概要
アプリ『ウマ娘 プリティーダービー』で開催されるイベントの一つで、プレイヤー同士がリアルタイムで対戦(レース)する。一度の対戦に参加するプレイヤーは3人で、それぞれが3人1組のチームを出走させるため、9人立てのレースとなる(モブはいない)。
常設のチーム競技場が各々の順位や発動スキルなどによるポイント制なのに対し、こちらは単純に誰かが1位を獲ることを競うルールであり、エース役を3人入れるか、エース役とデバフ役を分担させるかなどの駆け引きが行われる。
決勝勝利時は勿論、予選でも勝ち続ければガチャ用のジュエルや育成用のリソースを一気に稼げるため、開催するコース・レギュレーションが発表されると、その条件に最適化したウマ娘を育てるべくトレーナーの育成活動や各コミュニティの議論が活性化する。
環境に応じたトップメタとその対抗馬の考察など、対人戦らしいメタゲームの要素が最も顕著なコンテンツである。
2022年ライブラ杯では決勝の着順で立ち位置の決まるウイニングライブ「Ms. VICTORIA」が実装された事で、センターポジションをかけた戦いにも発展した。
その関係でこの時期になるとトレセン学園は非常に殺気立つ。
しかも近年のシナリオでインフレにより今のグレートリーグはUF以下はほぼほぼ門前払い(7、8、9着になるケースが殆ど)であり、今ではUDないと本当に上位が取れない状態になっている。(普通にUDがおりまあまあの確率でUCとUCが出現する)
またこのイベントは本当に実力系イベントである(特に決勝は絶好調固定である)ため、廃課金勢有利の状況になっており(他にリーグオブヒーローズが該当)無課金勢に太刀打ちするのは非常に厳しいと思われる。(Bリーグ決勝に進めれば良い方)
イベント詳細
大会前
- 前月の大会が終わりしばらくすると、レース条件の告知がある。プレイヤーはそれに備えて準備をする。
- 大会数日前から、オープンリーグ(中級)かグレードリーグ(上級)のどちらかを選択できる。オープンリーグは評価A+以下の限定戦、グレードリーグは制限なし。
- なお、イベント自体はチームランクE2到達で解放されるため、始めたてのトレーナーはエントリーできない。
予選
- 4日間あり、ラウンド1とラウンド2に2日ずつ分かれている。ラウンド2はAグループとBグループがあり、ラウンド1の結果によって割り振られる。
- 予選では1回のエントリーごとに5回のレースを行う。
- 1日あたり最大4回エントリー可能。各エントリーにはジュエル30個が必要だが、1日1回無料でエントリーでき、その結果デイリーミッションとして1日2枚エントリーチケットが手に入るので、エントリー回数を使い切るなら有償で挑戦するのは実質毎日1回の計算になる。
- 作戦は登録時に指定したもので固定されるため、各レースごとに作戦の変更はできない。
- 調子は完全ランダムで、アイテムの使用もできない。
- レース前には月刊トゥインクル増刊号が発行され、対戦するウマ娘の情報を閲覧できる。また、レースに勝利すると号外が発行される。
ラウンド1
- 3勝以上でAグループへ、2勝以下はBグループへ。
ラウンド2
- Aグループは3勝以上でAグループ決勝、1勝以上2勝以下はBグループ決勝へ。
- Bグループは1勝以上でBグループ決勝へ。
- A・Bグループのどちらでも、1勝も出来なかった場合は敗退(失格)となる。
決勝開催前
- 予選終了後日付を越えるまでは出走登録期間となり、決勝に出走させるウマ娘のエントリーを行う。期間中は何度でもやり直せる。
- 出走登録期間中に登録しなかった場合、ラウンド2で最後に出走させたウマ娘が自動的に登録される。
- 日付が変わるとマッチング期間となり、出走登録が締め切られ決勝で戦うプレイヤーのマッチングが行われる。
決勝
- 1回限りのぶっつけレースとなる。やる気は絶好調固定。
- 順位確定後、ウイニングライブ「Ms. VICTORIA」が流れる。(2位以下かつ既に視聴している場合スキップ可能)
- 順位に応じた報酬を受け取ると、大会終了となる。
過去の大会
2022年までの各大会名は、開催月の十二星座に由来している。
※1:該当レースとは季節が合わないレース
※2:現実で代行開催されたものが反映(2021年から2023年まで京都競馬場が改修中のため)
※3:当時は季節が合わなかったが、後の新制度なら季節が合うレース(2023年まで7月、2024年から10月開催)
大会名 | 開催期間 | コース | 現実での該当GI | 活躍した脚質 | 活躍したウマ娘 |
---|---|---|---|---|---|
タウラス杯 | 2021/5/10~5/18 | 東京芝2400 | 日本ダービー、オークス、ジャパンC※1 | 追込、差し | ゴールドシップ、シンボリルドルフ |
ジェミニ杯 | 2021/6/10~6/19 | 京都芝3200 | 天皇賞(春) | 追込 | ゴールドシップ、ナリタタイシン |
キャンサー杯 | 2021/7/23~7/29 | 東京芝1600 | 安田記念、NHKマイル、ヴィクトリアマイル | 全脚質 | エルコンドルパサー、セイウンスカイ、スマートファルコン、グラスワンダー、ウオッカ |
レオ杯 | 2021/8/24~8/30 | 阪神芝2200 | 宝塚記念 | 先行、逃水マル | 水マル、オグリキャップ |
ヴァルゴ杯 | 2021/9/21~9/27 | 阪神芝1600 | 桜花賞※1、朝日杯FS※1、阪神JF※1、マイルCS※2 | 逃げ、差し | 水マル、セイウンスカイ、オグリキャップ、グラスワンダー、ウオッカ |
ライブラ杯 | 2021/10/22~10/28 | 京都芝3000 | 菊花賞 | 追込 | ゴールドシップ、ナリタタイシン、マンハッタンカフェ |
スコーピオ杯 | 2021/11/23~11/29 | 東京芝2000 | 天皇賞(秋) | 逃げ、先行 | 水マル、タイキシャトル、和服ゴールドシチー、セイウンスカイ |
サジタリウス杯 | 2021/12/21~12/27 | 中山芝2500 | 有馬記念 | 追込 | ゴールドシップ、ナリタタイシン、マンハッタンカフェ、クリオグリ、タマモクロス |
カプリコーン杯 | 2021/1/22~1/28 | 中京芝1200 | 高松宮記念※1 | 先行 | サクラバクシンオー、オグリキャップ、スマートファルコン |
アクエリアス杯 | 2022/2/18~2/24 | 東京ダート1600 | フェブラリーS | 全脚質 | オグリキャップ、スマートファルコン、水マル、アグネスデジタル、エルコンドルパサー |
ピスケス杯 | 2022/3/22~3/28 | 阪神芝3200 | 天皇賞(春)※2 | 逃げ、追込 | キタサンブラック、クリオグリ、タマモクロス、ゴールドシップ、ナリタタイシン、マンハッタンカフェ |
アリエス杯 | 2022/4/22~4/28 | 中山芝2000 | 皐月賞 | 逃げ、先クリオグリ | クリオグリ、チョコボン、水マル |
タウラス杯 | 2022/5/24~5/30 | 東京芝2400 | 日本ダービー、オークス、ジャパンC※1 | 逃げ、先クリオグリ | クリオグリ、チョコボン、水マル |
ジェミニ杯 | 2022/6/14~6/20 | 東京芝1600 | 安田記念、NHKマイル、ヴィクトリアマイル | 逃げ、追込 | チョコボン、水マル、オグリキャップ、ナリタタイシン、応援キングヘイロー |
キャンサー杯 | 2022/7/14~7/20 | 阪神芝2200 | 宝塚記念 | 逃げ、先クリオグリ | クリオグリ、チョコボン、水マル |
レオ杯 | 2022/8/13~8/19 | 中山芝1200 | スプリンターズS※1 | 先行 | オグリキャップ、タイキシャトル、ニシノフラワー |
ヴァルゴ杯 | 2022/9/14~9/20 | 大井ダート2000 | JBCクラシック、帝王賞※1、ジャパンダートダービー※3 | 全脚質 | クリオグリ、コパノリッキー、新スマートファルコン、アグネスデジタル、イナリワン |
ライブラ杯 | 2022/10/14~10/20 | 阪神芝1600 | 桜花賞※1、朝日杯FS※1、阪神JF※1、マイルCS※2 | 先行、追クリオグリ | クリオグリ、タイキシャトル、ニシノフラワー |
スコーピオ杯 | 2022/11/13~11/19 | 京都芝2200 | エリザベス女王杯 | 先行、追込 | クリオグリ、秋タマモクロス、ハロウィンドトウ |
サジタリウス杯 | 2022/12/15~12/21 | 中山芝2500 | 有馬記念 | 逃げ、差し、追込 | チョコボン、神イナリワン、総大将スペシャルウィーク |
カプリコーン杯 | 2023/1/14~1/20 | 中京芝1200 | 高松宮記念 | ||
アクエリアス杯 | 2023/2/17~2/24 | 東京ダート1600 | フェブラリーステークス | ||
ピスケス杯 | 2023/3/14~3/20 | 中山芝2000 | 皐月賞、ホープフルステークス※1 | ||
アリエス杯 | 2023/4/13~4/19 | 京都芝3200 | 天皇賞(春) | ||
チャンピオンズミーティング・マイル | 2023/6/13〜06/15 | 東京芝1600 | 安田記念、ヴィクトリアマイル | ||
チャンピオンズミーティング・ダート | 2023/8/18〜08/24 | 船橋ダート1600 | かしわ記念 | 逃げ・先行 | コパノリッキー |
チャンピオンズミーティング・クラシック | 2023/10/14〜 | ロンシャン芝2400 | Prix de l'Arc de Triomphe、Grand Prix de Paris※1、Prix Vermeille |
アップデート履歴
- 2021年ジェミニ杯
- 大会2回目にして、予選のグループ分けの仕組みが一新。前回大会ではグループに関わらずラウンド2で2勝以上できないと決勝に進むことすらできなかったが、今大会からラウンド2で1勝すれば決勝に進出できるようになった。
- イベント限定称号獲得の条件となる順位が調整された。
- 2021年キャンサー杯
- 決勝において、やる気が絶好調固定になった。
- 月刊トゥインクル増刊号が、レース結果画面でも閲覧可能になった。
- 2021年レオ杯
- 月刊トゥインクル増刊号1面から、トレーナー情報が確認できるようになった。
- 2021年ヴァルゴ杯
- 報酬の獲得量が増加した。特に、決勝で貰えるジュエルの数により順位差がつけられた。
- 出走ウマ娘履歴が追加され、イベントメニューから確認できるようになった。また、各殿堂入りウマ娘ごとに累計戦績の確認も可能になった。
- パドックと結果画面でサークルスタンプを送れるようになった。
- 2022年ピスケス杯
- 予選・決勝ともにレースで勝利した場合、レース結果画面で「月刊トゥインクル 号外」を見られるようになった。
- 2022年タウラス杯
- オープンリーグの参加条件が変更。評価ランク「B以下」から「A+以下」に引き上げられた。これにより、従来のオープンにおける無駄を極限まで省いた独自の対戦環境が失われた代わりに、トレーナーの本来の実力に応じた棲み分けがなされるようになった。
- 報酬の獲得量と獲得条件が変更。特に、「ゴールド」以下の称号が獲得しやすくなった。
- チャンピオンズミーティングが2周目に入ったことから、すでに同じ称号を獲得している場合、末尾に「★」のついた称号を獲得できるようになった。(なお、直前のぱかライブTVでは「2回目」が末尾につくと発表されていたが変更となった。)
- 2022年ジェミニ杯
- 前回まで毎月下旬開催だったが、今回大会から毎月中旬開催となった。これにより、チャンミの主な育成はストーリーイベント開催中に行えるようになり、それ以外の特殊なイベントと被らなくなった。
- 2022年ライブラ杯
- 決勝開催後に「Ms.VICTORIA」のウイニングライブが流れるようになった。楽曲はイベント終了後に全トレーナーにプレゼントされた。
- 2022年スコーピオ杯
- イベントバナーのUI改修が行われ、ホーム画面上部にも表示されるようになった。これにより、イベントへの参加し忘れが起こりにくくなった。
- 決勝で2位以下かつ過去にライブを視聴している場合、決勝後のライブがスキップされるようになった。ユーザー間では、前回大会で敗北時にライブを強制的に見させられたことに対して批判が集まったことが影響しているのではないかと推測されている。スキップされた場合でも、結果画面から鑑賞することができる。
- 2022年サジタリウス杯
- 予選において、1レースごとに行われていたリアルタイムマッチングがエントリー直後に一括で行われるようになった。また、予選のレースのみ育成中のレース同様にパドック画面でレースをスキップできるようになった。これにより、予選期間のプレイ時間が大幅に短縮された。
環境の変遷
チャンピオンズミーティングを含む対人戦の環境は、特定のキャラ・サポートの実装によって大きく変化する。ここでは、対人戦の環境を一変させた歴史のターニングポイントを順に追って振り返っていく。
「ゴルシゲー」と揶揄された初期環境
2021年5月に満を持して開かれた第1回チャンピオンズミーティングのタウラス杯は、日本ダービーをモデルとした東京芝2400mのレース。
しかしいざ開催されると、中盤から位置上げを行える追込ウマ娘のゴールドシップが明らかに強いことが判明。誰でも入手できる☆2キャラのため誰も彼もがゴルシを採用した結果、ゴルシ3人が後方からぶっこんでくるレースが多発する。
この惨状は天皇賞(春)をモデルとした6月のジェミニ杯でさらに顕著になる。
距離が3200mまで伸びたことで、最高速度の高い追込の優位性が増加。大部分のプレイヤーが☆3のナリタタイシンと並んでゴルシを採用し、勝つのもゴルシが圧倒的に多く、1位から3位までをゴルシが独占することもしょっちゅうであった。
こうしてチャンピオンズミーティングは「ゴルシゲー」と揶揄されることになり、「ゴルシゲー」がツイッターでトレンド入りしたほか、「はいはいゴルシゴルシ」などのつぶやきが流行した。
一方、他のウマ娘を弱体化させる「デバッファー」の開拓も行われ、強力なデバフスキルを2つ持つナイスネイチャをエースではなくデバフ専用に育成した「デバフネイチャ」などが流行した。
メタゲームと化したキャンサー杯
7月のキャンサー杯は安田記念がモデルのマイル戦であり、加えてルームマッチ実装により研究が重なった結果、ゴルシの使用率は落ち着くことになった。
当初は唯一無二の固有スキル「アングリング×スキーミング」をもつセイウンスカイの独壇場になるかと思われたが、スマートファルコンなどの逃げウマで「蓋」をすることによりアンスキの発動を妨害できることや、豪脚・乗り換え上手・ライアン固有などといった終盤加速スキルを積んだ差し・追込ウマ(筆頭格はグラスワンダーとウオッカ)ならアンスキを発動した逃げウマを差し切れることが判明し、混戦模様になっていく。
最終的には先行のエルコンドルパサーが優勢となるも、エルコンを出す場合は逃げウマが固有発動の邪魔になるため逃げウマ0編成が増加→無対策の編成に対してセイウンスカイが逆襲……と、まるでジャンケンのようなメタゲームが成立。多彩な顔ぶれが見られたことから、面白いという好評意見が多数あがった。
「水マル」登場、逃げの時代へ
しかし、8月のレオ杯では、新キャラの水着マルゼンスキー(通称水マル)にアンスキを継承させると手がつけられないほど強いことが早々に判明。
先頭を取らせない対策ができたセイウンスカイとは異なり、レース中間地点から固有スキルで自動的に先頭に上がっていく水着マルゼンスキーに対しては逃げウマで蓋をしても有効な対策にならない。そのため、相手に水着マルゼンスキーが出てきた場合、終盤は独走を眺めるしかないレースが多数を占め、今度は水マルゲーと揶揄されてしまった。
8月下旬には新シナリオ「アオハル杯」が実装。パワーライスや樫本理子など強力なサポートが登場しステータスは大きくインフレしたが、レースシステムへの調整は入らず、9月のヴァルゴ杯でも全体のレベルが上がっただけで特に大きな力関係は変わらなかった。
例外的に11月のスコーピオ杯は有効加速の幅が広く混戦となるなどしたが、やはり逃げというか水マルの圧倒的優位は変わらず。対抗バの登場は翌年2月を待つことになる。
安定の追込一強、長距離
水マルがマイル・中距離を牛耳る一方、長距離戦となった10月のライブラ杯や12月のサジタリウス杯では「直線一気」の使える追込環境が続いており、おなじみの顔ぶれにも新しく登場したマンハッタンカフェやタマモクロスが仲間入りを果たした。性能面だけで考えればゴールドシップを出走メンバーから外す理由はほとんどないので、ゴルシ3体が並んで後ろから追いかけてくるという第1回のタウラス杯から何も変わらない光景が今回も繰り返されることとなった。
12月に登場したクリスマスオグリキャップもサジタリウス杯では一応活躍したものの、後方から猛烈に迫る追込に抜かれてしまうことも多々あった。当時からそのポテンシャルについて予想するユーザーもいたが、後に「クリオグリ」と呼ばれるこのキャラクターが猛威を振るうのはもう少し後の話である。
翌年3月のピスケス杯においては、追込以外では唯一終盤最速加速を打てる期待の新星キタサンブラックが新登場し、長距離環境における逃げ脚質の可能性を提示した。
イレギュラーな条件続き、手探りの環境開拓
年が変わって2022年、1月と2月はこれまで全く開催していなかった短距離及びダートでの開催となった。詳しい環境が読めない中ルームマッチでの研究がいっそう重ねられ、YoutubeやSNSにてさまざまな情報が飛び交った。
1月のカプリコーン杯は初の短距離戦。星2以下で芝短距離Aなのは我らがバクシンオーを含む2人だけと少なく、有効な星3キャラを持たないトレーナーは苦戦を強いられた。
しかもよりにもよって終盤にコーナーが存在しない中京芝1200mが選ばれたために、今まで猛威を振るっていた加速固有が軒並み発動しない事態に陥り逃げ環境が崩壊。代わって先行が覇権を握り、有効加速の択が少ない中で本来短距離適性の無い通常エルやマミークリークの固有スキルに注目が集まった。
2月のアクエリアス杯は初のダートチャンミとなり、☆2以下はそもそも初期適性がバ場・距離共にAのキャラが存在せず、前回以上に有効択の少ないチャンミとなった。
迫る新時代の足音
アクエリアス杯に向けての準備が進む中、1月末に新キャラとしてバレンタインミホノブルボン(通称チョコボン)が実装。水マルより他ウマとの継承相性が良く、かつ水マルに比肩するほどにあからさまに逃げ用の強スキルを揃えており、逃げ自体が強い当時の環境では必ず猛威を振るうであろうことが予想されていた。
実際、直後のアクエリアス杯ではダート適性Gにもかかわらず魔改造して採用するトレーナーが現れたほどであった。
しかし、それと前後して一部のウマ娘が使える新たな脚質「大逃げ」が2月に登場することが予告されており、逃げのアンスキが封じられる可能性が出てきたことからトレーナー界隈ではひと騒ぎが起きていた。中にはチョコボンを引かずに備えたトレーナーもいたとか。
満を持してのバランス調整、メイクラ環境へ突入
2022年2月24日、ゲームウマ娘が1周年を迎え、大規模アップデートが行われた。
このアップデートでは様々な点への仕様変更や、新要素の登場などがあった。環境全般に関わる主なものを挙げると、
- レースに新システム「追い比べ」「位置取り争い」が追加され、根性ステータスの重要性が増加。逃げを中心に、のちの根性育成の流行が後押しされる
- スキル「ノンストップガール/垂れウマ回避」の発動条件が緩和。逃げ以下は脚質関係なく終盤最速で加速スキルを発動させることが可能に。一方、「乗り換え上手」「真っ向勝負」などの終盤ランダム発動スキルは(短距離戦を除き)軒並み使われなくなる
- 逃げ専用スキル「先手必勝/先駆け」が、レース開始直後発動可能な強スキルに
などが挙げられる。
一方、「大逃げ」については、新シナリオ「Make a new track!!」(通称「メイクラ」)において「大逃げ」のスキルを獲得する手段がないことから、実装後もあまり見られることはなく、次以降のシナリオでの活躍を待つこととなった。
メイクラ環境では、ステータスのインフレが進んだ結果、仕様上スタミナが勝手にある程度上がってしまうことから、長距離以外ではスタミナデバフはあまり意味を成さなくなった。
これ以降もインフレは続き、3月に実装されたグループサポカ「チーム<シリウス>」の配布に始まり、4月の根性バンブー、5月の賢さシービー、とどめに6月の新グループサポカ「玉座に集いし者たち(通称玉座)」が実装。特に玉座は根性育成では上がりにくいスタミナと賢さを自動的に上げてくれる使い勝手の良いサポートとして、インフレを加速させた。
クリオグリ覚醒
12月に登場したクリスマスオグリキャップ(通称クリオグリ)だが、実装からここまで本来の実力を発揮できるはずの中距離レースは行われずにいた。しかし、4月のアリエス杯が中山2000mで開催されたことでついに覚醒。順位条件の無い唯一無二の最強スキルで存分に暴れまわることになる。
その惨状は前年のゴルシや水マルとは比べ物にならないほどで、「クリオグリゲー」どころか、極限まで強くしたクリオグリの完成度を競う「クリオグリ品評会」と揶揄されるまでになる。
マイル中距離ではこれに対抗できるのは逃げしかいないのだが、その逃げもアンスキを搭載した水マルとチョコボンの2強。逃げは逃げ同士で競り合うほど後続を引き離せるため、できることならこの2体を自前で同時に出走させるのが望ましい。
つまりどうなるかというと、編成をクリオグリ・水マル・チョコボンの3体で固めたトレーナーが大量発生することになってしまった。クリオグリゲーどころか、「クリオグリ水マルチョコボンゲー」である。これらは全員☆3キャラであるため、1人でも未所持キャラがいるトレーナーは泣き寝入りするほかなかった。
一応クリオグリは中距離の一部レースでしか最大効果を発揮できないため、その場合はクリオグリの枠が差しに代わることもあった。しかしその場合でも前の逃げ2体は不動の石のように変わらなかった。
この環境は5月のタウラス杯、6月のジェミニ杯、7月のキャンサー杯とかなり長く続いた。
一方、8月のレオ杯は短距離で開催。アプデで大きく変わったタイキシャトル固有、新登場のニシノフラワー固有が継承加速として2強を張り合い、1月のカプリコーン杯と同様の先行一強環境を加速させた。
グラライ実装、上限突破とデバフ黄金時代
2022年8月、新シナリオ「私たちのグランドライブ(通称グラライ)」が実装されると同時に、従来のステータス上限1200が突破できるようになった。上がり幅はシナリオごとに設定されており、特にグラライシナリオではスピードの上限が他シナリオよりも大きく解放されたため、スピードを上限近くまで上げるためにスピードサポカを複数編成するのがチャンミ育成の主流になった。
グラライシナリオの特徴として、深刻なスタミナ不足がある。メイクラでは何もしなくても上がっていたスタミナ値がさほど上がらなくなった上に、スピードの最高値が上がったことでスタミナの消費が激しくなったためだ。
これに呼応するように復活したのがスタミナデバフ役のウマ娘。実は8月に実装された水着ゴールドシップの継承固有スキルを活用することでスキル構築次第ではレース条件を無視して好きなデバフスキルを1つ発動させることが可能になっており、中長距離においてデバフ育成の自由度はかなり上がった。
逃げの衰退、クリオグリ一強時代
7月、スピードサポートとして最強格ともいえるSSRマルゼンスキーが実装されたことで、ついに水マルが環境の第一線から退いた。
そもそも逃げ脚質は必須スキルが多く育成が難しい割にアンスキの発動条件である終盤1位しか勝ち筋がないためコスパの悪い作戦であり、かれこれ1年以上アンスキの継承加速一本打法で環境を耐えていた影響で他脚質の加速インフレからは一歩取り残されていたため、チョコボンですら人気が下火となる状況となっていた。
こうして逃げが衰退したことにより、チャンミ環境はクリオグリが殆どを占めるようになってしまった。ダートまで走れる適性の広さ、固有スキルのとてつもない効果と汎用性、豊富な回復によるスタミナデバフ耐性と性能にほとんど隙が無く、9月のヴァルゴ杯におけるコパノリッキーなど対抗できるウマ娘は各大会ごとに非常に限られていた。
特に11月のスコーピオ杯は先行用の強加速「決意の直滑降」が有効であるためタキオン固有の保険も使える先行クリオグリが優勢……と思いきや、下校の楽しみをパーツに組み込んだ追込クリオグリも揃って猛威を振るうという、未所持トレーナーにとってはどこまで行ってもクリオグリと対面する絶望的な状況に。
逆にクリオグリ以外にエース個体が作りづらいことから、上位トレーナーの間では水着ゴルシ固有を積んだデバフウマ娘を2体侍らせる「クリオグリ+デバフ2」が基本形となり、それがまたデバフに強いクリオグリの一強を産むという地獄のような環境が形成された。
マイルでの開催となった10月のライブラ杯は流石にクリオグリ一強とはならず、各脚質がそれぞれの加速で勝ちを狙える大波乱の環境となった。特に、グラライシナリオで大幅に強化された大逃げが初めて流行。大逃げ持ちが複数人同時に出走してしまい共倒れとなる危険性はあったものの、逃げのトップメタを潰せるため人気が高かった。
激変の長距離環境
12月のサジタリウス杯は中山芝2500m。2021年と同じく有馬記念モチーフでの開催となった。前回開催時は追込が暴れたが、今回は「迫る影」持ちのウマ娘を残して圧倒的優位は取れなくなった。
これは、昨年はいなかったキタサンブラック・ダンスセイウンスカイの固有を活かせる逃げ脚質が優勢となったからで、こうなると息を吹き返してくるのがチョコボンである。チョコボンの固有は中盤に入ってすぐに発動するので、隊列が伸びないうちに前に出てポジションを確保することができ、逃げが多い環境では圧倒的に優位である。
このチョコボンを封じるため、大逃げのメジロパーマーやサイレンススズカの採用も増え、彼女らがそのまま逃げ切ってしまうレースも目立った。キタサンブラックや新衣装のクリスマスダイワスカーレットも有力かと見られたが、実際にはチョコボンや大逃げに蓋をされて固有を出せないまま負けることが多かった。
一方、これまで長距離では冷遇されていた差しのウマ娘は、新スキルの「無我夢中」によって勝負ができるようになった。
進化スキルの追加
2023年1/20にアオハル杯がアップデートされ場合によってはグラライよりもバランスの良い育成結果を出せるようになり
2/17にアクエリアス杯を迎える事となった、2/24に二周年を迎え新たなバランス調整を迎える事となる。
特筆すべきなのは進化スキルの追加。これにより、一部の既存ウマ娘が強化され、これまでインフレに置いていかれたウマ娘たちも実戦投入できるようになった。
2月下旬に新育成シナリオ「グランドマスターズ」(通称グラマス)が実装され、更なるインフレが加速する事となる。
星座を冠する戦いの終焉
4月のアリエス杯をもって、星座を冠する戦いは幕を下ろした。
しかしチャンピオンズミーティング自体が終わったわけではなく
5月からの新イベント「リーグオブヒーローズ」実装により隔月開催に変更となった。
構成も、スプリント・マイル・クラシック(中距離)・ロング(長距離)・ダートの五種から選ばれる運びとなる。
2.5周年新環境到来、ロンシャンでの初開催
2.5周年を迎え、新育成シナリオ「プロジェクトL'Arc」が開幕。欧州レースの最高峰・凱旋門賞を目指す戦いが始まった。
これに応じて10月開催のチャンピオンズミーティング・クラシックはパリロンシャンレース場の芝2400mで行われることとなり、史上初の海外レース場での開催となったことに驚くトレーナーは多かった。
チャンピオンズミーティングのグレードリーグの門番が三女神からモンジューら海外ウマ娘勢へとバトンが渡された
特にグレードAはモンジューを余裕で撃破出来なければ勝ち進むことは困難になることが予想される…
環境上位のウマ娘達
大会ごとに条件が変わるので顔ぶれも変わるはずなのだが、どのレース場にも現れ環境を席巻し続けるウマ娘が存在する。
なお、以下の記述はグレードリーグを基準としている。評価点に上限のあるオープンリーグではそもそも持たせられるスキルに限りがあるため、必ずしも当てはまらないことが多く、あえて制限のあるオープンリーグを選択するトレーナーもいるためである。
クリスマスオグリキャップ
「クリオグリ」の通称でチャンピオンズミーティングでは特に恐れられているウマ娘。
速度が上がるだけの固有スキルを持つウマ娘が大部分というなかで、なぜか速度+加速+回復の三拍子揃ったぶっ壊れ固有を持つ芦毛の怪物。
しかも、発動条件は「回復スキル3回発動」とレース条件にも脚質にも順位にも縛られず安定して発動できるのである。
これだけでも十分強いのに、なんと取得する回復スキルの選択によって発動位置を調整できてしまう。さらに、残り777mで発動する回復スキル「スリーセブン」を自前で持っているため、これを3回目の回復スキルとして採用することで、2000~2500mのレースで確実な終盤加速ができる。特に2000~2200mでは終盤接続&最速加速の両方ができるので、無類の強さを誇る。
その他の距離帯でも、レース場の特徴にあわせて「下校の楽しみ」などの回復スキルを覚えることで中距離と同じような活用が可能である。
要するに、終盤突入時に加速スキルと接続速度スキルを出せるかどうかが最も重要なこのゲームにおいて「ぶっ壊れ固有を極めて都合の良いタイミングで発動できる」、しかも「固有の発動条件が自己完結していて順位条件等がないので他のウマ娘が干渉することは一切できない」という、どう考えてもチートとしか言いようがない性能を持つ。
さらに、短距離から長距離まで芝でもダートでもすべてのレースを走ることができる適性を有し、脚質も先行・差し・追込と幅広く対応できるので環境にあわせて強い作戦を選べるという圧倒的な汎用性がある。
また、今後新しい発動条件の回復スキルが追加されるたびに固有発動ポイントの選択肢が広がるため、将来的には短距離や長距離でも終盤速度接続&最速加速を安定させられるようになるかもしれないという無限の可能性を秘めている。
もともと、通常版のオグリも固有スキル「勝利の鼓動」が速度および条件の両面でウオッカの上位互換になっているなど、ウマ娘のゲームはオグリキャップを性能面で優遇している節があり、クリオグリも意図的に強キャラとして実装したものと思われる。オグリキャップは国民的なアイドルホースであったことから、オグリキャップやそのライバルたちを強めの性能で実装することは他の競馬ゲームでも一般的であり、この点に関してはウマ娘だけの問題とは言い難い。
一応、本来なら回復が不要な短い距離でも回復スキルを3つ習得しなければならないこと、「神速」等の発動位置がランダムな回復付きスキルは固有スキルの発動位置を調整出来なくなるので習得しにくいことなど、クリオグリ固有の弱点も持ってはいる。
長らく最強の座を欲しいままにしてきたクリオグリだが、2023年に入ってからは進化スキルが固有スキルと相性の悪い方向に調整されたことと、中距離における対抗バである正月衣装キタサンブラックの実装により、その勢いが大きく削られ、去年ほどの支配力がなくなった。
次点
クリオグリ以外ではこの2人が槍玉に上がりやすい。
共通するのはバ場・距離の適性が広いことで、どんなレースでも走ることができる。
もちろん大会に応じて3強の勢力が弱まったり他のウマ娘が台頭することもあるが、姿を消すまではいかないのが彼女たちの恐ろしさである。
…が、2022年11月現在、前述の通りグラライの実装による環境の変化やシナリオリンクによるブルボンサポカの強化、SSRマルゼンの実装などがあり、クリオグリ以外の2人は若干大人しくなった。
水着マルゼンスキー
通称「水マル」。
レオ杯でデビューして以来、ライブラ杯を除く全ての大会でハッスルする猛者。
その強さたるや、通常衣装の固有が最大限に活かせるはずのレオ杯でも水着で駆け抜けるレベルである。
史実では1800m以下しか走ったことがないにもかかわらず、なぜか中距離B・長距離Cという適性が設定されているので、どの距離でも活躍することができる。
追込が強い長距離は流石に苦手だが、キタサンブラックの実装以降長距離でも逃げが評価されるようになり、逃げ優勢の環境を作り上げる要因になっている。
継承相性が悪く、地固めやコツも持ってないので育成のハードルが非常に高いが、完成さえすればチョコボンや府中のアイネスも寄せ付けないバッチグーなお姉さんに。
バレンタインミホノブルボン
通称「チョコボン」。
固有も速度+回復と強力だがそれ以上に自前でコンセ・地固め・コツを持っているので(ただし先手必勝の入手手段には自身の賢さSSRサポカを使えないこともあり乏しい)お手軽に強い逃げウマ娘を育てられる上にダート以外の適性補完も容易。スキルが最初から揃っているので初期適性Gのダートでの起用も見られるほど逃げウマ娘の育成は修羅であり、チョコボンのアドバンテージは大きい。
ただ、固有の発動タイミングが早すぎることも多く完成した水着マルゼンスキーに競り負けやすい……が、逃げは競り合うことでどんどん前に行くので結局水着マルゼンスキーと同時に走らせるトレーナーも多い。
ちなみに、「地固めを自力で覚えるので地固め因子のための周回がしやすい」「他の逃げウマ娘への継承相性がいずれも高い」といった事情から、固有スキル以外を目当てにした継承要員としての適性も高い。誰が言ったか「逃げウマ娘のスターターデッキ」。
メジャーなウマ娘
3強ほど圧倒的ではないものの、噛み合ったコースにおいては有力なウマ娘たち。
オグリキャップ
クリスマス版が中~長距離向けなのに対して、通常版はマイル以下で強力。
固有スキルが「残り200mで速度が『すごく上がる』」スキルということでどんなコースでも発動できるが、特にマイル以下だと速度アップを余すことなく利用できる。
適性もクリスマス版同様に広く、短距離に改造しても強い。
ゴールドシップ
中・長距離A、マイルCと脚質が広いのも優秀だが、最大の強みは固有スキルがどんなコースでも有効に使える中盤速度スキルという点。
追込Aの上に覚醒スキルで金回復スキルを持参するため中~長距離に対して強く、特に追込有利の傾向の傾向が強い長距離はゴルシの独壇場になりやすい。マイル適性もCと低くないため、スキル構成次第ではマイルでも普通に戦える。
逆に前方脚質が有利では苦戦しがちで、そういった意味では前方脚質寄りの3強には相性はあまり良くない。
が、それでも採用率の高い理由はゴルシが☆2、すなわち無課金でも入手難易度が低い(というか確定入手枠)ウマ娘なことが大きく、特に3強不在だった初期のチャンピオンズミーティングはゴルシゲー呼ばわりされるレベルにゴルシだらけの環境に。
デバフ用ウマ娘
デバフスキルに特化したデバフ専用機としてよく出てくるウマ娘。エースを勝たせるためのサポート役として活用される。
ナイスネイチャ
通称デバフネイチャ。自前で「魅惑のささやき」「八方にらみ」「差しためらい」を所持しており、スタミナデバフとして使うには最も都合が良い性能をしている。
チャンピオンズミーティングでナイスネイチャが出てきたら9割以上がこのデバフ型である。
シンボリルドルフ
自前で「独占力」を所持しており、速度デバフとして活用できる。
初期はエースとしての活躍が多かったが、現在ではデバフ型が大部分となっている。
固有スキルが条件こそ厳しいものの効果自体は高いため、デバフを主目的にしつつ本人の勝利もある程度狙えるようにする両用型で採用されることも。
グラスワンダー
自前で「独占力」を所持しており、速度デバフとして活用できる。
ルドルフと同じく、初期はエースとしての活躍が多かったが、現在ではデバフ型が大部分となっている。
因子継承の親としての採用率が高いウマ娘
セイウンスカイ
実装以来チャンピオンズミーティング環境を一変させたウマ娘。
固有スキル「アングリング×スキーミング」(通称アンスキ)が「終盤コーナーで先頭にいると発動する加速スキル」ということでマイル~中距離ではほぼ確実に最速発動する終盤加速スキルとして猛威を振るう。
そのため、すべての逃げウマ娘はいかに継承アンスキを発動させるかを競っている、アンスキの有効度合いで逃げウマ娘の環境での強弱が決まるといっても過言ではない。
一方で短距離だと一部コースでは発動しなかったり、長距離だと最速発動せず本領発揮できないといったこともあるため、マイル~中距離に比べれば大人しめ。
……なのだが、逃げ脚質が少ないor弱いことを見込んで、長距離レースで先行脚質が継承アンスキを狙ってくるケースもあるので油断ならない。
なお、本人の方も「距離適性が比較的広い(中・長距離A、マイルC)」「覚醒スキルで逃げ用中盤金速度スキル『脱出術』を覚える」といった事情から決して弱くはなく、特に実装直後のキャンサー杯では他の逃げ脚質の選択肢が今より少なかったのもありトップメタとして環境を振り回した。
……が、その後の水着マルゼンスキーといった固有スキルが中盤速度スキルのウマ娘の増加や「脱出術」を覚える手段の増加に伴い、本人を見る機会は減少。このあたりはまるで古馬になってからはさっぱりだった元馬のようである。
ニシノフラワー
固有スキル「つぼみ、ほころぶ時」が「レース中盤のコーナーで競り合っていた場合、終盤かつ最終コーナー半ば以降に3〜4位にいると加速力が上がる」と短距離・マイル(と一部中距離)では終盤最速加速となる先行向きの強スキル。
条件は複雑だが、多くのレース場では有効であることや、先行脚質の加速スキルが少ないということもあって、先行ウマ娘を育成する時は大体継承する。特にマイル以下の距離ではタイキシャトルの固有も有効なため両方継承させることが多い。ある意味史実通り。
また前方脚質が少ない環境では差し・追込のウマ娘に継承させ、前に行き過ぎた場合のフォローという使い方もある。
もちろん短距離とマイルでは本人も大活躍。特に短距離では人選が少ないため毎回トップメタになるほど。
メジロライアン
一言で言えば後方脚質版セイウンスカイ。
固有スキル「レッツ!アナボリック!」(通称アナボ)が「終盤コーナーで6位(チャンピオンズミーティング時)で発動する加速スキル」ということで上記セイウンスカイ同様猛威を振るう……と言いたいところだが、順位指定があまりにも厳しいため、狙って発動させるのはアンスキに比べるとかなり難しい。
そのため、実際の運用としては「環境での逃げ・先行ウマ娘の数を想定してチームを編成して6位を狙いに行く」といったテクニカルな運用か、「チーム編成を後方脚質3人で固めて誰かが6位になることを狙う」といったガチャ運用にならざるを得ない。
逆に言えば決まってしまえばレースを破壊できるスペックを秘めているとも言え、前方脚質での安定性を狙えないトレーナーは今日もアナボガチャに掛けるのであった。
なお、本人の方は覚醒スキルが微妙に噛み合わないということもあって、見かける機会はあまり多くない。一応☆1なので無課金でも用意できるワンチャン枠としては優秀な部類なのだが……。
また、史実における娘であるメジロドーベルの固有スキルはライアンのマイナーチェンジのような内容になっており、有効に使えるレースが少ない代わりに順位条件が緩和(チャンミなら5・6位)されているためこちらが採用されることも多い。
マルゼンスキー
固有スキルが「最終コーナー以降に5位以上で発動する加速スキル」ということで発動はしやすいが、発動しやすすぎて終盤突入前に発動してしまい無駄撃ちとなることも多いことから、終盤開始地点が最終コーナー入ってすぐにあるコースでは逃げ~先行にとって有力な加速スキルとなる。
……が、実は発動条件の都合上最終直線で5位に上がるといった形でも発動することから、差し~追込の後方脚質に継承させた上で垂れてくる先行勢をかわした直後にわざと遅らせて発動といったことが狙えるため、後方脚質向け加速スキルとしての需要を合わせると実は継承固有としての採用率は結構高い。
特に先述したライアン固有(6位条件)で加速→追い抜いて(5位)本継承スキルでさらに加速、とすることができるため、決まったときの高い爆発力は随一。
なお、本人の方は水着版が強すぎるため、こちらの固有が十分に生きるレースでもあまり出てこない。何なら水着版にこれを継承させて使う人も居るくらいである(継承相性が酷いことになるため茨の道だが)。
水着ゴールドシップ
普通に使うと効果が博打すぎるため発動させた本人の勝率を安定させることは全く望めないが、条件に合わないスキルや不発になったスキルを無理矢理発動させることが出来るという特性から、デバフキルを発動することだけが求められるデバフ要員に継承させると非常に強力。
自前でデバフレアスキルを持つウマ娘に固有を継承させ、レアスキルを発動させたいデバフスキルだけ(あるいは追加で緑金スキル)にして専業デバッファーとして活躍させることができる。
実際直後のレオ杯(中山1200m)では「独占力」を積んだグラスや会長などがそれなりに出走していた。
水着ゴルシ本人はデバフレアスキルを自前で所持しておらず、サポートカードから得られるデバフのレアスキルはゴールドシチーの「慧眼」とマンハッタンカフェの「スタミナグリード」しかないが、今後デバフのレアスキル持ちのSSRサポカが増えたら本人の出番も増えると思われる。
デバッファーの隆盛を支えるウマ娘であり、ある意味ゴルシゲーの側面を担っているかもしれない。
スペシャルウィーク
上記のスキルたちほど強烈な効果は持たないものの、発動条件が緩い上に「前に出る」効果の特性上どのタイミングで出ても無効にはならないことから、どんなレースでも(逃げ以外なら)選択肢に入るという「迷ったらとりあえずコレ」的な継承候補。
本人の継承相性が優秀なこともあり、直接の親としてだけでなく祖父としての需要も高い。
関連タグ
タウラス杯 ジェミニ杯 キャンサー杯 レオ杯 ヴァルゴ杯 ライブラ杯 スコーピオ杯 サジタリウス杯 カプリコーン杯 アクエリアス杯 ピスケス杯 アリエス杯