プロフィール
生年月日 | 1988年4月11日 |
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英字表記 | Scarlet Bouquet |
性別 | 牝 |
毛色 | 栗毛 |
父 | ノーザンテースト |
母 | スカーレットインク |
母の父 | クリムゾンサタン |
生産 | 社台ファーム(北海道千歳市) |
調教師 | 伊藤雄二(栗東) |
主戦騎手 | 柴田政人、武豊、千田輝彦など |
競走成績 | 21戦6勝 |
獲得賞金 | 3億1175万円 |
父は当時の社台グループ主力種牡馬にして、1982年から日本リーディングサイアーを続けていたノーザンテースト。
母スカーレットインクはアメリカ合衆国生産・調教。母系の一族から1969年のアメリカ無敗二冠馬・マジェスティックプリンスを輩出した血統に注目され、日本に繁殖牝馬として輸入された。
のちに、スカーレットブーケをはじめとする娘たちの子孫から多数の重賞馬が輩出され、「スカーレット一族」と呼ばれる牝系が形成されることとなる。
全姉のスカーレットリボン(1985年生)は報知杯4歳牝馬特別(GⅡ、現:フィリーズレビュー)勝ち馬。同じく全姉のスカーレットローズ(1987年生)の孫に、エルコンドルパサーの代表産駒にしてGⅠ・JpnⅠ計9勝を挙げたヴァーミリアンがいる。
※本記事の表記は旧馬齢表記(現在の表記より+1歳)を用いる。
競走馬時代
1988年4月11日誕生。両親ともに栗毛であり、身体は小さいがとても頑健な父ノーザンテーストと、わずか1戦0勝で引退したものの力の強さと気性の荒さを持つ母スカーレットインクの長所を受け継ぎ、筋肉質な好馬体とレース向きな気の強さを持って生まれた。顔には鼻まで通る大きな白斑があり、父の雰囲気をよく伝えていた。
1990年7月、栗東・伊藤雄二厩舎からデビュー。新馬戦を5馬身差圧勝すると、2戦目の札幌3歳ステークス(GⅢ、現:札幌2歳ステークス)で早くも重賞初制覇。
しかしその後はソエ(骨膜炎、成長途上の競走馬の脚に過負荷がかかることで起こりやすい炎症)を発して調教が進まず連敗、3歳を4戦2勝で終えた。
1991年(4歳)、1月のクイーンカップ(GⅢ)で重賞2勝目を挙げ、牝馬三冠戦線に挑む。しかし、桜花賞はシスタートウショウの4着、オークスはイソノルーブルの5着、エリザベス女王杯(注:当時秋華賞はまだなく、女王杯が牝馬三冠の最終戦)はリンデンリリーの3着にそれぞれ敗れた。
1992年(5歳)、2月の京都牝馬特別(GⅢ、現:京都牝馬ステークス)・3月の中山牝馬ステークス(GⅢ)と連勝し、重賞計4勝。
その後春から秋は勝ち星が伸びずも、12月のターコイズステークス(当時OP、現GⅢ)を58kgのトップハンデを背負いつつも勝利。心身の疲労から、これを最後に現役を引退した。
繁殖牝馬時代
引退後、故郷の社台ファームで繁殖牝馬となり、1994年~2010年の間に14頭の仔を出産。
その中から、
- ダイワルージュ(5番仔・1998年生、父サンデーサイレンス)
19戦3勝。新潟3歳ステークス(2000)勝利。引退後は母としてダイワファルコン(2012・13年福島記念連覇)を産んだ。
- ダイワメジャー(7番仔・2001年生、父サンデーサイレンス)
28戦9勝。皐月賞(2004)、天皇賞秋(2006)、マイルチャンピオンシップ連覇(2006・07)、安田記念(2007)のGⅠ5勝。種牡馬としても8頭のGⅠ級優勝馬を輩出。
12戦8勝。桜花賞・秋華賞・エリザベス女王杯(2007)、有馬記念(2008)のGⅠ級4勝。デビューからの12戦連続連対(2着以内)はJRA所属牝馬の最高記録。
と、3頭の重賞馬を産んだ。特に2007年有馬記念で兄妹対決も果たしたダイワメジャー・ダイワスカーレット兄妹の母として名高く、きょうだい合計GⅠ・JpnⅠ9勝は、オリエンタルアートの産んだドリームジャーニー・オルフェーヴル兄弟と並ぶ記録である。
繁殖も退いた後は功労馬として健康に過ごし、2018年7月12日に老衰のため30歳で大往生を遂げた。