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2000年 有馬記念

勝ち続けると、すべての馬が敵になる。

その馬は、完全に包囲された。

道は消えたはずだった。


テイエムオペラオー


お前はなぜ走れたのか。

『年間全勝のレジェンド』

その戦いに、人は夢を見る。

さぁ、夢を見よう。

(2013年 The LEGENDシリーズより)


概要編集

20世紀最後を締めくくる伝説のレースとなったGI「有馬記念」。


王道GⅠ4戦(天皇賞(春)宝塚記念天皇賞(秋)ジャパンカップ)と前哨戦のGⅡ3戦(京都記念阪神大賞典京都大賞典)を全て勝利したテイエムオペラオー和田竜二が、年間無敗で前馬前人未到の「年間王道グランドスラム」を懸けて挑んだ。


しかし、そこには見たこともない景色が広がっており…

データ編集

開催日2000年12月24日
開催地中山競馬場
距離芝2500m
天気
馬場

出走馬編集

(馬齢は旧表記)

枠番場番馬名性齢騎手人気
11ツルマルツヨシ牡6藤田伸二4
12マチカネキンノホシ牡5岡部幸雄7
23ホットシークレットセ5横山典弘8
24ナリタトップロード牡5的場均3
35ジョービッグバン牡6山田和広11
36トーホウシデン牡4田中勝春5
47テイエムオペラオー牡5和田竜二1
48ユーセイトップラン牡8中舘英二16
59ゴーイングスズカ牡8芹沢純一11
510キングヘイロー牡6柴田善臣9
611ステイゴールド牡7後藤浩輝10
612ダイワテキサス牡8蛯名正義13
713メイショウドトウ牡5安田康彦2
714アドマイヤボス牡4武豊6
815アメリカンボス牡6江田照男15
816メイショウオウドウ牡6河内洋12

本番前の動き編集

一番人気のテイエムオペラオーは、年間無敗、重賞8連勝、古馬王道完全制覇など様々な偉業達成を背負った状態だったが、当日の朝になって頭をぶつけてしまい、鼻出血+片目が見えないというかなりのハンデを背負う形となってしまう。


レース展開編集

逃げ馬のホットシークレットが出遅れた上、オペラオーの連勝を阻止しようと各騎手がオペラオーをマークした結果、オペラオーが四方を囲まれるという異様な光景に。素人目に見ても明らかに様子がおかしく、馬群が向こう正面に来た際には観客席から「ふざけんな~!」という怒号が飛ぶ程の状況だった。

(たまにこれを「社台包囲網」と形容する場合があるが、社台グループの馬は数頭だけな上、眼に見えた包囲の指示を出すなんて八百長をけしかければ競馬界から追放されることは想像に難くなく、半ば言いがかりに近い)

そのあまりにも苛烈な状況は、オペラオーの馬主である竹園氏も「馬も騎手も涙が出るほど可哀そうだった」と語るほどであった。


↑【フジテレビ版】 実況:堺正幸


【第4コーナー中間より】


第4コーナー中間地点を過ぎている!

さあ!和田がグイグイグイグイ押している!

和田がグイグイグイグイ押している!

さあ!真ん中第四コーナー!

外の方から早くも、ナリタトップロード!的場!

そしてそのアウトコースにダイワテキサス!

さあ、テイエムオペラオーはどうするんだ!

テイエムはどうする!

残り310mしかありません!

外の方からダイワテキサス!そしてナリタトップロード!

ダイワテキサス、ナリタトップロード!

さあ、ダイワテキサスかナリタトップロードか!

内々にアメリカンボスも突っ込んで来ている!

残り200を切った!残り200を切った!

テイエムは来ないのか!?テイエムは来ないのか!?

テイエム来た!テイエム来た!

テイエム来た!!テイエム来た!!

テイエム来た!!!テイエム来た!!!

抜け出すか!?メイショウドトウと!

テイエム!テイエム!!

テイエムかー!?テイエムかーわずかにテイエムかー!?





凄い苦しい競馬ですが……ウッ!

わずかに、ジャパンカップではありませんが、

わずかに抜け出した感じがいたしましたが…


レース結果編集

着順馬名着差(タイム)単勝
1テイエムオペラオー2:34.11.7
2メイショウドトウハナ6.8
3ダイワテキサス3/481
4キングヘイロー1/239.9
5アドマイヤボスハナ19.3

結末編集

最終直線に入ってもなおオペラオーは馬群に揉まれ、和田騎手も半ば諦めるほどの絶望的な状況だった。そんな中でオペラオー自身が自力で隙間を見出して強引に突破。盟友メイショウドトウが外から上がってくるのに合わせるように抜け出し、2頭がほぼ並んでゴール板を駆け抜けた。写真判定の結果、オペラオーがわずかハナ差で先着していた。

これにより、テイエムオペラオーと和田騎手は年間王道グランドスラムを達成。更にこの年より確立された秋古馬三冠」制度の史上初となる達成例となり、褒賞金2億円を獲得した。

─────────────────

勝ち続ける。

絶対に負けない。

それがどれほど

困難なことか、

ただ彼だけが知る。


重圧に耐え、

剣戟を潜り抜け、

包囲網を打ち砕いた

その先にある未到の地を、

ただ彼だけが知る。

名馬の肖像「2018年 テイエムオペラオー(宝塚記念)」より)


余談編集

  • これがラストランとなるキングヘイローは馬ごみ嫌いなこともあり、常に馬群から離れた最後方をまわった。そして最後に溜め込んでいた末脚を爆発させ、一気に追い込んで4着入線。その上がり3Fのタイムは出走馬全16頭の中で唯一、テイエムオペラオーを上回っていた。
  • ツルマルツヨシはレース中に繋靭帯を断裂し競走中止、引退となった。当時の厩務員であり、ツヨシの余生を世話している中西繁夫氏は「最後のレースは脚元に不安を残したまま出走させた人間の欲が原因。可哀想なことをした」と語っている。

関連タグ編集

競馬 有馬記念


JRAの本気(CM) ウマ娘JRA・CM再現リンク

JRAの2013年CMシリーズ「The LEGEND」に本レースが採用された)


【前回】第44回(1999年)優勝:グラスワンダー

【次回】第46回(2001年)優勝:マンハッタンカフェ

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