アパパネ
あぱぱね
可憐な翼を、大きく広げて
ハワイ諸島に生息する赤い鳥の名を関したアパパネ。
春には桜と樫の樹上に飛来し、秋には大輪の花をついばむ。
伝説となった赤き翼は、さらなる高みをめざし羽ばたいて行く。
≪『ヒーロー列伝』No.70≫
伝説の序章
まずひとつ。
そうだこれは
最初の1ページ
まだ序章にすぎない。
聡明かつ勇敢
毅然として優雅
そして負けず嫌いの
ヒロインが紡ぐ
華麗なる伝説が
幕を開ける。
≪『名馬の肖像』2017年阪神ジュベナイルフィリーズ≫
2007年4月20日生まれ(10世代)、父キングカメハメハ母ソルティビッド。通算19戦7勝。国枝栄厩舎。
2009年デビュー、阪神ジュベナイルフィリーズを制し最優秀2歳牝馬を受賞。
2010年の牝馬クラシック戦線でスティルインラブ以来7年ぶり3頭目の牝馬三冠を達成。最優秀3歳牝馬受賞。そのうち、優駿牝馬はサンテミリオンとの史上初GⅠ同着優勝となった。
なお、2歳GⅠを含む三冠達成は、牝馬ではアパパネ以外では2023年のリバティアイランドまで現れず、牡馬を含めてもナリタブライアン(朝日杯3歳ステークス)とコントレイル(ホープフルステークス)だけである。
2011年のヴィクトリアマイルでは、前年の年度代表馬ブエナビスタの猛追を凌ぎ優勝、GⅠ5勝を達成。
牝馬3冠馬が古馬になってからは初勝利記録・初GI勝利記録となった。
6つある牝馬限定GⅠのうち、エリザベス女王杯を勝てば完全制覇となるが、2010年と2011年はいずれもスノーフェアリーの3着に敗れた。
2012年も現役を続行するが、9月13日に屈腱炎を発症し、エリザベス女王杯を勝てないまま無念の引退となった。
重賞勝利の全てがGIレースであった。
繁殖牝馬としては、2016年より産駒が走っており、4番仔のアカイトリノムスメが2021年にクイーンカップ(GⅢ)を勝利し、産駒初の重賞制覇を達成。
アカイトリノムスメは牝馬クラシックに挑み桜花賞はソダシの4着、優駿牝馬はユーバーレーベンの2着に敗れたものの、最後の一冠の秋華賞でソダシとユーバーレーベンをまとめて破り、アパパネとの母娘制覇を達成した。
牝馬3冠馬としては史上初の産駒による親子重賞制覇・親子GI制覇を達成。
なお、産駒はみんな黒鹿毛である。