概要
ナザリック地下大墳墓とは、《ユグドラシル》の悪名高きギルド《アインズ・ウール・ゴウン》のギルド拠点にして、転移後の世界におけるアインズ達の活動拠点である。
地上部分の陵墓に加え、地下一階〜第十階層で構成されており、更に転移しないと行けない隠し部屋たる《宝物殿》なども存在する。
かつて1500人の討伐隊を退けた事もある難攻不落の要塞で、《ユグドラシル》のサービス終了日まで誰一人として、第九階層より先を見た挑戦者はいなかった。
《ユグドラシル》時代は《ヘルヘイム》の辺境にある湿地帯の奥に存在し、『グレンデラ沼地』という毒沼で覆われていたが、転移後は草原の中に出現している。
住人
ナザリック地下大墳墓には、かつてのギルドメンバー達が製作したNPC達を筆頭に、召喚モンスターなど多くの異形種達が住んでいる。
そのほぼ全てがアインズに対して尋常ではない忠誠心を抱いており、アインズやナザリックのために働きその命令をこなす事を存在意義としそれ自体を至上の喜びとしているために、アインズが彼らの事を慮って休息を許しても「働けない」からという事で不満が出てしまい、「休息する」事を直に命令しなければならない程。
なおNPC達の属性は大半が『悪』に偏っている上に、《ユグドラシル》のプレイヤーなのが関係しているのかどうかは不明だが、カルマ値による属性の作用が働いていないアインズとは違い彼等の方は忠実に作用しているため、結果として人間を『下等生物』『餌』『面白い玩具』としか捉えていない、反人類思想の凶暴な者達ばかりで構成されてしまっている(カルマ値については、リンク先の記事を参照)。
アインズへの絶対的な忠誠心が上にあるため、主が禁じている限り主の不都合を招く様な加害行為を働く事は決してないが、転移後の世界では必要であっても前述の理由により下手に人間の街にやれないという弊害が発生している。
また前述の過剰とも言える人間種蔑視を含め、アインズへの狂信的な忠誠心が原因である、ナザリックという組織そのものの超ブラック企業な体質の改善を当のアインズは試みているのだが、その成果はあまり出ておらず彼の精神的な負担の1つとなっている。
アインズという慈悲ストッパーが存在しているからこそ、ナザリックはこれでも現時点では外部への被害を最小限に抑えられている状態であり、アインズが不在のまま異世界へと転移してしまった外伝では、200年後の時点で国を3つ滅ぼした悪魔の巣として恐れられている。
以上の様に、NPC達のアインズに対する忠誠心の高さは疑うべくも無いものであるが、彼等が最上級の忠誠を捧げるのは飽くまで自身の創造主である。
そのため、どれだけ慕っていてもアインズへ最上級の忠誠を捧げる事は出来ず、もう戻って来ないであろう己の創造主への未練を断ち切る事も出来ないという、ある意味呪いの様な忠誠心で縛られているとも言える。
ちなみに創造主の交遊関係はNPC達にもそのまま反映されているらしく、例として創造主達が親友同士のアウラとマーレ、ユリ、ペストーニャとエクレアはプライベートでは互いにあだ名で呼び合う仲であり、コキュートスとナーベラルは、2人きりの時は普段からは想像もつかないノリを見せる事があるらしい。
なお個々の設定云々に関わらず、NPCの女性キャラは全員が処女。
構造
第一~第三階層 墳墓
シャルティア・ブラッドフォールンの守護領域。入り組んだ迷路の様になっており、デストラップが多数仕掛けられている。外見は元は煌びやかだったが、今は朽ち果てた(という風に作られた)地下聖堂。
第四階層への転移門(ゲート)とピンからキリまで無数のアンデッドが配置されており、手っ取り早く雑兵で軍勢を編成する場合には、大抵ここのPOPモンスターが使われる。
五大最悪の1人である『住居最悪』恐怖公はこの領域内、第二階層・《黒棺(ブラックカプセル)》の領域守護者を任せられている。
第四階層 地底湖
ガルガンチュアの守護領域。巨大な地底湖が広がっており、その底にガルガンチュアが沈んでいる。
第五階層 氷河
コキュートスの守護領域。多数の氷山で埋められたエリアであり、冷気ダメージと行動阻害のエリアエフェクトに本来は覆われているが、維持コスト削減のために転移後の世界ではカットされている。
ここにはナザリックに敵対した者を幽閉する(という設定で作られた)『氷結牢獄』という場所があり、転移後は実際にその設定に忠実に従って利用されている。その氷結牢獄の外観は、荒れ果て凍りついたメルヘン風の洋館と言ったところ。
この牢獄の一部に『真実の部屋』と呼ばれる部屋が存在し、五大最悪の1人・『役職最悪』ニューロニスト・ペインキルがいる。
第六階層 ジャングル
アウラ・ベラ・フィオーラとマーレ・ベロ・フィオーレの守護領域。高さ200mの天井に昼夜を再現した空が広がり、屋外にしか見えないジャングルが広がっている。特に夜空の作り込みは、ブルー・プラネットが自身の理想を体現したもので、高い完成度を誇る。
ただし天気は変わらないので、マーレが定期的に雨を降らしている。
アウラとマーレはこの階層に生えている巨大樹を住居としており、《ユグドラシル》時代は2人の創造主のぶくぶく茶釜と、同じ女性メンバーにして親友のやまいこと餡ころもっちもちがやまいこの妹のあけみを招き、その巨大樹の中でよく女子会を開いていた。
それ以外にもローマのコロッセオを真似て作られた円形闘技場が存在し、異世界へ転移した直後にヴィクティムとガルガンチュアを除いた階層守護者を、ここへ集結させた。
この階層に張られている巨大な蜘蛛の巣を中心に、複数の階層に跨がって守護する領域守護者グラント、『蟲毒の大穴』に五大最悪の1人、餓食狐蟲王がいる。
最近になって、トレントや一部の蜥蜴人(リザードマン)達といったナザリック外から移住してきた者達が住む集落が作られ、畑や果樹園も備え付けられている。
RPGアツマール版では、円形闘技場で勝ち抜き方式の練習試合が行われており、銀貨やアイテム等が報酬となっている。
第七階層 溶岩
デミウルゴスの守護領域。崩壊した古代ギリシャ風の神殿といった様相を呈しており、一見すると何も無い廃墟にしか見えないが、実はウルベルトがデミウルゴスの為に様々な物を隠して配置している。
溶岩の川の中に潜んでいる、超巨大奈落(アビサル)スライムの領域守護者である紅蓮は、己のテリトリー内においては上司のデミウルゴスを上回る戦闘力を発揮する。
第八階層 荒野
ヴィクティムの守護領域。ナザリックの最終防衛ラインであり、ここを突破される事は事実上、ギルドの崩壊を意味する。
かつてのプレイヤー1500人による侵攻時はここまでの侵攻を許してしまうものの、WEB版では第八階層の守護者が圧倒的な力で、書籍版ではヴィクティムが能力で足止めをしている間に、ギルドメンバーが一掃する形で難を逃れた。
『あれら』と称される、ナザリックの最強戦力が封印された非常に危険なエリアとなっており、守護者であってもアインズの許可なく立ち入りする事は許されていない。
また、プレイアデス七姉妹の末妹にしてリーダーのオーレオール・オメガが守護する『桜花聖域』と呼ばれる場所が存在し、そこには本物の《スタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウン》が保管されている。
第九階層 ロイヤルスイート
ギルドメンバーのリビングスペース。 大浴場・バー・ラウンジ・雑貨店・ブティック・ネイルアートショップなど、様々な設備が存在する。
これらの設備は、あくまでも《ユグドラシル》時代は雰囲気を出すための小道具にすぎなかったが、異世界への転移後は実際にその役目を果たすために稼働している。
使用人や一般メイドら、戦闘力を持たないNPC達の主な仕事場でもあり、彼らの取り纏め役であるセバス・チャンがある意味階層守護者的な地位を占めている。
また、ギルド《アインズ・ウール・ゴウン》のメンバーのPOP地点である、巨大な黒曜石の円卓に41の椅子が並べられた部屋。
《スタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウン》は作られて以来、一度もこの部屋から動かされずに《ユグドラシル》のサービス終了日を迎えた。
RPGアツマール版では、このフロアで階層守護者達との会話イベントが発生する。
第十階層 玉座
玉座の手前には大広間が存在し、レメゲトン七十二の悪魔を象った超希少金属のゴーレム(ただし制作者が途中で飽きたので、67体しかいない)に囲まれ、天井では四色のクリスタル型モンスターが光を放っている。
クリスタルは戦闘時にはエレメントの召喚と魔法爆撃を行い、ゴーレムと合わせたその戦闘力は、100レベルパーティー2つを壊滅させられるほど強力である。
そして玉座の間は、アインズがユグドラシルで最後の時を迎えるにあたって選んだ場所。至高の四十一人の旗が掲げられ、ナザリックの全てを管理する部屋でもある。
ナザリックの外からの転移はこの部屋へしか行えず、守護者統括たるアルベドが《ユグドラシル》時代は常駐していた(と言うか、アルベドの創造主のタブラ・スマラグディナが彼女の個室を作らずここに置きっぱなしにしていた)。
最奥には世界級(ワールド)アイテムの1つが設置されており、3階程度の高さの壁にはアルベドの荷物が隠されていた。
巨大図書館の『最古図書館(アッシュールバニパル)』もこの階層に存在。骸骨の魔法使い(スケルトンメイジ)のティトゥス・アンナエウス・セクンドゥスが司書長を務め、司書としてローマ皇帝の名を持つ死の支配者(オーバーロード)5体と、死者の大魔法使い(エルダーリッチ)の“司書J”が配置されている。
作中では主にマーレが訪れており、聖王国両脚羊(アベリオンシープ)の皮への巻物(スクロール)転写の研究もここで行われている。
宝物殿
ナザリック唯一の階層守護者の管理下に置かれない場所。詳しくは該当記事を参照。
用語など
至高の四十一人
ギルド《アインズ・ウール・ゴウン》のメンバーにして、ナザリック最高最強の支配者達。
転移後の世界ではアインズしか残っていないため、唯一の支配者として君臨している。
階層守護者
ナザリック各階層の守護・管理、同守衛モンスター及び、NPCの指揮を統括する最高責任者。
領域守護者
各階層に存在する特定領域の守護・管理を任された、階層守護者の下位互換。
各階層守護者の直属の部下でもあるが、場合によっては階層を跨って複数の領域を任されている、特殊な領域守護者も存在している。
ただし、アインズの直轄である宝物殿のみ、唯一階層守護者を上司に持たない。
プレアデス
アインズ直轄の多目的遊撃隊とも言うべき、戦闘力を持ったメイドチーム。
元々は使用人統括のセバスと共に、最終防衛ラインである第八階層が突破された際の時間稼ぎ要員兼、第九階層の雰囲気作りのために配置された存在。
一般メイド、男性使用人
第九階層の管理・維持業務を中心に行っている、雑用の召使達。《ユグドラシル》では、第九階層の雰囲気作り(一部のギルメンの趣味)で配置された存在に過ぎなかったが、転移後の世界では召使としてちゃんと機能している。
一般メイド達は全員異形種の“人造人間(ホムンクルス)”だが、レベルは最低の1であるため戦闘力は皆無(もっとも1レベルの人間種よりは能力的に強いが、書籍版11巻によると両者が戦った場合、ホムンクルスの勝率は60%程となる)。
WEB版によると、ホムンクルスは「体液の色がちょっと違うくらいで、異形種に分類されるのが不思議なくらい普通な種族」らしい。
着用しているメイド服は、ランクとしては上位クラスの装備品であるが、せいぜいミスリル製フルプレートメイル程度の防御能力しかない。
男性使用人は10人程度の人数。全員がショッカーの戦闘員を思わせる覆面に執事服という、奇怪な出で立ちをしている。更に喋れないらしく、初登場時はその戦闘員と酷似した奇声を発するだけだった。
41人の一般メイドは、『至高の四十一人全員の身の回りのお世話を担当する』という設定が与えられていたため、《ユグドラシル》ではそれぞれの私室に常に配置されていた。
メイド達はプレアデス程では無いものの、全員が整った美しい容姿を持つ。また、自身の仕事に「偉大なる至高の御方より与えられた尊き職務」と壮絶な自負を以て臨み、守護者やプレアデス達に負けず劣らずの狂信者の集団でもある。
アインズを含む至高の四十一人に支配される事を至上の喜びとし、どの様な命令であっても心底から喜んで遂行するが、休まされる事に関してだけは他のシモベ達以上に不満を露わにしており、アインズが対一般メイド限定の『休ませ作戦』を立案して実行した程。
ローテーションは昼勤30名・夜勤10名・休息1名で、この休息はアインズ専用の部屋付きメイドとして務める役・通称『アインズ様当番』の担当となった者がその前日に行うものであり、『至高の御方に直接お仕えするにあたり、粗相のないよう万全に体調を整えるべし』との名目で、アインズ様当番の一環として義務化された休養となっている。
しかし、その代償としてアインズ自身の1人で落ち着けるプライベートが無くなり、アインズ自身のストレスになっている。
彼等彼女等の属性は不明だが、少なくともメイド達に関しては多少の個人差はあれど、ナザリック外部や人間に対しては快く思っていないか無関心かのどちらかである。
その一例として、アインズが価値があるとして庇護下に置いているカルネ村に対しても、「人間の村がどうなろうと埒外の話で、繁栄しようが滅亡しようがナザリックの役に立ってくれるなら、何だって良い」という程度の認識しかない。
また、上位のシモベらが従事している対外任務に対しては恐怖感を抱いている者も多い他、後輩メイドで転移後世界の住人であるツアレの事は「仕事を奪う忌々しい部外者」、「アインズ様の近くまで来る事が出来ながら、メイドとして働けなかった哀れな存在」と疎んじて見下している。
アウラとマーレの専属メイドを務めている元ワーカーの奴隷エルフ達に対しても、外部の者が自分達と同じメイド服を着る事に抵抗を示したらしく、結果としてエルフ達は質素な作業服を着て業務にあたる事になっている。
WEB版ではアインズが帝国貴族入りした事で、プレアデスとセバスが拾ってきたツアレとその同僚だった女性達7人をメイドとして教育していたので、その教育済の人材をアインズのいる本館担当とし、別館をバハルス帝国から雇ったメイドに管理させている。
特記戦力
ナザリックには、普段は封印されている規格外戦力が存在する。
ルベド
アルベドとニグレドの妹で、同様にタブラを創造主とするNPC。姉達とは異なり未だ本編には登場しておらず、容姿や能力などは一切不明。
名実共にナザリック最強の戦闘力を誇るNPCで、フル装備のアインズすら勝利は無理と言わしめ、階層守護者が束になっても敵わないギルド最強プレイヤーのたっち・みーよりも性能的には更に上という、訳の分からない強さを有している。これらの理由により姉のニグレドからは、「いずれナザリックに災いをもたらす存在」であるとして警戒されている。
封印されていたが後に起動され、アルベド率いる『至高の四十一人捜索部隊』に、高レベルモンスターやパンドラズ・アクターと共に加わって外征している。ちなみにアニメ版では存在に言及するシーンごと省かれ、前述の捜索部隊も作られていない模様。
なお2020年4月の作者のTwitterにて、「今までルベドが喋ったことってありましたっけ?喋ったことないなら喋った所見てみたいっす(ついでに姿も)(。∀゚)」という質問が来ているのだか、それに対して作者は「ないぞ。多分、出番なく終わるぞ。」との答えを返している。
第八階層のあれら
第八階層に封印されたナザリックの最強戦力。アインズが課金に次ぐ課金の果てに作り上げた、バケモノの中のバケモノ達であり、一体一体が階層守護者達を遥かに凌ぐ凄まじい戦闘力を有している。
その強さたるや世界級アイテムを併用した場合には、一体でも上述のルベドを凌ぐとされる。
至高の四十一人以外ではごく一握りの最高幹部しか存在を知らされていないとされる、ナザリック地下大墳墓最大の機密でもある様で、とにかく謎が多い。
《ユグドラシル》時代に1500人ものプレイヤーによる大侵攻があった際モモンガによる指揮の下、第八階層にて殺戮の限りを尽くしたらしく、防衛の勝利に多大な貢献を果たした。そしてその後、他のプレイヤーから「違法改造」だと抗議が来るなど、数々の忌まわしい伝説を残している。
ただし、運用には途轍もないリスクを伴うらしく、アインズは出来れば彼等を動かす事は極力避けたいと思っている。
正体は不明だが、ファンの間では「AOGのメンバーがナザリック攻略時に戦った各階層を守っていたフロアボス(ナザリックの「元々」の階層守護者だった存在)」、「第八階層に入った侵入者を排除するための何らかの機構」という説などが有力視されている。
なお、WEB版では『大虐殺』の際にその一角と思しき謎の発光体が密かに出陣しており、太陽に偽装する形で人知れず配置されていた。
保有世界級アイテム
《ユグドラシル》内に存在した、最大最強の効果を持つ200種類のアイテム。1個でも所持していれば強豪ギルドの証であったが、《アインズ・ウール・ゴウン》はこれを計11個も所持しており、転移後の世界でも受け継がれて宝物殿に保管されている。
ナザリックの住人からは、「シモベ如きでは触れることさえ叶わぬ神々の至宝」と見られており、階層守護者クラスでさえ目にしただけで驚愕されるレベル。
転移後の世界では、シャルティアが現地の世界級アイテムで洗脳された一件から、幾つかが対抗手段として対外任務に従事する守護者達に預けられている。
ただ、アインズも流石にこれらは替えの利かない唯一無二の切り札であるためか、階層守護者達にも「場合によっては守護者の命よりも優先される」と公言しており、実際に階層守護者達もそのつもりで管理している。
幾億の刃・ヒュギエイアの杯
現在のところ効果は不明。書籍版ではデミウルゴスやコキュートスに預けられている。
真なる無(ギンヌンガガプ)
対物体破壊特性の範囲攻撃を放つ事が出来る、攻撃用世界級アイテム。
また、形態変化で武器化すると神器級(ゴッズ)アイテムに相当する性能と、『破壊不能』の特性を持つ強力な武器としても運用できるが、攻撃に特化された神器級武器には及ばない。
実は《ユグドラシル》時代の頃に、タブラが勝手に持ち出してアルベドに装備させていた。
しかしアインズが見逃した事もあり、転移後の世界でもそのまま彼女のメイン武器となっている。
強欲と無欲
禍々しく攻撃的な意匠の漆黒の小手『強欲』と、華美で滑らかな意匠の白銀の小手『無欲』で構成された、一対一組の防具型世界級アイテム。
これらを装備した状態で敵を倒して得た経験値を、『強欲』が吸収・ストックし、それを『無欲』が変換・消費する事で、発動者の経験値の消費を代償とする効果(超位魔法《星に願いを(ウィッシュ・アポン・ア・スター)》の発動など)に転用する事が可能となる。
書籍版ではマーレに預けられているが、マーレが登場しないWEB版では『大虐殺』後の経験値回収にアインズ自らが使用して、バハルス帝国とリ・エスティーゼ王国を「魂を喰らう魔王」として恐れさせた。
なお、書籍版とWEB版では使われ方に若干の差異がある。
山河社稷図
人間の子供ぐらいの大きさがある、巨大な巻物型の世界級アイテム。
巻物を開く事で発動し、所有者とその周辺エリアの生物を丸ごと形成した異空間に取り込んで隔離し、閉じ込めてしまうという効果を持つ。
所有者は隔離用異空間の環境や、内部の生物に影響を与える妨害エフェクトの効果を、決められた内容の中から自由に選んで設定する事が可能。
ただし、閉じ込められた者はランダムに指定される条件を満たす事で脱出が可能で、その手段で脱出されると山河社稷図の所有権を奪われてしまうという欠点がある。
書籍版ではアウラに預けられ、11巻で土掘獣人(クアゴア)の選別・逃亡阻止に使用された。
諸王の玉座
玉座の間にあるアインズの玉座。現在のところ効果は不明。
入手条件は80レベル以上且つ適正レベルダンジョンを初見攻略する事とされている。誰かが入手以降、他のプレイヤー達が同じ事をしても入手不可。
アインズ・ウール・ゴウンがギルドホーム系ダンジョン『ナザリック地下大墳墓』を初見攻略した際に入手。
〇〇〇〇・オブ・モモンガ
アインズの腹部にある赤い宝玉。通称『モモンガ玉』。ギルドメンバーからも常時所持が公認された、完全なるアインズ専用の世界級アイテム。
詳細は不明だが様々な効果を有しているらしく、ドラゴンに有利な能力、その他アインズ本人の経験値を代償とする計り知れない力を発揮するものもある模様。
かつて、ナザリックを襲った1500人ものプレイヤーによる侵攻において、ヴィクティムや『あれら』と共に侵攻軍を壊滅させた主要因の1つとされている。
その他
正式名称・効果共に不明ながら、オーレオールが所持していたワールドアイテムが言及されており、こちらは現在シャルティアに預けられている。
また世界級アイテムの中でも特に凶悪な効果を持つ、使い捨て式の『二十』の内2つが《アインズ・ウール・ゴウン》の所有下にあるが、こちらも詳細は不明。
余談
WEB版では名称がナザリック地下大墳墓ではなく、『ナザリック大地下墳墓』という名称になっている。
スピンオフ漫画『不死者のOh!』では、シャルティアの部屋に置かれた『始祖カインアベル』の祭壇や、ガチャ運祈願のための『やまいこ神社』、第九階層『斎場』などオリジナル施設が登場している。
ナザリックの組織の問題としては、アインズへの忠誠心が厚すぎて疑念すら抱かないという点である。例をあげるとクアゴア戦において、デス・ナイトが倒されたのを感じ取ったアインズはシャルティアを洗脳した存在が潜入しているものと疑った。アウラはデス・ナイトが消滅したのは純粋に倒されたのではなく、クアゴアが橋ごとデス・ナイトを谷底に落としたことに気づいたが、報告を遮られたことや全知全能のアインズなら分かっていただろうと報告しなかった。その事実は全てが終わるまでアインズはわからなかった。
この事がクアゴアへの対応が厳しくなった面があるが、アインズを絶対視するのは危険である。何故なら、神であっても行動を間違えるからである。ましてアインズは全知全能とは程遠いのだから、間違った判断に疑念を抱くどころか、盲目的に全体が破滅に向かって突っ走ってしまう危険がある。このため、セバスやペストーニャといった異分子の存在が重要になる。
関連タグ
階層守護者 領域守護者 至高の四十一人 プレアデス(オーバーロード) 宝物殿(オーバーロード)