概要
2001年に国際基準に合わせて馬齢表記の変更(数え歳表記 ⇒ その年に迎える満年齢で表記)が行われたため、この世代に関する過去のニュース表記などは特に注意を要する。
牡馬クラシックはアグネスタキオン・ジャングルポケット・クロフネ・ダンツフレーム・マンハッタンカフェの5強世代で、牝馬クラシックはテイエムオーシャンが桜花賞・秋華賞の2冠、オークスはレディパステル、他にローズバドなどがいた。
「朝日杯3歳ステークス」の名称での最後の勝ち馬メジロベイリーは、メジロ牧場最後のGI馬でもある。
また、この世代から競馬の国際化の取り組みとして外国産馬(マル外)のクラシック出走が解禁。
ダービーにクロフネとルゼル、菊花賞にエアエミネムがマル外馬として出走を果たすが、それぞれ5着と14着、3着となり、優勝することは叶わなかった。
なお、牝馬クラシックは6年後のオークスでマル外が優勝を達成するが、牡馬クラシックは今なおどの競走でも果たされていない。
故障して早期引退した馬が多かった一方、引退後に種牡馬として成功した馬も多い。
無敗で皐月賞を制し、この世代を牽引するかと思われたアグネスタキオンは4戦4勝のまま故障引退、しかし2008年に内国産馬として1957年のクモハタ以来51年振りのリーディングサイアーを獲得。翌2009年にはマンハッタンカフェもLSを獲得した。前者はダービー馬ディープスカイや女傑ダイワスカーレットを出し、母父でもノンコノユメやワイドファラオといったダートG1馬を出した。後者はクイーンズリングやヒルノダムール、レッドディザイアを出している。ジャングルポケットも牝馬クラシックで活躍したトールポピー・アヴェンチュラ姉妹や菊花賞馬オウケンブルースリ、秋天勝ちのトーセンジョーダンなどを出した。
NHKマイルカップ・ジャパンカップダートと芝・ダート両方に実績を残し、引退後は優秀な短距離牝馬を多く出して種牡馬として成功したクロフネもこの世代。種牡馬としてはフサイチリシャールやホエールキャプチャ、カレンチャン、ソダシなどを出し、母父でもレイパパレやノームコア・クロノジェネシス姉妹などを出している。
アグネスタキオンの同オーナー・同厩で、ブラジルでGⅠ馬を16頭も輩出して大成功したアグネスゴールドも該当する。
このように、タレント揃いで98世代と並ぶ最強世代と評される一方、長期間活躍した馬が少なく、世代ごとの獲得賞金で比較すると意外と下の方だったりする。
その他、ダート戦線の雄として世代中最高の獲得賞金を得て史上初の8歳馬(旧9歳)による平地GI制覇を達成したタイムパラドックス、安田記念馬ツルマルボーイ、短距離戦線では生粋のスプリンター牝馬ビリーヴのほか、カルストンライトオ、ショウナンカンプなどが出た。
障害戦線では4250mに延長された中山グランドジャンプを初めて4分40秒台で走ったビッグテーストや、グレード制導入後初の重賞牝馬となったテンビーエースが出た。
またアサカディフィートは11歳まで現役を続け、2008年の小倉大賞典(GⅢ)を10歳で制した。
地方競馬では南関東4冠馬トーシンブリザードがこの世代にあたる。
繁殖牝馬としては、ゴールドシップの母ポイントフラッグ、スマイルジャックの母シーセモア、コディーノの母ハッピーパス、先述のレッドディザイアの母グレイトサンライズ、スノードラゴンの母マイネカプリースなどがいる。
一方、ヨーロッパでは後のイギリス・アイルランド11年連続リーディングサイアーとなるガリレオが活躍していた他、ジャパンカップや香港などで活躍し、後に種牡馬として日本に輸入されたファルブラヴもここの世代。
米国はストリートクライが活躍。骨折を乗り越え6歳になってBCスプリントを勝ったスパイツタウンは種牡馬として成功した。
勝利したG1
01年から馬齢表記が現在の方式に変更されたため、この世代が「朝日杯3歳S」「阪神3歳牝馬S」の名称での最後の施行。
2-3歳
レース名 | 勝利馬 |
---|---|
朝日杯3歳S | メジロベイリー |
阪神3歳牝馬S | テイエムオーシャン |
皐月賞 | アグネスタキオン |
日本ダービー | ジャングルポケット |
菊花賞 | マンハッタンカフェ |
桜花賞 | テイエムオーシャン |
オークス | レディパステル |
秋華賞 | テイエムオーシャン |
NHKマイルカップ | クロフネ(USA) |
ジャパンダートダービー | トーシンブリザード |
ダービーグランプリ | ムガムチュウ |
古馬
短距離~マイルにかけて5勝を挙げているが、芝の中長距離は1世代下のシンボリクリスエスやヒシミラクルなどが台頭した4歳秋以降は未勝利に終わった。
距離 | 勝ち馬 |
---|---|
短距離 |
|
マイル |
|
天皇賞(秋) | |
長距離 |
|
エリザベス女王杯 | |
グランプリ |
|
ダート |
|
障害 |
|
海外 |
代表的な競走馬
国内馬
馬名 | 性別 | 勝利レース |
---|---|---|
アグネスタキオン | 牡 | 皐月賞 |
クロフネ(USA) | 牡 | NHKマイルC/JCダート |
ジャングルポケット | 牡 | 日本ダービー/ジャパンカップ |
マンハッタンカフェ | 牡 | 菊花賞/天皇賞(春)/有馬記念 |
ダンツフレーム | 牡 | 宝塚記念 |
メジロベイリー | 牡 | 朝日杯FS |
テイエムオーシャン | 牝 | 阪神JF/桜花賞/秋華賞 |
レディパステル | 牝 | オークス |
ビリーヴ | 牝 | スプリンターズS/高松宮記念 |
ツルマルボーイ | 牡 | 安田記念 |
カルストンライトオ | 牡 | スプリンターズS |
ショウナンカンプ | 牡 | 高松宮記念 |
タイムパラドックス | 牡 | JCダート/JBCクラシック連覇 |
トーシンブリザード(船橋) | 牡 | 南関東牡馬クラシック三冠/ジャパンダートダービー |
ムガムチュウ | 牡 | ダービーグランプリ/北海道3歳優駿 |
ダイタクバートラム | 牡 | 阪神大賞典/ステイヤーズS |
アグネスゴールド | 牡 | きさらぎ賞/スプリングS |
アサカディフィート | セン | 小倉大賞典 |
ローズバド | 牝 | フィリーズレビュー/マーメイドS |
ポイントフラッグ | 牝 | チューリップ賞2着 |
シーセモア | 牝 | カーネーション特別2着 |
ハッピーパス | 牝 | 京都牝馬S |
コイントス | 牡 | 白富士S/有馬記念3着 |
マイネカプリース | 牝 | まりも特別/桜花賞5着 |
グレイトサンライズ | 牝 | 7戦1勝/秋華賞馬レッドディザイアの母 |
外国馬
馬・出身国 | 性別 | 調教国 | 主なレース |
---|---|---|---|
ガリレオ(IRE) | 牡 | IRE | 英・愛ダービー/キングジョージ |
ファルブラヴ(IRE) | 牡 | ITR | ジャパンカップ/香港カップなど多数 |
ストリートクライ(IRE) | 牡 | USA→UAE | ドバイWC |
スパイツタウン(USA) | 牡 | USA | BCスプリント |
チチカステナンゴ(FRA) | 牡 | FRA | パリ大賞 |
モナーコス(USA) | 牡 | USA | ケンタッキーダービー |
マッチョウノ(USA) | 牡 | USA | BCジュヴェナイル |
イピトンベ(ZWE) | 牝 | ZWE→ZAF→USA | ドバイデューティーフリー |
種牡馬成績
上述の通り、この世代は種牡馬として成功した馬が何頭も出ている。
ガリレオはサドラーズウェルズの筆頭後継種牡馬として現在まで長きにわたりヨーロッパの覇権を握っており、後継種牡馬にも恵まれた。
ストリートクライは名牝ゼニヤッタを出したことで有名。スパイツタウンは米国の短距離戦線を長く牽引し、日本でも輸入馬からG1馬が出た。
種牡馬 | 代表産駒 | 母父 | 父父・ひ孫以上 |
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ジャングルポケット | |||
マンハッタンカフェ | |||
クロフネ | |||
アグネスタキオン | |||
ガリレオ |
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| |
ファルブラヴ | |||
ストリートクライ | |||
スパイツタウン |
ウマ娘プリティーダービーにて
以下の競走馬がウマ娘として登場している。01世代(ウマ娘)も参照。
当初はタキオンとカフェの2人だけだったが、ジャングルポケットが2周年時に、ダンツフレームが3周年時に、ぱかライブTVでそれぞれ追加発表された。また、2024年5月にはこの世代を中心としたアニメ映画劇場版『ウマ娘プリティーダービー 新時代の扉』が公開される。
さらに、映画公開中の6月24日には、短距離路線で活躍したビリーヴとカルストンライトオが揃って追加された。