「魔法詠唱者(マジック・キャスター)如き、スッといってドスッ!これで終わりだよぉ~」
CV:悠木碧
概要
秘密結社『ズーラーノーン』の十二高弟の1人にして、元スレイン法国特殊部隊『漆黒聖典』第九席次。
漆黒聖典時代は“疾風走破”の異名を取った英雄級の力を持つ実力者で、自らを「人殺しが大好きで、恋して愛している」と語って憚らない性格破綻者。
戦士として非常に高い実力を持っており、彼女と同等の戦士は王国ではたった4人、ズーラーノーン内で彼女に勝てる高弟は3人しかいないとの事。
同じズーラーノーンの高弟である同僚のカジットから「クインティアの片割れ」と呼ばれた事があるが、この片割れとは今も漆黒聖典に所属している兄と思われる人物、クアイエッセを指しているものと思われる。
人物像
上述の通り、人を殺すのが大好きだと公言する程の殺人狂。また「拷問も大好きだよ」の言葉通り、可能な限り嬲って殺すのを楽しんでいる。
物語開始以前から冒険者達を無差別に殺し続けており、その度に狩猟戦利品(ハンティングトロフィー)代わりとして、彼等のプレートを奪っていた。
こんな具合に性格が破綻しているが、その性格はどこか演じている節があり、本人の思考をなぞる文では冷静そのもの。
WEB版でもズーラーノーンからの脱退を決めた際は、冷徹かつ淡々と行動していた。
それにそんな性格になったのにも理由がある様だが、本人が語らないので詳細不明。ただ、両親と兄に何かしら原因があるらしい。
容姿
見た目は20歳前後の瑞々しい女性で、挙動も相まってどこか幼さを感じさせるが、実年齢は20代半ばで若作りをしているらしい。
金髪のボブカットで肌は白い。顔立ちは整っており、ネコ科の動物を思わせる可愛らしさと、肉食獣の様な危険な雰囲気がある。
なお上述の奪ったプレートは、全てビキニアーマーに似た軽装の鎧に貼り付けられている。
その様は一見すると鱗鎧に見える事から、それだけ多くのプレートを奪ってきた、すなわちおびただしい数の冒険者を屠ってきた事が窺える。
強さ
現在登場した英雄級と評される戦士の中でも、トップクラスの実力者。
本人が「まともに戦える王国内の戦士」と明言したのは、王国戦士長ガゼフ・ストロノーフ、ガゼフと互角に戦った剣士ブレイン・アングラウス、『蒼の薔薇』のガガーラン、『朱の雫』のルイセンベルグ・アルベリオン、元アダマンタイト級冒険者のヴェスチャー・クロフ・ディ・ローファンなど、トップクラスの名だたる猛者達しかいない。
オリハルコンコーティングが施されたスティレットを主な得物とする。
素早い身のこなしで相手を翻弄しつつ、一気に接近して懐に飛び込み、スティレットの刺突を急所に叩き込む戦法・通称『スッといってドス』(本人談)を得意とする。
また、身体能力を強化する武技をいくつも修得しており、本気になるとこれらを重ね掛けして、更に超人的な身体能力を発揮出来る様になる。
切り札はスティレットに込めた各種攻撃魔法で、刺突後に発動させる事で相手を防御の内側から破壊する、必殺の一撃を見舞う事が可能。
なお、スケルトン系アンデッドなどの刺突が通じにくい相手への対策に、モーニングスターをサブウェポンとして所持しているが、スティレット以外の扱いはあまり得意ではない模様。
アサシン染みた戦闘スタイルながらその一撃は強烈で、並の鎧程度は苦もなく貫通・または粉砕し、モモンの鎧ですら凹ませてしまった程。
しかし作中で見せていた強さは、漆黒聖典時代に使用していた装備を使っていない(離反の際に全て置いてきた)状態のものであり、その頃の強さには遠く及ばない。
主な使用武技
- 疾風走破
移動速度と俊敏性を上昇させる。
- 超回避
詳細不明。オート回避?
- 能力向上
肉体能力を一時的に上昇させる。
- 能力超向上
《能力向上》の上位武技。
- 不落要塞
武器の防護と受ける威力の無効化と思われる武技。一部の天才のみが修得出来る。
- 流水加速
神経を一時的に加速させ、攻撃速度などを上昇させる武技。しかし、極度の疲労が脳に溜まっていくのが難点。
- スティレットに込められている魔法
・相手を魅力する魔法
・雷撃(ライトニング)
・火球(ファイヤーボール)
書籍版及びアニメでの活躍
初登場は書籍版2巻から。詳細は不明だが物語開始以前に漆黒聖典を裏切り、スレイン法国から逃亡した。
なおその際に、法国の最秘宝の1つ『叡者の額冠』を奪い、装着者の“闇の巫女姫(WEB版では“火の巫女姫”)”を発狂させ死に追いやっている。
作中ではンフィーレアの持つ『生まれながらの異能(タレント)』を利用する目的で、彼の誘拐を決行。そしてカルネ村から帰還したンフィーレアを攫う際に、彼に同行していた冒険者チーム『漆黒の剣』のメンバーを皆殺しにする。
特にニニャは、周りの連中が逃がそうとした事で嗜虐心を掻き立てられ、徹底的に痛め付けて殺している。
その事が彼らを利用しようとしていた(そして、少しばかりの情も湧いていた)モモン(アインズ)の怒りを盛大に買ってしまい、上述の持ち去られたプレートを元に《物体発見(ロケート・オブジェクト)》の魔法を使われ、自身の居場所を割り出された。
当初はモモンを舐めきっていたため余裕の態度を崩さなかったが、クレマンティーヌの動きから戦士としての戦い方を学ぼうと、わざと劣勢に追い込まれている振りをするという舐めプをされた上に、真の姿を表した彼に「魔術師(マジック・キャスター)相手に近接戦で圧倒した気分はどうだ?」と煽られた挙句抱きしめられて圧殺されるという、悲惨な目に遭った。
死体はアインズにより王国の遺体安置所(転位阻害の魔法で覆われている)に収容されたが、事件の翌日には死体が忽然と消えてしまい、蘇生による再登場の可能性も残されている。
余談だが、11巻特装版に付いてくる『ぷれぷれぷれあです ナザリック最大の危機』では、ナザリックの一員でないのに何故かチャプターコールを務めており、アイキャッチにも毎回登場してプレアデスの誰かに殺されるという、優遇なんだか苛めなんだかよく分からない扱いを受けている。
そして『ぷれぷれぷれあです クレマンティーヌ逃亡編』では、まさかの主人公に抜擢された。
前述の死体が消えた時点で何者かに蘇生されていたらしいが、ほぼ自信が折れており「自分は結構強い方なのに」とブツクサ言いつつも、「あんなとこにいたら命がいくつあっても足りない」と出奔したらしい。
しかし作中での扱いはと言えば魔法でズルする奴に酒飲み勝負を挑まれ我を失い、その時教えられた片割れの本当の一人称を2人して揶揄っていたら、そのボクっ娘の照れ隠しの突き飛ばしで重傷を負ったり、明らかに只者じゃない目の奴と目どころか顔全体がおかしい奴に酷い目に遭わされたり、死んだ原因の相方とニアミスしてトラウマに震えたり、比較的善良そうな奴に助けを求めたら噴出空中移動させられたり(「発射5秒前」というカウントダウンを聞き「…発射って言った?」と反応、発射ギリギリまで防御上昇のバフを掛けまくり保身を図るも無慈悲に吹っ飛ばれ、身体に巻き付けていたプレートをポロポロと落としながら運搬され着弾地点で疲弊していた)と、ひたすら酷い目に遭ってるだけ。
その後、プレアデス全員で武技について調べていた事から、発射前に掛けていた防御バフ(特に“不落城塞”)について質問されそれに答えると、シズはそのまま何処かへ飛んでいってしまう。
最終的に死の原因が、純粋な腕力で巨石を思いっきり崖に投げ付けている所を遠目から目撃して、常識とか自信とか色々蒸発して精神崩壊した。
WEB版での活躍
アインズの実力がどれ程のものかと実力を図ろうとしていたが、その意図を察し、不快に思ったアインズが置いてあった石造りの椅子(推定2トン)を片手で壁に投げ付けて粉砕した事で、戦士としての自尊心が崩れ去ってしまう。
直後に魔法《上位道具作成(グレーター・クリエイト・アイテム)》で豪奢な玉座を創り出した事で、アインズが「人外の肉体能力を持った魔法使い」であると認識したために、完全に反抗心が崩壊。
「あんなのに勝てるわけ無いでしょうが」と書籍版と正反対の発言をするレベルまで落ち込み、同時にズーラーノーンに居ては自分の身が危ないと、同僚の1人と一緒にズーラーノーンを裏切って脱走した。
MASS FOR THE DEAD
上述のWEB版では元々、“聖王国の聖女クレマンティーヌ”という人物の存在が示唆されていた。
それはスレイン法国の特殊工作部隊、『六色聖典』の中の1つ『漆黒聖典』の元構成員が、アインズの規格外の能力に戦意を失い逃亡。ローブル聖王国に逃れた際、何故か聖女と呼ばれていた(作者によるWEB版の近況報告より)。
第三章終盤、トブの大森林でレイナースは、主人公に会わせたい人がいるとコメントした。
そして、主人公とスライム子を連れてエ・ランテルに行った際、住民から聖女と崇められる彼女を紹介。プレイヤーは「WEB版キターーーー!」と歓喜した。
キャラストーリー『混沌の記憶』によると、エ・ランテルで追手に深手を負わされ、行き倒れて死ぬ寸前だった所を『誰か』に助けられた模様。しかも相当高位の神官か、相当高位のポーションでもないと治せない瀕死の重症が治っていた。
その恩人に「自分に恩を返すより困ってる都市民に返して欲しい」と言われたらしく、以降は避難民に対する慈善活動を開始。現在は冒険者や住民達は元より王国関係者からも多大な信頼を得ており、かなり広い範囲で顔が利く。
しかし、その前身はスレイン法国で『多くの大罪』を犯した者であり、幼子に対する何かまでをする程の人物だったが現在はその時の自分を悔いて改心した様であり、法国出奔の果てに王国に流れ着き聖女と呼ばれるまでに至る。
彼女は「聡明な人物」であり、印象操作の後模擬戦を通して主人公の実力を測るなど、何かしらの意図をもって行動。
主人公を冒険者とし、そのサポートをする事で都市長のパナソレイと接点を持たせようとしている…様に見える。
OVERLORD -ESCAPE FROM NAZARICK-
2022年6月16日に発売された、オーバーロード初の探索型2Dアクションゲーム『OVERLORD -ESCAPE FROM NAZARICK-』では、まさかの主役を担当している。
ゲームの粗筋は、記憶喪失の状態でナザリック地下大墳墓で目を覚ましたクレマンティーヌが、アインズによりある実験への強制参加を告げられ、全てを失った状態からナザリック地下大墳墓からの脱出を図る事になるというもの。
中ボスとして、ユリ・ナーベラル・ハムスケ・エントマ・コキュートス・シャルティア・アルベドが立ちはだかり、ラスボスにアインズが登場する。
探索を続ける内に、失われた『記憶の片鱗』を各階層で取り戻す度に記憶が戻っていき、それらはスチルとしてギャラリーに保存される(初登場から、アインズに一度殺されるまでのアニメの映像が使用されている)。
なお、ストーリーは原作者・丸山くがね監修となっている。
余談
上述の『ぷれぷれぷれあです』や『OVERLORD -ESCAPE FROM NAZARICK-』に加え、2016年に開催された人気投票ではTOP10の殆どがナザリック勢である中、彼女自身は10位にランクインするなど、その強烈なキャラクター性からかファンの間では根強い人気を得ている。
(ちなみにその人気投票の結果発表では、アインズ達に怯えて身を隠しているのか1人だけ画像が小さくなっており、コメント欄には「ちょ!小さくなってんだからさ!声かけないでくれる!」との台詞が付いていた)