ブレイン・アングラウス
ぶれいんあんぐらうす
WEB版・書籍版・アプリゲームの『MASS FOR THE DEAD』で、展開が異なる人物。
ここでは投稿数及び、一般認知度が高い書籍版の設定を中心としつつ、オリジナルであるWEB版による誤差を追記・別記等の形にて記載する。
剣の高みを目指す剣士。元々は農夫だったにも拘わらず剣の才能に溢れ、リ・エスティーゼ王国の御前試合でガゼフ・ストロノーフと戦うまでは、常勝無敗を誇っていた。
ガゼフに死闘の末に負けて以降、打倒ガゼフを胸に秘め、力を求めて武者修行に明け暮れる日々を送る。
人物像
『剣の高みを目指す』事に関してはかなり貪欲で、強くなる為ならばと様々な物を捨てて来た。
それでもシャルティア・ブラッドフォールンという人外に対して小指1本、それもその先の数cm伸びた爪だけで全ての剣技を対処された挙句、切れ込み一つ入れる事ができなかった事から「爪切り一つマトモにできない剣技」と吐き捨てられた事で己の無力を思い知り、自分の人生全てが無価値だったと悟り、一時は絶望していた。
だが宿敵ガゼフとの交流、そしてセバスとクライムの出会いによって立ち直り、人間として大きく成長する。
ただそれまでの過程で体験した出来事(犯罪など)については後悔こそしていないが、「まっとうな人間ではない」と自覚しており、社会的地位につく事は丁重に拒否(後述の戦士長就任など)。
防具が装備出来ない為、移動の度に装飾品を探す事は必須。結果、移動の度に買い物をするので、実は買い物好きであると巻末で紹介された(ガゼフに保護された時も、気晴らしとしてショッピングに行っている)。
容姿
一見して細身だが、実戦で鍛えた肉体は鋼の様に引き締まり、一言で言うなら細マッチョ。
『最強・最速の剣』を目的としているため重量防具は身に着けず、着やすさと軽量重視で鎖着(チェインシャツ)とズボン、ベルトに刀鞘とポーション入りのポーチを着け、魔法の込められたネックレスと指輪を装着。
髪は自分で適当に切っているのかボサボサしており、四方に伸びて纏まりが無い。いわゆる蓬髪と言ったところか。
瞳の色は茶色。髪を染めているが何色かは不明。顎の無精髭はパラパラと生えているが、確認は不可。
英雄級と評されるガゼフと同等の強さを持つ剣士としての実力は非常に高く、現在ではガゼフに敗北した御前試合当時よりも、更に腕前を上げている。
武技《領域》と、居合斬りによる待ち・カウンター戦術を極限まで磨き上げている。
更に上述の才能に加え、『集中力のキャパシティが増える』という『生まれながらの異能(タレント)』を所持しており、これが武技の底上げを後押ししている(なおブレイン本人は、自分がタレントを有している事に気付いていない)。
また、対ガゼフ用に後述の《神域》と《神閃》を組み合わせたブレイン渾身の切り札、《秘剣・虎落笛(もがりぶえ)》を編み出している。
反面、純粋な太刀合いの腕前は同格の戦士に比して劣っている面もあるが、自身の得意とする武技でそれらを補う機転やそれを実現する才覚を持ち合わせており、ガゼフからも「数年後にはどうなっているか分からない」と評された。
そして、ガゼフの師匠ヴェスチャーの元での修行後では、ガゼフですら精密、集中力制御し切れなかった大技《六光連斬》を習得した上に制御できるまでの実力に至った。
それに伴い、自身のレベルも素のガゼフが達せていなかった人類屈指の高レベルの証『英雄の領域』に達したため、結果的に彼を超える事に成功した。
そして更に、コキュートス戦では…
主な使用武技
- 領域
相手の動きを知覚する円形の不可視感知領域を展開し、領域内に踏み込んだ相手を即座に迎撃する武技。
その性質上、領域内ではブレインにほぼ全ての動きを知覚され読まれる事になるため、まともに太刀合う事は同格以上の戦士であっても、自殺行為に等しい。
また、視界を塞がれた状態でも問題なく機能し、幻像と実体を見分けるレーダー代わりにもなる。
ただし迎撃特化という特性上、領域展開中は自分から動く事はほぼ出来ない上、知覚できるのはあくまでも実体を持つものの動きであるため、範囲外からの実体を持たない攻撃(魔法や『気』による攻撃など)には対応できない。
また、迎撃能力自体はブレイン本人の身体能力に依存する所が大きく、当然ながらそれを上回る攻撃にも対処しきれない。
- 瞬閃
初速から不可視の速度で振るわれる、超瞬速の斬撃。如何なる間合いでも威力が落ちず、並みの相手では反応する事はおろか、斬られた事にすらすぐには気付けない程。
- 神域
《領域》の強化版。感知領域の範囲が大幅に拡大、感知性能も向上している。ただし精神力の消耗もより大きく、《領域》ほど長く維持出来ないという欠点がある。
- 神閃
《瞬閃》の強化版。更に飛躍的に向上した剣速は、英雄級の戦士にも見切る事は不可能とされ、先制やカウンターで放たれれば、確実に刀の錆となる運命が待ち受けている。
しかし、その英雄すら捉えられないとされる神速無比の斬撃もシャルティアは見てから余裕で反応、更に自身に迫る斬撃を軌道の裏側から手を回し、刀の峰を指先でちょいと摘んで止めてしまうという離れ業で防がれてしまい、戦意喪失の決定的な引き金となった。
- 四光連斬
元はガゼフが編み出した、彼のオリジナル武技。一撃を振るう刹那に、周囲の敵に四度の斬撃を叩き込む神速の武技。攻撃がばらける命中率の低い剣閃という弱点があるが、ブレインは領域と併用する事でその弱点を克服している。
- 六光連斬
こちらも元はガゼフが編み出した彼のオリジナル武技にして、大技の1つ。一撃を振るう刹那に、周囲の敵に六度の斬撃を叩き込む神速の武技。
《四光連斬》と同様、攻撃がばらけるため命中率が低いという弱点がある上、通常の武技3つ分の集中力を使うため、使用する度に肉体は著しく消耗する。
装備
- 神刀
南方の砂漠に存在する都市より入手した刀(名称は書籍版では明かされておらず、WEB版でそう表記されている)。魔法が掛かっていなくとも下手な魔法武器よりも上の切れ味を誇り、更に高額で目の玉が飛び出る程の価値がある。
なおWEB版では、シャルティアの《道具上位鑑定(オール・アプレーザル・マジックアイテム》の魔法により「属性神聖、低位魔法効果、物理障害に対する斬撃効果20%向上、物理ダメージ5%向上および一時的効果+10%、非実体に対し30%のダメージ効果、クリティカル率5%向上」と鑑定されている(シャルティアは「微妙」と評した)。
- 鎖着(チェインシャツ)
詳細不明。
- 瞳の首飾り(ネックレス・オブ・アイ)
盲目耐性・暗視・光量補正など、目に関する効果を任意で発動させられる(発動させるためのキーワードは『起動』)。ちなみにブレインは、これを手に入れる前に視界を利かなくされた事がある。
- 魔法注入の指輪(リング・オブ・マジックバインド)
低位階のものに限られるが、魔法を1つ込める事が出来る(『瞳の首飾り』と同様に、『起動』のキーワードで任意で発動させられる)。
傭兵団時代
初登場は書籍版3巻から。当時は対人戦の機会が多く、なおかつ金払いのいい野盗化した傭兵団『死を撒く剣団』に所属していた。
しかし「この世界のスキルについて研究したい。武技や魔法などを修めた人間を捕縛せよ。ただし、消えても問題にならない犯罪者を狙え」というアインズの命令により、アジトを襲撃して来たシャルティアと対峙した際、上述通り自身の斬撃を全て小指の爪で防がれた事で心を完全に折られ命からがら逃亡、運良く逃げ切る事に成功する。
その後、打ちひしがれたまま王都に流れ着き、偶然ガゼフと出会い彼の家に厄介となる。
王都(初期)
王都でシャルティアと同等の力を感じたセバスを見かけて後を追い、クライムがセバスの規格外の殺気を受けても自分とは違って耐え抜いたのを目撃し駆け寄り教えを乞うたが、続く彼らの言葉から本当の強さが如何なるものかをクライムを通して知る事で、折れた心を立て直す。
王都(ヤルダバオト襲撃時)
『八本指』直轄の娼館襲撃の際には、『六腕』の1人であるサキュロントを一蹴する。『八本指』襲撃時には、クライムと元オリハルコン級冒険者のロックマイアーと共にツアレの救出に向かい、『六腕』のリーダー・ゼロと互角に渡り合った。
ゲヘナ作戦の時はクライムとロックマイアーと共に人質救出の任務に就いていたが、そこで変装していたシャルティアを発見。気配でその正体を即座に看破、再び対峙する事となる。その時に彼女の小指の爪を切れた事で、剣の果てなき頂きに近づけた事に歓喜しながらも即座に撤退。追い付かれそうになるが、再び運良く逃げる事に成功する(これは後に、作戦決行前にデミウルゴスから「殺してはならない」と言われていた人物がブレインを追って来ていた事で、シャルティアはやむなく見逃したためだと判明している)。
なおシャルティアは蘇生時の影響から記憶を失くしていて、ブレインの事を全く覚えていなかったものの、ブレイン自身はこれを「自分があまりに弱すぎたが為に覚えてもらえなかった」と判断していた。
ヤルダバオト撃退後は、ラナー王女付きの兵士としてクライムと行動を共にする。
王国・帝国開戦時
王国と帝国・魔導国との紛争に同行。《黒き豊穣への貢(イア・シュブニグラス)》発動後にランポッサⅢ世を逃がすための囮を買って出たクライムに随行し、ガゼフとアインズの一騎討ちをクライムと共に見届けた。
王国滅亡まで
それ以降は、ラナーが個人的に雇った剣士として王都で雇われる。元々の知名度とガゼフの信頼した相手として戦士長として推薦されるも断り、自分以外で戦士長に相応しい人物を探し回っている他、ラナーの政策で設立された大虐殺で身寄りを失った子供達のための孤児院から、才能の有る子供に剣の稽古をつけたりしている。
書籍版とWEB版での主な違い
詳しくは、『吸血鬼ブレイン』の記事を参照。
背後関係は知らないため大事には至っていないが、彼は『シャルティア・ブラッドフォールンと言う名の女吸血鬼』の名前と容姿を知っている。
調べれば、直ぐに「あの時期あの場所にいた吸血鬼」の名前が“ホニョペニョコ”であると分かってしまう。
辛うじてエ・ランテル冒険者組合側では、ホニョペニョコ=シャルティアである事は知られておらず、恐らくこちらはナザリックが全力で隠蔽している。
法国とツアーは容姿を知っているが、情報を隠蔽しているので余程の展開が無い限りは大丈夫かもしれない。
それでもブレインが容姿と名前を関連付けて知っている以上、ナザリック勢の暗躍をレメディオスの様な疑念を持つ者などに勘付かれてしまう危険性を抱えた爆弾であり、本来であれば早急に身柄を確保すべき重要人物である。
実際、ゲヘナ作戦での再会を機に『英雄モモンが追っている二体の吸血鬼の片割れ』という程度の認識ながら、魔皇ヤルダバオトやホニョペニョコ、英雄モモンとの関連性を確信に近い形で推測しており、徐々に真相に近付きつつある描写が為されている。
しかし、シャルティアがブレインの事を全く覚えていないため、アインズもまたブレインを放置しておく事の重要性・危険性に気付く事が出来ていない。
幸いな事に、ブレインはこの事を(作中セリフでは)ガゼフとクライムだけに話しており、シャルティア=ホニョペニョコだという認識は無い。ちなみにスレイン法国の漆黒聖典のスカウト計画に『ブレインを拉致して逃げる』というものがあったが、こちらも幸い実行される事は無かった。
14巻までに9巻で敗れたガゼフは復活拒否のまま、クライムはラナーと共にナザリック行き。
情報漏洩の危機は、ブレインがコキュートスとの一騎討ちの果てに死亡し、ブレインの戦士の決意を感じ取ったコキュートスが配下の雪女郎(フロストヴァージン)に命じて、彼の遺体を凍結させた事で回避される(遺体のその後に関しては不明だが、ナザリックに保管された可能性も考えられる)。
だがしかし
今度は別方向での重要案件が出る。
「オーバーロードの根底にある設定に関わっており、システム的にあり得ないが、あり得る人。なんのことやら。昔からあの展開は考えていたが、多分、昔の丸山はもう少しだけ違う描写を考えていたんだろうな、とは思う」
という情報が原作者から出た。彼は《真・爪切り》を一段階進めた技をコキュートスに与えた事で、世界のルールを超えた力、『英雄の領域』を超えた『逸脱者』に少しだけ触れたらしい(前述の14巻における戦いでは、コキュートスの言によるとその時点で40レベルにまで到達した模様)。
それが前述の謎のコメントと関連したとして、現在までに分かっている情報の中から並べてみると…
①武器は南方の砂漠に存在する都市より入手した刀という事だが、どう見ても日本刀。
➁武器に魔法は全くかかっていないが、下手な魔法武器よりも上の切れ味で、しかも高額。
③刀の使い手は珍しい。
④ブレインのオリジナル武技《神閃》《領域》《秘剣・虎落笛》が、間違いなく居合抜き。
⑤ブレインに刀の使い方と基本動作を教えた、『誰か』がいる。
⑥この世界に刀の概念を持ち込んだ、『誰か』がいる。
⑦この大陸の南には、『ナニカ』がある。
という事で、ブレインへのコメント+彼の武技の情報源=×××
これが今後、ナザリック勢にとっての毒となるか薬になるか、あるいはブレインの復活フラグとなるかは、まだ不明。
超えるべき目標。
自分に無かった強さを見せた戦友。心の恩人その1。
桁外れの強者その1。一度心を折られた化け物。
桁外れの強者その2。シャルティアと同等の実力を感じる。そして心の恩人その2。
桁外れの強者その3。ガゼフの一騎打ちに立ち会うが何をしたか分からずに、ガゼフを即死魔法で瞬殺してしまった。
桁外れの強者その4。遥か格下の己に名乗り返してくれたばかりか、正々堂々の一騎打ちに応じてくれた強さも心も一級の戦士。
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