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パーソロン

ぱーそろん

1960年アイルランド生まれの競走馬。引退後、日本で種牡馬として成功した。代表産駒にシンボリルドルフ、メジロアサマ、サクラショウリなど。
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プロフィール編集

生年月日1960年
死没1985年10月5日
生国アイルランド
調教国アイルランド
英字表記Partholon
性別
毛色鹿毛
マイリージャン
パレオ
母の父ファリス
競走成績14戦2勝

馬名はケルト神話に伝わる民族パーソロン族に由来する(参考:フォモール族)。

父系はエクリプス系・マッチェム系と並ぶ三大父系のひとつにして、現在では非常にレアな血統となっているヘロド系に属する。パーソロンの4代父(高祖父)が1931年のジョッケクルブ賞(フランスダービー)を制したトゥールビヨン。


母父ファリスは1939年、デビュー2戦目でジョッケクルブ賞を制覇、さらにパリ大賞典(GⅠ)と3連勝を挙げた。しかし第二次世界大戦の勃発による競馬興行の中止でその後の出走がかなわず引退を余儀なくされ、フランスでは戦前の伝説的な優駿として語られる存在である。


生涯編集

1962年、アイルランドでデビュー。生涯成績は14戦2勝、主要勝ち鞍は同国の2歳GⅠ・ナショナルステークス。


引退後の1964年シンボリ牧場二代目代表の和田共弘と、後にメジロ牧場を設立する馬主の北野豊吉が資金を出し合って購入、種牡馬として日本に輸入された。


1970年、2世代目産駒のメジロアサマ天皇賞(秋)を制し、産駒初の八大競走勝利。

1978年にはサクラショウリ東京優駿を制覇。

1981年生まれの代表産駒シンボリルドルフクラシック三冠達成に加え、有馬記念2連覇、天皇賞(春)ジャパンカップを制し「七冠馬」「皇帝」と讃えられた。


牝馬でも、4頭の優駿牝馬優勝馬と2頭の桜花賞優勝馬を輩出。特に優駿牝馬では、1971年1974年まで産駒が4年連続優勝を果たした。

1971年1976年日本リーディングサイアー。


1985年も種牡馬として現役であったが、10月5日に悪性腫瘍により死去(25歳)。


死後、その功績を讃え日高シンボリ牧場沙流郡日高町)に銅像が建てられたほか、シンボリ牧場代表の和田共弘が氏子であった島根県大田市の物部神社にも神馬像としてパーソロン像が奉納されている。


繁殖成績編集

主な産駒編集

1966年生:メジロアサマ(天皇賞(秋)安田記念)

1968年生:ナスノカオリ(桜花賞)

1968年生:カネヒムロ(優駿牝馬)

1969年生:タケフブキ(優駿牝馬)

1969年生:トクザクラ(朝日杯3歳ステークス)

1969年生:ノボルトウコウ(スプリンターズステークス)

1970年生:ナスノチグサ(優駿牝馬)

1971年生:トウコウエルザ(優駿牝馬)

1973年生:ボールドシンボリ(朝日杯3歳ステークス)

1973年生:スカッシュソロン(安田記念)

1975年生:サクラショウリ(東京優駿宝塚記念)

1977年生:スイートネイティブ(安田記念)

1981年生:シンボリルドルフ(皐月賞・東京優駿・菊花賞有馬記念2回・天皇賞(春)・ジャパンカップ顕彰馬)

1981年生:ダイアナソロン(桜花賞)


主なブルードメア産駒編集

1973年生:ディアマンテ(父トピオ、エリザベス女王杯)

1974年生:カネミノブ(父バーバー、有馬記念)

1976年生:ビンゴガルー(父デュール、朝日杯3歳ステークス・皐月賞)

1982年生:シリウスシンボリ(父モガミ、東京優駿)

1985年生:シンボリクリエンス(父モガミ、中山大障害2回)

1986年生:ライトカラー(父ヤマニンスキー、優駿牝馬)

1991年生:ポレール(父エブロス、中山大障害3回)

1994年生:メジロドーベル(父メジロライアン阪神3歳牝馬ステークス・優駿牝馬・秋華賞・エリザベス女王杯2回)

1995年生:アインブライド(阪神3歳牝馬ステークス)


パーソロン系とは編集

パーソロンを祖として広まった日本の父系をパーソロン系と呼ぶ。

当初はパーソロンの競走成績から適性は短距離と見られており、メジロアサマが3200メートルだった天皇賞(秋)に出走した際は大橋巨泉が「パーソロン産駒じゃ無理だよ」と言ったが、勝利によりその先入観を覆すこととなった。

産駒には気難しく気性の荒い馬が多かった。


メジロアサマからはメジロティターンメジロマックイーンと天皇賞父子孫3代制覇、サクラショウリからは1987年の皐月賞・菊花賞を制したサクラスターオー、シンボリルドルフからは1991年の皐月賞・東京優駿を制したGⅠ4勝のトウカイテイオーなどが続く。

パーソロンの血は1970~90年代の日本競馬を大いに沸かせた。


しかし、サクラスターオーは87年有馬記念のレース中に故障を生じ競走中止、懸命の治療も甲斐なく翌年5月に安楽死措置がとられた。

またメジロマックイーンの牡馬代表産駒であるホクトスルタン(目黒記念)も2012年、レース中の故障で予後不良となる。

トウカイテイオー産駒では、トウカイポイント(マイルチャンピオンシップ)はセン馬であり、ストロングブラッド(かしわ記念)は種牡馬入りせず去勢した。

他にも種牡馬入りしていたパーソロン系の牡馬はいたがサイアーラインは伸びず、2010年代には血統は急速に縮小。


その後、名馬の血を繋ぎたいと考える競馬ファンの手によって、マックイーン産駒現役最後の競走馬であるギンザグリングラス(2005年生)が種牡馬入り。またクラウドファンディングによってトウカイテイオー産駒のクワイトファイン(2010年生)も種牡馬入りした。

パーソロン系はおろか、ヘロド系全体も世界的に風前の灯という状況の中、父系を残す取り組みが行われている。

2023年12月22日にギンザグリングラスが死去したことにより、日本で供用されているヘロド系、ひいてはパーソロン系種牡馬はクワイトファインただ1頭のみとなった。


関連項目編集

競馬 競走馬 種牡馬

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