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第38回有馬記念

とうかいていおーきせきのふっかつ

1993年(平成5年)12月26日に開催された有馬記念。トウカイテイオーが約1年ぶりのレース出走からの優勝を果たした。
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概要編集

歴代の有馬記念の中でも第35回(1990年)と並んでドラマチックなレースと言われる。


以下、馬齢は2000年までの旧表記にて記載する。

また、競走名や格付も開催当時に準じる。


本番までの動き編集

BNW」と呼ばれる4歳世代からは、菊花賞馬ビワハヤヒデとダービー馬ウイニングチケットの他、桜花賞とオークスの二冠を達成したベガ、朝日杯でビワハヤヒデを破って3歳王者に輝いたエルウェーウィンの4頭が参戦。全員がGⅠを勝利していた。


迎え撃つ古馬達も、GⅠ優勝経験馬では、直前のジャパンカップを優勝したレガシーワールドミホノブルボンメジロマックイーンの偉業を阻止したライスシャワー、前年の春秋グランプリ優勝馬メジロパーマー、そして2年前のクラシック二冠馬で前年の有馬記念以来一年ぶりのレースとなるトウカイテイオーがいた。


GⅠを勝っていない残る6頭も全員がGⅡまたはGⅢを勝利し、GⅠでも好走するなど重賞戦線を盛り上げた猛者達で、正にオールスター戦の名に相応しい顔触れとなった。


この中でトウカイテイオーの鞍上が誰になるかにも注目が集まった。前年有馬は主戦騎手の岡部幸雄が直前のレースで斜行し騎乗停止処分を受けた為、田原成貴が手綱を握った経緯があった。当年も岡部はビワハヤヒデに騎乗する事が決まっていた為、陣営は武豊に打診しようとしたが、ベガの出走も決まった為、前年に騎乗した田原に白羽の矢が立った。


出走馬編集

※勝鞍の太字GⅠ斜字GⅡ、普通の字はGⅢを表す。【】内は後の勝鞍。

太字の馬名はウマ娘化された競走馬(後述)。


枠番馬番馬名性齢騎手人気主な勝鞍
11エルカーサリバー牝5蛯名正義14’92ローズステークス’93日経新春杯、’92アーリントンカップ、’93金杯(西)
22セキテイリュウオー牡5田中勝春7’93金杯(東)、【’94東京新聞杯
33ベガ牝4武豊6’93桜花賞’93優駿牝馬
34トウカイテイオー牡6田原成貴4’91皐月賞’91東京優駿’92ジャパンカップ’92産経大阪杯
45ウィッシュドリーム牡5藤田伸二11’93金鯱賞、’93朝日チャレンジカップ
46ライスシャワー牡5的場均5’92菊花賞’93天皇賞(春)【’95天皇賞(春)】’93日経賞
57ホワイトストーン牡7田面木博公12’90セントライト記念’91産経大阪杯’93アメリカジョッキークラブカップ
58マチカネタンホイザ牡5柴田善臣13’93目黒記念、【’94アメリカジョッキークラブカップ【’95高松宮杯、’93ダイヤモンドステークス
69レガシーワールドせん5河内洋2’93ジャパンカップ’92セントライト記念
610エルウェーウィン牡4南井克巳8’92朝日杯3歳ステークス【’96アルゼンチン共和国杯
711ウイニングチケット牡4柴田政人3’93東京優駿’93弥生賞’93京都新聞杯
712ナイスネイチャ牡6松永昌博10’91京都新聞杯’91鳴尾記念【’94高松宮杯、’91小倉記念
813ビワハヤヒデ牡4岡部幸雄1’93菊花賞【’94天皇賞(春)】【’94宝塚記念’92デイリー杯3歳ステークス’93神戸新聞杯【’94京都記念、【’94オールカマー
814メジロパーマー牡7横山典弘9 ’92宝塚記念’92有馬記念’93阪神大賞典、’91札幌記念、’92新潟大賞典

レース経過編集

JRA公式YouTubeチャンネルより


実況担当者編集

日本放送協会(NHK):藤井康生 解説:鈴木康弘(調教師、現・日本調教師会 名誉会長)

ラジオたんぱ:白川次郎(同社チーフアナウンサー)

フジテレビ堺正幸 解説:大川慶次郎

関東独立U局:長岡一也

MBSラジオ:蜂谷薫

ラジオ日本:林洋右

KBS京都:浜野圭司


【フジテレビ実況全文】

さぁ14頭枠入り完了しました、有馬記念。

ゲート開いた!スタートを切りました。メジロパーマー良いスタートであります。

各馬一斉にスタート、綺麗なスタートを切っています。

さすがに選ばれた14頭、優駿であります。


3コーナーから4コーナーにあります。先行やはりメジロパーマーが行きました、メジロパーマーが3馬身から4馬身。

レガシーが二番手、ビワハヤヒデ三番手、その後ろからホワイトストーンも行きました。

一年ぶりのトウカイテイオーも行っています。そしてウイニングチケットは後方待機であります。


第4コーナー回りまして、ぎっしりと埋まりました中山のファンの前を14頭が駆け抜けて行きます、一周目のホームストレッチであります。

先頭はメジロパーマーであります、メジロパーマーが大逃げではありません。

レガシーワールド二番手、そしてホワイトストーンが三番手から二番手に上がって行く、ビワハヤヒデが四番手であります。

その後方でありますがライスシャワーがいる、アウトコースからエルウェーウィン、

さらにトウカイテイオー、久々のトウカイテイオー。

さらに1番のエルカーサリバー白い帽子、アウトコースからナイスネイチャが行っている。

さらに赤い帽子、武のベガ、そのアウトコースにセキテイリュウオーであります。

そしてウィッシュドリーム、さらに後方から行っているのがマチカネタンホイザ、こういったところであります。


さぁ、1コーナーから2コーナーに向かって行く14頭であります。

横山(典弘)のメジロパーマーが逃げて向こう上面に入って行きました。

ホワイトストーン(田面木博公)が二番手であります、ホワイトストーンが二番手。

その後ろでありますがレガシーワールド(河内洋)三番手、ビワハヤヒデ(岡部幸雄)が四番手。

その後ろから柴田政人ガッシリ手綱を張らしてウイニングチケット。

ライスシャワー(的場均)がいる。そして赤い帽子トウカイテイオー(田原成貴)。

3番はベガ(武豊)、さらにそのアウトコースを通りましてエルウェーウィン(南井克巳)、

ナイスネイチャ(松永昌博)、2番がセキテイリュウオー(田中勝春)であります。

白い帽子エルカーサリバー(蛯名正義)、ウィッシュドリーム(藤田伸二)、8番のマチカネタンホイザ(柴田善臣)。

こういった展開で先頭のメジロパーマーは早くも3コーナーのカーブを切って行きます。


14頭がほとんど10馬身以内の間隔で距離の中に収まっています。

メジロパーマーが先頭、そしてビワハヤヒデが早くも上がった!レガシーワールドが三番手に下げました。

さぁ後続の中からウイニングチケットが今、現在三番手まで上がって来ている。

メジロパーマーが僅かに先頭!ビワハヤヒデ、そしてウイニング三番手!

そしてレガシーの手がちょっと動いている!

トウカイテイオー赤い帽子も来ているぞ!


残り400mを切りました、残り400を切った!

さぁビワハヤヒデ岡部が先頭か、ビワハヤヒデ岡部が早くも先頭に立ったか!

外の方からはトウカイテイオーも来ている!トウカイテイオーも来ている!


さぁ残り200を切りました、残り200を切った!

ビワハヤヒデ! トウカイテイオーか!?

トウカイテイオーが来た! トウカイテイオーが来た!!

ビワハヤヒデとトウカイテイオー! ダービー馬の意地を見せるか!!

トウカイテイオーだ!トウカイテイオーだ!トウカイテイオー、奇跡の復活!!


一年ぶりのレースを、制しましたトウカイテイオー田原成貴! しかしこのレースは審議の青ランプ!

トウカイテイオー、ミラクル!まさに奇跡の…奇跡の復活を見せましたトウカイテイオー!こんなことがあるんでしょうか!?

去年の有馬記念以来、実に一年ぶりというレースでありますトウカイテイオーが、見事13頭を蹴散らしました!


参考ページはこちら


(補足)「審議の青ランプ」とあったが、これは第1コーナーでエルカーサリバーの進路が、2周目第3コーナーでライスシャワーの進路がそれぞれ狭くなった事によるもの。審議の結果、いずれも失格・降着馬は無く、到達順位通り確定した。


レース結果編集

着順枠番馬番馬名
134トウカイテイオー
2813ビワハヤヒデ
3712ナイスネイチャ
458マチカネタンホイザ
569レガシーワールド
6814メジロパーマー
722セキテイリュウオー
846ライスシャワー
933ベガ
1045ウィッシュドリーム
11711ウイニングチケット
1211エルカーサリバー
13610エルウェーウィン
1457ホワイトストーン

ウマ娘編集

↑史実(フジテレビ)との比較動画


アニメ『ウマ娘プリティーダービー』では、トウカイテイオーがメインキャラクターということもあり、このレースが描かれた。


第1期では、OPアニメにて描かれ、ビワハヤヒデに競り勝ち嬉し涙を流すトウカイテイオーのシーンがあった。

また、13話では、新たにナイスネイチャが加わっている。


第2期では、13話(最終回)で描かれた。

上記の通り、14頭中半分の7頭がウマ娘化されている。

残る7頭はレガシーワールドがレリックアース、ベガがペラのように変名で登場している(なお、ベガはゲーム版ではハープアルファの名前で同期の牝馬クラシックのライバルであるユキノビジンのシナリオに登場する)。


実況の台詞はフジテレビから流用したもの。


その他編集

トウカイテイオーは364日ぶりにGⅠを勝利したが、前走からのブランクは現在でも最長である。


ナイスネイチャは前々年、前年に続いて3年連続で3着を記録。ちなみに翌年は5着で3着はライスシャワーだった。


2023年5月30日にナイスネイチャが35歳で死去したことに伴い、出走した14頭はすべてこの世を去った。


田原成貴騎手も後に東スポYouTubeチャンネルのインタビューに答えた。


関連タグ編集

有馬記念


【前回】1992年/第37回 優勝:メジロパーマー


【次回】1994年/第39回 優勝:ナリタブライアン

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