ガゼフ・ストロノーフ
がぜふすとろのーふ
CV:白熊寛嗣
リ・エスティーゼ王国戦士長。30代。自ら鍛え上げた国王直属の精鋭を指揮し、王国最強を謳われて近隣諸国にその名を轟かせる男。
既にその力量は英雄に及ぶとも言われ、王国に伝わる『五宝物』全ての装備を認められている(詳細は後述)。
《六光連斬》を代表とする複数の武技を操り、究極の武技をも使いこなすという。
人物像
一介の平民から身を立てたため平民を慮る想いが強く、アインズと出会うきっかけとなったカルネ村の襲撃事件が、自らを陥れる罠と知っていてなお民のために危地に飛び込むなど、精神面でも優れた好漢である。
その分、貴族派閥に属する者達などからは疎まれている。
良くも悪くも武辺者であり、私生活も質素そのもの。政治的に微妙な位置にいるにも拘わらず、自身の政治力がほぼ皆無である事を自覚していたのと、飽くまでも「私心なき王の剣であろう」という考えを持っているため宮廷での政治闘争とは一切関わりを持とうとせず、よって貴族位も与えられていなかった。
武力威圧によって王国及び王派閥を支える『剣』としては大きく貢献していたものの、こういった姿勢と考え方から貴族達からは侮られがちだった上、腐敗した王国の滅亡を望むスレイン法国からも『王国の無為な延命に寄与する癌』と見なされ命を狙われていた。
実はガゼフ単体としては英雄級には僅かに届いておらず、国内外で噂されている戦闘力は、五宝を全て身に付けたフル装備の状態での戦闘力を示したもの。
フル装備の状態では素の状態では及ばないハムスケはおろか、元漆黒聖典のクレマンティーヌでさえ凌駕する強さを発揮する(しかし、クレマンティーヌは漆黒聖典に所属していた頃のフル装備を纏えばそのガゼフをも凌駕し、ハムスケも普段は玩具にしている『死の宝珠』を用いれば形勢は逆転される)。
かつての徴兵を渋った事が原因で敗北寸前に陥っていた王国軍の反攻作戦の中心となり、先代の帝国四騎士の2人をたった1人で討ち取って戦況を覆してみせて以来、非常に恐れられている。
騎士ではあるが、剣は飽くまでも『攻撃手段の1つ』として割りきっており、ルール無用の実戦では手足を使った戦法も惜しみ無く使う(本人曰く、「泥臭い冒険者向けの剣」)。
主な使用武技
- 可能性知覚
第六感の強化とも言うべき能力。
- 急所感知
対象の弱点を調べる。
- 戦気梱封
武器に戦気を込める事で、一時的に魔法武器と同等の効果を付与する。
- 即応反射
攻撃した後バランスの崩れた体を、無理やりに攻撃する前の姿勢に戻す。
- 四光連斬
ガゼフのオリジナル武技。一撃を振るう刹那に、周囲の敵に四度の斬撃を叩き込む神速の武技。
ただし、攻撃がばらける命中率の低い剣閃という弱点がある。
- 流水加速
神経を一時的に加速させ、攻撃速度などを上昇させる武技。しかし、極度の疲労が脳に溜まっていくのが難点。
- 六光連斬
こちらもガゼフのオリジナル武技にして、大技の1つ。一撃を振るう刹那に、周囲の敵に六度の斬撃を叩き込む神速の武技。
《四光連斬》と同様、攻撃がばらける命中率の低い剣閃という弱点がある。更に通常の武技3つ分の集中力を使うため、使用する度に肉体は著しく消耗する。
五宝
ガゼフがその強さ故に、国王ランポッサⅢ世から直々に装備を許された、リ・エスティーゼ王国が誇る強大な力を有する5つのマジックアイテム。
ただしナザリック基準では、5つの内3つは大した価値を持ったアイテムでは無い。
王国が魔導国による侵攻を受けた14巻では、指輪(後述を参照)を除いた残り4つはザナックが装備しており、彼の死亡後はアインズの手に渡った模様。
- 不滅の護符(アミュレット・オブ・イモータル)
常にHPを回復し続ける、リジェネレーション効果を持つ。
- 守護の鎧(ガーディアン)
致命的な一打を回避する効果が付与された、アダマンタイト製の鎧。
単純な鎧としての性能も転移後の世界基準であれば、最高硬度のアダマンタイト製故に超一級品。
- 活力の篭手(ガントレット・オブ・バイタリティ)
疲労を無効化する効果を持つ篭手。疲れないため、ずっと全力で戦い続ける事が可能。
- 竜族の秘宝(仮称)
正式名称は不明。戦士としての限界を突破するとされる指輪。元十三英雄兼『蒼の薔薇』の一員だった女性、リグリット・ベルスー・カウラウから与えられた物で、元はツアーがリグリットに預けていた竜族の秘宝。転移後の世界独自の理から造られたとされ、ナザリック基準でも上位クラスに匹敵する逸品。
ゲヘナ作戦時は最大限の支援としてクライムに貸し与え、『大虐殺』以降はクライムの手に渡っている。
- 剃刀の刃(レイザーエッジ)
各種防御効果を無視して、相手に直接ダメージを与えることが可能な名剣。
レベル60以下の相手の攻撃を問答無用で無効化する、アインズの《上位物理無効》すらこの剣の前では無意味で、マジックアイテムとしての効果だけならば、ナザリック基準でも平均以上の価値がある。
『大虐殺』では、アインズからの「自分の部下になれ」という勧誘を王への忠誠心を盾に蹴り、一騎討ちを申し込んで成立させる。
この選択はランポッサⅢ世への忠誠心のみならず、平民はすぐに裏切るという悪評で平民出身者が不利益を被る事を危惧した事と、敬意と好意を抱いてるアインズに対して偽りの忠誠を誓う事は出来ないが故のものでもあった。
また王の信頼が篤い自分が死ぬ事で、「大敗北を喫した王に向けられる憎悪を少しでも和らげられれば」とも考えていた。
彼我の実力差を埋める事は出来ず、結果こそ一撃で葬られたと言っていいが、そこから得た情報をブレインとクライムに託す。
そのアインズとは上述のカルネ村での一件以来、立場の違いこそあれど互いに好感を抱いており、最期まで敬意と尊敬を持った態度で接し続けた。
アインズもそんなガゼフの気持ちを汲んで、「嫌いではなかったぞ」との言葉を《真実の死(トゥルー・デス)》をかける直前に贈り、それ以上の王国軍への追撃を取り止め黒い仔山羊を引き上げさせた。
なお、ランポッサⅢ世はラキュースの蘇生魔法でガゼフの蘇生を試みたが、使われたのが高位の即死魔法であったため、低位の蘇生魔法では叶わなかった。
彼の存在は死してもなおアインズの中で強く残り続けている様で、書籍版13巻と14巻ではネイアやクライムの中に、ガゼフの面影を見ている描写がある。
こちらでもカルネ村襲撃事件後にアインズと出会う。タワーシールドとブロードソードを持ったデス・ナイト(守備重視命令)と、バスタードソード装備の王国最強のガゼフによる試合を行い、最後はガゼフに勝ちを譲った。
アインズはガゼフとの再会を待ち望んでいたが、王国貴族の使いの無礼な行動に激怒して排除した後、バハルス帝国の使いがジルクニフと共に訪れ帝国と交渉した際には、既に興味がガゼフからジルクニフに完全に移っていた。
更に陽光聖典のカルネ村への襲撃がWEB版では行われていない為、書籍版の方よりもアインズとの親交が乏しくなっている事もあり、大虐殺以降も生存している。
しかし、その代わりに黒い仔山羊の進軍が止まらず、書籍版では命からがら生還したレエブンが死亡してしまっている。
同作品のキャラ。『王国最強と謳われる騎士』、『王に絶対の忠誠を誓う懐刀』、『国の平和と民を愛する騎士の鑑』といった点が共通している。
しかしこちらはガゼフとは異なり、視野狭窄かつ猪突猛進で、平和と民のためなら自身のどんな行動も善に繋がると考える狂信者じみた思想の持ち主。
絶対の忠誠を誓う主君。
自分を遥かに凌ぐ御仁。
良き好敵手。数年後にはどうなっているか分からない逸材。
目を掛けている期待の若手騎士。
竜族の秘宝を授けてくれた恩人。
座学と剣術を教えられた師匠。地獄の日々だったが、それがあったからこそ今の自分がいる。
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