概要
芝・牡馬
この世代は競馬人気復権の立役者・ディープインパクト1強であった。ディープインパクトは競走馬としてもクラシック三冠などGⅠ7勝を挙げ国内では負け1度のみと圧倒的な強さを誇り、種牡馬としてもG1馬だけで国内外数十頭という凄まじい成績を残した。
芝・牝馬
この世代のティアラ路線では福永祐一騎手が存在感を示した。桜花賞をラインクラフトで勝つと、オークスでは桜花賞2着のシーザリオで勝利し、異なる馬で2冠を獲得。ラインクラフトは桜花賞後NHKマイルCへ向かい変則二冠達成した一方、シーザリオもオークス後アメリカンオークスへ遠征して完勝、日本馬初の米国G1勝利かつ福永騎手初の海外G1勝利を成し遂げた。
秋華賞ではシーザリオが故障で戦線離脱。そのため桜花賞馬のラインクラフトが一番手に挙がっていたが、桜花賞4着、オークス2着と勝ちきれずにいたエアメサイアが逆襲。見事に最後の一冠を勝ち取り、三冠を分け合った。
ただ、この世代の牝馬はラインクラフトが4歳で亡くなり、シーザリオもアメリカンオークス後に繋靭帯炎で引退、エアメサイアも古馬戦でなかなか勝ち切れず、爪の不安と所属厩舎の解散などで早々と引退したため、クラシックに特化した世代といったところである。
しかし、彼女らと共に駆け抜けたデアリングハートはG1こそ勝ちきれなかったが、その後も芝・ダートを問わずに好成績を残し、クラブ規定の引退馬齢まで長きに渡って活躍を残した。
ダート
エルコンドルパサーの代表産駒にしてスカーレット一族出身、ダートで中央地方併せてGI/JpnⅠ9勝のヴァーミリアンと、金子氏保有であることから砂のディープインパクトと称されたカネヒキリが競いながらG1/Jpn1勝ちを重ね、スマートファルコン・エスポワールシチーの登場まで2強を形成して長期政権を築いた。他にもボンネビルレコードやフジノウェーブなどがJpn1を勝利。
障害
2022年現在でグレード制導入後唯一中山大障害を3歳で制したテイエムドラゴンを皮切りに中山大障害を5連覇し、中山グランドジャンプではカラジと激闘を繰り広げた世代。4頭が計6度J・G1を制覇した障害の黄金世代であった。
国内その他
トウカイトリックやフジノウェーブ、ボンネビルレコードなど現役を長く続けた馬が多いことでも知られる。
海外
欧州
ヨーロッパで活躍した凱旋門賞馬ハリケーンラン、香港ヴァーズ連覇など世界各地を転戦したドクターディーノなどが活躍。早世したドバイミレニアム産駒唯一のGI馬となったドバウィもこの世代。
米国
勝利したG1
古馬G1の勝利は長距離・グランプリでのディープインパクトやダートが目立った反面、他の分野では前後の世代が台頭していた。
2-3歳
全日本2歳優駿 | プライドキム |
---|---|
朝日杯FS | マイネルレコルト |
阪神JF | ショウナンパントル |
皐月賞 | ディープインパクト |
日本ダービー | ディープインパクト |
菊花賞 | ディープインパクト |
桜花賞 | ラインクラフト |
オークス | シーザリオ |
秋華賞 | エアメサイア |
NHKマイルC | ラインクラフト |
ジャパンダートダービー | カネヒキリ |
ダービーグランプリ | カネヒキリ |
古馬
短距離 |
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マイル | |
中距離 |
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長距離 |
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牝馬限定 | |
ダート |
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障害 |
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海外 |
代表馬
馬名 | 性別 | 勝利レース |
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ディープインパクト | 牡 | 牡馬クラシック3冠(皐月賞、日本ダービー、菊花賞)など |
ヴァーミリアン | 牡 | ジャパンカップダート/フェブラリーSなど |
カネヒキリ | 牡 | ジャパンダートダービー/ダービーグランプリ/フェブラリーS/川崎記念など |
スズカフェニックス | 牡 | 高松宮記念 |
トウカイトリック | 牡 | |
エイシンデピュティ | 牡 | 宝塚記念 |
ラインクラフト | 牝 | 桜花賞/NHKマイルカップ |
エアメサイア | 牝 | 秋華賞 |
ディアデラノビア | 牝 | |
デアリングハート | 牝 | |
シーザリオ | 牝 | オークス/アメリカンオークス |
マイネルレコルト | 牡 | 朝日杯FS |
プライドキム(大井) | 牡 | 全日本2歳優駿/クラスターカップ |
ボンネビルレコード(大井) | 牡 | かしわ記念/帝王賞 |
フジノウェーブ(大井) | 牡 | JBCスプリント |
テイエムドラゴン | 牡 | 中山大障害史上2頭目、グレード制導入後初の3歳制覇 |
マルカラスカル | 牡 | 中山大障害・中山グランドジャンプ |
メルシーエイタイム | 牡 | 中山大障害。同レースで3歳から5年連続連対 |
キングジョイ | 牡 | 中山大障害2連覇 |
アドマイヤジャパン | 牡 | 京成杯 |
キングスゾーン(名古屋) | 牡 | サマーチャンピオンなど重賞11勝 |
外国馬
馬 | 性別 | 主な勝利レース |
---|---|---|
ハリケーンラン | 牡 | 凱旋門賞 |
シンハリーズ | 牝 | デルマーオークス |
ドクターディーノ | 牡 | 香港ヴァーズなど |
ドバウィ | 牡 | アイルランド2000ギニーなど |
シャマルダル | 牡 | セントジェームズパレスS/仏2000ギニーなど |
アフリートアレックス | 牡 | プリークネスS/ベルモントSなど |
ウマ娘プリティーダービーでの活躍
以下の競走馬がウマ娘として登場している。05世代(ウマ娘)も参照。
この世代のウマ娘が長らく存在しなかったが、ゲーム版メインストーリー2部1章がこの世代のティアラ路線を舞台に設定されたことで、2024年2月にこの4名が一挙に登場した。