概要
1988年(昭和63年)に生まれ、1991年にクラシックを争った世代。
一言で表すなら「トウカイテイオー世代」。
この世代の馬が最後の昭和生まれとなる。また、東京優駿が19頭以上で開催された最後の世代であり、阪神3歳ステークスを経験した最後の世代(91年から「阪神3歳牝馬ステークス」に変更)でもある。
世代代表馬はもちろん無敗二冠馬トウカイテイオー。皐月賞・東京優駿・ジャパンカップ・有馬記念でシンボリルドルフとの父子2代制覇、ジャパンカップではJRA史上初の国際GⅠ勝利を達成し、ラストランの第38回有馬記念は今も「奇跡の復活」として語り継がれている。
その他の著名馬はスプリント、マイル、中距離のGⅠ3階級制覇に肉薄した秋の天皇賞馬ヤマニンゼファー、有馬記念3年連続3着や重賞連続出走数&最多GⅠ出走&有馬記念連続出走と言った当時のJRA記録(※)を持つ“ブロンズコレクター”ナイスネイチャ、日本馬として36年ぶり史上2頭目の海外重賞制覇を達成したフジヤマケンザン、“最後の個性派”と呼ばれた大逃げ馬ツインターボなど。
(※…後に連続出走&GⅠ出走数はステイゴールドが、有馬記念連続出走はコスモバルクが更新)
角田晃一騎手のシスタートウショウ(桜花賞)、松永幹夫騎手の“裸足のシンデレラ”イソノルーブル(優駿牝馬)、岡潤一郎騎手のリンデンリリー(エリザベス女王杯)、田中勝春騎手&柴田善臣騎手のヤマニンゼファー(いずれも安田記念)と、騎手のGI初制覇時のパートナーも多かった。
著名な繁殖牝馬としては、ステイゴールドの母ゴールデンサッシュ、タニノギムレットの母タニノクリスタル、ダイワメジャー&ダイワスカーレット兄妹の母スカーレットブーケがこの世代。
比較的長寿の重賞馬が多く、ナイスネイチャ(享年35 2023年5月まで存命の最長寿重賞馬)を筆頭に、トウカイテイオーやヤマニンゼファー、フジヤマケンザン、シスタートウショウ、イソノルーブルらも30歳近くまで長生きしている。
変わったところでは3冠馬ミスターシービーの数少ない代表産駒であり、福島競馬場の誘導馬を経て映画「超高速!参勤交代」に出演した皐月賞2着馬シャコーグレイド、2つの最年長重賞勝利記録をもつオースミダイナー、大井競馬のエースで中央にも度々参戦したハシルショウグン、ナイスネイチャのように史上初の同一重賞3年連続2着の記録をつくったヤマニンフォックス、3億6,050万円で落札された当時の市場取引最高価格馬サンゼウスなどもこの世代。
91世代のGⅠ勝ち鞍
2歳(旧3歳)
3歳(旧4歳)
クラシック三冠
牝馬三冠
古馬
中長距離
スプリント~マイル
安田記念 | ヤマニンゼファー(連覇) |
---|---|
マイルチャンピオンシップ | なし |
スプリンターズステークス | なし |
代表的な競走馬と主な勝ち鞍等
太字はGⅠ勝ち鞍(地方、障害は後のGⅠ級)
馬名 | 性別 | 主な勝ち鞍等 |
---|---|---|
トウカイテイオー | 牡 | 皐月賞/東京優駿/ジャパンカップ(史上初国際GⅠ勝利)/有馬記念 |
ヤマニンゼファー | 牡 | 安田記念(連覇)/天皇賞(秋)/スプリンターズステークス2着 |
ナイスネイチャ | 牡 | 京都新聞杯/鳴尾記念/高松宮杯/有馬記念3年連続3着&5年連続出走 |
ツインターボ | 牡 | ラジオたんぱ賞/七夕賞/産経賞オールカマー |
イブキマイカグラ | 牡 | 阪神3歳ステークス/菊花賞2着/天皇賞(春)3着 |
レオダーバン | 牡 | 菊花賞/東京優駿2着 |
リンドシェーバー(USA) | 牡 | 朝日杯3歳S(マルゼンスキーのレコード更新) 90年最優秀3歳牡馬 |
フジヤマケンザン | 牡 | 香港国際カップ(香港GⅠ&国際GⅡ)日本馬36年ぶり海外重賞勝利 |
シャコーグレイド | 牡 | 東京スポーツ杯(オープン)/皐月賞2着 |
ヤマニンフォックス | 牡 | 中日新聞杯 ※愛知杯で史上初同一重賞3年連続2着 |
ケイエスミラクル(USA) | 牡 | スワンステークス |
シスタートウショウ | 牝 | 桜花賞 |
イソノルーブル | 牝 | 優駿牝馬 |
リンデンリリー | 牝 | エリザベス女王杯 |
スカーレットブーケ | 牝 | 中山牝馬ステークス/京都牝馬特別/クイーンカップ/札幌3歳S |
タニノクリスタル | 牝 | アネモネ賞(オープン) |
ゴールデンサッシュ | 牝 | 4歳未勝利2着 |
ブロードマインド | 牡 | 中山大障害秋春連覇 |
ハシルショウグン(大井) | 牡 | 帝王賞/川崎記念/産経賞オールカマー2着 |
オースミダイナー(門別) | 牡 | 北海道スプリントカップ(国内ダートグレード最高齢勝利)/エトワール賞(地方重賞最高齢勝利) |
メイショウホムラ | 牡 | フェブラリーハンデキャップ(GⅢ) 93年最優秀ダートホース |
カリスタグローリ | 牡 | クリスタルカップ |
サンゼウス | 牡 | 4歳新馬(3億6,050万円で落札された当時の市場取引最高価格馬) |
この世代の主な海外馬
- オペラハウス…英国馬。KGⅥ&QE等GⅠ3勝。テイエムオペラオー、メイショウサムソンらの父
- コタシャーン…仏→米。BCターフ等米GⅠ5勝。ジャパンカップでレガシーワールドの2着。
- ダンススマートリー…牝馬。カナダ三冠、カナダ馬初のブリーダーズカップ優勝(BCディスタフ)等。米加両国で殿堂入り。
- ヘクタープロテクター…ジャック・ル・マロワ賞など仏GⅠ5勝。日本生産馬初の海外GⅠ勝ち馬シーヴァの父。
- スキャン…米GⅠ2勝。メイショウカイドウ、マチカネワラウカドらの父。
- スターオブコジーン…米GⅠ2勝、上記ジャパンCにも参戦(5着)。珍名馬モチの父。
- ジェネラス…英愛ダービー、KGⅥ&QE勝ち馬。
- スワーヴダンサー…ジョッケクルブ賞、凱旋門賞勝ち馬。
ウマ娘プリティーダービーにて
以下の競走馬がウマ娘として登場している。91世代(ウマ娘)も参照。
トウカイテイオーは当初からプロジェクト全体の中心キャラクターの一人として位置付けられている。2021年1月~3月に放送されたアニメSeason 2では、主人公の一人として抜擢され彼女の物語が描かれた。
ナイスネイチャはアニメSeason 1にてモブとして登場していたが、アニメSeason 2ではテイオーの同世代であることから、実力は劣るもテイオーの良き理解者であるライバルとして描かれた。
また、テイオーの同世代のツインターボもアニメSeason 2で登場。テイオーをライバル視し一度も一緒に走れなかったものの、度重なる骨折で失意の中にあったテイオーを、自身の走りを見せて奮い立たせるなど多くの活躍を見せた。
ゲームでは1.5周年に合わせてヤマニンゼファーとケイエスミラクルが登場した。