「ただ見たいだけ……。誰もいない先頭の景色を」
プロフィール
キャッチコピー | 静かなる疾走者。音速の先をめざして |
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誕生日 | 5月1日 |
身長 | 161cm |
体重 | 増減なし |
スリーサイズ | B70・W53・H79 |
靴のサイズ | 左:23.5cm 右:23.0cm |
学年 | 高等部 |
所属寮 | 栗東寮 |
得意なこと | 走り続けること |
苦手なこと | 人の多い場所 |
耳のこと | 走る事を考えていると、たまに何も聞いてない |
尻尾のこと | 空気抵抗を減らすため手入れを欠かさない |
家族のこと | シューズ用にとお小遣いを増やしてくれた |
マイルール | ホットミルクには蜂蜜をひとさじ入れる |
スマホ壁紙 | 猫のキャラクターの壁紙 |
出走前は… | 初めて走った時の心地よさを思い返す |
得意科目 | - |
密かな自慢 | - |
よく買う物 | - |
ヒミツ | ①ペン回しが得意 / ②同じシューズを何足もストックしている |
自己紹介 | サイレンススズカです。走るのが好きです。先頭は、誰にも譲りません。えっと…………その、以上です |
CV | 高野麻里佳 |
スタート直後から先頭に立ち、そのまま独走する『大逃げ』を得意とする天才肌。
物静かでストイックだが、他者を嫌っているわけではなく、ただ走ることに心を奪われているだけである。スペシャルウィークと同室の先輩で、その透明感に憧れる者は多い。
(公式ポータルサイトより)
(リニューアル前)
無口で物静か。不思議な透明感と、どこか影のある憂いを秘めたクールな美少女。
走る以外の興味関心が薄く、ひたすらストイックにトレーニングに打ち込む姿は、まるで悲劇のヒロインを思わせる。
ソロ曲
その優しさどうかあなたの心のためとっておいて
『 Silent Star 』
作詞:Cygames (corochi) 作曲・編曲:田中秀和 (MONACA)
追い風も向かい風も味方になるから
『 七色の景色 』
作詞・作曲:瀧田綺美 編曲:中西亮輔
概要
メディアミックス作品『ウマ娘プリティーダービー』に登場するウマ娘の一人。彼女のモチーフとなったサイレンススズカ号は、やんちゃ坊主な一面もあった一方大逃げ戦法でその名を馳せた逃げ馬として知られる。
競走相手を突き放す圧倒的な逃げ足はそのままに、目の前の物事からは逃げず、直向きで真面目な求道者として描かれている。元ネタが元ネタだけに、儚げな雰囲気を纏ったヒロイン格として独特の存在感を示す。
走ることが大好き。本人曰く、先頭で「自分だけの景色」を味わうのが好きなのだとか。練習でも時間を忘れて走り込んでしまうほどで、夢中になり過ぎてしばしば門限破りや遅刻などをやらかし、トレーナーや友人のエアグルーヴに心配されている。逆に雨やケガなどで外を走れない日が続くと、ノイローゼ気味になってしまう。
その走りへのストイックさ故に、『ハチャウマ』のストーリーモード冒頭ではモブウマ娘に「スズカさんってレース以外興味ないと思ってた」とまで言及される程トレセン内外でその走りへの執着は有名の様である。
学業成績は赤点を取らない程度ではあるが、イベントでエアグルーヴが勉強の面倒を見ていたり、小テストの点数が低くて注意されると言っているなど、平均かその下辺りのようである。
同室のスペシャルウィークや同期のタイキシャトル・マチカネフクキタルなど、マイペースでどこか常識が通用しない友人が多く、基本的に受け身のスズカが振り回されてツッコミ役に回ることも多々あるが、スズカ自身も大概走ることしか考えていないため、相対的に常識人に見えるだけで周囲に負けず劣らず天然気質。
好物はいちご大福。バレンタインイベントで条件を満たした時にはトレーナーとの二人分を持ってきたり、ファン感謝祭イベントでも走ることに並んで好きなものとして挙げている。中でも、ゴルシにものまねのネタを振られて咄嗟に“いちご大福のポーズ”を繰り出した際には話題を呼んだ。
後に行われたファミリーマートとのコラボレーションでは、ついに商品化までされてしまった。
容姿・デザイン
流星は横になってヘアバンドに、やはりと言うかイメージカラーはメンコの緑色。サイレンススズカ号が後頭部に付けていた球状の飾りは右耳のアクセサリーになっており、左のこめかみ付近には四芒星形の髪飾りを付けている。
『ウマ娘』では群を抜いたスレンダー体型の持ち主で、これには元ネタに冠された「最速の機能美」というキャッチコピーを思い起こす者も多い。なお、スズカ本人も起伏の少ない体型については自覚しているようで、アプリ版の一コマ漫画では「スズカのほうがゲート広いデース!!」と訴えるタイキシャトルを何とも言えない表情でなだめている。
アプリゲーム版での名称は「サイレントイノセンス」。
史実のサイレンススズカ号の馬主で「スズカ」などの冠名で知られる永井啓弐氏の勝負服「緑、黄袖緑一本輪」をモチーフとして、白を基調に緑と金色が鮮やかに映えるフォーマルな印象のセーラー服調のもの。
黒っぽい手袋を着用し、胸元には金色に輝く星型の飾りと黒のリボンがあしらわれている。紫色のタイツにほぼ同色のショートパンツを重ねているため、アプリ内で判別できる場面は少ない。緑のリボン飾りの付いたストラップシューズは、右後肢の長白に由来して左足が緑・右足が白と色違いになっている。
なお、原案の立ち絵(右側のイラスト)ではこれに加えて緑色のケープを羽織っているが、アプリ版やアニメでは省略されている。
2023年のイベントストーリー第28弾『夏の陽は、青く凪ぐ』にて登場した水着姿。
- 私服(アプリゲーム版)
うまゆる衣装
アニメ作品『うまゆる』で一度見せた衣装。所謂総長としての姿なので普段とは打って変わってヤ◯ザめいたファッション。彼女には珍しくサングラスも付けている。
アニメ衣装(Season3)
アニメ版のSeason3のエンディングで着ている衣装。緑色で胸には「SPICA」の文字が書かれている。
執事服
第10話のトレセン学園地域合同イベントにてチームスピカの執事服喫茶を開いた際に着た衣装。ロングな彼女にしては珍しく髪を結んでいる。また、胸元には緑色のリボンが付けられている。
マンガ版
STARTING GATE!
「走ることは私にとって当たり前のことだから」
他の媒体のスズカと比べると若干口調が荒い上に、馴れ合いを好まないなど性格的にも尖っており、口数が少ないのも相まってか入学当初は周囲の同期はおろか上級生にすら嫌われているという浮いた存在であった(本作にはタイキやフクキタルといった面々もほぼ登場しないため、スペ以前に“友人”と呼べる存在が殆どいなかったと思われる)。入学直後の頃はあのルドルフですら「相当空気を読まないヤツだった」と言及しているのが当時の状況を端的に表しているだろう。
やはり逃げウマとしての才能は抜きん出ており、その実力は寮長たちやエアグルーヴにも高く評価されていた。しかし、現在では諸々の事情があってレースそのものに出走していないらしく…?
なお、寮で同室となった転入生のスペとの親交が深まっていく中で、誤解されがちな性格も周囲に少しずつ認知されつつあるようで、本人自身も変わり始めている。
うまむすめし
第1話にて登場。本作はゲーム版リリース後ということである程度強いキャラクターも我々の知るスズカ。あまりに走り込むあまり昼休憩を何も食べておらず、見かねたスペにいちご大福をプレゼントされている。
うまよん
連載開始当初は転入生のスペシャルウィークと2人でいることが多く、序盤は毎回のように登場していた。個性豊かなウマ娘を前に他のウマ娘のツッコミに回ることが多く、ツッコむ時の代表的な台詞「ウソでしょ…」は『うまよん』におけるスズカの代名詞ともいえるほど何度も使われている。
一方、スマートファルコンに半ば強引に巻き込まれる形でウマドルユニット「逃げ切りシスターズ」の一員となっており、学園の広報としての活動も行っている。ライブもレッスンも押しの強いファル子を前になかなか断れないようで、スズカ自身もステージで申し分ないパフォーマンスを披露できてしまうことから、結局最終回まで在籍し続けた。
ゲーム版でも設定は軽く引き継がれているようで、ホーム画面ではファル子・ブルボンとメンバー会議をしている。
アニメ版
TVアニメシリーズ
Season1
第1話から登場。Season1におけるもう一人の主人公。圧倒的な走りを見せ、スペシャルウィークの憧れの存在になる。
トレセン学園の最強集団・チームリギルに所属していたが、トレーナーの指示を遵守すべしという方針に馴染めず、スペシャルウィークの転入と同時期に、個々の自由な走りを尊重するチームスピカへ籍を移す。
移籍後は、ルームメイトにもなった新入りのスペシャルウィークを見守りながらもアドバイスや特訓に付き合い、良好な関係を築いている。第4話にて宝塚記念、毎日王冠、天皇賞、7話ではジャパンカップへの出走とその後の海外遠征が決定する。
余談も余談だが、まさかの描写があり、作画ミスとも言い切れない状況だったので、「潜在能力の一端」と考える人もいる。
- 競走成績
以下ネタバレ注意
第1話ではリギルのトレーナーの指示を無視し、1000mを57秒8という超ハイペースで大逃げを打ち、そのまま最終コーナーを抜ける。後続が追い込みをかけるが、すかさずラストスパートを掛けて逃げ切り圧勝。レース後にチームスピカへの移籍が決定する(と言っても円満な形だが)。
宝塚記念を制したスズカは第6話で毎日王冠に挑む。序盤からハナを切って逃げ、このレースが復帰戦となるグラスワンダーが3コーナーあたりから叩き合いに持ち込むと、その後方のナイスネイチャが捲りをかけ、エイシンフラッシュとエルコンドルパサーもそれぞれ仕掛ける。
4コーナーを出て先頭は変わらずスズカ、その後位をグラスワンダーが追走し、外側にエルコンドルパサー、先にグラスワンダーがハイペースの先行馬の後位であったことと調整不足も相まって一杯となりズルズル後退。エルコンドルパサーが外側から追い込みをかけるが、
「どこまで行っても逃げてやる!!」(by アオシマバクシンオー)
と言わんばかりに、スズカがこれも千切って圧勝。4連勝で運命の天皇賞(秋)へ臨む。
劇中の11月1日に迎えた天皇賞(秋)、スズカは1枠1番・1番人気の“1並び”で出走。
レースはコンディション最高のスズカがいつも通りの大逃げでハナを切り、エルコンドルパサーが追走を試みるが、あまりの速さについていけずに7~8馬身ほど離され、逆に単独の2番手で逃げる態勢となる。
3コーナーの手前、1000mの標識を57秒台の超ハイペースで通過しなおも加速し続けるスズカ。彼女に競りかける者は1人もおらず勝利は確実かと思われたが、大欅の付近で不意に彼女の左足首が悲鳴を上げる……。
レースはエルコンドルパサーが勝利、競走を中止したスズカは病院で骨折の診断を受け、復帰への道をチームスピカやライバルたちに支えられながら歩むことになる。
1998年当時、多くの競馬・競走馬ファンにトラウマを植え付けた悲劇の再現となりながらも、様々な要因に救われたことで最悪の結末を避けることができたばかりか、レースへの復帰を誓う彼女の姿と、逆境の中に希望を灯す特殊ED『Silent Star』に心を揺さぶられた者は多い。
なお、史実ではこの第118回・天皇賞(秋)にエルコンドルパサーは出走しておらず(98年当時外国産馬には天皇賞(秋)を含む一部のG1レースへの出走資格がなかった)、史実における勝ち馬はオフサイドトラップ(鞍上・柴田善臣)である。
※恐らくオフサイドトラップの馬主がエルコンドルパサーの馬主と同一人物である事からの設定
第11話、天皇賞の悲劇から1年1ヶ月、リハビリを終え、ついにレースに復帰したスズカ。レース直前、トレーナーから「復帰は絶望的と医者に言われていた」ことを明かされ、「出走できるだけで十分」という見方もある中で臨んだレースでは、ブランクからかスタートで出遅れ、最後方に付ける。
4コーナーを過ぎてなおも後塵を拝していた彼女だが、大欅を横目に息を入れると、溜めていた力を爆発させて怒涛の追い込みを開始。一気に前団を交わすと先頭で粘るサンバイザーをも難なく差し、さらに突き放すかのように加速、長かった沈黙を鮮烈な勝利で打ち破る。逃げから追い込みへの変化はあれどかつての豪脚復活に誰もが歓喜した。
奇しくもアニメが作られた2018年は、史実の「沈黙の日曜日」から20年の節目。全ての競馬・競走馬ファンの「永遠に叶わぬ夢」を集結させ、実現させた演出に、涙した競馬ファンも多かったであろう。「沈黙の日曜日」を「特別な一週間」の意味を持つスペシャルウィークが助けたのは偶然か否か。
その後、海外遠征を敢行し、G1を勝利したことが13話で語られ、ウィンタードリームトロフィーへと参戦するべく帰国する。既に逃げの脚質に戻していたようだが、レースに登場したのが追い込んだ11話以来であったため、追い込み宣言で視聴者やスぺシャルウィークを惑わせるといった心理戦も見せている(レースではもちろん逃げている)。
話数 | 競馬場 | 競走名 | 格 | 距離 | 枠番/馬番 | 着順 |
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1話 | 東京 | ? | ? | ? | 8/12 | 1着 |
3話 | 中京 | ? | ? | ? | ? | 1着 |
5話 | 東京 | 東京優駿 | GI | 芝2400m | ? | 9着 |
6話 | 阪神 | 宝塚記念 | GI | 芝2200m | ? | 1着 |
6話 | 東京 | 毎日王冠 | GII | 芝1800m | 2/2 | 1着 |
7話 | 東京 | 天皇賞(秋) | GI | 芝2000m | 1/1 | 競走中止 |
11話 | 東京 | ? | OP | 芝1600m | 1/1 | 1着 |
13話 | 東京 | ウィンタードリームトロフィー | GI | 芝2400m | 1/1 | ? |
全競走成績:8戦5勝(2着⓪3着⓪着外②中止①)
※第1話・3話・11話・13話(遠征)のレースの元ネタは明言されていないが、史実を踏まえると、以下の競走の可能性が高い。
第1話… 東京レース場、1000mのラップタイム → バレンタインステークス(オープン特別)
第3話… 左回りの馬場、2着に11馬身の大差をつけて勝利 → 金鯱賞(GII)
第11話… ジャパンカップ前日のオープン特別競走 → キャピタルステークス(オープン特別) ただし史実ではスペシャルウィークがジャパンカップに出走した年の当レースは1600万下クラス限定の上、ハンデキャップ競走だったので、オープンクラスの上1年以上のブランクがある彼女には出走資格がない(ハンデキャップ競走は1年以内の出走実績が必要)。
第13話(遠征)… ニューヨーク発の便で帰国しているため、ニューヨーク近辺の競馬場で行われているレースと推測される。
東京優駿の9着(1997年 勝者はサニーブライアン(鞍上・大西直宏))は第5話で本人の口から語られており、天皇賞(秋)の6着(1997年 勝者はエアグルーヴ(鞍上・武豊))は第7話でトレーナーが明言している。
Season2
1期の12話のその後、遠征に出たようで、長らくスマホの画面越しの登場だったが、最終話でしれっと帰国して来ていた。なお遠征中スぺからニンジンをたびたび贈られていた様子で、部屋いっぱいになる程だった。
Season3
2期で帰国してそのままなのか日本にそのまま滞在している(恐らくドリームトロフィーリーグで走っていると思われる)。本作ではなんならSeason2よりも出番は多く、キタサンに以前よりも高負荷なトレーニングをさせることを戸惑っていたトレーナーに対しテイオーと共にかつての経験から特訓を課させてほしいと頼み込んでいた。
RTTTシリーズ
新時代の扉
台詞は一切ないが、冒頭に登場する歴代ウマ娘として一瞬だけ登場する。
その他のアニメ
うまよん
第1話では、スペシャルウィーク・グラスワンダー・エルコンドルパサーの国語小テスト追試の解説として登場。一夜漬けで疲労困憊かつエンピツ転がしで設問を解答していくスペにツッコミを入れていた。
第8話にて、ビコーペガサスをリーダーとするヒーローチーム「ウマソルジャーV」の一員「グリーンスズカ」として登場。
しかし、登場人物たちの行動・設定があまりにも無茶苦茶すぎて、終始ツッコミを入れっぱなしの状態だった。ED含む放送枠3分の中で、スズカがツッコんだ回数は怒涛の12回。最終的には「もうツッコミきれません!」と涙目になって逃走する羽目になっている。
第9話では、逃げ切りシスターズの新メンバー勧誘のために他のメンバーと共にアイネスフウジンを追いかけており、アイネスの「追いついたら(話を)聞いてあげる」のセリフにミホノブルボンと一緒に闘志を燃やしていた。
うまゆる
第12話にていつもとは違い総長として登場。
ゲーム版
『熱血ハチャメチャ大感謝祭!』
本作でも勿論プレイアブルキャラクターとして参戦。今回は97世代メインの構成であるチームフリージアのメンバーとして活躍する。相変わらずの走り馬鹿っぷりを見せるが、ストーリーモードではなんとハチャウマGPは特別なレースをする大会と勘違いしており、エアグルーヴには呆れられていた。なお、その後もドッジボールの練習中に欲求に耐えられず突然ボールを置いて体育館内を走り出したりとアプリ版に負けず劣らず変人ぶりを発揮する。
なお、エアグルーヴの計らいで参加した大食い競技の料理を運ぶサーバー役などはかなり乗り気で行っていた(こちらでも試合後にはまた走り込んでいたが)。
本人もこの悪癖には罪悪感があったらしく、ストーリーモードではエアグルーヴ達チームメイトが必死にハチャメチャGPに勝とうと意欲的な姿勢を見せているのに自身は何もできていないと自己嫌悪に走る姿も見られる。
アプリゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』
リリース初期より☆3の育成ウマ娘とSSR・Rサポートカードとして登場。
メインストーリー第五章では主役として登場。アニメ、彼女のウマ娘ストーリー同様、方向性の違いからチームを離脱しチームシリウスに加入した。ちなみに元のトレーナーは次に会う時はライバルだが素直に旅立ちを祝福してくれた。
4月1日~4日に開催されたスマートファルコンの「みんなでトップウマドルプロジェクト」のイベントページには最終日に登場した。
Twitterの宣伝映像ではミホノブルボンやファル子と共に『逃げ切りっ!Fallin’Love』を踊っていた。ウマドル活動はともかく、なんだかんだでライブには真摯に取り組んでいるようだ。
育成ウマ娘
- ☆3[サイレントイノセンス]サイレンススズカ
先頭のその先…誰も見たことがない景色へ…!
ゲーム開始当初から実装された☆3育成ウマ娘。
詳細は該当項目にて。
- 先頭の景色は譲らない…!
レース後半に差を付けて先頭にいるとさらなる脚を使って、速度を上げる
- 厳密な発動条件は、レース後半で1バ身以上差を付けて先頭。
最高レアである☆3のウマ娘として初期実装。適性距離はマイル・中距離、適性作戦は逃げ。
育成には中距離のレースもクリア必須となるのでスタミナ対策も必要になるが、スピードに成長率がある分サクラバクシンオーのようにスピードを中心に強化すれば目標を高確率で突破することができる。
覚醒スキルで覚える「コンセントレーション」は、逃げにとっては生命線たる出遅れを防止することができる強スキル。「左回り○」「逃亡者」も、適切なコースなら非常に強い。
これらのことから、初期実装の☆3ウマ娘の中ではシナリオ攻略難易度がわりと優しいウマ娘といえる。しかもマイル・中距離の両方で初期適性Aであるので、デイリーレースでの活躍にも大いに期待できる。
ただし育成ウマ娘同士での対戦となるチーム競技場やチャンピオンズミーティングでは、スズカの人気は下火であった。理由は固有スキルの発動条件にある。
2022/2/24に実施された大規模なバランス調整が適用される以前のスズカの固有スキルの発動には「最終直線で差を付けて1位である」事が必要だったのだが、双方同レベルの逃げウマ娘同士での対人戦ではこの状況に持ち込めない事が非常に多い。
そのためにCPU戦では滅法強いが対人戦を見据えると固有を使う使わないに限らず高いステータスが求められるウマ娘となっており、ある意味でトレーナーの腕が表れやすいウマ娘とも言える状態だった。
当初はゲームの仕様上、スズカの代名詞とも言える他の逃げすらも突き放す作戦「大逃げ」も取れなかったが、前述の大規模調整でスズカに新しい育成ウマ娘イベントが追加され、レアスキル「大逃げ」を獲得できるようになった。このスキルを所持した状態でレースで逃げの作戦をとると、通常の逃げよりもさらに前に進む作戦「大逃げ」を取れるようになる。
この「大逃げ」だが、通常の逃げよりも更に先の位置につける点が固有の発動条件と見事にマッチし、結果序盤から終盤まで影すら踏ませず一気にゴールまで駆け抜けるといった史実さながらの動きも可能となった。
ただし、注意点として「大逃げ」は通常の逃げよりも多めにスタミナを消費するというデメリットがある。
スズカの主戦場はマイル〜中距離でありスタミナはあまり重要視されない傾向にあるが、「大逃げ」を取得する際にはスタミナを軽視してしまうと終盤でのスパートに必要な体力が枯渇し垂れウマとなってしまう危険性がある。
そのためステータスはもちろんのこと、スキルによる回復もしっかり積んだ上で取得するのが望ましい。
タチの悪いことにゲーム内にはこのデメリットに関する記載が一切されておらず、スタミナ面をそこまで伸ばしてないスズカがこぞって大逃げを取得した結果、ツインターボ並みの見事な逆噴射を引き起こすスズカが大量発生するという珍妙な光景がしばしば目撃された。
なお、調整時点でこのスキルを獲得できるのはサイレンススズカただ1人だけであった(2024年1月現在サイレンススズカ以外ではメジロパーマー・ダイタクヘリオス・ツインターボ・カツラギエース・タップダンスシチーも取得可能)。
さらに逃げウマ娘は特に根性を伸ばすことによるメリットが増加したため、根性に成長率があるスズカには追い風となった。これらの環境変化によりこれまで十分活躍できなかった対人戦にて、新たな活躍が見込まれている。
- ☆3[波間のエメラルド]サイレンススズカ
風の呼ぶままーー青い海の向こうまで…!
ストーリーイベント「夏の陽は、青く凪ぐ」の開催と同時に実装された☆3育成ウマ娘。
詳しくは該当記事を参照。
固有二つ名
異次元の逃亡者
作戦「逃げ」かつ1番人気で重賞を6連勝以上し、そのうち1戦は宝塚記念でスタート200m地点からゴールまで1番手のままで勝利する。
- 宝塚記念の条件はスタートから200mを超えたら一度でも二位以下に落ちたらアウトなため、重賞6連勝よりも何よりも困難。先頭キープ系のスキルを揃える事も必要だが、最後は素の能力と運である。
- 序盤スキルを3つ発動することで加速する「地固め」を覚えると達成しやすい。一例として「コンセントレーション」「先手必勝」(どちらも下位スキルで代用可能)「先頭プライド」もしくは、宝塚記念に合った該当の緑スキルの中から最低3つは選ぼう。(当たり前だが地固め自体も必要)
固有実況
天皇賞(秋)(クラシック期・シニア期、10月後半)で1着になると発生する(シニア期では最後の目標レースとして設定されており、当然クリア条件は「1着固定」なのでクリアすれば必ず聴けることとなる)。
NPCとしてのサイレンススズカ
NPCとしても非常に多くのレースに逃げウマ娘として登場する。ゲーム上、国内では無敗を誇った1800m戦がマイルのカテゴリーに入ることもあり、史実で惨敗したマイルG1で相手として登場したときも、先頭の景色を譲ってくれないことがザラにある。
サポートカード
- SSR[輝く景色の、その先に]サイレンススズカ
リリース初期よりサポートカードガチャにて入手可能なSSRサポート。タイプはスピード。
レアスキルは「逃亡者」。逃げ用の貴重な加速スキルだが、最終コーナーという条件のせいで中距離を中心とする一部のコースでしか輝かないのが欠点。所持スキルは逃げウマ娘にはほとんど全て欲しいくらいの有用なスキルばかりで、かつ共通イベントでは選択肢で「左回り○」のヒントを貰えるのが嬉しい。
- SSR[WINNING DREAM]サイレンススズカ
Half Anniversaryキャンペーンにて、ログインボーナスと記念ミッション第2弾の報酬として配布されたSSRサポート。タイプはスタミナ。
チャンピオンズミーティングの逃げウマ、あるいはチーム競技場における最重要スキルの1つ「コンセントレーション」を確定で覚えることのできる現状唯一のサポート。配布ということもあり練習性能は抑え気味だが、確率でくれないこともあるSSR駿川たづなの代替として現在も根強い人気を持つ。
冒頭の「サイレンススズカがいちご大福のものまねをする」イベントは、このサポートカードの連続イベントである。
- SSR[まだ見ぬ景色を求めて]サイレンススズカ
メインストーリー第5章のクリア報酬として登場したSSRサポート。タイプはスピード。SSR3枚目はチケゾーに続き2人目。
レアスキルは中距離専用の回復「切り開く者」だが、先頭でしか発動しないため安定感には欠ける。それよりも注目すべきは、所持スキルをそのままにヒント関連のボーナスが上2つに比べて強化されている点。逃げウマへの因子継承用の周回のお供として十分に活躍できるだろう。
外部出演
グランブルーファンタジー
コラボイベント『蒼空に響くファンファーレ』で参戦。
スペシャルウィーク、トウカイテイオーと共にチームとしてプレイアブル実装された。
Shadowverse
『シャドウバース × ウマ娘 プリティーダービー』コラボにて「エルフ」クラスのリーダースキンとして登場。
また、森の遊撃者というカードのイラスト違いプレミアムカードとしてサイレンススズカも登場した。
ワールドフリッパー
2022年6月15日の「ウマ娘 プリティーダービー」×「ワールドフリッパー」コラボイベントにて「静かなる疾走者 サイレンススズカ」として登場。レア度は★5、属性は風。
関連人物
史実では一つ上の世代。天皇賞(秋)ではエアグルーヴが勝利し、宝塚記念ではサイレンススズカが勝利した。
また、当時の競馬ファンの間ではもしこの二頭の間に産駒がいたらという話題がよく上がっており、実際に『サイレンススズカ―光の仔』(ザ・マサダ競馬BOOKS、2000年)では「サイレンススズカの理想のお嫁さん」としてエアグルーヴが挙げられている。
ウマ娘世界でも友人として仲が良く、史実と同様エアグルーヴの方が一つ上だが呼び捨てが許される程。ストーリーイベント第28弾『夏の陽は、青く凪ぐ』やゲーム『ハチャウマ』で走りたいという衝動から周りが見えなくなってしまうスズカを常にエアグルーヴが気にかけているあたり日常茶飯事の光景なのだろう。
史実では一つ下の世代。同じサンデーサイレンス産駒だが父系は数が多すぎる場合があるので兄弟扱いはされない。史実だとスペシャルウィークがダービーを取ったその年に事故死したため面識がない。
翌年の天皇賞では最後の最後で差し切り武豊騎手からは「サイレンススズカが背中を押してくれたのかもしれない」とコメントしている。
ゲーム版メインストーリーやストーリーイベント第1弾『キミの夢へと走り出せ!』、アニメ版、漫画『STARTING GATE!』等スペのトレセン学園生活始まりの出来事はスズカ出会うことそしてその走りを見ることがきっかけとなる。スペはスズカに憧れており(アニメ版だと少し過剰気味)、スズカもスペに対しては当初は自身の人付き合いの苦手さから打ち解けられなかったが少しずつ大切な存在に変わっている。
史実では同期。レースでは2勝2敗。
ゲーム版設定では同じクラスでもあるようで基本的にフクキタルの方から声をかけてきて会話が進む。お互いに浮世離れしたところがあるためツッコミが入れ替わることが多々ある。スズカはフクキタルのやること・やろうとすることのほとんどが何かのおまじないだと思っているが信じていないわけではない。占いの結果フクキタルのテンションが下がった場合は仲間たちと協力し様々な方法で励ましている。
アプリゲーム版でのフクキタルの育成ストーリーのとある会話は必見。
史実では同期。マイルチャンピオンシップで対決(スズカ15着、タイキ1着)。父系なので親戚扱いはされないが父父がともにヘイロー。
ゲーム版ではこちらも同クラス。タイキからBBQに誘って来たり、スズカが短距離のコツを聞きに行ったりと仲は良好。併走トレーニングもよく行なっているようだ。アニメ版ではチームリギルにともに属していた時期がある。
史実では同期。レースは宝塚記念のみでスズカが1着、ドーベルが5着。
ウマ娘だとこちらも同クラス。走りに夢中になってしまい周りが見えなくなってしまうスズカの目付け役をエアグルーヴに頼まれたりフクキタルに巻き込まれる形で3人でこっくりさんをしてたり苦労人なところがある。個性豊かでテンションが高い同期の中ではクールなドーベルをスズカも頼りにしている。
史実では同期。レースでは2勝1敗。
ゲーム版だとこちらも同クラス。お互いマイペースなところがあるので時折会話が噛み合っていないような状況になる。ブライトのシナリオのエンディングでは、スペが彼女に懐いている姿を見てヤキモチを妬いていた。
こちらも史実では同期だがウマ娘の世界線では先輩になる。レースでの対戦がないため絡みも多いとは言えないが、サポートカードイベントや漫画『うまむすめし』でスズカの不調を助けてあげたいタイキやフクキタルに手を差し伸べ共に解決を導いている。同期の姉御とも言える彼女にスズカは夢の中でサンバを教えてもらっているとか…
アニメではチームスピカ、アプリゲーム版 メインストーリーではチームシリウスと違いはあるが、スズカと同じチームに属している。
また、ゴルシ育成の中で「誰かに似てる」とゴルシに言われていた(誰かとはおそらくスズカの同期で、モチーフとなった競走馬のゴルシの父ステイゴールド)。
ウマ娘世界でのif展開が「悲しい史実を跳ね返す」ことに主軸を置いているつながり。史実だとライスの方が5つも上であり、スズカがデビューする前の95年に急逝したため、面識はない。
なお、ライスが逝去した3年後にスズカは宝塚記念を制している。
アプリゲーム版 メインストーリーでは同じチーム所属となっている。ともにスペシャルウィークが友達のため3人で出かけたが、スペが席を外した途端会話が続かずお互いに気まずくなってしまうイベントがある。
史実ではスペ同様サンデーサイレンス産駒。
ゲーム版設定では同学年のようでメインストーリー第1部やメインシナリオ『つなげ、照らせ、ひかれ。私たちのグランドライブ』、ストーリーイベント第28弾『夏の陽は、青く凪ぐ』等共演が多い。スズカの先頭の景色を目指し進化していく走りや少し孤独なところに注目し共感している節がある。
マンハッタンカフェの育成ストーリーの中で「似た雰囲気を感じる」と言われこのやりとりからもお友達=サンデーサイレンスが強く支持されている。
サンデーサイレンスは元馬のサイレンススズカの父であり名前の一部が入っている。
あの秋天のフレーズは父の名前を日本語で呼んだものだった。
競走馬『サイレンススズカ』
98年 宝塚記念
最速の機能美、サイレンススズカ。
速さは、自由か孤独か。
「逃げることは挑むこと」
魔物の手から逃れたいなら
先のことなど考えず
振り向かずに駆けろ
自由を得ようとするなら
失速の恐怖に打ち勝ち
前のめりに飛ばせ
常識を疑い
己が限界を否定して
摂理を覆すための
挑戦を始めるのだ
- 「名馬の肖像」2019年宝塚記念
「あの向こうへ」
なぜそう急ぐかと訊く声も
もう十分だとたしなめる言葉も
耳には入ってこなかった
ただ知ってほしかったんだ
僕だけが授かった異能を
より大きな力が身の内に
ひそんでいる実感もあった
僕を羨み、あるいは妬んで
追い詰めようとする者に
脅かされることもなかった
もっと速く、遠く、高くへ
いつか栄光への扉をくぐり
天空へとつづく門の向こうへ
そして誰もが僕を見上げ称える
ただそんな日を望んでいたんだ
- 「名馬の肖像」2024年宝塚記念
1994年生まれの栗毛の牡馬(97世代)。父サンデーサイレンス(SS)、母ワキア。
主な勝ち鞍は1998年の宝塚記念(GⅠ)と、毎日王冠・中山記念・金鯱賞(GⅡ)及び小倉大賞典(GⅢ)。
管理調教師は橋田満(栗東トレセン所属)、主戦騎手は上村洋行→河内洋→武豊。宝塚記念のみ南井克巳が騎乗している。
当初ワキアにはSSではなくトニービンを種付けする予定だったが空いておらず、代わりにSSをつけた結果誕生。もしも予定通りであれば生まれてこなかったかもしれない一頭だった。
幼駒の頃は小柄で牝馬のような体つきをしており、母の名から取った「ワキちゃん」のあだ名で呼ばれていたという。
サラブレッドの中では遅生まれと言える5月生まれだったこともあり、デビュー戦は4歳(現表記3歳)の2月とやや遅いものとなった。
その後、秋までは勝ちきれないレースが続いていたが、12月に海外遠征して挑んだGⅡ・香港国際カップ(現GⅠ・香港カップ)において、後の相棒となる武豊騎手が初騎乗。武騎手はデビュー前よりサイレンススズカを高く評価しており、「騎手は騎乗依頼が来るのをじっと待つもの」という自身のスタイルを破ってまで騎乗を申し出た。結果は5着だったものの、レース後に武騎手はこう述べた。
「この馬は化け物だ」
「来年はこの馬で勝ちますよ」
翌年、その言葉は現実のものとなる。「最初から全力で走り過ぎちゃうというか、サラブレッドの本質の塊のような馬だった」そんな評価をサイレンススズカに下した武豊は大胆な騎乗を思いつく。
それが大逃げである。
「抑えようと思ってもきかない。だったら、前半から好きなように走らせた方がいいと思った。この馬は走っているときがいちばん楽しそうでしたからね。それでも持つんじゃないかな、と」
通常であれば主戦法になりえない選択をした武豊は年明け初戦に東京競馬場でのオープン特別・バレンタインステークスにこの騎乗のためだけに関東へ遠征しこれを圧勝。続く中山記念、小倉大賞典でも逃げ切り勝ちを納める。
これらの騎乗で武騎手は「一時息を入れる」ということをサイレンススズカに覚えさせた。
※息を入れるとは逃げ馬がレース途中で意図的にペースを落としラストスパートのためのスタミナを温存することである。
「馬が気付いてくれたんです。それで最後の最後で、また加速できるようになった。これはすごいことになったなと思いましたね」
そうして迎えた金鯱賞、スズカは11馬身差をつけ圧勝。「あんな体験、普通はできない。(後ろからくる)足音をまったく聞かないままゴールしちゃったんですから!」と武豊は当時の金鯱賞を振り返っている。
さらにGI馬が名を連ねる宝塚記念に出走。なおこのシーズン開始当初は宝塚記念への出走を予定しておらず、武豊にはエアグルーヴ騎乗の先約があり騎乗出来ないため、同馬主同厩舎のゴーイングスズカに騎乗予定だった南井克巳騎手に乗り替わりとなる。レース本番は南井が初騎乗であるということや距離を考え、金鯱賞に比べ抑えぎみにレースを進め直線で後続を引き付けゴール前に南井がムチを入れ加速して逃げ切り、初のGI制覇。
続く毎日王冠では武豊が鞍上に復帰。しかしNHKマイルカップ優勝馬エルコンドルパサーと前年の朝日杯3歳ステークス(現:朝日杯フューチュリティステークス)優勝馬グラスワンダーの無敗の外国産4歳馬2頭が出走することになった。
レースはスズカが1000mを57秒7のハイペースで逃げる展開に。直線で脚を消耗した後続を引き離し辛うじて追い込んできたエルコンドルパサーですら2馬身半差の2着という内容で完勝。
これでこの年に入って6連勝。最大の目標である天皇賞(秋)に王手をかけるとともに名実共に当時の最強馬となったといっても過言ではなかった。
何もかもが順風満帆だった。誰もがスズカの他馬を圧倒するスピードに酔いしれていた。たくさんの人が多くの夢を彼に見ており、陣営は秋天後に距離適性を測る目的でジャパンカップに出走し、その後はアメリカ遠征を計画していたという。
「最高のレースが出来て、いよいよ海外も視野に入れ始めた。みんなびっくりするんじゃないかって話していたところだったんです」
そして迎えた天皇賞(秋)これといった相手もおらず馬券の売り上げは圧倒的にサイレンススズカが1番人気(単勝1.2倍)で11月1日東京11R1枠1番1番人気という1並びで武豊も担当厩務員ともに口をそろえて「一番具合が良い」と述べ、晩成型の体が完成段階に入り体調も完璧。もはや故障でも起こらない限り彼の勝利だと思われていた...
レースはスタートから飛び出した最内のスズカがハナを切り大きく差を広げていく。1000mを57秒台の快ペースで通過した時点で二番手のサイレントハンターには10馬身近い差がつき、その後ろも7~8馬身近く開きカメラを一杯までひかないと馬群が入りきらないほどの圧倒的なリードをつけていた。
「息が入り始めて、いいぞ、いいぞ、と。本当にいい感じだった」と武豊が話すようにここまではすべて予定通りだった。
しかし大欅を通過したところで異変が起きる。突然彼の歩調が乱れペースが落ちていく。
「レース中、何が起こったかはすぐにわかった。ジョッキーにとっては、いちばん嫌な瞬間ですね」
どよめく会場、そして叫ぶ実況。
「敵は己自身!打ち勝つことはできません!!」(ラジオ日本・仙田和吉)
「これは大変!大変!やはり府中の二千mには、魔物が棲んでいた!!」(大阪MBSラジオ・美藤啓文)
「サイレンススズカ!サイレンススズカに故障発生です!なんということだ!4コーナーを迎えることなくレースを終えた武豊!沈黙の日曜日!!!」(フジテレビ・塩原恒夫)
※この塩原の突発的に出た「ポエム」は、このレースを形容する言葉として定着している。
しかし彼は左脚を骨折しながらも3本の脚で踏ん張り鞍上の武豊を落とさず馬群を避けつつ安全な場所に運んでいった(結果、接触等はなく、2番手のサイレントハンター(鞍上・吉田豊)が外を回される程度にとどまった)。が、この踏ん張ったことにより故障部分をさらに悪化させてしまう。踏ん張らずに転がっていれば助かった可能性もあったが、その場合鞍上の命が危なかった。
「なかなかいない。あのトップスピードで、あれだけの骨折をして転倒しない馬は。僕を守ってくれたのかなと思いましたね。今でもすごくよく、サイレンススズカのことを思い出すんですよ。せめてあと数百メートル、走らせてやりたかったな。うん、すごい残念。今でも悔しいですもん」と武豊は当時を振り返る。
レースは柴田善臣騎乗の8歳馬・オフサイドトラップが勝利したが、場内の異様などよめきはゴールイン後もしばらく止まず、多くの観客がスズカの安否を気遣っていた。
しかし無情にも診断は左前脚の手根骨粉砕骨折。もはや手の施しようがなく、直ちに予後不良と診断され安楽死処分が下された。
5歳(現表記4歳)没。生涯戦績16戦9勝。
死後、JRAによって1998年度のJRA賞特別賞が贈られた他、翌年の1999年には追悼としてヒーロー列伝のポスターに起用された(キャッチコピーは「先頭を、ただどこまでも先頭を。」。なおこれはあくまでも追悼ポスターであり、ヒーロー列伝の公式ナンバリングには名を連ねていないことに留意する必要がある)。
処置時、普段は感情を表に出さない武豊は号泣して取り乱し、その夜、彼は知り合いとワインを泥酔するまで飲み明かしたという。
「泥酔したの、あんときが生まれて初めてだったんじゃないかな。夢であって欲しいな、って」
また、この日の故障の原因を聞かれた際、「原因は分からないんじゃない、ないんだ!」と怒鳴るように言ったという(実際、この時のスズカの故障の原因は現在でもはっきりしていない。スズカを担当した調教師の橋田満は、書籍において「スズカのスピードが骨の丈夫さの限界を超えてしまい、結果ショックアブソーバーの役割を果たす部分が壊れてしまったのでは」と推察している)。
武豊と親交が深く、同レースにテイエムオオアラシに騎乗して参戦していた福永祐一騎手(現調教師)曰く、「あんなに落ち込んだ豊さんを見たのは初めてだった」とのこと。
この事件は武豊の心に大きな影を落とし、天皇賞(秋)の翌週に行われたアドマイヤベガの新馬戦では、斜行により1着入線後に降着処分(武自身も騎乗停止処分)を下されるなど、暫く精彩を欠いたレースを続けることとなる。
その後も2007年になるまで武豊はサイレンススズカに深く言及することはなく、2013年のインタビューでも、事故の話になると途端に拒絶し、笑顔を引っ込めた。
しかしこの事件が武豊というジョッキーをさらなる高みへ導くことになる。
「この馬ならG1馬相手にものすごい勝ち方ができると思っていたのに、その夢が一瞬にして消えてしまった」
「あんなことになっていなかったらなぁ、って今でも不意に思い出すときがあります。天皇賞は間違いなく勝っていただろうとか、その後のジャパンカップとか、ブリーダーズカップにも行っていたかとか。もし(サイレンススズカが)いたら、きっと凄い仔を出していただろうな、って」
__2007年Number誌上にて武豊談
「サイレンススズカとの思い出は、たくさんあります。語るべきことも、まだ、まだ、あります。でも、今もまだ、その傷口は膿んでいて、瘡蓋をはがすと、血が噴き出してきます。その傷口は忘れることは生涯ないと思いますが、いつか……そう、いつか……傷が癒え、瘡蓋を剥がしても血がにじむ程度になることがあったら、そのときは、彼の話をしたいと思います。」
___2017年、自身の著書において武豊
余談
サイレンススズメ
アニメ第2話で幼少期のスペシャルウィークがスズメと競走して
その後に「行きますよ?」と言う声がして振り返ったらそこには…
体がスズメで頭がサイレンススズカという「サイレンススズメ」という狂気の産物がそこに居た。
トレーナー諸君からは「インフルエンザの時に見る夢」と言われている。
左回りの癖
アニメ第6話で自室を左回りにグルグル回る姿が描かれており、アプリ版でも度々同様の癖について会話イベントで触れられる事が多いが、実際のサイレンススズカ号にも馬房で長時間左回りにクルクル回り続ける「旋回癖」と呼ばれる癖があった。サラブレッドにとっての最初の試練が乳離れ(簡潔に言うと母馬との別れ)であるが、スズカはこれがショックだったらしく、寂しさを紛らわせるためか約3日後に始めたという。
ただスズカの旋回癖はどちらかというと「高速回転」に近いもので、事故を危惧した牧場や橋田厩舎は何とか矯正しようとしたが、結局この癖は生涯治ることはなかった。一時期橋田厩舎のスタッフが馬房内に畳やタイヤを吊るして旋回をやめさせたところ、スズカは膨大なストレスを溜め込んでその後のレースに大きな影響を与えてしまったため、結局元に戻されたそうな。
なお、この癖が関係してか史実のスズカは左回りのレースを得意としており、アメリカへの遠征計画も同国の競馬場に左回りが多いことが発端である。(当時、左回りの競馬場は中京競馬場と東京競馬場しかなかった。新潟競馬場が左回りになるのは2001年である)。
そのためアプリ版でも彼女の覚醒Lvアップと育成イベント、サポートカードの全てで「左回り〇」のスキルやそのヒントを入手できるようになっている。
史実における性格
サイレンススズカ号はレース以外では非常に人なつっこく、手のかからないおとなしい馬だった。厩務員が出勤するバイクの音を聞いてお出迎えモードになった、なんて逸話も残っている。アニメでもトレーナーとの距離が近い描写がみられるが、そのあたりを意識したものだろうか。
ただ、デビュー2戦目に当たる弥生賞で出走前に閉じたゲートの下を潜り抜けようとするという行動に出てしまったこともあり、その理由について「厩務員がいなくなったのを見て不安になったから」と推測されている。寂しがり屋なのかもしれない。
この行為は当然ではあるが非常に危険であり、過去にはこれをやった際に骨折して予後不良になった馬もいる。しかしこの時のサイレンススズカ号は直後に馬体検査を行ったところ特に異常は見られず、大外枠に外され8着に終わったとはいえ出走してみせた。そのため狭い馬房でも上述した通りの「旋回癖」を見せたことと併せ、器用さと体の柔らかさの表れでもあったとする評価も挙がっている。
余談だが、その予後不良になった馬はタイキシャトルと同じ調教師のマイルG1馬だった。タイキシャトルのゲートの話はこのエピソードの意匠もあると思われる。
初期設定
今でこそ無口かつ大人しい性格だが、初期PVでは脚質が逃げでありながらオグリやスぺなどが前にいる先行ポジションで後方から来るエルコンドルパサーを睨み付けつつ走ったり、ウイニングライブでこちらを形容しがたい表情で見つめたりと、今とは大きくキャラが異なっていた。
獰猛な父の血が騒ぐ設定でもあったのだろうか…?
うまゆる12話の三大勢力(「讃弟威」・「無頼暗」・「東京徒弐偉」)によるヤンキーチーム合戦ネタにて、1人だけ目がキマッており、総長も務める描写もあった。
24年後、あの夢の一つの続き
さて、「沈黙の日曜日」から約24年後、アプリ版ウマ娘リリースからしばらく経った2022年10月。同月に行われた天皇賞(秋)(第166回天皇賞)では、同年のドバイターフ馬パンサラッサ(父ロードカナロア、吉田豊騎乗)が得意の大逃げ戦法を展開した。
スローペースとなった後方集団にも構わずぶっ飛ばしたパンサラッサの1000m通過タイムは57秒4、スズカ最期のレースとなったあの秋天と同じ通過タイムに場内はどよめきと歓声に包まれる。そして、パンサラッサはスズカが超えられなかった大欅を駆け抜け、十数馬身のリードを保持したまま最終直線に突入した。
最後はイクイノックス(父キタサンブラック、クリストフ・ルメール騎乗)に差されて2着となったものの、そのレースぶりには勝ち馬と同等かそれ以上の多くの称賛が寄せられ、当時のTwitterではサイレンススズカがトレンド入りする事態となった。
※イラストはイメージです
熱血ハチャメチャ大感謝祭!の応援コメントにて、高野麻里佳が描いたスズカがあまりにもインパクトが大きいものとなっており、ネタにされている。
関連イラスト
関連項目
チームシリウス チームスピカ チームリギル 逃げ切りシスターズ ウマソルジャーV
- ラピッドビルダー:アニメ『ROAD TO THE TOP』第4話の菊花賞で3着に入着したウマ娘。モデルは、1999年菊花賞3着の、サイレンススズカの同母弟ラスカルスズカ。