キセキの白星
きせきのしろぼし
「メリークリスマス――キミと願いを叶えに来た…!」
- 初期ステータス
スピード | スタミナ | パワー | 根性 | 賢さ | |
---|---|---|---|---|---|
★3 | G+/94 | G+/91 | F/111 | G+/76 | G+/78 |
★5 | F/115 | F/111 | F/136 | G+/93 | G+/95 |
- 成長率
スピード | スタミナ | パワー | 根性 | 賢さ |
---|---|---|---|---|
+15% | +15% | +0% | +0% | +0% |
- 所持スキル
固有スキル | 聖夜のミラクルラン! | スキルで持久力を3回以上回復するとレース後半で勝利に向かい呼吸を整えて力強く踏み込んでいく |
---|---|---|
初期スキル | 内弁慶 | 最終コーナーで内ラチ側にいると速度がわずかに上がる<長距離> |
栄養補給 | レース中盤に持久力がわずかに回復する<作戦・先行> | |
ふり絞り | レース終盤にスキルを多く発動すると持久力がわずかに回復する | |
覚醒スキル | 小休憩(覚醒Lv2) | レース中盤に持久力がわずかに回復する<作戦・差し> |
食いしん坊(覚醒Lv3) | レース中盤に持久力が回復する<作戦・先行> | |
スリーセブン(覚醒Lv4) | 残り距離が777mの時にわずかに元気が出る | |
内的体験(覚醒Lv5) | 最終コーナーで内ラチ側にいると速度が上がる<長距離> | |
進化スキル | 食いしん坊 → ドカ食い養生 | レース中盤に持久力をすごく回復する<作戦・先行> |
内的体験 → クリスマスの奇跡体験 | 最終コーナーで内ラチ側にいると速度が上がり持久力をわずかに回復する<長距離> |
通称クリスマスオグリキャップ、縮めてクリオグリ。ウマ娘2年目(2022年)の対人環境を文字通り牛耳った、もう全部あいつ一人でいいんじゃないかなを文字通り体現するバランスブレイカーである。
現在は他キャラの上方修正やクリオグリ自身の進化スキルがほぼ据え置き(あるいは進化条件が鬼畜)になったことなどで、かつての壊れっぷりは比較的鳴りを潜めている。
「聖夜のミラクルラン!」がなぜ強いのか
クリオグリの強さの理由は、間違いなく固有スキル「聖夜のミラクルラン!」である。
効果としては速度・加速の複合スキルであり、各要素は通常の速度スキル・加速スキルよりもそれぞれ効果量が低く特に目立ったものではない。問題は、その発動位置にある。
このスキルの強さを説明するには、まずゲーム『ウマ娘』のレースシステムに触れておく必要がある。
『ウマ娘』におけるレースは、コース全体が大きく序盤・中盤・終盤の3つの区間に分けられ、各ウマ娘たちは終盤突入時に大きく速度を上げてスパートをかける構成になっている。つまり、終盤開始時に加速スキルを発動しているウマ娘が強いことになる。セイウンスカイの固有スキルが強いのはこの理屈による。
さらに言うと、加速時は「現在の速度から最高速度に向かって速度を上げる」仕様であるため、終盤突入直前に速度スキルを発動するなど何らかの方法で速度が上がっていると、その分の速度が上乗せされた状態で加速することになる。これが俗に「終盤接続」と呼ばれる挙動である。
つまりミラクルランのような速度・加速の複合スキルが終盤突入直前に発動すると、「速度効果で終盤接続しつつ、突入後の残った効果時間で加速効果により加速力を上げる」という、上記2つの効果が同時に現れることになる。発動タイミングにもよるが、総合的な効果量でいえば一般的な本体加速固有をも上回る。
ここで、ミラクルランの発動条件は、「回復スキルを3つ発動する」である。これは、3つ目の回復スキルの発動時に即このスキルが発動することを意味する。つまり、3つの回復スキルの選び方によっては終盤直前にミラクルランを発動させるよう調整することが可能であり、さらに発動には他の加速スキルと異なり順位の影響を全く受けない。いわばこの自己完結的な戦術こそが、クリオグリが「バランスブレイカー」と呼ばれたゆえんなのである。
幸いとも言える点は、育成中のレースのネームドウマ娘は極一部の例外を除き、衣装違い版では一切出ないことだろうか。
仮にクリオグリが出走していたら、もしかすると本気で苦情が殺到するレベルの難敵となっていたかもしれない(…と言いたいところだが、スキル構成に隙がありステータスもそれほど高くない育成中ネームドであれば大きな脅威にはならないと思われる)。
回復スキルの構築例
終盤直前に狙って固有を発動させるためには、3つの回復スキルの選び方が非常に重要である。
1・2個目
序中盤で確実に発動するスキルが望ましい。理想としては、順位条件のない、序盤・中盤指定のスキルである。以下の中から選ぶのが理想であるが、これ以外でも多少の不発リスクに目をつむれば代用可能。
逆に、序中盤(終盤手前以外)で発動する可能性のあるスキルを3つ以上取ってしまうと、中盤でミラクルランが暴発してしまうリスクがあるので注意が必要。特に、「神速」「一番星」など複合効果に回復が含まれるスキルには要注意。
- コーナー回復
- 全脚質・全距離で順位条件なしに発動する、必ず欲しいスキル。序中盤指定はないが、この手の回復スキルは各種コーナー速度と異なりコーナー突入と同時に発動するため、終盤で暴発する心配がない。
- 栄養補給(食いしん坊)
- 先行用の中盤スキルで、クリオグリの所持スキル。順位条件がないため先行運用時は必ず取りたい。逆に先行以外の運用の際は他2つを必ず取り切っておこう。同じく先行用の「好意追走」は順位条件(1~5位)があるため優先度が低い。
- 直線回復
- 全脚質・全距離で発動するスキル。クリオグリ実装当時は発動位置が「直線」のみであり、終盤発動のリスクも抱えていたが、3周年アップデートで「中盤の直線」に調整されたため無事クリオグリにも採用可能になった。
- 小休憩
- 差し用の中盤スキルで、クリオグリの所持スキル。実装当時は終盤ランダム発動のスキルだったため、スリーセブン起動が無効となるが覚醒スキル「内的体験」が有効に働く長距離のレースでよく使われていた。(というより、そもそもクリオグリって衣装やスキルの名前からしても有馬記念用の性能デザインのはずじゃ……)
3個目以降
レース残り距離やコース形状に依存し、発動位置がある程度決まっているスキルが望ましい。さらに欲張れば、3つのスキルどれかの不発に備えて保険の4つ目も用意しておくのが望ましい。これに関しても、順位条件がないのが理想である。ここに採用できるスキルの性質によって、クリオグリが「強い」レース条件が決まってくる。
以下、順位条件は9人立て(チャンピオンズミーティング条件)を前提とする。
- スリーセブン
- クリオグリの大暴れを許した主要因。クリオグリが初期から取得可能であり、レース距離残り777mで順位条件なしに発動する。これを3つ目にすることで、レース場に関わらず2000m~2200m開催のレースでは終盤手前ドンピシャで固有が発動することになる。1800mのレースでは接続はするが加速効果は残らないため、追い抜きが必要な「電光石火」のトリガーとすることが多い。2400mのレースでは遅延発動のため接続はしないが加速効果が活きる。
- U=ma2(アグネスタキオンの継承固有)
- レース後半のコーナーで3~4位が条件。コーナー回復と同様コーナー突入と同時に発動するが、順位条件のため先行運用が前提。主に1800~2000mのコースで終盤手前発動を狙うことができるが順位による不発リスクが大きいため、2000mを中心にスリーセブンと併用する保険としての役割が期待される。
- 下校の楽しみ
- 下り坂で発動する、追込用のスキル。オグリの初期追込適正はDなので改造の必要があるが、発動すれば終盤直前に下り坂のある阪神芝1600m(桜花賞)・阪神芝2000m(大阪杯)・京都芝2200m(エリ女)などでとても強力である。阪神芝1600mについてはスリーセブンが使用できないため、このスキル一択となる。ただし、スキル自体はサポカからの入手手段に乏しく因子の用意が求められる。追込改造の利点としては終盤の最高速度が先行より高いことがあるが、これらの条件では先行用加速「決意の直滑降」も強力なので、最高速度の爆発力を取るか加速の充実・安定を取るかの2択を迫られる。
- ワクワククライマックス(ハルウララの継承固有)
- 最終コーナーで5位以下かつ周囲にウマがいることが条件。どちらかというと短距離・マイルと短めの東京中距離で有効だが、前に出すぎるリスクを考えてスリーセブンが使える距離での保険が多い。マニアックなところだとスリーセブンの発動が遅延してしまう凱旋門賞でも使える。順位条件的に差しか追込改造での運用が基本であるが、ウララとの継承相性を考えると因子が大変。
また、加速効果のみしか機能しないが、クリオグリが自前で取得できる終盤回復「ふり絞り」を使って、終盤手前不発の最後の保険とすることもできる。
クリオグリとしての強さ、そして弱点
以上から、クリオグリの強さの主因は「発動位置次第で強力な効果を持つ固有スキルを持ち」「その発動位置はスキル構築によるため自由度が高い」ことにあるとわかる。
さらに言えば、特に固有とのシナジーが高い「スリーセブン」が自前で取得でき、また先行運用に限れば残りもう1つ序中盤回復スキルを取るだけでスキル構築が最低限完了するため、育成の難易度が低くお手軽にエースが用意できるのも大きな強みである。
また、回復スキルを取得するため副次的に要求スタミナが低く済むこと、ダート含む適性が広く幅広いレースで使えることも利点といえる。
一方、他キャラの固有と違って賢さに成功率が依存すること、スタミナが必要ないレースでも回復スキルを3つ以上取らなければいけないことは欠点といえる。特に後者はレース距離が短いほど顕著になり、その分のスキルptで速度スキルを取得したライバルに道中有利を取られやすい。
また、上に述べたようにうっかり回復効果のあるスキルを間違えて取得してしまう、なんて場合もあるため、トレーナーにはゲームシステムへの十分な知識と理解が求められる。
マイル以下では終盤力の高い通常衣装(スターライトビート)の方がよい場合が多い。
歴史
実装直後のチャンピオンズミーティング「サジタリウス杯」では、長距離条件のためスリーセブン起動が使えず、ふり絞り・小休憩起動での終盤発動を狙うトレーナーが多かった。この時点でも「内的体験」の強さも相まってそれなりに戦えるウマ娘、という評価であった。
しかし年が明け、2年目環境に突入してから様子がおかしくなり始める。
というのも、4月開催のアリエス杯まではチャンミ開催条件が短距離→ダート→長距離と続いており、長らく中距離チャンミが開催されていなかったのが、アリエス杯以降中距離チャンミが立て続けに開催されるようになったから。クリオグリがいわゆる「人権」と化したのはこの頃からである。
当時の中距離環境は逃げ一強。特に水着マルゼンスキー(水マル)とバレンタインミホノブルボン(チョコボン)の2頭が他ウマ娘をひき逃げにする、という構図が支配しており、そこにお手軽に割って入れるウマ娘として注目され大流行を引き起こした。以降の中距離チャンミには編成をこの3体で埋めるトレーナーが続出することとなり、その環境をもって「水マルクリオグリチョコボンゲー」と言わしめる所以となった。
やがて夏頃のSSRマルゼンスキー(スピード)実装を機に逃げ環境が下火になると、今度はクリオグリに加えて他2体をデバッファーで固めデバフスキルを飛ばしあう戦法が主流になり、エースたるクリオグリの完成度を競い合う「クリオグリ品評会」とも呼ばれる現象が冬までしばらく続いた。
進化スキル実装による相対的弱体化→現状
しかし、3周年アップデートで「進化スキル」が実装された際、クリオグリは他のウマ娘と比べてかなり厳しい待遇を受けていた。
食いしん坊の進化である「ドカ食い養生」は、進化条件が太り気味になるか、追加育成イベントで太り気味リスクの高い「すべてを食い尽くす」選択肢をとらなければならず、バッドステータス治療の手段がない限りは、持久力がすごく回復になるという条件に見合うものではない。
また、内的体験の進化である「クリスマスの奇跡体験」は有馬記念2連覇かファン150,000人以上と比較的緩い条件ではあるものの、依然として長距離スキルのためクリオグリの主戦場たる中距離で使用することはできない。
総じてバランスを考慮してか、進化スキル自体はそこまで突出したものがないばかりか、他の中距離ウマ娘の強化も相まって、相対的には実装された当初よりも弱体化したといえる。また、後年に実装されたウマ娘たちの方がスキル面でも優遇されていることもあって、近年の対人環境ではそこまで多く見かけることはない。
ただし現在でも、クリオグリが特に強い終盤が下り坂で始まるコースや、適性の合うウマ娘と安定した加速手段に著しく乏しいダートの一部コースを中心に、有効ウマ娘の一人として名前が挙がることがある。
特に、川崎ダート2100m(川崎記念)の条件におけるクリオグリの強さに匹敵するウマ娘は未だわずかである。
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