概要
『ウマ娘プリティーダービー』に登場するウマ娘であるニシノフラワーとセイウンスカイのカップリング。「空花」とも。
後述する通り、モデル馬は同じ牧場出身の先輩後輩であり(ニシノフラワーが6歳年上)、しかも直接の産駒を残している。
また、ウマ娘のコンテンツ展開と同時期に、2頭の血を引く競走馬ニシノデイジーがデビューしており、セイウンスカイが髪に黄色いデイジー(ヒナギク)の花のヘアピンを差しているなど、これをオマージュした演出も見られる。
ウマ娘内では、飄々とした掴みどころのない態度や言動で周囲を煙に巻くセイウンスカイと、誰にでも優しく面倒見のよい優等生のニシノフラワーという組み合わせで、良き友人同士という関係。
ニシノフラワーは飛び級でトレセン学園への入学を果たした天才少女という設定なので、モデル馬とは年齢関係が逆転している。
漫画
『うまよん』第61話「デイジーの咲く公園で」(2019年5月24日公開)は、レースに敗れ落ち込むニシノフラワーをセイウンスカイが一面の花盛りの公園へと誘い慰める、という内容だった。この公開直後、5月26日の第86回東京優駿(日本ダービー)にて、ニシノデイジーは13番人気から5着の掲示板確保と健闘し、競馬ファン兼ウマ娘ファンの間でちょっとした話題となった。
ゲーム
またアプリ版では、2021年4月15日に実装されたニシノフラワーのSRサポートカード[あなたにささげる]は、デイジーで作った花冠をニシノフラワーがセイウンスカイに被せるというカードイラストである。
アグネスタキオンの新薬治験に使われそうになっているニシノフラワーを、セイウンスカイが陰ながら助けるという新カードイベントも追加されている。
他にもスカイ側からのアプローチが描かれている例がある。二人一組でデートを組んで挑むダンスパーティー「リーニュ・ドロワット」を描いたイベント今宵、リーニュ・ドロワットでの際に追加されたシナリオ群では、ニシノフラワーをデートに誘ったが断られたことが語られている。アプリ内で描写されたほとんどのデートはライバル同士や因縁の相手同士で構成されていたことを考えると、セイウンスカイがニシノフラワーのことを如何に大切に思っているかがうかがえる。
また、ニシノフラワーの新衣装Sweet_Juneberryのホーム画面での台詞には、「スカイが無意識で尻尾を巻き付けてきた」旨が語られている。尻尾ハグの意味合いを理解した上で台詞を聞くと、その行為が持つ意味合いが想像できるだろう。
アニメ
アニメ3期10話では聖蹄祭で出店を楽しむ二人が登場した。
史実では
ニシノフラワー(1989~2020)・セイウンスカイ(1995~2011)とも、北海道の西山牧場生まれの馬であり(西山牧場は、馬の生産牧場かつ馬主でもある「オーナーブリーダー」)、1990年代の同牧場のまさに両輪というべき活躍馬である。生まれ年が6つ離れていることもあり、互いの現役時に同じレースで戦ったことはない。
2003年、ニシノフラワーはセイウンスカイとの子である牝馬「ニシノミライ」を産んだ。彼女自身は競走馬としては勝てなかったが、繁殖牝馬として複数の子を残し、2頭の血を現代に繋げている。そして
アグネスタキオン × ニシノミライ ⇒ ニシノヒナギク(牝)
ハービンジャー × ニシノヒナギク ⇒ ニシノデイジー(牡)
という血統で生まれたのがニシノデイジー(2016年生)である。すなわち、セイウンスカイとニシノフラワーのひ孫に当たる。GⅢの札幌2歳ステークス、東京スポーツ杯2歳ステークスと平地競走で重賞2勝を挙げた後に障害競走に転向。2022年暮れの中山大障害ではこれが引退戦であった障害界の絶対王者オジュウチョウサンらを相手に勝利を挙げ、セイウンスカイ・ニシノフラワーの双方にとって子孫で唯一のG1勝ち馬となっている。
2011年、セイウンスカイは馬房で頭を強打して事故死。
その後もニシノフラワーは西山牧場をまさにゴッドマザーとして支えたが、2020年に31歳で大往生を遂げた。
現在、北海道日高町の西山牧場敷地内に、2頭は並んで眠っている。
セイウンスカイの墓には
「青雲の空を 駆け抜けた稲妻よ 永遠なれ」
ニシノフラワーの墓には
「天才少女から偉大な母へ 西山牧場を救った名牝へ 感謝を込めて」
とそれぞれ刻まれている。
公式(?)の反応
西山牧場の現オーナー(2024年現在)である西山茂行氏はTwitter上で積極的に情報発信をしている。ウマ娘関連の話題にも好意的な反応を寄せており、
- あるユーザーのフラウンスについてのツイートに「わしが作った🤣」
- 「ゲームをプレイしてみては」との投稿には「(後述する)娘の仕事と言うことで😅」
...と、とにかくフラウンスの話をしてると気軽に出てくる。
また、茂行氏の娘・たろう氏はフラウンスの強火オタクとして知られており、一ユーザーとしてウマ娘を楽しんでいる。ゲーム版をプレイしてとことんやり込む、ライブに参戦する(むろんサイリウムはセイウンスカイとニシノフラワー柄である)、そしてフラウンスが供給される度に死んでいることから、他ユーザーからは「フラウンス村の村長」という評価が定着しつつあり、供給があるたびに心配する声がリプライ欄にあふれる。
一方、「ファングッズ」として投稿した画像に当時モノの本物の資料が交ざっていたりとこちらもかなり濃い。
親子で会話していることもたまに見られ、例としてニシノフラワーのシナリオで産駒の名前が登場した際にたろう氏が「聞いたことあるような名前たちですわ」とつぶやき、それに茂行氏が「全部わしが命名した。」と切れ味満点の回答を送っている。
このことから西山オーナーが村長あるいは名誉村長でたろう氏は副村長という意見もある。その他にも西山オーナーはフラウンスの仲人と称されることも。
ライバル?
アグネスタキオンとは三角関係にも見えるが、誰にでも優しいニシノフラワーはタキオンにも真摯に対応している(今のところこの2人のカップリングタグはない)。
また、アプリ版でニシノフラワーのサポートカードを起用する場合の目当ての一つである全レアリティ共通イベント「温もり愛情弁当」(絆ゲージの伸びがよくなる「愛嬌○」を得られるため、早期に発生すると育成スピードが大きく向上する)の相手役はタキオンである。
こうした絡みがあるのは、史実において上述のニシノデイジーとの関係以外に、ニシノフラワーはアグネスタキオンとの間にも直接子を残しているためであろう。二頭の間に生まれた牝馬「ニシノマナムスメ」は、ニシノフラワーの母系を受け継ぐもう一頭の繁殖牝馬となっている。
関連イラスト
余談
上述のアグネスタキオンとの絡みについて、「タキオンに危険な実験を仕掛けられようとするフラワーをスカイが頭脳プレイで撃退」するイベントが存在する。
このようなモデルが牡馬×牝馬にあたるCPの牝馬側が他の牡馬モデルのウマ娘にちょっかいを出された時に、「彼女に手を出すな!」と言わんばかりに何かしらの形で制止に入る展開を見せるのは、現時点で本CPを除けばタキスカぐらいである。
(もっともタキスカの方は史実関係が親子のため、「娘に近づく男許さないマン」に近いが)