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概要
1998年5月3日生まれ。
父ウォーニング母オオシマルチア、母父クリスタルグリッターズという血統。
サニーブライアンと並ぶ大西直宏騎手の代表的騎乗馬であり、他には熊沢重文騎手が多く騎乗した。
サニーブライアンと同じく逃げ馬だが、サニーが折り合いの良さとスタミナを武器にダービーを逃げ切ったのに対し、カルストンライトオは他の能力をかなぐり捨ててスピードに特化したような馬だった。
そのため短距離かつ平坦な特定の競馬場で強い馬で、『ミスター新潟1000m』とも呼ばれたが、新潟競馬場以外でもスプリンターズステークスを1度勝っている。
戦歴
2000年にデビューし、新馬戦とかえで賞を連勝するも、初GⅠの朝日杯3歳ステークスでは10着に破れる。
2001年には人気こそあれど勝ちきれないレースが多かったが、ファルコンステークスとアイビスサマーダッシュで3着に入るなど素質は示していた。
2002年は6月から始動し、この年から大西騎手が主に手綱を握ることになる。
前年に続いて挑戦したアイビスサマーダッシュでは、直線1000mコースを53秒7というレコードタイムを叩き出し、重賞初制覇を飾った。
200~800m間の3ハロンタイムも29秒6で世界レコードである。
サラブレッドの速度は通常60~70km/hとされているが、カルストンライトオは瞬間的に75km/hで走っていた計算になる。
なおアイビスサマーダッシュは馬場の荒れていない外ラチ沿いを取るのが有利とされ、さらにカルストンライトオは右へヨレる癖があったため、大西騎手はスタート後に目一杯外ラチへ寄せている。
2003年は9月から復帰したが、果敢に逃げを打っては轟沈し、2桁着順となることも多かった。
しかし2004年には大西騎手と共に再びアイビスサマーダッシュを制覇し、前年惨敗したGⅠスプリンターズステークスへ挑む。
すでに「この馬には1200mでも長いのでは」と囁かれており、さらに強豪デュランダルなどの強敵もいたため、5番人気の伏兵扱いだった。
しかし不良馬場でさすがのデュランダルも末脚が鈍ると踏んだ大西騎手は、スタート直後から急加速して逃げを打ち、終盤に入ってもカルストンライトオの足色は衰えなかった。
第4コーナーあたりで「どこまで逃げられるか」と実況した青嶋アナウンサーも、その5秒後には「むしろリードを開いている!」と驚愕した。
結果、2着のデュランダルに4馬身差をつけて圧勝し、晴れてGⅠ馬となった。
年末には香港スプリントへ遠征するが、こちらでは14着に破れている。
香港での表記は「金鎮之光」。
2005年にはアイビスサマーダッシュ連覇を狙うが、内枠と斤量59kgが響き4着に破れる。
その後スプリンターズステークス10着を最後に引退し、種牡馬入りした。
主流から大きく外れた血統ということもあって種牡馬としてはあまり人気が出ず、地方競馬で重賞馬を3頭出すのみに終わった。なお、この3頭はいずれも同じ母から産まれた全きょうだいである。
2002年に記録した新潟1000mのレコードタイムは未だに破られておらず、最強ではないが最速のスプリンターとして歴史に名を刻んでいる。
2020年以降種付けはせず、2023年に種牡馬引退(用途変更)。
2024年2月7日、余生を過ごしていた日西牧場にて、老衰のため26歳で死去した。
サニングデールとは3勝2敗、シーイズトウショウとは3勝3敗。