CV:生天目仁美
データ
役職 | 聖王国解放軍団長 |
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住居 | ホバンス一等地(実家) |
職業レベル | パラディン(ジーニアス)?lv、ホーリーナイト?lv、イビルスレイヤー?lvなど |
誕生日 | 中水月11日 |
趣味 | 鍛練(部下のそれも含まれる) |
二つ名 | 聖王国最強の聖騎士 |
概要
ローブル聖王国の聖騎士団を率いる、同国最強の聖騎士。『九色』の白を戴く。
国内最強の信仰系魔法詠唱者(マジック・キャスター)である妹のケラルトと共に、忠誠を誓う女王カルカの懐刀として双璧を成し、その圧倒的な武力を以て女王に逆わんとする者達を抑え付けている。
主のカルカとはケラルト共々、身分や立場を超えた友人同士でもあり、非常に仲が良い(誕生日が近かったのが交流のきっかけとなったらしい)。
人物像
聖王国の平和と民を愛し、弱きを助け強きを挫き、苦しんでいる民に手を差しのべようとする点に関しては騎士の鑑とも言うべき優秀な人物なのだが、基本的に戦闘関連以外はてんで駄目な典型的脳筋であり、平たく言えば恐るべきアホの子。加えて単細胞かつ行動派で物忘れも多く、感情の赴くまま行動するため非常に傍迷惑な行動が多い。
カルカへの狂信じみた忠誠心と王国が信仰する四大神の教義に基づいて動き、加えて自身の行為が善であると信じて疑わないため、基本的に迷いや悩みというものが無い。
勉学を捨ててまで武の鍛錬に打ち込んできた事から、学問的な事もまるで駄目(本人曰く、「政治や魔法の話をされると理解が出来ず頭痛がする」)で、他者を慮る事のない言動もままある。そんな彼女が団長の職を全う出来ていたのは、副団長2人の胃を犠牲にした補佐とカルカやケラルトの監督あってこそ。
正直団長よりも突撃役に徹した方が向いているのだが、聖騎士としてあまりにも腕が立ちすぎているせいで、周囲が彼女の存在を差し置く事が出来なかったため、団長の座に就任した。
更に決断力や勘の鋭さに優れ、戦闘や軍議においても最適解を嗅ぎ分けて即断即決で行動できる才覚を持ち、これが頭の悪さを補って彼女を指揮官として優秀たらしめる要素になっている(ケラルトからも「地頭は悪くない」と評されている)。しかし、最も大切なカルカやケラルトの事が絡むと、前述の感覚が鈍る事も少なくない。
作中では前述の無知と頑固さに加え、手綱を握っていた2人の存在を欠いた結果、『最上の結果』だけを求める事に頑迷に拘泥する理想主義的な面が発露。
収容所で捕虜が人質にされた際には、何ら現実的な対処を打ち出せず被害を拡大させるという、現場指揮官としての適性・資質の低さを露呈した。
脳筋が権力を持つとロクな事にならないという例を、具現化した様な人物とも言える。
異種族からの脅威に晒されている聖王国の人間だけあり、警戒心や教義に根差した異種族への危険視・敵視の感情を持つ。
差別というよりは外敵として見ていると思われ、アンデッドの王であるアインズの事は当然ながらに忌み嫌い、一国の王という立場でありながら自ら救済に乗り出したアインズの行動には微塵も感謝する事無く、それどころか「ヤルダバオトの対抗馬となり得るなら、潰し合って共倒れになってくれても構わない」とすら考えている(しかも彼女はこの考えを、よりにもよってそのアインズが治める魔導国の領内で口に出している。アインズは把握していないだけで、監視網には聞かれていたかもしれないのである)。
また、ヤルダバオトの襲来により感情の制御が出来なくなったか、咎める立場の2人が不在なためか、聖騎士見習いで外様に近い立場にあるネイアには理不尽な八つ当たりを繰り返している(なお、レメディオス自身に自覚はない)。
容姿
整った顔立ちをしたボブカット風の茶髪の女性。眼光は鋭く、冷たい雰囲気を醸し出している。
強さ
その聖騎士としての実力は、転移後の世界の住人の中でも上位に食い込む英雄級の優秀な戦士。聖騎士団団長としては歴代最強とも言われており、伝説の四大聖剣の1つ『サファルリシア』を授かっている(ただし「強い剣を持つと基礎を疎かにする」という理由で、普段は持ち歩かない)。
また、筋力とマジックアイテムの鎧の効果を活かした素早さは、戦士系として破格を誇る。
なお作者によれば周辺国家最強では無く(もっとも、レベルだけならガゼフよりも上らしい)、漆黒聖典のある人、エンリの部下のゴブリンに続く、聖騎士として第3位の実力を持つとの事。
主な使用スキル・武技
- 剛擊
相手へのダメージが増加するものと思われるが、詳細不明。
- 聖撃
聖騎士が得る初歩的な特殊能力。攻撃の際に、武器へ聖なる力を流し込む。
- 聖剣に更なる力を込めるスキル(仮称)
聖剣の聖なる力に、スキルで更に力を上乗せする。
- 流水加速
神経を一時的に加速させ、攻撃速度などを上昇させる。しかし、極度の疲労が脳に溜まっていくのが難点。
装備
- 銀色の全身鎧(フル・プレート)
聖王国歴代の聖騎士団団長の装備。短時間だけ飛行できる魔法が込められている。ただし、自由自在という訳では無いらしい。
- 聖剣サファルリシア
四大聖剣の1つにして、聖王国の神宝。聖なる力を宿し、悪の存在により強烈な損傷を与える。
1日1回しか使えない大技があり、《聖撃》を強化する事が出来る。具体的には刀身の倍まで光が伸び、防御や魔法の武具などを無視して、聖なる波動が相手を切り裂く。この技はカルマ値が低い程効果を発揮するが、逆に高いと何もしていないのと同じ。
この光の輝きは、相手が悪であればあるほど眩しく見える。
- 白色のサーコート
聖王国歴代の聖騎士団団長の装備。魔法が込められている。
作中の動向
城塞都市カリンシャにて、カルカとケラルトと同時に初登場を果たす。ちなみにこの頃はまだ、馬鹿ではあるが憎めないといった人物像だった(ただし、兆し自体はあった)。
しかし、突如ヤルダバオトが襲来してきた事によって大切な2人を失い、ここから暴走が始まる。
ヤルダバオトに奪われた聖王国を奪還するためにリ・エスティーゼ王国に立ち寄り、当初はアダマンタイト級冒険者チームの『蒼の薔薇』へ救援を要請するつもりであったが、断られてしまう。しかしその代わりに、同じアダマンタイト級冒険者にして現在は魔導国に常駐しているモモンを頼る事を薦められる(なお、この時には既に精神面がパワハラ上司のそれになっており、上述の通りネイアに心無い八つ当たりを繰り返していた)。
そして魔導国でモモンを聖王国への救援に寄越せないかと国王のアインズに頼んだ結果、モモンは今すぐには貸し出せないがアインズ自身なら今すぐに聖王国の救援要請に応じる事が出来るという事になり、アインズに来てもらう事になった。
末路
アインズに聖王国に来て貰った結果、アインズの強大な亜人軍を相手取った八面六臂の大活躍で、崖っぷちだった聖王国の戦況は大きく好転した。
しかしレメディオス自身はアインズばかりが称えられる現状に憤り、アンデッドとは言え自国及び解放軍の恩人に対し不誠実で無礼極まる態度を取り続けた上に、目立った成果もあげられなかった事もあって部下はおろか国民からの求心力をも急速に失っていく。
なおその際「魔導王とヤルダバオトはグル」、「モモンに助力を頼んだ蒼の薔薇もグル」などと言い出し、周囲から黙殺されている(もっとも、前者に関しては真実なのだが)。
その後、都市に出現したヤルダバオトに生きたままバット代わりにされ無惨な姿となったカルカの残骸らしきものを目にした事で、我を失ってヤルダバオトに突撃するも当然敵う筈が無く、軽くあしわられてしまう。
それでもまだカルカ(と思われる)遺体の一部がある事と、蘇生魔法の使えるケラルトが生きている可能性に一縷の望みを託すが、ネイア達が持ち帰ってきた首を刎ねられた妹の姿を見た事でとうとう精神のバランスを崩し、憔悴しきった幽鬼を思わせる姿へと変わり果ててしまった。
蘇生魔法は生き返らせたい対象の遺体が必要であるが、遺体の損傷があまりにも酷ければ復活させる事が出来ないという欠点がある為、たとえケラルトが生きていたとしても、腐った肉片になるまで破壊されたカルカの復活はどのみち不可能だっただろう。
……ケラルトの生存に期待していたレメディオスだが、そこに希望など初めから存在していなかった。
無知故に蘇生魔法の欠点を知らなかったのか、あるいは知っていたからこそ妹だけは絶対に生きて帰ってきて欲しくて、無意識に一縷の望みを託したのかもしれないが、運命はどこまでも残酷だった。
しかも皮肉にも、忌み嫌っているアインズだけがカルカを復活させる事が出来る。
以後は彼女を危険視した上層部から腫れ物の様に扱われ、団長の解任及び別の部署への異動が決定した後は、精神的に不安定となった彼女が暴走する事を防ぐのを目的とした蟄居を命じられる。
余談
以上の通り人格に大いに難のある人物であるが、作者がTwitterにて「絶対に語られないけど、レメディオスはあれでもカルマ値+200ぐらい」だと語っている(もっともその大元となる理由は、これまでの記述の通り「馬鹿で欲が無いから」というものなのだが)。
なお13巻終了時点でのレメディオスの立場は『実力上位者(魔導王)の存在に割を食い、職務を果たそうと全力を尽くしても周囲(民衆)は認めてくれず、不満の矛先になる』という、皮肉にも己が八つ当たりしていた頃のネイアと似たものになっているが、こればかりは因果応報なのであろう。
ちなみにそのネイアはと言うと、亜人軍を相手にしての活躍により英雄的存在として多くの民に認知され、最終的には王国の歴史に名を刻んだと言っても過言では無い程の地位に就いたという、正にレメディオスとは真逆の立場となっている(なおネイアが魔導王の賛美を広げている事については、ただでさえ精神の均衡を崩しているレメディオスの耳に入ってしまえば火に油を注ぎかねないため、一切彼女には届かないよう隠蔽されている)。
読者からの評価に関しては、その独善的で身勝手ですらある性格が災いして「嫌い」、「うざい」と酷評されてしまっている(一応「レメディオスは完全な被害者だと言える」と擁護する意見も極一部であったが、「ナザリックのマッチポンプを知らないからこそあの態度は無い(意訳)」と返されている)。
だが敵には容赦の無い反面身内には甘い傾向があったと思われるケラルトや、上司だというのもあって今まで強く咎められなかったと思われるグスターボの態度など、周囲が彼女を甘やかし過ぎたのも暴走に拍車を掛ける原因になったと言えなくもない(現に作中ではグスターボが、「今まで甘やかしすぎた」とレメディオスを評する場面がある)。
ちなみにレメディオスの台詞の一部は、作者が過去に言われた台詞や横で聞いた事がある台詞を思い出しながら書いたものであると、12巻雑感で語られている。
ぼかされてはいたが、作者がレメディオスをパワハラ上司をイメージして書いているのは、ほぼ間違いないであろう(アインズもサラリーマン時代に、レメディオスと似たタイプの人物がいた事を思い出している)。
フィリップ程でないにしろ、ファンの間では彼女も馬鹿の代名詞として用いられる事がある(用例・「頭レメディオスかよ」)。ただし「頭フィリップ」の語呂の良さ、通りの良さからあまり定着はしていないと思われる。
一応、フィリップとレメディオスは同じ馬鹿でも方向性は異なるので、使い分ける事は可能(フィリップは「馬鹿である事を自覚していないタイプの馬鹿」、レメディオスは「馬鹿である事を自覚しているが開き直っているタイプの馬鹿」)。
関連タグ
カルカ・ベサーレス ケラルト・カストディオ グスターボ・モンタニェス ネイア・バラハ
同作品のキャラクター。『王国最強と謳われる騎士』、『王に絶対の忠誠を誓う懐刀』、『国の平和と民を愛する騎士の鑑』という点が共通している。
ただし猪突猛進なレメディオスとは違い、こちらの方は柔軟な考え方が出来る上に視野も広く、アインズと最終的に敵対する事になっても互いを尊重し合う気持ちは変わらなかった。
上述のレメディオスの評価に関しても、なまじガゼフと通じる部分があるせいで、彼女の欠点が余計に浮き彫りになってしまうのもあると思われる。
- ナザリック地下大墳墓の者達
ナザリック所属者にとっての至高の存在かつ至高の四十一人(アインズ)への狂信的な忠誠心と、レメディオスのカルカへの狂信的な忠誠心は、実のところ一致している。
レメディオスに足りなかったのは階層守護者並の強さであり、強ければごり押しでどうにでもなったとも言える(実際、彼女と同じ典型的脳筋の守護者が存在している)。作中でも終盤で自身の無力さを痛感した場面がある様に、デス・ナイトと同格の1ガゼフ程度の戦闘力ではどうしようもなかったのである。
この先、ネタバレ注意
書籍版14巻におけるザナックとラナーの会話から、レメディオスが(いつの間にか)死亡した事が明かされた。
どの様に死亡したかに関する詳細は不明だが、聖王国の旧体制の撤廃を目論むデミウルゴスは彼女を貴族らの不満を向けさせる矛先として敢えて生かしておき、南北の対立が決定的になる頃に処分するとの見通しを立てていたため、デミウルゴスの手で始末された可能性が高い。
上述の通り、当初はヤルダバオトに勝てる可能性を持つアインズを上手く利用して使い潰したいとすら思っていたレメディオスであったが、結局は己がアインズの名声のために散々利用されて使い捨てられるという皮肉な末路を辿った。