CV:伊丸岡篤
概要
リ・エスティーゼ王国の裏社会を牛耳る犯罪組織・『八本指』の警備部門において、最強の戦闘力を有する『六腕』の一角。“幻魔”の異名を持つ。
異名の通り幻術で相手を眩惑しながら戦う戦士だが、純粋な戦士としての実力では他のメンバーよりもかなり劣っており、六腕に選ばれたのも他に適当な強者が居なかったからという『お情け』の側面が強かったらしく、他のメンバーからは見下されて汚れ仕事ばかり押し付けられている。
ただ、ゼロはサキュロントが捕縛された際には「一応、役に立つ男だ」と殺害を進言したエドストレームを退けて保釈の手続きをしている事から、他のメンバーより軽視していても、一方的な低評価という訳でもない模様。
なお、とある事件においてメイド服に着替えて幻術でツアレに変装していたため、変装を見破られてからはメイド姿の強面男が分身で増えるという誰得な展開を披露した(詳細は後述)。
容姿
青白い肌をしているが、痩せこけた頬に鋭い目付きから死肉を漁る猛禽類を思わせる風貌。
強さ
魔法詠唱者(マジック・キャスター)系の『幻術師(イリュージョナリスト)』と、戦士系の『軽戦士(フェンサー)』のクラスを修める魔法戦士で、幻術で相手を眩惑しながら戦う術に長ける。
反面、純粋な戦士としての腕前はクライムにさえ劣り、上述の通り六腕としては最弱。
ただし、物体を透明化させたり、実体の無い幻像や分身を幾つも作り出す事が可能。
剣を透明化させつつ実体の無い幻の剣を作り出して攻撃、本体と別の動きをする分身を複数作り出して攻撃を仕掛けさせ、「本物はどれだろうな?」と誘導して分身の中に本体が居ると思い込ませ自身は透明化で背後から奇襲など、セコいながらも割とえげつない技を使う。
また戦法のタネを見破られても、本体が攻撃を受ける事で発動する幻術でやられた振りをし、相手が油断している隙に透明化からの奇襲など、初見殺しとしては十分厄介。事実、クライムと最初に対峙した際はこの方法で彼を瀕死に追い込んでいる。
ただし作り出す幻像にはどれも実体が無く、分身にしても攻撃を受ければ即座に消滅してしまい、相手を惑わすためのデコイぐらいにしかならない。
また、熟練した戦士などには気配で居場所を察知されたりして単純に通用しなかったり、戦法の性質上範囲攻撃にも弱く、対策を打たれるとあっさり崩れ去る小細工に過ぎない。
この事は本人も自覚しており、慎重な行動を心掛けている。
作中の動向
王国の巡回使・スタッファンに根回しをした上で、彼と共にセバスの館を訪問し、セバスがツアレを連れて行った件に対して恫喝する。
ゼロの指示で依頼者・コッコドールの護衛に派遣された際、娼館でクライムと交戦。
力量の差で彼に重傷を負わせるが、続いて現れたブレインには為す術なく敗北し、捕縛された。
ゼロの手回しで釈放された後、八本指の拠点を強襲してきたクライムらと再戦する。
しかし元冒険者のロックマイアーの支援を受けるクライムに対し、自身は装備していたマジックアイテムを捕縛時に全て奪われている状態で変身の都合上メイド服を着用せねばならず、また最初の戦いで手の内を知られている事もあり、終始苦戦を強いられる。
最期は急所を思い切り蹴られ、よろめいた所を斬られ死亡した。
余談
彼は六腕の中で唯一セバスと対峙せずに済んだ人物であり、結果的にはクライムに敗北したにせよロクな活躍も無いままセバスに瞬殺された他の5人(特にゼロ以外の4人)とは違い、クライムとの戦いで見せ場が用意されていた点では、まだ幸運な方とも言える。