に世界中にサンデーサイレンスの血を広める旗頭として活躍した。
総じて種牡馬としての存在感も凄まじく、後の世代にも繋がる世代だったといえよう。
海外種牡馬ではバゴが輸入されてクロノジェネシスを輩出。
米国のタピットは競走馬として輸入されたテスタマッタがダートG1馬となり、ヘヴンリーロマンスとの子であるラニも日本調教でUAEダービーを制覇、日本で種牡馬入りしている。
種牡馬 | 主な産駒 | 母父の産駒 | 父父・ひ孫以上 | |
---|---|---|---|---|
キングカメハメハ | ||||
ハーツクライ | ||||
ダイワメジャー | ||||
スズカマンボ | ||||
ブラックタイド | ||||
バゴ(FR) | ||||
タピット(USA) |
代表的な競走馬
国内
馬名 | 性別 | 主な勝利レース |
---|---|---|
キングカメハメハ | 牡 | NHKマイルカップ/日本ダービー |
ハーツクライ | 牡 | 有馬記念/ドバイSC |
ダイワメジャー | 牡 | 皐月賞/マイルCS✕2/天皇賞(秋)/安田記念 |
スイープトウショウ | 牝 | 秋華賞/宝塚記念/エリザベス女王杯 |
デルタブルース | 牡 | 菊花賞/メルボルンカップ |
カンパニー | 牡 | 天皇賞(秋)/マイルCS |
ハットトリック | 牡 | マイルCS/香港マイル |
コスモバルク | 牡 | シンガポール航空IC |
ダンスインザムード | 牝 | 桜花賞/ヴィクトリアマイル |
スズカマンボ | 牡 | 天皇賞(春) |
ダイワエルシエーロ | 牝 | 優駿牝馬 |
ヤマニンシュクル | 牝 | 阪神JF |
コスモサンビーム | 牡 | 朝日杯FS |
メイショウボーラー | 牡 | フェブラリーS |
アジュディミツオー(船橋) | 牡 | 東京大賞典(04、05年連覇)/川崎記念/帝王賞 |
アドマイヤホープ(佐賀) | 牡 | 全日本2歳優駿 |
カフェオリンポス | 牡 | ジャパンダートダービー |
パーソナルラッシュ(大井) | 牡 | ダービーグランプリ |
コウエイトライ | 牝 | 九州産馬。阪神JS4勝など、障害重賞8勝 |
エアシェイディ | 牡 | |
シーキングザダイヤ(USA) | 牡 | |
アルドラゴン(兵庫) | 牡 | 名古屋大賞典など重賞11勝 |
海外
馬名・生産国 | 性別 | 調教国 | 主な勝利レース |
---|---|---|---|
ウィジャボード(GB) | 牝 | GB | 英オークス/アイルランドオークス/ナッソーS/BCフィリー&メアターフ/香港ヴァーズなど多数 |
バゴ(FR) | 牡 | FR | 凱旋門賞/パリ大賞典など |
リュヌドール(FR) | 牝 | FR→USA | リディアテシオ賞 |
タピット(USA) | 牡 | USA | ウッドメモリアルS |
スマーティージョーンズ(USA) | 牡 | USA | ケンタッキーダービー/プリークネスステークス |
ウマ娘プリティーダービーにて
以下の競走馬がウマ娘として登場している。04世代(ウマ娘)も参照。
この世代で唯一登場しているスイープは史実で戦った相手でウマ娘になっているのがゼンノロブロイとエアメサイアしかおらず、同世代では同オーナーの別馬が登場しているハーツクライやダイワメジャーの登場を期待したいところ。