CV:井上喜久子
概要
ナザリック地下大墳墓所属の女性NPCで、アルベドとルべドの姉。妹らと同様にタブラ・スマラグディナを創造主としており、第五階層・氷結牢獄内に存在するとある一室の領域守護者にして、情報戦の中核を担うナザリックの『目』とも言うべき存在。
人物像
登場時の演出
「ちがうちがうちがうちがう」
創造主のタブラの遊び心と趣味によって、ホラー映画さながらの『演出』が挟まれている。まず彼女の担当領域に立ち入ると、
「冒頭の台詞を言いながら狂乱して、揺りかごの中の赤ん坊の人形を投げ付け破壊するイベントが発生」
↓
「『自分の子を攫った!』と因縁をつけられ憎悪と狂気の篭った声と気迫で襲い掛かる」
↓
「キーアイテムの『赤ん坊に見立てた人形(歪めたキューピー似)』を渡す」
↓
「攻撃されるフラグ解除」
…という、初見でやられるとSAN値直葬レベルの不気味で悍ましい寸劇をこなさなければ、アインズですら会話もままならないという、何とも難儀な個性を与えられている(ちなみに、この部屋の中のモンスター『腐肉赤子(キャリオンベイビー)』は、タブラが別枠のコストを消費してまで部屋いっぱいに配置したというこだわりの代物)。
ちなみに、これを初見でやられたアインズはガチ悲鳴を上げ、本気で攻撃を仕掛けてしまったらしい。
人格
しかし、そんな難儀な個性と後述する外見を除けば、彼女自身の性格は至ってまともな常識人で、茶目っ気を見せるユーモアセンスもある優しいお姉さん。
アルベドとは非常に仲が良く「可愛い方の妹」と呼んで深く愛しているが、ルベドに対しては自身やアルベドとは違った創造の経緯がある事から「可愛くない方の妹」「スピネル」と呼んで嫌っており、更に「いずれナザリックに災いをもたらす」と断言して、存在そのものを警戒・危険視している。
またカルマ値は不明ながら、人間種に対してであっても赤子に対する慈悲・愛情が極めて深い。そして同じく子供好きのペストーニャとは盟友関係にあり、ゲヘナ作戦の際に拉致した子供を処分せず見逃して欲しいとアインズに嘆願してアルベドの怒りを買い、ペストーニャ共々謹慎を命じられてしまった程。更に、後の書籍版14巻における王国侵攻の際には、再びペストーニャと共に子供を中心とした国民の助命嘆願を行っている。
ただし、彼女が愛し守る対象とする子供の年齢は0~1歳の間までで、2歳以上になった子供は「処分すべき肉塊」としか見なせなくなり容赦なく抹殺しようとしてしまうため、2歳間近になった子供はペストーニャに預ける様にしている。
接点の少ない他のNPCに対してはシビアなのか、初登場となった3巻においてはシャルティアが敵対したらしい事をアルベドから聞くと、「ならさっさと殺してしまえばいいじゃない」とバッサリ切り捨てている。
容姿
黒髪の長髪で、黒い喪服の様な衣装に身を包み、フィンガーレストが付いた散髪用に似た巨大な鋏を携えている(なお、鋏のサイズが原作では片手で持てる物だったのに対し、アニメではクロックタワーのシザーマンを彷彿とさせる程に巨大化している(右側画像参照))。
目や口元が暗闇から見える分にはアルベドに劣らない美女の雰囲気を纏っているのだが(ちなみに、プロポーションもアルベドに匹敵する)、オカルトマニアかつホラー映画好きのタブラの嗜好により、その素顔は顔の皮膚組織が欠損した筋肉組織が剥き出しのグロテスクな容貌となっている。
そのため、アインズも表情を読み取れず苦心する様子があった。
悲しき過去
この様な外見のためか、あるいは作画カロリーや尺、放送コード等の都合か、書籍版ではその役割や後述する能力もあって比較的出番が多いにも拘わらず、アニメ版や漫画版では出番がカットされてしまった(外見が「人間サイズのアレ」そのものな恐怖公やアレ自体も普通に出ているので、二グレドが出られない事もないのだろうが…)。
しかし、2022年7月から始まったアニメ四期OPの冒頭で一瞬だけ姿を見せており、その本編では第9話にて遂に登場。ペストーニャと共に、上述の子供を中心とした王国民の助命嘆願を行った(上述の『演出』は原作の流れに沿って行われていない)。
また、漫画版では王国編におけるゲヘナ作戦の際に、辛うじて名前だけが登場している(ちなみにドラマCD『ハムスケのお使い』でも、名前こそ出てこなかったが存在が仄めかされている)。
強さ
情報系魔法に特化した魔法詠唱者(マジック・キャスター)で、偵察・監視・諜報を得意とする情報戦のプロ。
判明しているだけでも、モモン(アインズ)がクレマンティーヌに攫われたンフィーレアを探す時に、ナーベが巻物(スクロール)で使用した魔法(約10種)の大半を行使できる。
詳細は不明ながら、ナザリックでも最高位に位置する高レベルNPCの一角とされており、ナザリック内に居ながら極めて広大な範囲をカバー出来る上、彼女の網に掛かった者は生物・無生物を問わず即座に発見・監視されてしまう事となる。
その一例として、シャルティアの洗脳事件では行方知れずとなったシャルティアの居場所を即座に割り出したり、ゲヘナ作戦の際は合流したナーベとプレアデス達が見付からないよう、周囲一体に監視対策を施している。
このため、階層守護者以外ではアインズに重用される『重臣の1人』と言える立場にある。
主な使用魔法(巻物で使用されたもの)
- 探知対策(カウンター・ディテクト)
位階及び詳細は不明。恐らく相手が情報収集系の魔法を使用してきた際に、何らかの妨害をするものと思われる。
- 水晶の画面(クリスタル・モニター)
位階及び詳細は不明。魔法で得た視界(《千里眼》等)を空中に浮かべた画面に映し出して、他の者にも見せる事が出来る様になるらしい。
- 千里眼(クレアボヤンス)
位階及び詳細は不明。その名の通り、遠くの景色を見る事が出来る模様。
- 偽りの情報(フェイクカバー)
位階及び詳細は不明。恐らく相手が情報収集系の魔法を使用してきた際に、偽の情報を掴ませる類いのものと思われる。
- 物体発見(ロケート・オブジェクト)
第六位階。特定物体を探査できる。
戦力
- 腐肉赤子(キャリオンベイビー)
10レベル後半の、霊体系アンデッドと思われるモンスター。部屋の中に数百体が潜んでおり、上述の『演出』に合わせ実体化する。
ナザリック内の一般的なPOPするモンスターとは違い、倒されても再配置はされない。こうしたロールプレイには拘るタブラがコストを負担し配置した。
本文中では「赤ん坊にも似た蠢く肉の塊」と表現されているが、挿絵では青白い赤ん坊の姿で描かれている。
MASS FOR THE DEAD
アニメで登場したのを皮切りに、イベントストーリー『薄霧に眠るミスリル』で登場した。
劇中ではアニメでは見れなかった『演出』や彼女の能力が披露され、更にアルベドと仲の良い様子も見られる。
また、奥義《狂気の深淵(インサニティ・フィアー)》にも『演出』の要素が色濃く出ている。
不死者のOh!
他キャラと同様のデフォルメされた姿で、比較的初期から出演。登場回数は少ないものの某ホラー映画の大御所さながらの『始球式』や『童貞を殺す服』、『ゆっくりしていってね』など、本編同様インパクトが強い外見ながらも、意外と付き合いの良い柔らかい人柄が垣間見える描かれ方で登場している。
関連タグ
可愛い方の妹。
- ルベド
可愛くない方の妹。大嫌いなスピネル。
子供好き同士の盟友。
ホラー映画かつファミコンのホラーゲーム。ボロボロの母子のフレスコ画、子を失って狂った母親、荒れ果てた洋館など共通する要素多数。そのため、これがモデルである可能性が高い。
本作の三姉妹同様、三体で一連の現象を象徴する女神。